ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第10~13話雑感

ヤーキターイ(実質タイ焼き)に鮭入れたがるのはどうなのさ~、ソラちゃん。しかしこの手のお菓子って呼び名一つで戦争起こったり色々な種類あるからなんともな( ´艸`)ちなみに個人的に食べてみたいのは秋田県にあるというオランダ焼き。

 

さて、1クールが終了しました。この期間はキュアウイングへの変身を果たしたツバサを中心に、皆のよき理解者であるあげはを絡めつつ、掘り下げが進みました。

更には、敵側ならば幹部カバトンの退場…というか再出発、プリキュア側もついにヨヨさんがスカイランドへのゲートを開くことに成功など、シナリオも大きく動きました。

 

各話小感想

第10話

ツバサの歓迎パーティーを開催するにあたり彼の希望を聞いたところ、ヤーキターイというお菓子を所望されたものの当然地上世界では材料が足りず、ならばひろプリチームで似たようなものを制作しようと奮闘するお話。

ツバサメインかと思いきや、ましろが結構絡んできたのが意外でした。先回でも自身の夢のなさに焦燥を見せていたましろでしたが、ひたむきにヒーローとしての鍛錬を怠らないソラに、空を飛ぶ事への挑戦を続けるツバサにはいろいろ考えさせられている描写がありました。

話の後半にカバトンから戦闘面において突出している部分がないと煽られた際には、心が折れそうになっていましたが、キュアスカイとウイングが彼女の強さは優しさであり、その支えは何よりも強いのだ、と説かれたところで開眼、相手のミサイル攻撃を完封しました。

このシナリオでは、ましろが幼い頃に忙しい父母におにぎりを作ろうとして失敗したエピソードや、ツバサのためにヤーキターイの試作を何度も試みてくれたこと、更にはカバトンに切った啖呵「大切な友人を傷つけるのは許せない」など、まずは他人が優先である事が多く語られました。先回あげはも「ましろんの最大の強さは優しさ」と言っていましたが、他人を慮る心根の優しさこそが彼女の本質である、と改めて理解できる内容でとても良かったです。

一方、ツバサは地上に来てからかなりの月日が経って寂しかったでしょうに、先ほどのましろのおにぎり失敗エピソードを聞き、更に信頼し合える仲間たちを得て、彼女らと楽しく過ごせる時間こそ貴重なものなのだ、と気が付きました。家族と楽しく食事した思い出こそが本当に欲しかったものだと告白し、今はみんなとの楽しい時間こそが僕のヤーキターイであると告げるシーンはベタではありましたが彼らしくて微笑ましかったですね。

 

第11話

あげはがツバサと交流するお話。みんなでピクニックに行くのですが、どうもあげははツバサと仲良くしたかったらしく…

ツバサはあげはが彼を「少年」呼ばわりするのに不満顔であり、性格も反りが合わない感じで前途多難ぽかったですが…

よくよく考えてみると、ヨヨさんやエルちゃんを除けば、一番年の差があるんですよね、この二人は。お互いになのでしょうが、ない部分を持ち合わせている、と感じている様で良いコンビになりそうな予感がします。

先回でもあげはは策士っぽいところを見せましたが、今回も健在であり、後半ではロープウェイを核にしたランボーグに捕縛されてしまったところをじゃんけん勝負に持ち込んでロープから手を離させたり(しかも最初から「グー」を出すと宣言する周到っぷり)、キュアウイングが飛べることを見越して空中に投げ出されることを計算していたり、策を講じる頭、実行に移す即断力、危険を顧みない度胸など、なかなか見どころがありました。…え? あんなのに引っかかるカバトンがマヌケ? それはまあ…そう…まあ、そうね…

キュアウイングは自身をあてにした無謀な戦略を糾弾した際に「信用していたから」で返すあげはに少しどぎまぎした様子も見せましたし、これはなかなか目の離せないコンビになると見ました。

 

第12話

カバトン最後の戦い。

いよいよ追い詰められたカバトンは全ての元凶であるとソラ=キュアスカイを逆恨み、勝てば今後エルちゃんには一切手を出さない事を条件に一騎打ちを申し込みます。

彼の並々ならぬ決意を感じ取ったソラは決戦の日まで山籠もりの修行を行うのですが、決闘当日、カバトンは今まで無機物に放っていたアンダーグエナジーを自身に注入。自らをランボーグ化・巨大化させ襲い掛かってくる、という内容でした。

