ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第26~30話雑感

ヨヨさん、鏡の中に強制連行して難題吹っ掛ける様な危ない機能はアンインストールした方がいいと思うの…

 

さて、随分と時間が空いてしまいましたね。今回の期間は5話分。正直言うと途中で記事を上げようかとも思ったのですが、どうにも話の区切りが付けにくいというか、息抜き回というか、ソラシド市でのメンバーの掘り下げ回が続いたため、こんな形となりました。シナリオ一つ一つに切り込むと長大になりますし、全体シナリオの流れ的に最重要なお話は実際なかったと思われるので、今回はキャラクターにスポットを当てての雑感記事にしてみようかと思います。

 

ソラとましろについて

二人を同時に扱っていますが、これはこの期間中に明確なましろ回が存在していなかったからです。かと言って、彼女の存在感がなかったかと言われるとそうでもなく、どちらかというと、ソラメインのシナリオにましろが寄り添ったり、ソラに気付きを与える役目が多かったからに他なりません。

逆に第29~30話はソラメインであり、第27話もソラの弱点克服が描かれるなど、彼女の掘り下げが今期間の中心に据えられていたのは間違いありませんでした。そのテーマはズバリ、ソラの欠点の洗い直しです。

先回の記事でも書きましたが、ソラはシャララの背中を追う事を卒業し、自分なりのヒーローとしての道を本格的に歩み始めました。つまり人間的に成長する期間に差し掛かってきています。

彼女は幼少期の大部分を修行に明け暮れており、それが故に弱点の克服を後回しにしていたきらいがあった様です。第27話ではお年頃の娘なら興味を引くであろう化粧に苦戦し、第29話では武力ではどうにもならない超常現象に怯える表現が為され、第30話ではカナヅチであるにもかかわらず、今までは鍛えた身体能力で水底を歩いてやり過ごしていた(!)事まで判明しました。

そこはソラ=ハレワタール、何とか克服しようと奮闘する、というのがメインの流れになった訳ですが、個人的には第29話のぬいぐるみのエピソードはちょっと無理矢理感あったかなあ、といった感じです。というか、愛情を注ぎ込まれたぬいぐるみがひとりでにテレパシーでしゃべった挙句動き出す、というのはソラでなくてもちょっとした恐怖な訳で、むしろ割と平然としている他メンバーの方に違和感を感じました。ただ、この話のラストに持ち主であった女の子にぬいぐるみを返却する際、彼女を慮ってぬいぐるみの心情をくみ取り代弁するシーンは彼女の大きな成長を感じられてとても良かったです。ぬいぐるみと一緒にいよう、と決心した直後だっただけに少し涙を誘う、それでいて、ぬいぐるみの良さを説いたましろの言葉を思い出し、ぬいぐるみを大切にするという優しさを知ったシーンはよく練られていたとも思います。導入の無理矢理感はあったけど、ラストはしっかりしていた印象です。

他にも、第27話での化粧への苦戦もましろがプリティホリックで楽しそうにグッズを物色している過去を思い出してヒントを得ましたし、第30話では過去にスイミングスクールに通っていた事があるましろがゆったり教えてくれたことで、ランボーグとの戦闘中にコツを得て泳ぐことに成功しました。

そう言えば、ソラはこれからの戦闘で水中戦があるかもしれない事を想定して、泳ぎを習得しようとしており、ものの見方がやはり戦い重視ではあるんですね。泳げた際には顔を上げっぱなしのメチャクチャなフォームのクロールだったのも、それっぽくて(ましろは泳ぎ方そのものは教えていない)良かったです。

ましろはスイミングスクールに通ってはいたものの、何とその腕前は8級だったそうで、お世辞にも上手に泳げるわけではなさそうなのですが、緊張でがちがちになっているソラを他のメンツと一緒に遊ばせることで硬さを取り、基本的な浮き方だけを教えて、ソラの身体能力があればもう泳げるはずだと教授しました。少なくとも指導者としてはかなり優秀である事が伺えますね。

全体的にソラの克服系の話と、それを補佐するましろ(たまに立場が入れ替わる)という構図で構成されていましたが、これは序盤からの流れでもあり、この作品全体の作風となりつつありますね。

 

ツバサについて

第26話にて大きくピックアップはされましたが、やはり彼自身が大人しい性格なのでどうしても割を食っているイメージですかね。ソラはあの通り快活で目立つ性格ですし、ましろはそのソラとペア、あげはは生粋の陽キャで明るい振舞いをすることもあって、どうにも一歩沈んでいる感が拭えない。

その第26話ではましろの両親が一時帰国するという事で空港を訪れたひろプリチーム一行が、飛行機のパイロットを母に持つ翔子ちゃんという女の子とツバサが飛行機談議で盛り上がり仲良くなる、といったものなのですが、話の流れでミノトンが呼び出したランボーグが乱気流を巻き起こしてしまい、翔子の母がフライトさせる飛行機が出発できなくなったため、対処&奮闘する、というものなのですが、翔子との飛行機談義での内容がきっかけとなってキュアウィングが次々と対処法を指示して勝利を掴む、という内容でした。

悪くはないんですが、普段のブレイン役の比重がミックスパレットの毎回使用と相まってキュアバタフライ=あげはに傾いているため、彼は自身の得意分野で活路を開くという一定の環境での活躍がメインになってしまっているため、普段の大人しめの性格も手伝って、上でも書いた様に少し沈んだ存在になってしまっているのが惜しいかな、と思います。

飛行機談議に見るオタク気質や、第30話でドヤ顔でソラに泳ぎ方を教えようとするものの、鳥形態での泳ぎ方で全然参考にならなかったり、お茶目な部分もあるので、もう少しこういう面をクローズアップしてあげはにツッコませる等するとキャラとして立ってくるかなあ、と感じました。

 

あげはについて

第28話にて、上に二人姉がいる事が発覚。しかも、二人ともにモデル界では相当な有名人であり、姉妹仲も良好である、という事が描写されました。

さて、この姉二人、姓が早乙女であり(早乙女まりあ・早乙女かぐや)、家庭の事情により、離れ離れになった様です。作中で詳しく語られてはいませんでしたが、両親の離婚が原因の様ですね。父親に姉が、母親にあげはが引き取られている様な表現があったため、聖は母親の旧姓であると考えられます。

だからと言って姉妹仲が悪いという事はなくむしろかなり良好な様で、久々に出会うなりハイタッチを交わすという…うーん陽キャはまぶしいZE! というか感じなのですが、この事情はましろも知らなかったらしく、そこも含めて考慮すると、なぜ彼女が保育士を目指すのか、そして、姉と別れた後にましろとも別れる事態になった後に家出までしてぐずったのかは、一本の線としてつながった気がします。いずれも幼少時の寂しさに起因しているのではないか、と推察できますよね。

実際、第28話で早乙女姉妹メインのファッションショーに乱入してきたミノトンがそれにプリキュアメンバーであるエルちゃんやあげは参加していた事もあって「ちゃらちゃら笑って軟弱である」と糾弾してきた際には真っ向から「いつも笑顔でいられるわけではない、生きている上で辛い事や悲しい事だってあるが、だからこそ一時の笑顔には価値がある」と反論しています。

他メンバーより一歩大人である、という立ち位置故にしっかりバックボーンが練られていますし、それがシナリオ上にきちんと乗っかっているのは凄い好印象です。

戦闘面に関して言うと、やはりミックスパレットでのバフ撒きがある事もあって、一番戦術に長けているキャラクターという印象を与えます。キュアプリズムもやっていましたが第30話では固有必殺技を足場にして(プリズムはプリズムショット、バタフライはバタフライシールド)海上を渡り歩いたり、頭が回るイメージです。これはバタフライシールドが可変型且つ複数枚張れる特性を良く活かしていました。

更に、タイタニックレインボーアタックでの浄化を担う事もあり、八面六臂の活躍をしていますね。ミックスパレットの赤+白=元気の力の出番が最近は大目でちょっとワンパターン化してきたかな? でもこれってゲーム的にはバイキルトみたいな能力なので、確かに一番使い勝手いいんだよな( ´艸`)

 

エルちゃんについて

若干我儘気質な部分はありますが、情操教育も徐々に進んでおり、第27話では誤ってミラーパッドを変に弄ってしまった事を謝ったり、第28話では多人数の視線に怯えたり、どんどん感情が豊かになっていますね。

あと、これはエルちゃんとの直接的な事ではないんですが、保育士を目指しているあげはにとっては彼女の存在は最高の学びの環境でもあるんですよね。第28話でのエルちゃんのあやし方&ごまかしも含めてのファッションショー参戦なんかも、咄嗟の応用力を学んだ訳で、あげはがいる事で上手に機能している感があります。

そう言えば、キュアバタフライ参戦により、エルちゃんの護り手がいなくなってしまう懸念について、現在交戦中のミノトンが赤ん坊に手を出す様な卑怯な振る舞いを嫌う事もあって現状セーフ状態なのも、上手い流れですかね。尤も、次回はそのエルちゃんがさらわれてしまう様なので、いよいよ次回から深く切り込まれそうなキャラっぽいですね。

 

ミノトンについて

この期間中も一般人に対して巻き添えを食らいたくなければ逃げろと逃亡を促したり、武人らしく好感が持てる場面もあったのですが、反面、空港を訪れていたひろプリチームに「自分に恐れをなして逃亡しようとしている」、ファッションショーや海水浴に付随する遊びを「軟弱、修行以外の遊びは不要」などと聞く耳持たずに持論を展開するため、敵としてのネガティブ要素として人の話を聞かず、視野狭窄、というのが据えられているっぽいですね。

結局のところ、カバトンやバッタモンダー共通の「自分が正しい、そこに他人の意思が入る余地はない」という根本は健在ですね。

今後で気になるのは、彼が武人の本質を「あくまでも自分の信念」なのか「主に仕える事こそが本懐」なのか、どちらとで捉えているのか、ですかね。次回予告でエルちゃんが連れ去られるという内容が提示されていますが、もしこれが敵の首魁の仕業だった場合、ミノトンがどういう行動を取るのかは、だいぶ変わってきてしまいますよね。特に後者だった場合、今までとは打って変わって卑怯な手段を平気で取る可能性も否定できません。特に彼の様に良くも悪くも頭が固いタイプでは。

勿論どちらの性質も兼ね備えていて、葛藤に苦しむ可能性もありますし、今後の「武人」設定がどう活かされてくるのかで、評価はかなり分かれそうなキャラクターかな、とは思い始めました。

 

さて、次回は上でも書いた様に、新たな敵? とエルちゃんが拉致される様です。中盤山場に突入ぽいですね。

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

ブラックさん…記念すべき「20周年」を「ありえな~い」とか言っちゃダメでしょ!( ´艸`)

 

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第24~25話雑感

お、おい…ス●エニに怒られても知らんぞ!?

 

さて、今期間は後半に向けて新たな設定暴露と新幹部登場がメインとなりました。逆から言うと、個別シナリオ、という感じではなかったですね。前半部もある程度総括した内容となっており、仕切り直しと言うか、シナリオが新たな一歩に踏み込んで動いた、という感じです。

 

話の流れとしては前回のバッタモンダー撃退でキラキラポーションが完成、シャララも復調し、とうとうスカイランドへ凱旋したひろプリチーム。

王と王女が無事目を醒まし、プリンセスエルを救助した救国の英雄として、ひろプリチームを中心としたパレードが催される事になります。

パレードに使うチョコボ鳥の騎乗にましろが四苦八苦しながらも、穏やかな日々を過ごす彼女らに王と王女から呼び出しがかかります。

王と王女はなんと、エルを引き続きプリキュア達に養育してほしい旨を伝え、エルの素性について語り始めます。事情を知ったひろプリチームはエルちゃんを引き続きソラシド市で守りながら育てる事を決意。

パレード当日。不吉な天候をプリキュアの能力で吹き飛ばし、凱旋は無事執り行われます。プリキュア達の先導を務めたシャララはソラに向かって、これからは私の背中ではなく、自身のヒーローの道を歩め、と最後の教えを託し、スカイランドの守りは任せてほしいと伝えました。空にはミックスパレットで作ったエルちゃんの顔の飛行機雲。スカイランドにつかの間の平和が訪れたのでした(第24話)。

ソラシド市に戻ってからというもの、あげはを除く三人はエルちゃんとの触れ合い方にお悩みモード。そんな折、彼女たちはエルちゃんを連れて動物園に出かけます。

様々な動物と触れ合ってご機嫌なエルちゃん。その過程で、エルちゃんは動物と会話ができるのでは? というお話になり、不思議な力を持っている彼女にまたまたお悩みモードに。あげははエルちゃんが例え「運命の子」であっても、我々がやる事は変わりないのでは? と諭すのですが…

昼食を終え、動物との触れ合いを再開するひろプリチームでしたが、急に園内の動物が怯え始め、何事かと動物園の入り口に向かった彼女らはそこで牛の頭を持つアンダーグ帝国幹部・ミノトンと遭遇する…というものです。

 

運命の子、プリンセス・エル

さて、新たな情報がぶち込まれました。

エルちゃんは実は王と王妃の実子ではなく、星から与えられた(「一番星」と呼称されていた。以下、これで統一)運命の子であったというものです。

一番星曰く、エルはいずれ訪れるであろうスカイランドの滅亡を回避するための存在で、彼女の一時的な親になってほしい、と王と王妃に一方的に頼んできます。そして、別れの時は意外と早く訪れる事、拒否するならば別の適合者を探すとも。

王と王妃は悩みますが一番星の要請を受け入れ、自分たちの子として育てていたのですが、アンダーグ帝国の襲来とプリキュア達の出現により、別れの時は今なのだと悟り、彼女たちにエルちゃんを託す決断をしました。

なんか…こう、なかなかクるものがありますよね。一番星の思惑がどの程度のものなのかは分かりませんが、なかなか手前勝手な…とは思いました。もし戦いが終わって平和が戻った暁にはエルちゃんには王と王妃の元に戻ってほしいかなあ。実子であるないに関わらず、こういう事情である以上、彼らがエルちゃんの親だと思うので…実際、エルちゃんもとても懐いていたわけですしね。一番星の元に還る、とかマジやめてよ、ツラすぎるから…(´;ω;`)

当然、アンダーグ帝国が狙うのも、運命の子の不思議な力故なのでしょうし、こう言ってはなんですが、あの凡庸な王と王妃から、何故アンダーグ帝国が力をつけ狙う様な子供が生まれたのかは不思議でしたが、今回の暴露で納得は出来ました。

