ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第14~15話雑感

ハイ! プリキュアママ美人さんの法則、発動ー(/・ω・)/<大歓喜

 

さて、今期間はスカイランド回とでも言いますか、スカイランドでのソラ達の活動がメインでした。しかし、それ以上に濃厚なソラ=ハレワタールという人物像にスポットが当たった期間でもありました。

今まで、割と謎の多かったソラでしたが、2クール目の入り口、という事もあってか大体の事情も判明。流石に大きな秘密持ち、という訳ではなく概ね合点がいく内容でした。

 

話の流れとしては、ヨヨさんのおかげでとうとうスカイランドに行くワープゲートをくぐって凱旋する事になったソラ、ましろ、ツバサ。エルを無事保護してくれ、親元に送り届ける事に成功した彼女らは、熱い歓待を受けます。

望むものを取らせようとする王でしたが、ましろは何も望まなかったものの、ツバサはエルちゃんの養育係に、ソラは彼女の本来の目的であった王宮直属の騎士団「青の護衛団」への入団を希望、許可されます。

ソラは青の護衛団の団長シャララ(かつて救われた「ヒーロー」とは彼女の事)に憧れており、また彼女もソラの事をよく覚えていたため、青の護衛団に正式に入団するのですが、その事を快く思わない団員ベリィベリーと一騎打ちをすることに。この勝負に辛くも勝利を収めたソラは強さに拘泥している彼女を糾弾します。

しかしシャララからベリィベリーの事情が語られ、正論を吐くにしてもよく考えなければならない、と窘められたソラは彼女に謝罪するべく王城を飛び出します。

一方、勝負に負けた事とソラからかけられた言葉に落ち込んでいたベリィベリーはアンダーグ王国からの新たな幹部・バッタモンダーに彼女自身の手甲を核にしたランボーグを召喚され襲われる事に。当然騒ぎになったため、ひろプリチームがすぐに駆け付けます。

しかし、流石にカバトンのものとは比べ物にならない強さを誇るランボーグに苦戦。声を上げランボーグの標的になってしまったベリィベリーを庇う形でキュアスカイが踏みとどまり、彼女に非礼を詫びるとともに怪力を発揮。そのまま合体技で浄化に成功し、バッタモンダ―は撤退。

ソラとベリィベリーは和解し、ソラは晴れて青の護衛団の一員として認められたのでした(第14話)。

それから、しばらくの間、散発的なランボーグ襲撃があったものの、青の護衛団とプリキュア達の力によって、スカイランドは平和が保たれていました。あるべき場所に収まったソラとツバサを見てましろはいよいよソラシド市に帰る決意を固めます。

しかし、そんな矢先に再度現れたバッタモンダ―は、今までの襲撃は倒されたランボーグをカモフラージュしてアンダーグエナジースカイランドに少しづつばら撒く布石であり、それを集約させて巨大な風船爆弾ランボーグを召喚した上で一時間以内にプリンセス・エルを渡さなければ、ランボーグを爆発させて国中にアンダーグエナジーをばら撒き大惨事を引き起こす、と王家に脅迫をかける…というものでした。

 

ソラ・ハレワタールについて

という訳で、大体の出自が詳らかにされました。

まず、上でも書いた様に何か途轍もない秘密があるとかではなく、今までの舞台がスカイランドではなかったが故に多くは語られていなかった、と言った所ですね。

第一話でスカイランドを訪れようとしていた理由は、かつて命を救われた「ヒーロー」シャララが隊長を務める青の護衛団に入団するためでしたし、回想シーンで両親も姿を現しました。スカイランド国にある田舎の一般宅の娘といった感じでしたね。先の記事でヒーローの正体自体は知っていたのでは? と推測しましたが、これについては予測通りであり、延いてはそのお陰で辻褄があったというか、パズルのピースが上手くハマった感じです。

回想シーンでは両親から洞窟に行った事を咎められており、過去回の触手の様な怪物に襲われそうになったシーンの事も含めて、ここは後々重要箇所になる可能性がありますね。

性質・性格面に目を向けると、自身の正義感の先走りは相変わらず、といった感じですが、今回はシャララにそれとなくその事を窘められており、しかし、それをすぐに受け入れて反省するのはやはり美点でしょうか。このエピソードはとても良かったので後で別項目で後述します。

そして、何と言っても第15話で見せた啖呵。風船型ランボーグを抑えるためにキュアプリズムとともに決死のアップドラフトシャイニングを放ったものの力尽きてしまうのですが、その隙に王宮に侵入したバッタモンダ―によって窮地に追い込まれたエルちゃんの助けを呼ぶ声に呼応。意識を取り戻したキュアスカイは王城の窓を突き破って、直接バッタモンダ―と対峙し言い放つのです。