わりかし定番になりつつある幹部怪物化でしたね。

しかし、前々から思ってはいたのですが、そもそもソラ=キュアスカイの力はずば抜けており、出し抜く様な真似でもしない限り力押しは不可能にすら感じます。今回は意志ある幹部本人が怪物の力を上乗せしたわけですが、正直それでも全く敵っておらず、更には追い詰められたカバトンは約束を反故にしてエルちゃんを捕らえようとするのですが、それすらもサシの勝負を破棄したと見做したプリズム・ウイングに阻まれており、完全敗北を喫してしまいました。

ところで、カバトンがソラを目の敵にしたシーン(「お前が現れてから全て上手くいかなくなった」)なのですが、ましろやツバサは言いがかりだ、と糾弾していました。確かにその通りなのですが、物事がほんのきっかけで暗転してしまう(またはその逆)という事は実は結構ある事なんですよね。

普通ならそこから抜け出すべく人は努力するものなのですが、カバトンはそれを「ソラがいなくなりさえすれば好転する」と思い込んでいた辺りが追い詰められている様子がよく出ていました。実際はそれで事態が好転するとは限らないのに、です*1。またこれを淀みなく糾弾したましろやツバサも若さゆえの…という感じで、個人的には凄く、らしい、と感じました。そこまでの経験は若い頃はなかなか得られないものですから。

敗北を喫したカバトンに、目に見えぬ首領? 上司? から落雷による攻撃が降りかかりましたが、キュアスカイは咄嗟に彼を庇い、何故敵を助けるのか、というカバトンに「良くは分からないがそうするべきだと思った。体が勝手に動いた」と返す彼女にとうとう力でも心でも完敗した事を認め彼女の強さ、己の弱さを認めました。その後、カバトンはアンダーグ帝国の幹部を脱し、新たな出発を地上世界で誓うという形でいったん退場となりました。

このシーンはやはりキュアスカイの理屈ではなく体が動いてしまう実直性が見どころでしたね。例え敵対していた相手とはいえ粛清のような形で滅ぼされそうになっているのを見て見ぬふりは出来ない訳ですね。ホントヒーローだな、コイツ…

そして、カバトンも最後の最後で敗北を受け入れる度量があったのは救いでした。元々、コミカルな側面が強く憎めないところがあったので、この潔さで改心してくれるのなら個人的には「あり」です。過去回でも方々で働いているシーンがありましたが、再出発後はソラシド市で励めればそれが贖罪になるのかな、と。

同じ市内にいる訳ですから、ソラ達とはちょこちょこ絡んでくるかもしれませんね。*2

 

第13話

とうとう立って歩く事が出来るようになったエルちゃん。ヨヨさんの提案でひろプリチームでファーストシューズを贈る事になります。やがてエルちゃんの気に入った靴があったものの、それは初老の女性に買われる直前。しかし、ソラ達のただならぬ雰囲気を察した女性はその靴を彼女たちに譲るものの、その際に見せた寂しそうな表情をましろが看過。いったん靴は購入はしたものの、ましろの一言とソラの提案で、その女性を探すことに。

一方、ヨヨさんはとうとうスカイランドへのゲートを開くことに成功。学校がある事も含めて地上で暮らさねばならないましろの事もあり、別れの時は思いの外早く迫っていて…というものでした。

戦闘がないにもかかわらず、変身シーンがあった貴重な回でした。過去にスタプリであった際には驚きを以て界隈を賑わせましたが、その時も思ったのですが、何かを守るために変身するのがプリキュアだと個人的には思っているので、今回の初老の女性の息子夫婦と孫との別れという思い出を守るために変身したのは納得でもありました。ただ、プリキュアの身体能力を生かして建物から建物を高速ジャンプしていくのを背負われて味わうのは恐怖だったでしょう( ´艸`)

ファーストシューズの話ではありましたが、どちらかと言えばソラとましろの将来的に来るであろう別れを想起させることに重きを置いたシナリオでした。

エルちゃんの帰還を最優先に考え、今回のワープゲート完成の件にも喜びを表していたソラが、初老の女性が孫との別れに涙しているシーンで、ましろともども泣いていたのは印象的でした。やっぱり彼女も寂しいのね…

ただ、メタい事を言わせてもらうと、次回はましろスカイランドを訪れる様なのですが、流石にこれでエルちゃんが父母の元に帰ってハイ終わり、とはならないでしょうから、当然、戦いをまだ継続しなければならない転換点が来るのでしょうね。今までのシリーズでは舞台の街から大きく動くことはあまりありませんでしたが、今作はスカイランドで大冒険、みたいなのがあるかも?