更に少しメタい部分にも突っ込むと、エルちゃんが超常的な存在と判明した以上、追加戦士の第一候補足り得ますよね。そういう存在が急成長して、というパターンは過去作にも幾人かいた訳ですし、彼女のパーソナルカラーも他のメンバーと被りのない紫色です。

第25話では今までのプリキュア達の教育が活かされた場面があり(ランボーグに襲われそうになった兎を助ける=ソラのかつての行動、兎を怖がっている子供と一緒に餌を与えるように促す=ましろの絵本による成長)、すくすくと育っていますし、プリキュアメンバーの愛情を受けて急激に成長する可能性がありますよね。

 

新幹部・ミノトン登場

そして、第25話にて、三人目の幹部・ミノトンが登場しました。正々堂々とした武人というタイプですが、武人タイプは過去作には幾人かいれど、兎を庇おうとしたエルちゃんを称賛し、更にそれを守ろうとしたプリキュア達の前に立っていったんランボーグを退けて仕切り直しをする、エルちゃんの捕獲についても、まずはプリキュア達との勝負の後からでいい、と考えているなど、かなり骨があるタイプと見ました。

なんか、色んな意味でバッタモンダーとは真逆なタイプっぽいですね。

個人的には中々好感度が高いキャラではあるのですが、プリキュアシリーズの性質上仕方ないのですが、この手の幹部は、なら自分で戦えよ、と思ってしまいますし、かと言って本人が戦って連敗を続ければ格が落ちるしで、なかなか難しい側面がありますよね。そう考えると、自分で戦う&カード武装で敗北してもカードだけが砕けるというプリアラのエリシオの演出は今考えるとなかなか良かったのかも。

あと少し思うのは、幹部も三人目が出張った事ですし、そろそろカバトンやバッタモンダーも含めた幹部同士のやり取りも見てみたい気もします。カバトンはソラシド市のどこかで働いているはずですし、バッタモンダーも行方不明で、かと言っておめおめアンダーグ帝国に戻っているとは考えにくいので、ソラシド市に潜伏している可能性があります。

カバトンについてはミノトンから言及がされましたが、けちょんけちょんに言われていましたけどね( ´艸`)

実際、ここまでタイプが違う幹部が出揃うと、寸劇の一つや二つは見てみたいですし、その方がアンダーグ帝国の事情も見えてくるような気がするので。尤も、ミノトンとバッタモンダーは反りが合わなさそうですし、カバトンとバッタモンダーもお互いいい感情は抱いてなさそう。…なんか喧嘩になって終わりそうではありますね(笑)。

 

次回は飛行機絡みのお話という事もあって、ツバサがメインのエピソードですかね? 今の段階でツバサが一番目立っていないキャラだとは思うので、少しテコ入れが欲しいかな…

というか、予告で出てきた飛行機、もろピーチエアラインなんですが、コラボでもしてるんかいな? と思って調べてみたら

www.flypeach.com

こんなんあったんですね。自分は飛行機恐怖症なので全然知らんかった…しかし、LCCやっすいなー。有効利用したいけど…でもコワヒ

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

以前住んでた町の近くの交通公園にミニ動物園があって、かなり近くでカピバラが見れるコーナーがあったんだけど…正直、結構な迫力よ、アレ。物怖じしないエルちゃんスゲーな。

 

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【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第23話「砕けた夢と、よみがえる力」感想

EDの後に入った映画のCM、楽しそうで困る( ´艸`)しかもキュアエコー以来の映画新規プリキュア出るのか。ちょっと楽しみではあるけど、映画館におっさん紛れ込むのはなかなか勇気がいるのよな…でもましろとローラの絡みとか見たいし…見たくない?

 

さて、今回はシャララボーグ解決編となりました。

まずは、話全体の流れとしては不幸な方向には行きませんでしたが、正直、ちょっとご都合が過ぎるかなあ…というのが率直な感想ですかね。前回、筆者が問題視したバッタモンダーの処遇についてはまだ完全決着していないので、現段階では注視の段階です。

 

話の流れとしては、突如書置きを残してソラシド市を去ったソラ。彼女は実家へと帰り事の顛末を家族に語ります。ソラと同じく、ヒーローに憧れる弟レッドは納得いっていない様子だったものの、母親は彼女を見守る事を、父親は彼女の意思を尊重する事になります。

虹ヶ丘邸ではせめてソラともう一度話し合いたい、とツバサとあげはがスカイランドへ。しかし、ワープゲートを使ってハレワタール家を訪れた彼らはソラの母・レミから今はそっとしておいてほしい、彼女の事を信じてほしいと頼まれいったん引き返すことになります。

一方、ソラの心を折ってご満悦のバッタモンダーは、それに飽き足らず、仲間を傷つければ更に彼女は傷つくはずだ、と街中でシャララボーグを暴れさせ…というものです。

 

やはりご都合に走ってしまったか…

まずは結果から言うと、シャララは無事蘇生する事が出来ました。それも、何か画期的な方法で、と言う訳ではなく、浄化した直後に、ミックスパレットの癒しの力で回復、という、前回であげはが提案した方法で助かってしまうという…

理には適っています。でも、この程度の解決方法で前回あそこまでソラの絶望感を煽っていたとするならば、バッタモンダーが馬鹿みたいですし、重い話のはずだったシナリオが拍子抜け甚だしい。そもそも、シャララは“瀕死の重傷”だったはずですし。

あげはの立案がそれだけ素晴らしかった、とも解釈できますし、ミックスパレットがチート級アイテムだとも言えますが、これ、少し嫌な言い方すると、以降はキュアバタフライを徹底的にガードして他三人はゾンビアタックするという手段も使えてしまいますよね…

まあ、それは余禄にしても、シャララを不可逆な状態である、と演出してからのあっさり回復、というのは正直度し難い。別にシャララに死んでほしかった訳ではないですが、彼女が最早助からない、という前提でもシナリオは組めたはずです。

憎しみで敵を倒してはいけない、人の死が関わる様なあまりにハードな表現は憚られる、プリキュアシリーズ(特に近作)の限界が垣間見えてしまった気がしてならないのです、今回の一連のシナリオは。

勿論、今回のシナリオの中心は、今話でソラ自身が家族に吐露していましたが、シャララ隊長の状況よりも、他のプリキュアメンバーが出してくれた対案を拒否してしまった=シャララの死への恐怖のあまり皆を信じる事が出来なくなった(だからこそ、あげはの案は実際は機能した、という演出だったのだろう)=自身の弱い心はヒーローのものではない、という点だったのでしょうが、その重さも、シャララの死が不可逆で避けられない、打開策が(一見ではあったが)見当たらないという絶望があってこそ機能していたわけで、蓋を開けてみれば浄化+回復のコンボであっさり解決では感慨も何もない。

そもそも、シャララボーグへの対処にソラを除く三人が向かう際、まずは浄化する方向で、と打ち合わせをしていましたが、それだと、何故ソラがあそこまで浄化+回復案に拒否反応を示していたのか、をまるで慮っていない事になってしまう。当然、ソラからしてみれば、万が一があったからでしょう。

せめて、浄化+回復案が確実に決まる確証を得た描写がどこかに挟まっていたりすれば印象も変わっていたのですが、あれでは、シャララに対しソラほどの関連性がない三人が一か八かの賭けに出たように見えてならないんです。彼女の承諾も得ずに。それならそれで構いませんが、ひろプリチームってそんなにドライな関係性ではなかったはずですよね。

まあ、これも、最後は立ち直ったソラ=キュアスカイが参戦した際に、浄化+回復案を最後に承認する=彼女がみんなを信用する、という演出にしたかったのは分かるのですがね。

なんか、話に無理矢理整合性を持たせようとして、空回りしちゃってない? というのが一通りの感想になってしまいました。

 

ましろのメッセージ

これは良かったですね。シャララボーグの対処に当たるに際して、ましろはヨヨさんに頼んでソラへ一通の手紙を預けます。

その内容は、彼女の奮起を促すものではなく、休みたくなったのなら休めばいいし、その間の事は私たちに任せてのんびりすればいい。そして、自分はヒーローになれなかった、などと言わないでくれ、貴方は私にとってとっくにヒーローなのだ、というものでした。

この手紙を読んで、ソラは落涙。自分はヒーローと呼ぶには程遠いのだろう、しかし、自分をヒーローとして求めている人間がいるのならば「立ち止まる」べきではない、と決心。それと同時にペンが復活し彼女たちへの救援に向かうべくソラシド市へと向かう事になりました。

これは第5話でのソラがましろに傷ついて欲しくない故にプリキュアとして戦う事に難色を示していた事にも引っかけていましたし、何より、第2話でましろ自身がキュアスカイを「私にとってのヒーロー」と言っているのですよね。

前回の感想で筆者はソラはヒーローを目指していたわけではなく、シャララを目指していた、と書きました。

今回の父親との回想シーンで、彼女が幼少期からヒーローを目指していた事が判明しましたが、それがシャララとの出会いの前後で少し意味合いが変わってくるかなあ、とは思いました。前ならヒーローへの憧憬がシャララという具体的な目標になったのでしょうし、後ならシャララへの憧れがヒーロー像として焼き付いたのでしょう。

そう、彼女は確かにシャララを追いかけてはいたのでしょうが、その過程で少なくともましろにとってのヒーローにはなれていたのですよね。

それだけ、シャララは後姿だけでヒーローに導くだけの素晴らしい人物だった訳ですが、それはきっちりソラにも引き継がれている。

ソラはシャララを目指していたけれど、同時にヒーローとしての素質も花開かせていた。その証拠に、彼女は「自分はまだヒーローと呼ばれる存在ではない」けれど、と更なる邁進を誓う様な言葉を紡いでいます。前回の記事でも書いた様に、彼女のヒーローへの旅はこれからです。そして、その道標はシャララがつけてくれ、立ちはだかった壁をましろが壊してくれた。

ましろの優しさは本当に強さですね。優しい心が他人の心を安らがせ、鼓舞し、未来を切り開く強さをも与える。戦闘能力では推し量れない強さ。それが分からないからこそ、カバトンは彼女を中途半端呼ばわりしたし、バッタモンダーは勝てると確信してシャララボーグを暴れさせてキュアプリズム達をおびき寄せる様な行為に及んだ。

流石に怒りを戦闘でぶつける様な真似こそしませんでしたが、キュアスカイが復活し、シャララの奪還・回復にも成功されて完全に目論見が外れたバッタモンダーが何かを仕掛けようとした際に「そこから一歩でも動いたら許さないぞ」と睨みつけていたところを見ると、やはり彼女も腹に据えかねてはいたんですよね…実際、ソラの気持ちを一番汲めていたのは、手紙の内容の事もそうですし、スカイランド行きを唯一拒んだ、彼女でもある訳ですし、ね。

 

そして、バッタモンダー

まだ、決着と言う訳ではないので筆者の答えは保留にしますが、とうとう万策尽きた彼が強がって今とどめを刺さなければまた同じことをするぞ、とキュアスカイを焚きつけた際に、最早敵として眼中にない、という態度を取られたのは、彼からしてみれば最大限の屈辱かなあ、とは思います。

確かに、あそこでバッタモンダーの言葉に乗って手を出してしまえば、どういう形であれ暴力に訴えたとも言えるわけで、それはそれで彼女らの魂を穢す、というバッタモンダーの思惑通りだったのかもしれませんし。

でも、あれでバッタモンダーが折れたり再起不能になったりしたかと言えば、それはそれで分かりません。だいぶ堪えた様子は見せてはいましたが。そうだというのなら、プリキュアとしては模範的な回答だったとは思いますが、彼がシャララとソラにやった事を考えると釈然とはしません。

ただ、ここまでで彼はスカイ、プリズム、バタフライに「許さない」と凄まれ、スカイ、バタフライからは「いくらでもかかってこい」宣言を食らい、更にバタフライからは「弱い犬」扱いまでされています。あれ? ウィングとは直接的には絡んでいないんですね。最後にウィングと絡んだ上で彼にも凄まれてから退場かな? こりゃ?

どちらにせよ、彼に関してはもう一波乱あるかと思われるので、どういう結末を迎えるか、注目してみましょう。

 

次回はいよいよエルちゃんの秘密に断片に触れるみたいですね。王と王女も復活するようですし、何故、彼女の力を狙う勢力がいるのか、ヒントが提示されるかもしれません。2クール目終了という事もあり、大きく話が動く前兆かもしれませんね。

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

しかし、ソラ弟の名前、全体的に青系で固まっていそうな家系なのに、何故レッド? と思っていたら、母親がレミで父親がシドだと分かって、ああ、そうきたか、と思ってしまった。なーるほーどねー( ̄▽ ̄;)

 

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【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第22話「バッタモンダー 最後の秘策!」感想

うむ。安売りのリサーチは重要よな。感心感心。

 

ふうううううう…正直、ちょっと言葉に詰まっています。

これまた、大きな転換点を迎えてしまいましたね、ひろプリは。え? わりかししょっちゅうそんなこと言っていないか? ですって?