「そこから1ミリでもエルちゃんに近づいたら、私はあなたを許さない!」

この場面、アングル的にキュアスカイの表情が一切分からなかったのですが、バッタモンダ―はそれを見て顔を引きつらせながら撤退してしまうのです。

まあ…鬼の形相だったんでしょうね。

プリキュアシリーズですから、あえてこういう柔らかい表現を使ったのでしょうが、正直、筆者的には「そこから一歩でも動いてみろ。ぶち●すぞ」と言ったように聞こえました。しかも、アップドラフトシャイニングとランボーグの力が拮抗している所にシャララが乱入して吹き飛ばされてしまったところを見た直後とあっては…

それを表情を一切見せない&声優さんの演技で演出しきったのは見事でした。決める時はきっちり決めるのは清々しい。

欠点がない訳ではない。しかし、それを提示されればすぐに省みて次への成長の糧とする。多少暴走気味ですぐに行動に移してしまう(シャララに窘められた際にも、彼女の制止を振り切ってすぐさまベリィベリーの元に駆け付けようとしている)のには苦笑してしまいますが、本当に良い主人公ですね。

 

スカイランドの人々について

かなり多様な人物が出ましたね。

まずは王様と女王について。娘であるエルちゃんを猫可愛がりしているのは今までの経緯からも分かっていた事でしたが、ちょっと気になったのはいくらなんでものんびり屋過ぎないかな、という点。これは前作のクッキングダムの王族にも言える事でしたが、敵の正体が良く分からないうちから、ランボーグの襲撃を10回程度防衛できたぐらいで「いい加減(敵側も)懲りただろう」と言うのは些か悠長に過ぎる。事の本質はそこではなくて(恐らく)ワープゲートを自在に使って王城付近まで敵が現れている事と、それに対処療法の様な形でしか対応できない事だというのに。

ただ、エルちゃん帰還の際に、ひろプリチームに保護してくれていた事だけではなく、ちゃんと養育してくれていた事に礼を述べている所は基本的には善人である事を伺わせとても良かったです。

それだけ、スカイランドはエルちゃん誘拐事件までは平和な世界だったとも言えますが、悪い言葉を使うと平和ボケ過ぎる。その代償と言っては酷かもしれませんが、いつの間にか王宮に侵入されてしまったバッタモンダ―に、エルちゃんの譲渡を拒否したため、昏睡状態にされてしまいます。

この眠りは通常のものではなく一種の呪いの様なもので、この解除方法を求めてひろプリチームはヨヨさんの力を借りるべく再びソラシド市に向かう事になりました。

青の護衛団隊長・シャララ。

幼い日のソラを助けた「ヒーロー」であり、彼女に多大な影響を与えた人物です。生真面目且つその立場から、面倒見の良さそうな好人物として描かれました。

剣の腕も相当のものの様で、単騎でランボーグを真っ二つにするほどの力があります。浄化の有無を除けば、プリキュアに比肩する、と筆者は感じました。

ソラの事は前々から目をかけていた様で、幼い頃に助けてもらったお礼にと渡されたスカイジュエル製の小さなペンダントを大切に身に付けていたり、入団間もない彼女を遠征のパートナーに指名していたり、アップドラフトシャイニング発動の拮抗状態に苦戦中のプリキュア達に我が身を顧みず助力しようとするなどしています。

プリキュアの援護に駆け付ける直前、ソラの部屋に立ち寄りメッセージを残していますが、どうにも他の団員の反応(「一人でなんて無茶だ!」)を見ても死を覚悟した上での乱入でもあったようで、力及ばずランボーグに吹き飛ばされた際にはキュアスカイに対して「ヒーローの出番だ」と呟いており、なんか、自身の想いまで含めて彼女にすべてを託したのかな、と感じました。実質後継者指名かな、と。

第15話のラストで青の護衛団必死の捜索でもその行方は分からず、いったんは退場となりました。流石にまだ出番はあると踏んでいますが、先の動向が気になるキャラになりましたね。

青の護衛団員、ベリィベリーもなかなか注目に値するキャラですね。(彼女からしてみれば)ぽっと出で入団してきたソラに反感を持ち一騎打ちを挑んできましたが、その戦闘スタイルは右手に仕込んだスカイジュエルが埋め込まれた手甲から雷光を纏わせての拳打を中核にした格闘術。厨二心を嫌でもくすぐられます。

腕前も言うだけあってスカイランド神拳の使い手であるソラとほぼ互角であり、最後はソラに打ち負けはしたものの、遜色はほぼありません。

シャララが腕のけがが原因で護衛団の登用試験に落ち続けていた過去をソラに明かしていましたが、恐らく手甲でそれをフォローしているものだと思われます。

ハンデがあっても護衛団の一員として勤めている事とソラと互角の勝負が出来ている点から、相当な努力を積み重ねている事は容易に想像が出来、似た格闘スタイルである事もあって、ソラのオマージュキャラの側面があるな、と感じました。敗北とソラにかけられた言葉のショックから落ち込んでいましたが、翻って、ソラもこのように自身の根幹が揺らぐ事態が起こった時、懊悩する可能性がありますね。