後、細かい事ですが、この初老の女性、ソラ達の正体を知るキャラクターとなりました。準レギュラーである、ヨヨやあげはを除けば、初の既知キャラクターでもありますね。またどこかしらで関わるのかもしれませんが、今作はプリキュアの正体を隠すことにあまり拘泥していないイメージがあります。*3

 

そして敵側の事情

上でも書いた様に、とりあえず「幹部として」はカバトンが退場しました。そして、エルちゃんを狙う勢力がアンダーグ帝国であることが正式に語られました。公式HPでは表記だけはされていたんですけどね。

そして、その正体は一切不明。ソラやツバサはもちろん、ヨヨさんも初耳だそうで、カバトンを脅していた女性上役の事も含めて正体は判然としません。

第12話において、カバトンはアンダーグ帝国では弱い奴に価値はない、と言っていました。だからこそ強さを追い求めた、と。そうなると「帝国」とある以上、最初に考え付くのは競争が激しい弱肉強食が是となっている国家。その場合、国民は全員闘争の世界に叩き込まれる厳しい国であることが想像できます。翻って、敗れ去った「弱者」には辛い扱いが待っている事も想像がつきますよね。もちろん、上の方に上がっても失敗でもしようものならそれこそ今回のカバトンの様に「処罰」されてしまう訳です。

まだまだ謎が多い訳ですが、少なくともワープゲートを開いてある程度の干渉が出来る事が判明しています。第12話では一騎打ちに敗北したカバトンを抵抗できない状態で「持ち上げ」、落雷という自然の力を呼びだした挙句「操作」するという強大な力を見せつけました。

ただ、カバトンはキュアスカイに救われた事によって一命をとりとめましたが、もしアンダーグ帝国が想像通りの強権国家だとしたら、素直に許してもらえますかね? そのうち刺客が送られてくる可能性もあり、まだまだ油断はできませんね。

更に言えば、アンダーグ帝国は本来の目的「エルちゃんの誘拐(及び力の奪取)」をまだ達成していません。当然、第二第三の手を繰り出してくるでしょう。どのような手段に訴えるのか、こちらも気になります。

 

まずは1クール終了したわけですが、とにかくテンポが良く今のところ非常に好印象を抱いています。ソラの実直で努力を惜しまない性格、ましろの優しさ、ツバサの勇気、あげはの飾らない態度(いい意味での陽キャ)と大人の対応、うまくかみ合っています。

あえて言うなら学園生活があまり描かれていない(しかもましろにとってはスカイランドに行けない足枷になっている。次回では一時的に訪れる様だが)のが描写足らずかな、とは思いますが、それも正直気にならないレベルに収まっている。

ストーリーもいい意味で予想がつかず、たえずワクワクして見ている事が出来ます。最後までこのノリを維持できるでしょうか? 引き続き期待大ですね。

 

次回はまずはエルちゃんを無事父母の元に送り届けるようですが、なんとソラの憧れの「ヒーロー」が登場し、更に予告では敵幹部らしき姿や、ソラのライバルポジみたいなキャラ? も、ちらっと見えました。2クール目に向けてまずはスカイランドの事情に注目してみましょう。

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

前々から思っていたのだが、このソラの絵のスキルの高さはなんなんだろう…立体把握がどうしてもできなくて諦めた筆者には羨ましいスキルぞ!

 

-------------------

 

 

*1:好転するとしたらエルちゃんをアンダーグ帝国まで連れ帰る事に成功した時だろう。

*2:ただ、次回からはスカイランド編になる可能性もあるので、そこら辺はちょっと未知数。

*3:尤も、近作ではこの傾向は強く、プリキュアの正体を隠す縛りそのものがなくなってきている。