しかし、今回ばかりは、今までのシリーズとは事情が違う気がします。というのも、第22話にして、この作品の評価そのものを決定付けかねないシナリオをぶち込んできたからです。

今話はソラがメインのお話で、正直言えば来週の放映を待って原稿を書いた方が良いであろう、完全な二話以上の構成です。しかし、今回はあまりにも大きすぎるポイントがあったので単独感想記事とさせていただくことになりました。

 

話の流れとしては、定期連絡でスカイランドと通信していたひろプリチーム。そんな彼女らに国の方々でシャララの目撃情報があった事がベリィベリーによってもたらされます。

色めき立つソラ達。あげはは不確定な情報過ぎると若干の警鐘を鳴らすものの、ソラは心の底から安堵。書いたことは必ず実行する、と誓いを立てているメモ帳に風船型ランボーグ襲撃時の際にシャララが残してくれたメッセージを書き写して、新たなる一歩を踏み出そうとします。

後日、買い出しに出ていたソラ達でしたが、そこでソラはシャララ隊長の姿を目撃。他のメンバーを尻目にその後姿を追いかけます。長い距離を移動し、人目のない広場でようやく追いつけたものの、そのシャララはやはりと言うべきか、偽物。バッタモンダーが作り上げた幻影に過ぎませんでした。

流石に激昂するソラ。しかし、なぜこんな真似をするのか、と怒り心頭で問いかけるソラにバッタモンダーは「優しくて強い僕にどす黒い感情を植え付けたから」と身勝手極まりない言い草でランボーグをけしかけます。すぐさま変身し対応するソラ=キュアスカイでしたが、戦いが一段落したところで、バッタモンダーは奥の手を披露。なんと、そのランボーグはシャララ隊長自身が核になったものでした。

手が出せなくなり守勢一方になったキュアスカイでしたが、他のメンバーが遅れて到着、タイタニックレインボーアタックで浄化してシャララの救出を試みようとするのですが、余裕の態度を崩さないバッタモンダーにキュアプリズムとエルちゃんが不審を抱き制止。それを見て残念がるバッタモンダー。

スカイランド襲撃に失敗したあの日。キュアスカイに凄まれ撤退した先に、偶然吹き飛ばされて失血死寸前だったシャララを発見したバッタモンダーは、なんと失われつつある血液の代わりにアンダーグエナジーを注入、彼女をランボーグとして生き永らえさせ、復讐のための切り札にしていた、と言うのです。

血液の代わりにアンダーグエナジーで生き永らえている、という事は、浄化技で浄化してしまえば、アンダーグエナジーが消滅する=彼女の死が確定してしまう。

そして、憎きキュアスカイ自らの手で尊敬するシャララを討たせようという残忍な計画を立てた訳ですが、その目論見自体は外されたものの、どちらにせよ切り札はバッタモンダー側。しかし、今までの無機物とは違い、生身の人間を使用したシャララランボーグ(便宜的に以降シャララボーグで統一)は安定性に欠け、この場は納まりますが、シャララを倒すか倒されるか好きな方を選べ、とバッタモンダーは余裕綽々で撤退。

残され呆然とするソラ達。最善策を考えよう、となんとかソラを慰めようとする他メンバーですが、シャララの大事とあって冷静でいられないソラはそのすべてを拒否。絶望に打ちひしがれた彼女の手に握られたスカイミラージュペンが消失し、スカイトーンも色を失い石化、という場面で幕となりました。

 

吐き気を催す邪悪! をどう処断するのか

あー、まず最初に筆者のお気持ちから表明しておきますね。

もし、これでひろプリチームがバッタモンダーをぶっ殺す事*1が出来ず(若しくは、それに匹敵する何かを与えるか)、剰え彼を許すような展開になったら今作は90%駄作評価にします。残り10%は目を見張るような解決策があるかもしれないから残した数値に過ぎません。

それはプリキュアには相応しくないだろう? 確かにそうですね。つまり、バッタモンダーはプリキュアには相応しくない、完全に度を越した悪役になってしまった、と筆者は考えています。

今までも人の心を踏み躙る最悪クラスの悪役は数々登場しています。直近…というよりは、この傾向は最近の作品の方がむしろ強く、プリアラのエリシオ、ヒープリのダルイゼン、デパプリのフェンネル、また一時的にですが記憶除去装置を利用した際のトロプリの三幹部などが記憶に新しいですが、エリシオはその生い立ちからしプリキュア達を陥れるのに固執していたに過ぎませんし、そもそもプリキュア以外のメンバーの少なくとも命まで利用はしていません。ダルイゼンも追い詰められた際の身勝手さが今までの行いにフィードバックされただけですし、標的はあくまでものどかの身辺のみ、フェンネルも質こそ悪かったものの自分に従えば命の保証はしてくれています。

しかし、このバッタモンダークソ野郎人の命を弄んだばかりか、復讐相手であるソラの尊厳を踏み躙り、心に一生残る傷を故意に残すように仕向けた。シャララを盾にしてキュアスカイを打ち倒し、エルちゃん奪還への足掛かりにしさえすればよいものを。その理由が自分のちっぽけな自尊心が傷付けられたから、という傲岸不遜なものである上に、本人はキュアスカイやキュアバタフライ、果てはエルちゃんにまでビビり散らかすどうしようもない小物の癖に。心を傷つけた、という点でキュアスカイも同じだろう? と言うのであれば、彼女は少なくとも何かを盾にしてはいないし、命を弄んでもいないし、悪意で傷つけようとすらしていない。

まあ、悪役としては申し分ありませんよね。実際、敵対関係な訳ですし、相手を慮る必要性などバッタモンダー側にはない。*2

しかし、ここまでやった以上、バッタモンダーはそれ相応の報いを受けない限り、やはり納得はしにくい。プリキュアピカレスクではないし、ニヒリズムを掲げている訳でもない。新しい試みはあるべきでしょうが、本質はあくまでも「善」性であり、そこを外してしまえば、それはプリキュアではなくなってしまう。

さて、ひろプリチームはどの様な選択をするのでしょう。メタ発言をするならば、四人同時の合体技や、場合によっては追加戦士の登場により、浄化+回復がシャララに施されるというものが考えられます。特に今話で登場したのですが、ミックスパレットには黄色:癒しの力=回復能力がある事が判明しています。この辺りを応用するのか。

しかし、それでシャララが結果的に無事で済んだ場合、めでたしめでたし、としてしまうのか。確かにシャララはバッタモンダーに発見された際に瀕死状態ではありましたが、同時にこのままでは死んでしまうだろうとも明言されています。そこを適切な処置ではなく、アンダーグエナジーの輸血という処置をされてしまっている以上、現段階では生きた屍に等しい。

死は不可逆なんですよ。この大原則を破ってしまうと、話としてはどっちらけ甚だしい。ザオリクやアレイズやカドルトがある世界観じゃないんですから。

このバッタモンダーの行いを許容せず完全断罪まで踏み込んでしまうと、それは単なる復讐劇と化してしまう危険性があるし、逆に許容してしまうと、人の死を利用してまでプライドに固執した外道を見逃すことにつながる。復讐劇大いに結構、という考え方もありますが、それをプリキュアでやっちゃうの? となってしまう。このバッタモンダーの非道はプリキュアというプラットフォームではあまりに敷居が高いんです。実際、ヒープリのダルイゼン断罪は大きな賛否両論があったようですし。…まあ、まずはキュアスカイ復活が先決ですがね。

おまえはそこでかわいてゆけ

みたいな結末が一番しっくりくる終わり方かなあ、とは思いますが、良くも悪くもプリキュアでそこまで思い切れるか、という不安があります。

ご都合主義でハッピーエンドにするのか、シャララと涙を飲んで別れを果たすのか。上でも書いた様にこの作品を決定付ける重要な分岐点かな、と思っています。どういう結末であれ後者が出来れば大したものだと思いますが…果たして!?

 

ソラの思い違い

少々厳しい物言いですかね。ただ、筆者はこの回でソラはとんでもない考え違いをしていたんだな、と感じました。

彼女はヒーローになりたかったんじゃない。

シャララになりたかったんだ、と。

我ながら酷い言い草だと思います。

でもだからこそ、シャララが行方不明状態だと彼女の最後の言葉をメモに書くことを躊躇していたし、シャララが生きているかも、という希望が出てくれば誓いの言葉を記すメモ帳に彼女の言葉を書き写す。そして、シャララがこのままだと助からない、という事実が分かった瞬間崩れ落ちた。

そして、そのこと自体をソラ自身が気が付いていなかった。故にシャララという彼女にとっての絶対的な存在が消滅する危機に直面し、彼女のアイデンティティは崩壊してしまったのです。

ここで考えなくてはならないのは、シャララがソラに「ヒーローになれ(出番だ、立ち止まるな)」と言っているのは、ヒーローとしての規範そのものを指しているのであって、決してシャララ個人を指しているのではない、と言うこと。

シャララは間違いなくソラを買っていました。前の記事でも書きましたが、後継者として考えていたのでしょう。だからこそ、ベリィベリーの怪我の件や、地方視察を通じて様々な事を彼女に教えようとしていた。その最後の言葉こそが、風船ランボーグに立ち向かう際に残した最後のメッセージ「立ち止まるな」だったはずです。

残酷な話ですが、シャララはもう助からないのかもしれません。

でも、例えシャララが死しても彼女の教えは残るのです。彼女が導いてくれた「ヒーロー」への道は残るのです。

今のソラの姿をシャララが見たら、彼女はその頬を叩いてこう言ってくれるはずです。

「立ち止まるな、ヒーローガール」

と。

そこまでソラが気が付いて、この状況にどういう答えを出すのか…ですかね。予告を見た感じではヨヨさんが助言をしてくれる可能性があるので、見守りましょう。

 

その他の動向について

まずはバッタモンダーですかね。

まあ、やってくれましたね。個人的にここまで殺意が沸いた幹部は初めてかも。とにかく癪に障るのが「自分は絶対に正しい」と思い込んでいる事。ソラを憎んだ理由が「本来優しくて強い自分にどす黒い感情を植え付けたから」というものなのですが、なんてことはない、キュアスカイのあまりの剣幕にビビり散らかして逃げただけの弱虫の分際で、完全に自身を「優しくて強い」などと嘯いて正当化している。おまけにやっていること自体が人を弄んだ挙句、安全地帯から腐った殴り棒を用いていたぶるという、自己評価からかけ離れた残忍な行為ばかり。

悪いけど、小物なら小物らしくさっさと滅んでくれ、ここまで行くと貴様の事情など知ったこっちゃない、という感じです。

あと、欠点があるにしろ、アンダーグエナジーを生物に注入できる事が正式に判明しました。まあ、正確にはカバトンが自身に施した先例はあるのですが。これは敵側が今後も人間を盾として使用できることを意味し、バッタモンダーが出張り続けたり、彼並みの非道が主人公たちを追い込む際に使える手段となり得ます。ただ、現状、アンダーグエナジーを生物に使用する事に大きなメリットはないみたいですね。カバトンは自身の力に上乗せ、という使用法でしたが。

味方サイドだと、やはり気になるのはましろ

正直、ソラのあの姿を見てどう思うのでしょう…あれだけ親しかった彼女が絶望する姿は痛々しくて見ていられないはず。まして、ましろは他人の痛みを自分の痛みとして感じるような優しい子です。

次回はキュアスカイを除いた三人がバッタモンダー&シャララボーグと対峙するみたいですが…ちょっと、キュアプリズムの奮闘に期待したいです。ああいう優しい子は本当に怒らせると手が付けられない気がするので。そして、それだけの行いをバッタモンダーはしてしまったはずなので。

あげははてっきりバッタモンダーと因縁の関係になるのかなあ、と思ったのですが、彼がソラに対してのみ異様なヘイトを向けていたのはむしろ意外でした。先回はキュアバタフライの啖呵にもビビり散らかしていたんですがね。当然、この先、そのヘイトがあげはに向かう可能性もありますから油断は禁物ですが。尤も、どういう結末になるにせよ、バッタモンダーはそろそろ退場の様な気はします。

そして、ちょっと希望的観測として、次回是非出てきてほしいのがカバトン。元アンダーグ帝国幹部にして、今は改心してソラシド市で再出発しているはずです。そして、ソラの強さを良く知っているキャラクターでもあります。

個人的には、彼が絡んでソラ復活の兆しになってくれると激熱なんだがなあ、と思ったりしています。また、彼はアンダーグエナジーを生物に注入(本人)した初の経験者でもあります。ひょっとしたら、シャララの件の打開策を知っているかもしれません。

 

色々書きましたが、次回に大いに期待しましょう。果たして、ソラが、そしてスタッフがどのような結論を出すのか。個人的には予想を大きく覆してほしい事案でもあるので。

ソラは書いたことは必ず実行するというメモ帳に、シャララ隊長の「立ち止まるな、ヒーローガール」を書き込みました。これは誓いです。最早、彼女は立ち止まれない。隊長を助けるにしろ、彼女の意思を継ぐにしろ。

今話の最後でソラは「私はヒーローにはなれなかった」と嘆いています。それはそうでしょう。上でも書いた様に、ソラはそれを目指していたわけではなかった。でも、目指していたシャララ隊長に「立ち止まるな」とヒーローへの道程を託された。今こそ、彼女の本当のヒーローへの旅が始まるのだから。

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

ものすごい重い話をやっているのに、中間新アイキャッチがめちゃくちゃほのぼの系だったの、地味にじわっているんですけどッ!( ´艸`)

 

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*1:あえて伏字は使わんよ

*2:しかし、一部の薄い本界隈では小躍りされそうなシナリオだったよな、今話は…

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第19~21話雑感

(下民めが…余を誰と心得ておるのじゃ…)

とかだったらやーよね、このシーン(^_^;)

 

さて、この期間はソラ以外の三人の掘り下げ期間となりました。大きな動きとしては新アイテム・ミックスパレットの登場がありましたが、キラキラエナジー回収も順調で着々とシナリオが進みつつありますね。

 

ミックスパレットについて

第19話にて登場した新アイテム。行きがかり上、ランボーグと二人で戦わざるを得なくなったキュアウィングとキュアバタフライが、エルちゃんから新たなスカイトーンを付与され、アップドラフトシャイニングを発動させようとした際に発現しました。

アップドラフトシャイニングが違う形を伴ったのも面白いですが、このアイテム自体が「明確にバフを撒く機能」に特化しているのは新しいですね。

羽を模したパレット状をしており、赤青黄白という4つのボタンが配されています。そのボタンの押し方の組み合わせにより様々な効果をプリキュアに付与します。現段階で分かっているのは

  • :元気の力。対象に剛力を与える
  • 黄色:守りの力。第20話では相手の特殊攻撃(すべての動きを強制ストップさせる)を無効化。
  • :温度の力。凍結能力っぽく使用。敵の動きを封じたり、空中に冷気を散布する。温度上昇も出来る? 
  • :キュアウィングとキュアバタフライでの合体浄化技「プリキュアタイタニックレインボーアタック」を発動させる。

頭脳派のキュアバタフライが使用する事で、更に戦略の度合いが増す素晴らしいアイテムですね。全色での合体浄化技が二人で発動できる、というのも大きい。更にまだ見せていない二色はおろか、三色混成もあるかもしれないとなると、とんでもないチートアイテムな気もします。

合体技・プリキュアタイタニックレインボーアタックはキュアウィングがフェニックスのようになりキュアバタフライが頭上に鎮座、敵に体当たりをした後、フェニックスが突如、虹色の巨大なプニバードに変化して相手を押し潰して浄化する、というもの。

見た目が派手でカッコいいのですが、締めのプニバードの台無し感がかえって楽しい。この最後の演出は当のキュアウィングも不満を漏らしているのがいいですね( ´艸`)。しかもよく見るとこれ、ひろがるウイングアタック(フェニックスでの飛翔から体当たり)とひろがるバタフライプレス(押し潰し)の混成技っぽいんですよね。こういう所もなかなか凝っています。

一つ気になる点としては、このミックスパレットがキュアバタフライ以外に使えるか否か、でしょうか。実際、このアイテム出現以降、バッタモンダーの敗色がどんどん色濃くなってきています。登場時の余裕はどこへやら、です。そうなると、敵側の思惑の一つとして、ミックスパレットを封じる、というのが出てくるわけですが、そうなった時に、キュアバタフライを狙うのか、他プリキュアが使用可能な場合はそれは意味があまりない事になります。

第19話での経緯(研修で訪れていた幼稚園の壁に思い出の絵をツバサとあげはで描いていた、その際に結ばれた絆がエルちゃんからスカイトーン付与のきっかけになった)を考えると、使えてもキュアウィングまでかな、と思われますが、バッタモンダー側はどう動くでしょうかね?

 

虹ヶ丘ましろについて

第20話でひょんなことからソラシド市主催の絵本コンクールに参加する事になりました。

この子も割と絵のレベル高いんですね…というかソラは言わずもがなですが、第19話ではあげはやツバサも上手である描写があり(特にツバサは画家の息子でもある)、なんか今回のメンバーって絵に関してはやたらと高スペックですね。

しかし、この子はなんと言うか…意外と自分に対して無頓着なんですかね? 今回も最初は絵本作りに乗り気ではなく、やはり初めての経験に対する挑戦欲というのは薄いように感じられます。これは転じて、今までの人生で褒められることがあまりなかったように見受けられました。

自身の将来のありように悩んでいた点から、自分は何も出来ない、という諦観がある訳ではなさそうですが*1、やはり受動的な点は否めない。

…まあ、だからこそ、ソラはましろに色々な挑戦を勧めてくるし、あげはは若干強い言葉で、優しさが彼女の美点である事を強調したのでしょうが。

今回の絵本作りも最初はテーマが見当たらず暗礁に乗り上げたものの、エルちゃんが他の同年代と仲良く出来ない現場を見た事で、彼女がモデルのキャラが友人と仲良くなる過程を描く絵本を作成。入選こそ出来なかったものの、エルちゃんがそれを見て笑顔になってくれたことで手応えを感じる、といったところで幕となりましたが、その根本は「他人の笑顔が嬉しかった」というもの。あくまでも無私の姿勢は彼女らしいとも言えますが、少し危険にも感じます。いつか、何かを守るために身を呈してしまうのではないか、と…

 

夕凪ツバサについて

第21話は彼がメインとなりましたが、なかなか意義ある回でしたね。

話の流れとしては、キュアウィングへの変身を果たしたことで、航空力学への勉強への意欲が削がれていたツバサの相談に乗ったヨヨさんが、皆を引き連れて彼女の畑の収穫を手伝ってもらう、というものでした。

いきなりですが、筆者の座右の銘の一つにこんな言葉があります。

知識は無形の財。いくら持っても嵩張らず、いくらでも蓄える事が出来る。

これはエルミナージュ3というゲームのロッツというNPCの台詞ですが、中々の名言だと思っています。

さて、この第21話では広大な畑の管理能力、野菜の知識、自家製の肥料、などヨヨさんの博識ぶりに皆が驚くのですが、彼女はそれを知識と言うものは連綿と繋がっているものであり(畑を作ろうとする→野菜の知識を学ぶ→効率化のために肥料をゴミから作成)、今は役に立たなく感じられても、どこで役に立つかは分からない。知識は得るに越したことはないし、あっても困らないものである、と説くのです。

正に今のツバサにとっては天啓のような言葉です。

結果的に、彼は空の様子を見て雨を予見し、その後に襲来してきたバッタモンダーとランボーグを今までの航空力学で得た知識を以て退ける事に成功しました。そして、ヨヨさんの言葉を承けて、勉強を継続を決意するところで幕となりました。

今は情報が溢れている世界ですから、何かの疑問を調べる事が随分お手軽になりましたよね。でも、だからこそ、効率が求められて、無駄な知識を得ること自体がなんとなく忌避されている傾向がある様に感じます。

筆者は昔から好奇心が旺盛なタイプだったので、今のスマホ一つで情報が引き出せる世の中は便利になったなあ、と思うのですが、割と偏った情報に拘泥する人間が意外と多い事に驚くこともあり、もったいないな、と感じる事があります。まあ、時間は無限ではありませんから、そこは人それぞれかな、とは思うのですが、個人的にはこのお話でのメッセージ性は共感できる部分が大きかったですね。

 

聖あげはについて

彼女の場合はキュアバタフライに変身できるようになるかなり以前からひろプリチームとして活動はしていたので、目新しい発見はなかったですかね。どちらかというと、何かと世話を焼きたがる性格にツバサが母性を感じているのが判明したのが収穫だったかも( ´艸`)

第19話では家事に勉強にと、一人で抱え込んで無理をしている描写がありましたが、それもツバサの気遣いですぐに好意に甘える事にしましたし、自分が壊れてしまう前にさっさと切り替えてしまうのは大人っぽい反応かなあ、と。

そう言えば、この期間でとうとうあげはも虹ヶ丘家に居候する事になりましたが、メンバー全員が一つ屋根の下で暮らすのって実はシリーズ初の試みですかね?

彼女のクローズアップ場面としては、やはりバッタモンダーと反りが合わない事でしょうか。対峙すれば事あるごとに怒りの感情を露わにしていますし、撤退の際には嫌味を平気で言い放っています。まあ、バッタモンダーは確かに癇に障るキャラクターではありますが、特にあげは=キュアバタフライとの確執が目立っていますよね。ひょっとしてタイマンあるのかしら?

キュアバタフライの能力面に目を向けると、蝶の形をしたシールドが目に留まりました。しかも、シリーズ恒例の大きな一枚バリア*2、というよりは可動型且つ複数枚張れる代物で、前方に重ねて強化したり、展開して広範囲をカバーしたり、と汎用性に富んでいます。ミックスパレットと言い、彼女の臨機応変のスタイルはかなり良いですね。センスを感じます。

 

バッタモンダーについて

相変わらず意味深な台詞・態度が多いですね。

今回気になったのは、第19話で幼稚園の壁に記念で描いた絵(ツバサ・あげはだけではなく、園児たちや過去の研修した人たちの分もあった)を庇う戦い方をしたキュアウィングとキュアバタフライが追い詰められていき、その様を見たエルちゃんが泣きだすのですが、それを見て一瞬怯んでしまうのです。

更に第21話では建築現場みたいな鉄骨に一人佇んでいる所を工事現場の人に咎められ、静かに「行こう、もっと静かな場所に…」と呟きました。

こういう場面場面だけ見ると、キュアスカイやキュアバタフライの剣幕にたじろいだり、体育祭を「残酷」と表現したりした事も鑑み、実は争いそのものが好きなタイプではない? とも思えてしまいます。ただ、地上世界に来てまでプリキュア達との勝負に固執している上に、本来ならば第一目標であるエルちゃんを二の次にしている点を考慮すると、好戦的である、という線も捨てきれません。プライド、でしょうかね? ちょっと分かりにくいキャラクターに仕上がってしまったかな、というのが率直な感想です。

尤も、第21話での去り際には「とうとうアレを使う時が来た」と意味深発言をしましたし、次回タイトルも不気味なものなので、注目してみましょう。

 

少し気になった点なのですが…

第21話のラスト、ツバサが勉強の継続を決意した際に、その助けになるだろうと、ヨヨさんが自身のミラーパッドを譲渡しました。

話の流れとしては至極真っ当で、学者としての本分を才能ある彼に託したのかな、と思われるのですが、彼女のアイデンティティ的なアイテムを渡してしまった、というのは少々気になりました。

…なんか、自分の役目は終わった、そう言われたようで。

取りようによっては自身の助力はここまでしか出来ない、という隠しメッセージにも見えるんですよね…第16話(別の回だったかも。ちょっとうろ覚え)で何かを調べている際に眉を顰めている描写がありましたしね…

ましろの血縁者である事のみならず、プリキュアメンバー全員にとっては恩人もいい所なので、嫌な事が起きなければいいのですが…

 

さて次回は、バッタモンダーが何か仕掛けてくるようですが…シャララ隊長が目撃されたぁ!?

…うーん…嫌な予感がどんどん膨らんでいくんだが…

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

そ、そうだったのか…ただ、トマト使う料理って意外と難しいのよな…簡単でお気に入りのトマト炊き込みご飯を今度やる時、気に掛けてみようφ(`д´)メモメモ...

 

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*1:そういう諦観があれば、そもそも将来に悩むこと自体がないし、初期はそれらしいところもあったが、ソラがだいぶ緩和してくれた

*2:ただし、過去作にもキュアコーラルが最終戦でバリアを四重に張ったりしている

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第18話「アゲアゲ! 最強の保育士 キュアバタフライ!! 」感想

そんな…四人目はベリィベリーだと信じていたのに…追加戦士! 追加戦士の目はまだあるよね! ね!

 

と言う訳で、まあ大方の予想通り、あげはさんが発表されていた最後の戦士・キュアバタフライへと変身を果たしました。

変身動機は彼女が保育士志望という事もあって子供を庇う展開で…というべた展開を予想していましたが、いい意味で裏切られました(ただし、子供の庇護も動機の一つではあった)。なかなか面白い切り口だったと思います。

 

話の流れとしては、いきなり戦闘シーンから始まるのですが、ひろプリチームの連携もあってバッタモンダーの召喚したランボーグをあっさり撃退した事に喜ぶあげはでしたが、その事をバッタモンダ―に「外野がうるさい」と言って撤収するのを見て「負け惜しみかっこ悪い」と一蹴します。

日にち変わって、あげはは幼稚園での研修が始まり、プリキュア達の活躍が園児たちも含めて認識されている事に驚きます。そんな中、園児の一人・たける君はキュアウィングに強く憧れており、あげは経由で手紙の返事をもらって更に感動。尊敬の念を強めますが…

そんな折、たける君が他の園児をぶつ、という事件が発生。順番を守らない園児をぶつのは正しいと、暴力を正当化し始めた事により、プリキュアへの憧憬が間違った方向に行きつつある、と感じたあげはは逃げ出した彼を追いかけますが、そこにタイミング悪くバッタモンダーとランボーグが現れ…というものです。

 

聖あげは=キュアバタフライについて

満を持して登場…と言った所でしょうか。筆者は上でとぼけていますが、公式発表の段階で既にバレバレであり、しかもシリーズ初の成人プリキュアである、という点も話題になっていましたね。

ただ、個人的な観点で言わせてもらうと、筆者はあまりこの成人というのにはこだわってはいませんでした。と言うのも、似た年齢層であった高校生組のプリキュア変身者が既出でしたし、あげは自身も進路を明確に決めているとはいえ、まだ18歳の学生である、という事があるからです。成人に近い大人の対応、というのであれば、例えば、ハトキャのゆりさんやプリアラのあきらが近いポジションとして存在していましたし、敢えて違いを挙げるのならば自動車の免許を持っている事ぐらい。その車を生かした機動力も前作のマリちゃんがそうであったようにプリキュア必須の重要なファクターとはあまり言えない。

まあ、そんな訳で、個人的にはいつもの年上キャラ…ぐらいに考えてはいましたが…実際の所、今の段階ではその枠をはみ出てはいないかな、と感じます。が、これからの活躍次第でどう化けるかは分からないので、次回以降に期待です。

変身動機はなかなか良かったですね。上でも書いた様に、子供を守るというのもありはしましたが、それ以上にひろプリチームに献策と応援以外何も出来ていなかった負い目と、バッタモンダーに外野扱いされた事への反発、そして、あくなき向上心、と言った所でしょうか。

少し話は変わりますが、自分は俗に言う「ラノベ、なろう系」が苦手です。やれ主人公がチートスキルだ、いきなり最強だ、というのもありますが、それ以上にダメなのが「主人公以外の世界があまりに狭い」事。主人公が不自然なぐらいモテモテになったりするのも、この原則があるからなのですが、それ以上に主人公(若しくは良くてもその周辺)以外の扱いがぞんざいすぎる。その最たるもの「モブ」という定義。

自分もこのブログで行きがかり上、その表現を使いますが、結局のところ、モブと言うのは存在しない、とも思っています。それが創作物のキャラクターであっても一人一人に人生があり歴史があるはずです。それを一括りにモブで表現してあまつさえぞんざいに扱うのはどうしても好きになれない。

最近、アニマックスでやたらと某スライムアニメをやっていたのでしばらく視聴していたのですが、自身の村を襲撃した軍隊を復讐で全滅させたシーンを見て視聴を止めました。主人公を怒らせればとんでもない事になるところを見せたかったのは分かるのですが、その主人公が元は人間であるはずなのに、平気で虐殺行為に及べるバックグラウンドがありませんでしたし、そもそもあの話は首謀者を倒せばよかっただけの話(現に軍隊虐殺後、首謀者も葬っている)。つまり、主人公の残忍性の表現に軍隊と言う「モブ」を虐殺しただけな訳ですが、ではその虐殺された側の家族はどう思う? とか、そういう視点はまるでない。それでいて、主人公がそういうキャラならともかく、自分が形成したコミュニティでは善人扱いであがめられる存在で普段は気さく、とか…狭い上に都合が良すぎるんですよね。*1

さて、余談はここまでにして、今作。カバトンもそうでしたが、「脇役」「外野」と敵側はプリキュアサイドの人間を煽る際にやたらとモブ扱いしたがるんですよね。それが弱肉強食であろうアンダーグ帝国の常識なのでしょうが、それは同時に、その人間の「それまで」の否定につながる。

直接的には言っていませんでしたが、あげはが外野扱いに強い拒否反応を示したのもこの点でしょう。自分にとって守りたい存在、保育士になるという夢、そこに至る過程まで含めてそれらを無視して価値なし、と断ぜられれば腹も立つ。

そして、その上でプリキュアにもなれないくせに何が守るだ、と罵られて

俺がガンダムだ

だったら、私もプリキュアになってやる! は正直…痺れました。ここら辺は流石年を重ね、目標を見定めている者ならではの強固な意志の表れでしたね。実際、それでペンが出現し、エルちゃんから変身の力が授けられたわけですから。

しかも、戦い終わって敗北して負け惜しみを言うバッタモンダーに真剣な表情でいくらでも来い、ただし、自分の大切なものにてぇだしたらぶっ●す許さないぞ、と凄むのも、相当腹立てていたんだろうなあ、と思ったのと同時に堂々とした啖呵が素敵でした。先回のキュアスカイとは違って、明確に怒りの表情が描写されていましたしね。ただ、キュアスカイはこれ以上だから描かれなかったのかな…となるとどんだけ恐ろしい貌してたんだ…

ただ、ちょっと気になるのは彼女の目標が「最強の」保育士になる、である事。これは高い目標を掲げている抽象的なもの、と言うのは分かるのですが、言葉面だけを見ると、競争を勝ち残るという意志でもあります。つまり、アンダーグ帝国と根本は似ている。考えてみると、何故保育士を目指しているのかもまだ明確には分かっていませんし、最強=一番にこだわるのにも何か理由があるのかもしれません。いよいよレギュラーキャラに正式に昇格したと言っていい訳ですから、ここからの描かれ方に注目しましょう。

 

変身後のキュアバタフライ、パーソナルカラーは彼女がピンクですね。ピンク色はキュアプリズムが白と兼用かな…と思っていましたが、筆者の勘違いでした。バタフライの名前を冠するだけあって、所々蝶のモチーフ(頭やネクタイ、スカートが長い二重構造なのも羽が落とし込まれているっぽい)がありますが、個人的にはだいぶ落ち着いたイメージです。というか、キュアウィングのデザインが秀逸すぎた…ちょっと難を言うと、目の両端に付加されるアイシャドーが想像以上にケバいのは不満点。成人設定を強調したかったのは分かるのですが、ちょっとえぐかったんじゃ…とは思います。まあ、大人の色気という事で。

戦闘能力はバッタモンダー産のランボーグを単騎で圧倒したので強いは強いのかもしれませんが、この回では他の三人が手出しできない状態で封印されてしまったのもあって、ちょっと比較はしにくかったですね。近くの建築現場のシート複数枚をあっという間に回収して、それをランボーグに巻き付けて動きを封じたところからスピード特化かな? とは思いましたが、たぶん気のせい(笑)。どちらかと言うとその場の環境に合わせての機転が利く点を演出してたっぽいです。

必殺技はひろがるバタフライプレス。上空に上がった後、蝶のオーラを真下に出してそれを踏みつける様に敵に落として圧迫するというもの。浄化対応技。なかなか派手でしたが、最初のモーションがジャンプで対応しているのか空が飛べるのかどうかは今の段階では分かりませんね。蝶モチーフなら飛べる可能性はゼロではないので。

 

明るい性格に前向きな姿勢、地頭の良さに度胸、優しさもきっちり兼ね備えていておまけに年上で一番の常識枠。…あれ? 筆者の好きな要素が詰まっているゾ…と言った感じです( ´艸`)

 

強さとは何ぞや? というテーマ

先回のシャララ隊長の教えもそうですが、これまた難しいテーマを…と思ったのが、たける君が自身の正義を振りかざし、暴力を正当化した問題。

詳しくは描写されていなかったのですが、他の園児が順番を守らなかった(横入り?)のを咎めたける君がその子をぶって泣かしたようなのですが、これはなかなか難しい。

どういう事情があれ暴力は良くないにせよ、実力を行使しなければ言う事を聞かない人間と言うのは一定数存在します。今回の件でも、その横入りした子が言葉で言い聞かせようとしても聞かなかった可能性もある訳ですし、逆上して殴り掛かってくるかもしれない。かと言って、じゃあ、無視をしてしまえば、今度はその横入りを容認したに等しい。最適解は先生に報告する事なのでしょうが、口さがのない子供だと、今度はそれは「告げ口」と判定してしまう。横入りを糾弾した上で周囲の人間が同調してくれる、というのが理想なのかな? いずれにせよ、経過が描かれず、たける君が一方的に責められていたのでちょっと何とも言えません。

更に問題なのが、たける君が自身の正当化にキュアウィングを引き合いに出してしまった事。幼稚園児故の純粋さ、と言うのもありますし、プリキュア達の戦う理由の詳細まで彼らに分かろうはずもない以上、プリキュア達がやっている事は襲ってきた敵を力を以て撃退した、以上の事ではない。

怖いのは、自分の正義が絶対だと思い込むことにプリキュアを利用している事。子供の頃にこれを定着化させてしまうと、その自分優先はどんどん肥大化していく。だからこそ、あげは彼を言い聞かせようと追いかけたのですよね。

実は自分の知り合いにもこのタイプがいるので、ちょっとこのシーンは胸が締め付けらる思いでもありました。まあ、この話は長くなるのでこれ以上は言及しませんが、一言いうならば、近しい人間が次第に視野狭窄に陥っていくのを見るのは辛いものがありますよ、なかなか、ね。

話中では、ランボーグに襲われたたける君をあげはが背負って逃げ回り、あまつさえそんな状態であるにもかかわらず、逃げる軌道を利用してランボーグを転倒させるのに成功させ、彼を守り切ったたため、単なる暴力だけではなく何かを守る事も強さなのである、と理解してくれましたが、逆にその後に変身したキュアバタフライはやはり力を以てランボーグを撃退しており(ただ、その手法が殴る蹴るではなく、相手の動きを封じる、だったのはたける君、延いては視聴者に対するメッセージかな、とは思った)、今回は一件落着しましたが、ここまで色んな人間に認知されているプリキュアですから、それはそれでまずいのかな、と感じました。

…今まで考えた事もありませんでしたが、プリキュアの正体を明かしてはいけない、は結構重要なんだな、と。

再度言いますが、なかなか難しい問題です。相手の行為を糾弾するという事は、相手の事を慮らなければならない、というのは先回のシャララ隊長の言葉でしたが、思慮が行き過ぎれば、行動そのものが遅れてしまう。相手の出方も分からなければ、こちらの正当性がどの程度のものと捉えられるかも相手から計り知れない。

結局のところ、物事はよく考えて起こさなければならないし、起こしたからには責任を持たなければならない。これ以上の答えはないようにも思えます。今作はなかなか思想的の内容をぶち込んできていますね。ここまで分かりやすいのははぐプリ以来かも。

 

プリキュア側の事情について

まず、大きな問題として浮上してしまったのが、エルちゃんをどうするか、という事。今までプリキュアサイドでありながら変身者ではなかったあげはが保護してくれていた訳ですが、彼女もキュアバタフライとして参戦する以上、エルちゃんは浮いた駒になってしまう。しかも、彼女はアンダーグ帝国からしてみれば第一ターゲットでもあります。

実際、今話でも、三人が変身してしまい、あげはがたける君を背負って逃げる、という窮地に立たされたことでエルちゃんを庇う人物がいなくなり、バッタモンダーに狙われる場面がありました。次回以降はキュアウィングとキュアバタフライあたりで守護しながら…となるのかな? と思われますが、出来れば戦いの場に連れて行かない方が良いのでは…と思います。

ただ、その場合、彼女の世話をするのはヨヨさんだけ、という事になってしまい、ヨヨさん自身に戦闘能力はないものだと思われますので、バッタモンダーに二方面作戦あたりやられるとやっぱり危ない。*2ベリィベリーさんあたり借り受けた方がいいんじゃねーかと、割と真剣に思います。

今話で早速課題提起してきただけに、この問題はいずれクローズアップされるかもしれませんね。

あと、上でも少し触れましたが、ソラシド市に於いてひろプリチームの認知度がかなり高い事も気になる要素です。前の記事でも書きましたが、今作はプリキュアの正体を隠すこと自体に拘泥はしていないと思うので、作風と言われてしまえばそれまでなのですが、あそこまでの大暴れを度々している以上、それを快く思わない市民も当然いるはずな訳で…

こういう点では、マスコミがちゃんとプリキュアを認識していて市民権を得ている世界観だったハピチャの設定は好きなんだよなあ。

今作はここら辺のどろどろを描くとは思えませんが、ソラやツバサが異世界人である事も含めて、将来的にこの要素がチームの足を引っ張らないか少し不安でもありますね。今の段階で二人(先回の大阪弁のおばあさんとたける君)には素性までばれてしまっている訳ですし、幼稚園児たちにあげはがプリキュアと繋がりある事はばれてしまっているのですしね。

 

バッタモンダーについて

今回幼稚園を襲った理由が「皆が見ている前でプリキュアを叩きのめしたい=ギャラリーが欲しい」というなかなか嗜虐心に満ちたものだったのが注目点でした。そう言えば前々回も「必ず俺に跪かせる」とも言っており、この辺りは性分ぽいですね。

今回は少し戦略を捻ってきており、エルちゃんを狙う→皆が庇う事を見越して直接攻撃ではなく泡の空間にプリキュア達を閉じ込める、という罠を張る事に成功しました。…逆から言えば、これもカバトンと同じく正攻法では勝てない、と自ら言った様なもので、まあ、そこを抜きにしても卑怯な手段を使う事に抵抗はないタイプと見ました。そう言えば、先回の風船型ランボーグもスカイランドの民そのものを人質に取った卑劣な手段でしたしね。

ただ、今回もキュアバタフライに啖呵を切られ凄まれただけで撤退しており、彼の根幹に「臆病」があるのはほぼ決定っぽいですね。

少し整理してみると

  • 根は臆病である
  • 弱肉強食主義者である
  • 自身の実力に自信を持っている
  • 嗜虐志向が強い
  • 卑怯な手段も迷わず実行する、どころかむしろ好きまでありそう
  • 思い通りに事が運ばないと乱暴な面が現れる
  • 強さへの諦観がある(不確定)
  • 競争することそのものには否定的(不確定)

次第に見えてはきましたね。臆病とアンダーグ帝国に生まれたが故の板挟みが根幹にある気がしました。もちろん、彼の事情は今の段階では一切語られていませんから、あくまでも推測ですが。いずれ、カバトンともバッチングするかと思われるので、どういう接触の仕方をするのかも注目したいです。それ次第でアンダーグ帝国の事情も見えてくるかもしれないので。

 

さて、次回は…キュアウィングとキュアバタフライのお話ですか。この二人はキュアスカイとキュアプリズムがそうであるように、OP映像でペアとして扱われている節があるので、どう展開するのか楽しみです。べたな展開なら二人による合体技でしょうか。新アイテムも出るっぽいですし。強力浄化体勢が二つに増えれば戦い方に幅が出ますしね。

 

今週のひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

このシーン、某錬金術漫画の「主婦だ!」を連想してしまった( ´艸`)

 

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*1:ただ、ここまでもかなり我慢して視聴していた。アイデアは凄くいいんだけどね。

*2:特に今回の敵はワープゲートを使いたい放題である。

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第16~17話雑感

ここです! 実はここが改変ポイントなのです!(最近は結構有名になったよね、この逸話…)

 

さて、それなりの重要度はあったものの、予想通りの息抜き期間となりました。とうとう第18話での4人目の戦士・キュアバタフライ登場が予告されましたし、いわばそこまでの準備期間だったかな、という感じです。

 

大まかな感想としては

話の流れとしては、第16話は再度両親と離れ離れになってしまったエルちゃんを元気づけようと奮闘するひろプリチームのお話でした。

いくつもの絵本からエルちゃんが興味を引いた桃太郎をアレンジして演劇を見せてあげる…というものなのですが、とりあえず、話をアレンジするのはいいのですが、ちゃっかり自分をお姫様役に抜擢してしまうシナリオ改変係のあげはさん、アンタ、いい性格してるな(笑)。

この話のミソはやはり前回での精神的ダメージがかなりひろプリチームにあった事でした。実質、負傷した事により王族を守れなかったキュアウィング=ツバサに、心根の優しさ故に王と王女の呪いに心を痛めるましろ、そして、バッタモンダ―に啖呵を切って撤退に追い込んだものの、青の護衛団の本分を全うできなかったばかりか、シャララまで失ったソラのショックは相当のものだったとも思われます。

そんな状態の中、エルちゃんを元気づけようとするものの、逆に彼女に励まされて再び前を向く展開はなかなか良かったですね。あげはも言っていましたが、不安な気持ちというのはやはり伝播してしまうものなのですよね、それが例え赤ん坊であっても。

エルちゃんの精神年齢が現段階でどの程度なのか分からない以上、エルちゃんは彼女らの名前を呼んだだけかもしれません。そこに深い意味はなかったのかもしれません。しかし、ひろプリチームの面々にとって、それは何物にも代えがたい励ましだった。これ、かなり深い演出だと思っています。

ちょっと難を言えば、演劇が一段落したところで、バッタモンダ―が攻めてくるのですが、折しもエルちゃんの励ましによってみんなが立ち直ったところで、通信でスカイランドが青の護衛団を中心に復興に向けて歩み始めている、と判明します。が、エルちゃんの話の直後だったので、ちょっとオマケ感があったことぐらいでしょうか。

この後の戦闘で、スカイランドの復興が台詞に掛けられていた(バッタモンダ―が「いくら信念があろうとスカイランドはボロボロになった」と煽ってきたのを否定した)ので、もう少し丁寧に言及してほしかったかな。

第17話は、学校生活に戻ったソラとましろが、体育祭のリレーに参加するのですが、その際にクラスメイトの推薦で選ばれたソラが自身にバトンを渡す=前の走者にましろを指名する事を条件にする、というものでした。

まずはクラスメイトが「ソラちゃんと言えばましろだもんね」という認識を持ってしまっている事に苦笑( ´艸`)

この話は体育祭というものには大まかに二種類の思惑があるというのがキモになっていました。即ち、楽しみにしている側とそうでない側です。

元々、ましろは体育祭を待望しているタイプではなく、今回のリレー参加も「ソラが指名してくれたから」引き受けた側面が強かったのですが、親しい彼女の期待に応えるためにも特訓を開始します。*1

しかし、リレー当日、緊張もあってか自身の出走時に転倒。一気に最下位に陥るものの、ソラの奮闘で逆転優勝をもぎ取ります。

その結果に居たたまれなくなったましろは落ち込みモードに突入。このシーンは、転倒した悔しさもさることながら、自身がやればできる=ソラに追いつけると思っていた事を自虐しており、やはり自己肯定感が少し低い点は気になりました。ツバサがキュアウィングへの変身を果たし、エルちゃんのナイトである事を自覚し始めてから、そういう側面が消えていったのとは対照的です。

逆にソラはましろが転倒した際に諦めかけた事を謝罪。しかし、それでもましろが諦めずに走り抜けた姿に奮起して頑張った事も同時に告白し感謝の意を表しました。ただ、酷な事を言うと、今回の話はソラの悪いところが出てしまった話だと個人的には思っています。彼女がましろを信頼しているのは分かるのですが、自身の前走者にましろを選ぶこと自体は、自身の価値観に則したものであって、言うなれば自分の気持ちの押し付けです。

勿論、リレー選手選抜の際に、ソラはましろの了承を得ようとしていますが、クラス中が注目するあの場で拒否する選択肢は実はましろ側には殆どない。ソラ側も当然受けてくれること前提で提案している節がある。

しかし、そこで上で書いた原則が出てきてしまう。体育祭に関しては大きく二つの思惑がある人種に分かれる、という事実が。

実際の所、多少なりともましろは傷つく結果となってしまい、その事でソラも一つ学びを得る結果となりました。ここにきて、先回のシャララ隊長の教えに掛かった彼女の未熟さが浮き彫りになったのは結構エモかったかな、と感じています。この先も二人で…というよりひろプリチーム全体を通して成長していくのでしょうね、ソラは。

 

新機軸・キラキラエナジー

先回で呪いの眠りに閉ざされた王と王女。その呪いを解くためにヨヨさんが提示してきたのが、キラキラエナジーの回収です。

ヨヨさん曰く、キラキラエナジーランボーグを浄化した際に出現する光煌くエネルギーであり、これを一定量ミラーパッドで吸収する事で解呪薬の制作が可能とのこと。

しかし、分からないのがこのキラキラエナジーがどういうものなのか、です。

単純に呪いへの特効薬的な物質である可能性もありますが、そもそもそれならば何故ランボーグが浄化の際とはいえそんなものを放つ事が出来るのか。一つ考えられるのは、呪いをかけたバッタモンダ―本人のランボーグから発生するから、というものがありますが、このキラキラエナジー自体はカバトン産のランボーグからも発せられてはいたんですよね。

しかも、かなり困った事に、プリキュア達はランボーグを倒すこと「自体」がカルマになってしまった。要するに、本来ならばド迷惑なランボーグ襲来がむしろウェルカム状態になってしまっている。

元来、プリキュアの役目は防衛・邀撃・守護であるはずです。それをこちらからけしかける訳ではないにせよ、相手の怪物を待ち構えなければならなくなった。

更に言うと、バッタモンダ―側には実は縛りが存在しない。王族の呪いを維持するためにランボーグを召喚する事が必須という訳でもなければ、実はスカイランド陣営を困らせたければランボーグを呼びださない、という選択肢もある。…尤も、この場合はバッタモンダ―がプリキュア側の事情=解呪の方法を知っている事が前提になりますが。

今回の当座の指標、キラキラエナジーの回収については、なんにせよ、少し目的と手段があやふやになってしまっているのは悪手と感じました。浄化さえしてしまえばゴールに近づくというのは分かりやすいのですが、プリキュアの本質を少し外れてしまったのではないか、と。これでは言い方は悪いですが、エルちゃんをダシにしてランボーグが現れるのを待ち構えているみたいで。ソラ達はそんな事は露ほども考えていないでしょうし、プリキュアの庇護下が一番安全である以上、エルちゃんのソラシド市同行は仕方なかったのですが、ね。

 

バッタモンダ―について

うーん…最初は色々な感情が渦巻いていて面白いキャラかな? と思いましたが、第16話敗北では「ありえねー!」と絶叫、第17話では「はいはい、強い強い」という諦観めいた捨て台詞を吐き、更に普段の態度からの豹変ぶりからプリキュアサイドが呆れる、という場面も挿入されたため、これどちらかというと、負けるたんびに何かしらのネガティブ感情を吐く、というのが芸風なだけかもしれませんね。

まだ先を見てみないと分かりませんが、あまりに複雑な感情を盛り込み過ぎると、キャラクター性そのものがぼやける危険性があると思うので、何かしらの芯は欲しいかなあ、とは思います。その点はコミックリリーフと極度の弱肉強食主義、それに加えて自身の弱さを露呈していたカバトンは分かりやすいキャラクターでした。

勿論注目点もあって、まず第16話。当たり前のようにワープゲートを使って地上界、ソラシド市にやってきた彼はランボーグを暴れさせプリキュア達をおびき寄せるのですが、その際にエルちゃんの捕獲ではなく、プリキュア達との再戦のために来た、と言うのです。

もしエルちゃんの捕獲そっちのけで独断でソラシド市にやってきたというのならば、特に前回での敗北は相当堪えたものだと思われます。まあ、10代前半の少女に凄まれておめおめ逃げた訳ですから、彼みたいな紳士ぶった態度の裏にプライドの高さを持っているタイプからは憎悪の対象に見られてもしょうがないかもしれませんね。この憎悪がどのレベルのものなのか、ここら辺の度合いで彼がどの程度まで非道の行いをするかも変わってくるかと思われるので、注目ポイントにしてみたいです。

第17話では体育祭にランボーグを乱入させるのですが、その際に「優劣をつける様な残酷な祭りは壊してもいい」と言っているのです。

先回でも分かっている通り、彼もアンダーグ帝国陣営の例に漏れず弱肉強食主義者です。しかし、このセリフはまるでそれを否定しているかの様でした。

強者である自信から来る蔑視か、自分の主義の正反対の事をあえて言っている諧謔のつもりか、はたまた本心か。

ただ、本心だとしたら…彼は、過去に何か「優劣をつける」という点に於いて何かあったのかもしれませんね。そして、それが故に今の裏表がありつつプライドが高い性格が形成されたとしたら…

彼がどの辺りまで活躍する幹部かは分かりませんが、引き続き注視していたいキャラクターではあります。

 

さて、次回は上でも書いた様にデフォルト発表されていた四人のうちの最後の戦士、キュアバタフライ誕生の様です。かなり時間をかけた印象ですが、まずはどの様な動機で変身するのかに注目したいです。燃える展開を頼んまっせー(/・ω・)/

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

ツバサ、何気に鳥と会話できるってすごい能力だよな…ソラシド市の索敵まで完璧にこなしちゃってるじゃん。

 

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*1:ただ、殊更運動音痴である様な描写はなかった。むしろ、幼少時は活発な方だった、とあげはにも述懐されている。

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第14~15話雑感

ハイ! プリキュアママ美人さんの法則、発動ー(/・ω・)/<大歓喜

 

さて、今期間はスカイランド回とでも言いますか、スカイランドでのソラ達の活動がメインでした。しかし、それ以上に濃厚なソラ=ハレワタールという人物像にスポットが当たった期間でもありました。

今まで、割と謎の多かったソラでしたが、2クール目の入り口、という事もあってか大体の事情も判明。流石に大きな秘密持ち、という訳ではなく概ね合点がいく内容でした。

 

話の流れとしては、ヨヨさんのおかげでとうとうスカイランドに行くワープゲートをくぐって凱旋する事になったソラ、ましろ、ツバサ。エルを無事保護してくれ、親元に送り届ける事に成功した彼女らは、熱い歓待を受けます。

望むものを取らせようとする王でしたが、ましろは何も望まなかったものの、ツバサはエルちゃんの養育係に、ソラは彼女の本来の目的であった王宮直属の騎士団「青の護衛団」への入団を希望、許可されます。

ソラは青の護衛団の団長シャララ(かつて救われた「ヒーロー」とは彼女の事)に憧れており、また彼女もソラの事をよく覚えていたため、青の護衛団に正式に入団するのですが、その事を快く思わない団員ベリィベリーと一騎打ちをすることに。この勝負に辛くも勝利を収めたソラは強さに拘泥している彼女を糾弾します。

しかしシャララからベリィベリーの事情が語られ、正論を吐くにしてもよく考えなければならない、と窘められたソラは彼女に謝罪するべく王城を飛び出します。

一方、勝負に負けた事とソラからかけられた言葉に落ち込んでいたベリィベリーはアンダーグ王国からの新たな幹部・バッタモンダーに彼女自身の手甲を核にしたランボーグを召喚され襲われる事に。当然騒ぎになったため、ひろプリチームがすぐに駆け付けます。

しかし、流石にカバトンのものとは比べ物にならない強さを誇るランボーグに苦戦。声を上げランボーグの標的になってしまったベリィベリーを庇う形でキュアスカイが踏みとどまり、彼女に非礼を詫びるとともに怪力を発揮。そのまま合体技で浄化に成功し、バッタモンダ―は撤退。

ソラとベリィベリーは和解し、ソラは晴れて青の護衛団の一員として認められたのでした(第14話)。

それから、しばらくの間、散発的なランボーグ襲撃があったものの、青の護衛団とプリキュア達の力によって、スカイランドは平和が保たれていました。あるべき場所に収まったソラとツバサを見てましろはいよいよソラシド市に帰る決意を固めます。

しかし、そんな矢先に再度現れたバッタモンダ―は、今までの襲撃は倒されたランボーグをカモフラージュしてアンダーグエナジースカイランドに少しづつばら撒く布石であり、それを集約させて巨大な風船爆弾ランボーグを召喚した上で一時間以内にプリンセス・エルを渡さなければ、ランボーグを爆発させて国中にアンダーグエナジーをばら撒き大惨事を引き起こす、と王家に脅迫をかける…というものでした。

 

ソラ・ハレワタールについて

という訳で、大体の出自が詳らかにされました。

まず、上でも書いた様に何か途轍もない秘密があるとかではなく、今までの舞台がスカイランドではなかったが故に多くは語られていなかった、と言った所ですね。

第一話でスカイランドを訪れようとしていた理由は、かつて命を救われた「ヒーロー」シャララが隊長を務める青の護衛団に入団するためでしたし、回想シーンで両親も姿を現しました。スカイランド国にある田舎の一般宅の娘といった感じでしたね。先の記事でヒーローの正体自体は知っていたのでは? と推測しましたが、これについては予測通りであり、延いてはそのお陰で辻褄があったというか、パズルのピースが上手くハマった感じです。

回想シーンでは両親から洞窟に行った事を咎められており、過去回の触手の様な怪物に襲われそうになったシーンの事も含めて、ここは後々重要箇所になる可能性がありますね。

性質・性格面に目を向けると、自身の正義感の先走りは相変わらず、といった感じですが、今回はシャララにそれとなくその事を窘められており、しかし、それをすぐに受け入れて反省するのはやはり美点でしょうか。このエピソードはとても良かったので後で別項目で後述します。

そして、何と言っても第15話で見せた啖呵。風船型ランボーグを抑えるためにキュアプリズムとともに決死のアップドラフトシャイニングを放ったものの力尽きてしまうのですが、その隙に王宮に侵入したバッタモンダ―によって窮地に追い込まれたエルちゃんの助けを呼ぶ声に呼応。意識を取り戻したキュアスカイは王城の窓を突き破って、直接バッタモンダ―と対峙し言い放つのです。

「そこから1ミリでもエルちゃんに近づいたら、私はあなたを許さない!」

この場面、アングル的にキュアスカイの表情が一切分からなかったのですが、バッタモンダ―はそれを見て顔を引きつらせながら撤退してしまうのです。

まあ…鬼の形相だったんでしょうね。

プリキュアシリーズですから、あえてこういう柔らかい表現を使ったのでしょうが、正直、筆者的には「そこから一歩でも動いてみろ。ぶち●すぞ」と言ったように聞こえました。しかも、アップドラフトシャイニングとランボーグの力が拮抗している所にシャララが乱入して吹き飛ばされてしまったところを見た直後とあっては…

それを表情を一切見せない&声優さんの演技で演出しきったのは見事でした。決める時はきっちり決めるのは清々しい。

欠点がない訳ではない。しかし、それを提示されればすぐに省みて次への成長の糧とする。多少暴走気味ですぐに行動に移してしまう(シャララに窘められた際にも、彼女の制止を振り切ってすぐさまベリィベリーの元に駆け付けようとしている)のには苦笑してしまいますが、本当に良い主人公ですね。

 

スカイランドの人々について

かなり多様な人物が出ましたね。

まずは王様と女王について。娘であるエルちゃんを猫可愛がりしているのは今までの経緯からも分かっていた事でしたが、ちょっと気になったのはいくらなんでものんびり屋過ぎないかな、という点。これは前作のクッキングダムの王族にも言える事でしたが、敵の正体が良く分からないうちから、ランボーグの襲撃を10回程度防衛できたぐらいで「いい加減(敵側も)懲りただろう」と言うのは些か悠長に過ぎる。事の本質はそこではなくて(恐らく)ワープゲートを自在に使って王城付近まで敵が現れている事と、それに対処療法の様な形でしか対応できない事だというのに。

ただ、エルちゃん帰還の際に、ひろプリチームに保護してくれていた事だけではなく、ちゃんと養育してくれていた事に礼を述べている所は基本的には善人である事を伺わせとても良かったです。

それだけ、スカイランドはエルちゃん誘拐事件までは平和な世界だったとも言えますが、悪い言葉を使うと平和ボケ過ぎる。その代償と言っては酷かもしれませんが、いつの間にか王宮に侵入されてしまったバッタモンダ―に、エルちゃんの譲渡を拒否したため、昏睡状態にされてしまいます。

この眠りは通常のものではなく一種の呪いの様なもので、この解除方法を求めてひろプリチームはヨヨさんの力を借りるべく再びソラシド市に向かう事になりました。

青の護衛団隊長・シャララ。

幼い日のソラを助けた「ヒーロー」であり、彼女に多大な影響を与えた人物です。生真面目且つその立場から、面倒見の良さそうな好人物として描かれました。

剣の腕も相当のものの様で、単騎でランボーグを真っ二つにするほどの力があります。浄化の有無を除けば、プリキュアに比肩する、と筆者は感じました。

ソラの事は前々から目をかけていた様で、幼い頃に助けてもらったお礼にと渡されたスカイジュエル製の小さなペンダントを大切に身に付けていたり、入団間もない彼女を遠征のパートナーに指名していたり、アップドラフトシャイニング発動の拮抗状態に苦戦中のプリキュア達に我が身を顧みず助力しようとするなどしています。

プリキュアの援護に駆け付ける直前、ソラの部屋に立ち寄りメッセージを残していますが、どうにも他の団員の反応(「一人でなんて無茶だ!」)を見ても死を覚悟した上での乱入でもあったようで、力及ばずランボーグに吹き飛ばされた際にはキュアスカイに対して「ヒーローの出番だ」と呟いており、なんか、自身の想いまで含めて彼女にすべてを託したのかな、と感じました。実質後継者指名かな、と。

第15話のラストで青の護衛団必死の捜索でもその行方は分からず、いったんは退場となりました。流石にまだ出番はあると踏んでいますが、先の動向が気になるキャラになりましたね。

青の護衛団員、ベリィベリーもなかなか注目に値するキャラですね。(彼女からしてみれば)ぽっと出で入団してきたソラに反感を持ち一騎打ちを挑んできましたが、その戦闘スタイルは右手に仕込んだスカイジュエルが埋め込まれた手甲から雷光を纏わせての拳打を中核にした格闘術。厨二心を嫌でもくすぐられます。

腕前も言うだけあってスカイランド神拳の使い手であるソラとほぼ互角であり、最後はソラに打ち負けはしたものの、遜色はほぼありません。

シャララが腕のけがが原因で護衛団の登用試験に落ち続けていた過去をソラに明かしていましたが、恐らく手甲でそれをフォローしているものだと思われます。

ハンデがあっても護衛団の一員として勤めている事とソラと互角の勝負が出来ている点から、相当な努力を積み重ねている事は容易に想像が出来、似た格闘スタイルである事もあって、ソラのオマージュキャラの側面があるな、と感じました。敗北とソラにかけられた言葉のショックから落ち込んでいましたが、翻って、ソラもこのように自身の根幹が揺らぐ事態が起こった時、懊悩する可能性がありますね。

結果的に青の護衛団は隊長であるシャララを失い、プリキュアの力を持ったソラは再びソラシド市へ、守るべき王族は呪いの眠りに閉ざされ、エルちゃんもプリキュアの庇護の元が一番安全(+亡命も兼ねて)なソラシド市へ随伴。まずは人民の防衛が最優先でしょうが、ガタガタになってしまったのは紛れもない事実です。が、副団長っぽい男性団員とともにベリィベリーが支えていくのかな、と想像していたりしています。

ツバサの両親も少しだけ登場しましたが、ずいぶん心配をかけたが故にツバサの無事を喜んでいました。肝心のツバサ自身はちょっと反抗期に入っており、少しうざがってもいましたね( ´艸`)。ただ、確かにツバサはエルちゃんを救う大功績を残してはいるものの、いきなり彼女直属の近衛というのは有体に言って大出世どころの話じゃないですね。これをあっさり認めちゃうあたりも王と王女の甘さが鼻にはつくんだよなあ…

息子の意思は尊重してるようで、再びソラシド市へと赴くツバサを見送りに来ています。正直、親御さんとしては子供を危険な異世界に再び送り出すのはやるせない心境だと思うのですが、それだけ息子を信じているのかもしれませんね。この親子はもう少し掘り下げがあると嬉しいです。

 

敵側の事情について

第二の幹部、バッタモンダ―が登場しました。

基本的にはキザで紳士ぶっていますが、自分の思い通りに事が運ばないとすぐに癇癪を起し荒っぽい本性を表します。それだけではなく、シャララ隊長が倒されたところを目の当たりにし、エルちゃんを守るために決死の形相をしていたであろうキュアスカイに凄まれただけで撤退するなど、臆病な面も覗かせました。

落ち込んでいるベリィベリーの目の前に突如現れ、彼女の弱みに理解を示すふりをしながらいたぶる様に言葉責めをするなど、陰湿さが強調されています。精神攻撃を仕掛けてくる可能性もありますね。

本性を隠すために仮面を被っている、しかしその内面は様々なものを内包しているなかなか面白い敵キャラクターです。

基本的な物の考え方はカバトンと変わっておらず、弱肉強食を良しとする考え方です。カバトン自身も言っていましたが、アンダーグ帝国ではそれが常識的観念なのでしょうね。呼びだしたランボーグにプリキュア達の相手をさせるに留めていましたが、その理由も「(プリキュア達が)弱いから、自分まで出たらかわいそう」というもの。言うだけあって、カバトン製のものとは比べ物にならない強さのランボーグを召喚していましたが、シリーズ恒例の「怪物と幹部のタッグを何故かやらない」の理由付けになっていたと思います。

自身の強さを誇示し、弱者を踏みにじるやり方はカバトンとの共通性ですが、カバトンが自身の弱さの裏返しだったのに対し、バッタモンダ―は生粋の性分の様な気もします。ただ、上でも書いた様に、年下の女の子の気迫でたじろぐというビビりな面も覗かせたので、彼の今後の描かれ方にも注目したいです。*1

任務も引き続きエルちゃんの捕獲で変わっていないようですし、ワープゲートの汎用性を考えるに、当然地上=ソラシド市にも襲来してくるでしょうから、町への損害も含めて、プリキュア達がどう対処するのかも目が離せません。

 

そして、シャララ隊長からのメッセージ

とても…とても大切な言葉ですよね。別にこれはヒーローに限った話ではありません。我々個々に向けられた今の情報が溢れたこの世界に於いて、何とも考えさせられるメッセージです。

ただ、これは難しい側面もあって、例えば思慮深い故に結論が後回しになって大事な決断の時に出遅れてしまうと元も子もありませんし、かと言って、相手の事情を考えずに物事を処断してしまうのは隊長の言う様に非常に危険でもあります。*2

物事というのは様々な事象によって成り立っています。それをすべて鑑みる事は出来ないにせよ、ある程度の咀嚼を以てなさなければ強い言葉というのは色を失ってしまう。

当ブログでも敵の事情についてかなり切り込んで記事を書いていますが、これも主人公サイドの視点だけで記事を書くのはそもそもフェアではない、という思想があるからです。長所短所双方を出来るだけ書いているのも同じ理屈。

ところで、シャララ隊長はソラに、相手の事を慮る事を教唆したわけですが、すぐそばにいますよね。第一に相手の心情を慮る事が出来る心優しい「友達」が。

こう考えるとソラとましろはやはりベストパートナーなのかな、と思います。お互い足りない部分を補いあえるし成長しあえる。かけがえのないバディ。まだまだ前半でこれを描けているのは実はすごい事ですよね。

 

次回は…ご機嫌斜めになってしまったエルちゃんに桃太郎の演劇を見せるお話? 息抜き回っぽいけど…あ、エルちゃんが桃太郎役なんだ( ´艸`)

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

むう…腰の入ったいい拳だ…ソラ、拳訣を極めたな…

 

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*1:あの場面はバッタモンダ―がビビりなのか、それほどキュアスカイの表情が鬼気迫っていたのかは「視聴者の想像にお任せします」ではあったのだが。

*2:現にシャララも「そこがヒーローの難しい所だ」と言っている。

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第10~13話雑感

ヤーキターイ(実質タイ焼き)に鮭入れたがるのはどうなのさ~、ソラちゃん。しかしこの手のお菓子って呼び名一つで戦争起こったり色々な種類あるからなんともな( ´艸`)ちなみに個人的に食べてみたいのは秋田県にあるというオランダ焼き。

 

さて、1クールが終了しました。この期間はキュアウイングへの変身を果たしたツバサを中心に、皆のよき理解者であるあげはを絡めつつ、掘り下げが進みました。

更には、敵側ならば幹部カバトンの退場…というか再出発、プリキュア側もついにヨヨさんがスカイランドへのゲートを開くことに成功など、シナリオも大きく動きました。

 

各話小感想

第10話

ツバサの歓迎パーティーを開催するにあたり彼の希望を聞いたところ、ヤーキターイというお菓子を所望されたものの当然地上世界では材料が足りず、ならばひろプリチームで似たようなものを制作しようと奮闘するお話。

ツバサメインかと思いきや、ましろが結構絡んできたのが意外でした。先回でも自身の夢のなさに焦燥を見せていたましろでしたが、ひたむきにヒーローとしての鍛錬を怠らないソラに、空を飛ぶ事への挑戦を続けるツバサにはいろいろ考えさせられている描写がありました。

話の後半にカバトンから戦闘面において突出している部分がないと煽られた際には、心が折れそうになっていましたが、キュアスカイとウイングが彼女の強さは優しさであり、その支えは何よりも強いのだ、と説かれたところで開眼、相手のミサイル攻撃を完封しました。

このシナリオでは、ましろが幼い頃に忙しい父母におにぎりを作ろうとして失敗したエピソードや、ツバサのためにヤーキターイの試作を何度も試みてくれたこと、更にはカバトンに切った啖呵「大切な友人を傷つけるのは許せない」など、まずは他人が優先である事が多く語られました。先回あげはも「ましろんの最大の強さは優しさ」と言っていましたが、他人を慮る心根の優しさこそが彼女の本質である、と改めて理解できる内容でとても良かったです。

一方、ツバサは地上に来てからかなりの月日が経って寂しかったでしょうに、先ほどのましろのおにぎり失敗エピソードを聞き、更に信頼し合える仲間たちを得て、彼女らと楽しく過ごせる時間こそ貴重なものなのだ、と気が付きました。家族と楽しく食事した思い出こそが本当に欲しかったものだと告白し、今はみんなとの楽しい時間こそが僕のヤーキターイであると告げるシーンはベタではありましたが彼らしくて微笑ましかったですね。

 

第11話

あげはがツバサと交流するお話。みんなでピクニックに行くのですが、どうもあげははツバサと仲良くしたかったらしく…

ツバサはあげはが彼を「少年」呼ばわりするのに不満顔であり、性格も反りが合わない感じで前途多難ぽかったですが…

よくよく考えてみると、ヨヨさんやエルちゃんを除けば、一番年の差があるんですよね、この二人は。お互いになのでしょうが、ない部分を持ち合わせている、と感じている様で良いコンビになりそうな予感がします。

先回でもあげはは策士っぽいところを見せましたが、今回も健在であり、後半ではロープウェイを核にしたランボーグに捕縛されてしまったところをじゃんけん勝負に持ち込んでロープから手を離させたり(しかも最初から「グー」を出すと宣言する周到っぷり)、キュアウイングが飛べることを見越して空中に投げ出されることを計算していたり、策を講じる頭、実行に移す即断力、危険を顧みない度胸など、なかなか見どころがありました。…え? あんなのに引っかかるカバトンがマヌケ? それはまあ…そう…まあ、そうね…

キュアウイングは自身をあてにした無謀な戦略を糾弾した際に「信用していたから」で返すあげはに少しどぎまぎした様子も見せましたし、これはなかなか目の離せないコンビになると見ました。

 

第12話

カバトン最後の戦い。

いよいよ追い詰められたカバトンは全ての元凶であるとソラ=キュアスカイを逆恨み、勝てば今後エルちゃんには一切手を出さない事を条件に一騎打ちを申し込みます。

彼の並々ならぬ決意を感じ取ったソラは決戦の日まで山籠もりの修行を行うのですが、決闘当日、カバトンは今まで無機物に放っていたアンダーグエナジーを自身に注入。自らをランボーグ化・巨大化させ襲い掛かってくる、という内容でした。

わりかし定番になりつつある幹部怪物化でしたね。

しかし、前々から思ってはいたのですが、そもそもソラ=キュアスカイの力はずば抜けており、出し抜く様な真似でもしない限り力押しは不可能にすら感じます。今回は意志ある幹部本人が怪物の力を上乗せしたわけですが、正直それでも全く敵っておらず、更には追い詰められたカバトンは約束を反故にしてエルちゃんを捕らえようとするのですが、それすらもサシの勝負を破棄したと見做したプリズム・ウイングに阻まれており、完全敗北を喫してしまいました。

ところで、カバトンがソラを目の敵にしたシーン(「お前が現れてから全て上手くいかなくなった」)なのですが、ましろやツバサは言いがかりだ、と糾弾していました。確かにその通りなのですが、物事がほんのきっかけで暗転してしまう(またはその逆)という事は実は結構ある事なんですよね。

普通ならそこから抜け出すべく人は努力するものなのですが、カバトンはそれを「ソラがいなくなりさえすれば好転する」と思い込んでいた辺りが追い詰められている様子がよく出ていました。実際はそれで事態が好転するとは限らないのに、です*1。またこれを淀みなく糾弾したましろやツバサも若さゆえの…という感じで、個人的には凄く、らしい、と感じました。そこまでの経験は若い頃はなかなか得られないものですから。

敗北を喫したカバトンに、目に見えぬ首領? 上司? から落雷による攻撃が降りかかりましたが、キュアスカイは咄嗟に彼を庇い、何故敵を助けるのか、というカバトンに「良くは分からないがそうするべきだと思った。体が勝手に動いた」と返す彼女にとうとう力でも心でも完敗した事を認め彼女の強さ、己の弱さを認めました。その後、カバトンはアンダーグ帝国の幹部を脱し、新たな出発を地上世界で誓うという形でいったん退場となりました。

このシーンはやはりキュアスカイの理屈ではなく体が動いてしまう実直性が見どころでしたね。例え敵対していた相手とはいえ粛清のような形で滅ぼされそうになっているのを見て見ぬふりは出来ない訳ですね。ホントヒーローだな、コイツ…

そして、カバトンも最後の最後で敗北を受け入れる度量があったのは救いでした。元々、コミカルな側面が強く憎めないところがあったので、この潔さで改心してくれるのなら個人的には「あり」です。過去回でも方々で働いているシーンがありましたが、再出発後はソラシド市で励めればそれが贖罪になるのかな、と。

同じ市内にいる訳ですから、ソラ達とはちょこちょこ絡んでくるかもしれませんね。*2

 

第13話

とうとう立って歩く事が出来るようになったエルちゃん。ヨヨさんの提案でひろプリチームでファーストシューズを贈る事になります。やがてエルちゃんの気に入った靴があったものの、それは初老の女性に買われる直前。しかし、ソラ達のただならぬ雰囲気を察した女性はその靴を彼女たちに譲るものの、その際に見せた寂しそうな表情をましろが看過。いったん靴は購入はしたものの、ましろの一言とソラの提案で、その女性を探すことに。

一方、ヨヨさんはとうとうスカイランドへのゲートを開くことに成功。学校がある事も含めて地上で暮らさねばならないましろの事もあり、別れの時は思いの外早く迫っていて…というものでした。

戦闘がないにもかかわらず、変身シーンがあった貴重な回でした。過去にスタプリであった際には驚きを以て界隈を賑わせましたが、その時も思ったのですが、何かを守るために変身するのがプリキュアだと個人的には思っているので、今回の初老の女性の息子夫婦と孫との別れという思い出を守るために変身したのは納得でもありました。ただ、プリキュアの身体能力を生かして建物から建物を高速ジャンプしていくのを背負われて味わうのは恐怖だったでしょう( ´艸`)

ファーストシューズの話ではありましたが、どちらかと言えばソラとましろの将来的に来るであろう別れを想起させることに重きを置いたシナリオでした。

エルちゃんの帰還を最優先に考え、今回のワープゲート完成の件にも喜びを表していたソラが、初老の女性が孫との別れに涙しているシーンで、ましろともども泣いていたのは印象的でした。やっぱり彼女も寂しいのね…

ただ、メタい事を言わせてもらうと、次回はましろスカイランドを訪れる様なのですが、流石にこれでエルちゃんが父母の元に帰ってハイ終わり、とはならないでしょうから、当然、戦いをまだ継続しなければならない転換点が来るのでしょうね。今までのシリーズでは舞台の街から大きく動くことはあまりありませんでしたが、今作はスカイランドで大冒険、みたいなのがあるかも?

後、細かい事ですが、この初老の女性、ソラ達の正体を知るキャラクターとなりました。準レギュラーである、ヨヨやあげはを除けば、初の既知キャラクターでもありますね。またどこかしらで関わるのかもしれませんが、今作はプリキュアの正体を隠すことにあまり拘泥していないイメージがあります。*3

 

そして敵側の事情

上でも書いた様に、とりあえず「幹部として」はカバトンが退場しました。そして、エルちゃんを狙う勢力がアンダーグ帝国であることが正式に語られました。公式HPでは表記だけはされていたんですけどね。

そして、その正体は一切不明。ソラやツバサはもちろん、ヨヨさんも初耳だそうで、カバトンを脅していた女性上役の事も含めて正体は判然としません。

第12話において、カバトンはアンダーグ帝国では弱い奴に価値はない、と言っていました。だからこそ強さを追い求めた、と。そうなると「帝国」とある以上、最初に考え付くのは競争が激しい弱肉強食が是となっている国家。その場合、国民は全員闘争の世界に叩き込まれる厳しい国であることが想像できます。翻って、敗れ去った「弱者」には辛い扱いが待っている事も想像がつきますよね。もちろん、上の方に上がっても失敗でもしようものならそれこそ今回のカバトンの様に「処罰」されてしまう訳です。

まだまだ謎が多い訳ですが、少なくともワープゲートを開いてある程度の干渉が出来る事が判明しています。第12話では一騎打ちに敗北したカバトンを抵抗できない状態で「持ち上げ」、落雷という自然の力を呼びだした挙句「操作」するという強大な力を見せつけました。

ただ、カバトンはキュアスカイに救われた事によって一命をとりとめましたが、もしアンダーグ帝国が想像通りの強権国家だとしたら、素直に許してもらえますかね? そのうち刺客が送られてくる可能性もあり、まだまだ油断はできませんね。

更に言えば、アンダーグ帝国は本来の目的「エルちゃんの誘拐(及び力の奪取)」をまだ達成していません。当然、第二第三の手を繰り出してくるでしょう。どのような手段に訴えるのか、こちらも気になります。

 

まずは1クール終了したわけですが、とにかくテンポが良く今のところ非常に好印象を抱いています。ソラの実直で努力を惜しまない性格、ましろの優しさ、ツバサの勇気、あげはの飾らない態度(いい意味での陽キャ)と大人の対応、うまくかみ合っています。

あえて言うなら学園生活があまり描かれていない(しかもましろにとってはスカイランドに行けない足枷になっている。次回では一時的に訪れる様だが)のが描写足らずかな、とは思いますが、それも正直気にならないレベルに収まっている。

ストーリーもいい意味で予想がつかず、たえずワクワクして見ている事が出来ます。最後までこのノリを維持できるでしょうか? 引き続き期待大ですね。

 

次回はまずはエルちゃんを無事父母の元に送り届けるようですが、なんとソラの憧れの「ヒーロー」が登場し、更に予告では敵幹部らしき姿や、ソラのライバルポジみたいなキャラ? も、ちらっと見えました。2クール目に向けてまずはスカイランドの事情に注目してみましょう。

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

前々から思っていたのだが、このソラの絵のスキルの高さはなんなんだろう…立体把握がどうしてもできなくて諦めた筆者には羨ましいスキルぞ!

 

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*1:好転するとしたらエルちゃんをアンダーグ帝国まで連れ帰る事に成功した時だろう。

*2:ただ、次回からはスカイランド編になる可能性もあるので、そこら辺はちょっと未知数。

*3:尤も、近作ではこの傾向は強く、プリキュアの正体を隠す縛りそのものがなくなってきている。

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第8~9話雑感

ほう…キュアラブリーさんをディスるとは、なかなかいい度胸だ、Boy…

 

さて、シリーズ初の男性レギュラープリキュアという事で、大きな話題になっていたキュアウイング=ツバサのお披露目回となりました。

二話をかけてじっくり変身者であるツバサとその変身動機を描き、男性ではありますがかなり中性的な容姿、そもそも人間ではなくプニバードというスカイランドに住まう鳥の一種族が変身した姿、とかなり慎重に事に当たったな、というのが最初の感想でした。

 

話の流れとしては、突如、虹ヶ丘邸にて謎の男の子がエルちゃんの前に現れます。その事を気取ったソラはカバトンの仲間ではないかと疑い、罠にかけて彼を捕縛。しかし、彼は元々虹ヶ丘邸で飼われていた太った鳥、プニバードが人間に変身した姿であり、エルちゃんを見守るために姿を現しただけでした。

飛べない鳥であるプニバードの彼が飛びたい一心で航空力学を学んでいる姿を見て、ソラは感動。警戒を解き和解に至ります。

一方、追い詰められつつあるカバトンは子供が遊んでいたドローンを強奪し、ランボーグ化。プリキュアを炙り出すために町を破壊し始めます。

慌てて現場に急行するソラとましろでしたが、二人がいなくなった事で人寂しくなってしまったエルちゃんは単独で彼女らの後を追ってしまいます。そんな彼女を守るため、ツバサはエルちゃんの保護のためにランボーグが暴れている町中に向かうが…というものです。

 

プニバードという種族について

自分は仮称でブッチャーバードと呼んでいました( ´艸`)

実は第一話からその姿を見せてはいたツバサの鳥形態、プニバード。何でも、はるか昔に人間に変身する能力を得た代わりに、飛ぶ能力を失ってしまったそうです。

ツバサは過去に事故で空に投げ出されてしまう、という出来事があったのですが、その時一緒にいた父親が息子を救いたい一心で飛ぶことに成功し、彼は一命をとりとめました。それ以来、ツバサは空を飛ぶことに強い憧れを抱くのですが、父親はそれ以来飛んだことはなく、ツバサの「どのように飛んだのか?」という質問にも「無我夢中だったから分からない」という答えに終始しています。

他にも、プニバード族は様々な分野に才を発揮するらしく、ツバサの父親は高名な画家ですし、地上に落ちてきたツバサが航空力学という難しい学問に取り組んでいる事と言い、飛ぶ能力と引き換えに様々な能力を得ているトレードオフ状態になっています。

引っかかるのは、プニバードは実際は飛ぶ事が出来る、という点。そして、太古の昔に何があったのか、という点。

一つ目は、ツバサの父親が必死の境地だったとはいえ飛んでいる事で実証していますし、二つ目は実態が良く分からない言い伝えとして残っている事。特に二つ目は諸元が良く分かっていないプリキュアの伝説と被っている設定です。

確かにプニバード族は様々な才に恵まれてはいるのでしょうが、鳥のアイデンティティともいえる「飛ぶ」能力を失っています。有体に言えば筆者が最初に感じたのは「呪い」でした。

過去のプリキュアの伝説に、プニバード族の「呪い」。もし、この辺りに共通性があるのだとしたら…過去からの因縁というメインプロットがここから先出てくるやもしれませんね。

 

ツバサ=キュアウイングについて

翼がありながら飛ぶ事が出来ないプニバードが、プリキュアとなって飛行能力を得る。非常に良い演出でしたが、ひたむきに飛ぶ事への憧憬を止めなかった末に飛んだ=プリキュアとなった、と取るか、プリキュアになったからこそ飛ぶ事が出来た、と考えるかは意見の分かれるところかもしれません。個人的には前者を推したいですが、プニバード形態の時に飛べないとなると後者の様な気もします。

第8話ではカバトンに捕獲されたエルちゃんを救うために奮闘しましたが、いよいよ逃げ切れない、となった時にエルちゃんを逃がすために空飛ぶゆりかごにかけていた手を自ら離したのには驚きました。プリキュアシリーズでは頻繁に現れる自己犠牲でしたが、今回のそれは足場も何もない空の上で行った正に命をかけたものだった訳で…個人的にはドキプリのキュアダイヤモンド氷漬けに匹敵するインパクトでした。

プリキュアになれた動機も、エルちゃんを守りたいという気持ちと、空を飛びたいという純粋な憧れがペンを形成しましたが、双方とも彼の強い気持ちの表れであり、動機としては申し分なかったです。

それが故でしょうか、プリキュアになった際には、エルちゃんのナイトとなる事を宣言しており、彼女の守護を司る存在となるのかもしれませんね。ただ、エルちゃんとツバサの関係は確かに王女とその臣民ではあるのですが、ナイトの話が出てきたのはちょっと唐突だったかな。カバトンに彼がプニバードであることを看破され「王家に恩を売りたいんだろう」と罵られた際には「見知らぬ世界に取り残された彼女を守るのは当然の感情」と言っていましたが、少し弱い気もしました。エルちゃんが日々成長していく様を、自身の励みにしていたのはなんとなく分かってはいたのですが、ちょっと難しいところ突いちゃってない? とは思います。

ツバサ本人は自身を過小評価している点は気になりますが、向上心自体はあり大人しく優しい好少年です。自身を顧みずエルちゃんを救おうとした自己犠牲の精神、エルちゃんを侮辱したカバトンに啖呵を切るなど、いざという場面では勇気を持ち合わせていました。個人的にはヒープリのペギタンに少し似ているな、と感じます。

上でも書いた様に、シリーズ初のレギュラー男の子プリキュアという事で、どうなる事やら、と怖さ半分興味半分で見ていましたが、担当声優さんは男の方ながらも可愛らしい声でキャラクターにマッチしており、そもそも話中で男である、女である、という話題も出なかったため、思ったより違和感はなかったです。というより、プリキュアシリーズってそもそも「女の子しかなれない」とは明言してはいないんですよね。ならば、そう言う話がシナリオ上に出てくること自体がナンセンスな訳で。

ただ、あえて言うなら、今回の話はツバサが男である必要性そのものはなかったかな、とも感じました。逆説的に言うならば、この話はツバサが女の子でも成立はしたよね、と。そこに性差がない、という証左にもなっていますが、せっかくのシリーズ初の試みです。うまく活用出来ればな、と今後を楽しみにしています。

キュアウイングの能力面に目を向けると、やはり「飛べる」というのが最大のアドバンテージになっています。実際問題今回のランボーグは浮遊型で、スカイとプリズムではほとんど手を出す事が出来ず、その時点で合流していたあげはの助言でようやく一発をお見舞いできた、という状態でした。

余談ですが、あげははスカイとプリズムにランボーグのいる高度へ打ち上げる策を授けていましたが、彼女は参謀的な役割が充てられるのかもしれませんね。

飛べる、というのが個性の一つになっていたプリキュアプリアラのキュアパルフェがいましたが、正直あまり機能はしておらず消化不良に感じた部分でした。今回は空を飛ぶこと自体が局所戦を担える事がキュアスカイの口から語られており、個人的にはキュアマーメイドの様な局所特化型の戦闘シーンが見られると嬉しい限りです。

ランボーグの体を突進で貫通する「ひろがるウイングアタック」を披露しましたが、その後に浄化を二人に委ねており、この技自体は浄化能力までは持っていないのかもしれませんね。

あと、これは気のせいかもしれませんが、キュアウイングのデザイン。襟の部分が肩に被さる様に付いていますが、この襟が広く腕の部分から横に少しはみ出ておりこれが彼の肩幅を少し広く見せている=男の子である事を表しているのかな、と感じました。いずれにせよナイスデザインかと思います。

 

敵側の事情について

エルちゃんの捕縛に成功し、カバトンが上司に通信を用いて報告している場面がありましたが、その際にはかなりのエネルギーを使っている表現がありました。これはワープゲート使用の際にも同様かと思われるので、ゲート自体は開くことは出来ても多用が出来る代物ではない=だから地上に留まっている、と推察できます。

その上司に対して、アンダーグ帝国に帰還した暁には更なる力を「くれ」と言っていました。だとすれば、ランボーグ召喚を含めた彼の力は借り物である可能性が高いですね。額のクリスタルなんかはかなり怪しい。

第9話ではツバサと対峙した際に、上で書いたエルちゃんを守ろうとした理由を聞いた際には、今までのどこかコミカルな面を捨てて「わからん。お前は嫌いだ」と冷たく言い放ち、直後空に放り出すという非道を行っており(実際、エルちゃんが乗っている空飛ぶゆりかごごと落とされたから助かったものの、本来ならば地上に落ちてスプラッタだったはず)、どことなく不自然な態度を取りました。

更に、ツバサがキュアウイングに変身すると「あんな脇役まで」プリキュアになった事に驚愕し「空が飛べるから何だっていうんだ!」と激昂までしており、非常に感情的な顔を見せました。

これは、あれですかねえ。個人的に感じたのは同族嫌悪。要するにカバトンの根幹には自分=弱者を投影し、それを憎んでいる、というのがある。だからこそ、俺TUEEEEを連呼し弱者をコケにする様な真似をする。戦闘力を持たないプニバード形態のツバサを嘲笑っていましたが、それは他ならない自身への嘲笑への裏返しだとしたら…少し哀れにも感じましたね、今回の彼のキュアウイングに対する「慌て」ぶりは。このままいくと彼の出番はもう長くはないでしょう。深く切り込んでくるのかに注目しましょう。

 

さて、次回は、ツバサがまだまだ話の中心みたいですね。みんなでスカイランドの料理を作ろうとするみたいですが…むむむ…ヤーキターイ? どんな料理なのかさっぱりワカラナイ!(お目目ぐるぐる)

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

いやまあ、スカイランド神拳の使い手だからね…わかる。わかるんだけどさ…気配察知まで習得しているなんて最早達人の域じゃんかよお。どういう修行してたんだ、彼女は!?