結果的に青の護衛団は隊長であるシャララを失い、プリキュアの力を持ったソラは再びソラシド市へ、守るべき王族は呪いの眠りに閉ざされ、エルちゃんもプリキュアの庇護の元が一番安全(+亡命も兼ねて)なソラシド市へ随伴。まずは人民の防衛が最優先でしょうが、ガタガタになってしまったのは紛れもない事実です。が、副団長っぽい男性団員とともにベリィベリーが支えていくのかな、と想像していたりしています。

ツバサの両親も少しだけ登場しましたが、ずいぶん心配をかけたが故にツバサの無事を喜んでいました。肝心のツバサ自身はちょっと反抗期に入っており、少しうざがってもいましたね( ´艸`)。ただ、確かにツバサはエルちゃんを救う大功績を残してはいるものの、いきなり彼女直属の近衛というのは有体に言って大出世どころの話じゃないですね。これをあっさり認めちゃうあたりも王と王女の甘さが鼻にはつくんだよなあ…

息子の意思は尊重してるようで、再びソラシド市へと赴くツバサを見送りに来ています。正直、親御さんとしては子供を危険な異世界に再び送り出すのはやるせない心境だと思うのですが、それだけ息子を信じているのかもしれませんね。この親子はもう少し掘り下げがあると嬉しいです。

 

敵側の事情について

第二の幹部、バッタモンダ―が登場しました。

基本的にはキザで紳士ぶっていますが、自分の思い通りに事が運ばないとすぐに癇癪を起し荒っぽい本性を表します。それだけではなく、シャララ隊長が倒されたところを目の当たりにし、エルちゃんを守るために決死の形相をしていたであろうキュアスカイに凄まれただけで撤退するなど、臆病な面も覗かせました。

落ち込んでいるベリィベリーの目の前に突如現れ、彼女の弱みに理解を示すふりをしながらいたぶる様に言葉責めをするなど、陰湿さが強調されています。精神攻撃を仕掛けてくる可能性もありますね。

本性を隠すために仮面を被っている、しかしその内面は様々なものを内包しているなかなか面白い敵キャラクターです。

基本的な物の考え方はカバトンと変わっておらず、弱肉強食を良しとする考え方です。カバトン自身も言っていましたが、アンダーグ帝国ではそれが常識的観念なのでしょうね。呼びだしたランボーグにプリキュア達の相手をさせるに留めていましたが、その理由も「(プリキュア達が)弱いから、自分まで出たらかわいそう」というもの。言うだけあって、カバトン製のものとは比べ物にならない強さのランボーグを召喚していましたが、シリーズ恒例の「怪物と幹部のタッグを何故かやらない」の理由付けになっていたと思います。

自身の強さを誇示し、弱者を踏みにじるやり方はカバトンとの共通性ですが、カバトンが自身の弱さの裏返しだったのに対し、バッタモンダ―は生粋の性分の様な気もします。ただ、上でも書いた様に、年下の女の子の気迫でたじろぐというビビりな面も覗かせたので、彼の今後の描かれ方にも注目したいです。*1

任務も引き続きエルちゃんの捕獲で変わっていないようですし、ワープゲートの汎用性を考えるに、当然地上=ソラシド市にも襲来してくるでしょうから、町への損害も含めて、プリキュア達がどう対処するのかも目が離せません。

 

そして、シャララ隊長からのメッセージ

とても…とても大切な言葉ですよね。別にこれはヒーローに限った話ではありません。我々個々に向けられた今の情報が溢れたこの世界に於いて、何とも考えさせられるメッセージです。

ただ、これは難しい側面もあって、例えば思慮深い故に結論が後回しになって大事な決断の時に出遅れてしまうと元も子もありませんし、かと言って、相手の事情を考えずに物事を処断してしまうのは隊長の言う様に非常に危険でもあります。*2

物事というのは様々な事象によって成り立っています。それをすべて鑑みる事は出来ないにせよ、ある程度の咀嚼を以てなさなければ強い言葉というのは色を失ってしまう。

当ブログでも敵の事情についてかなり切り込んで記事を書いていますが、これも主人公サイドの視点だけで記事を書くのはそもそもフェアではない、という思想があるからです。長所短所双方を出来るだけ書いているのも同じ理屈。

ところで、シャララ隊長はソラに、相手の事を慮る事を教唆したわけですが、すぐそばにいますよね。第一に相手の心情を慮る事が出来る心優しい「友達」が。

こう考えるとソラとましろはやはりベストパートナーなのかな、と思います。お互い足りない部分を補いあえるし成長しあえる。かけがえのないバディ。まだまだ前半でこれを描けているのは実はすごい事ですよね。

 

次回は…ご機嫌斜めになってしまったエルちゃんに桃太郎の演劇を見せるお話? 息抜き回っぽいけど…あ、エルちゃんが桃太郎役なんだ( ´艸`)

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

むう…腰の入ったいい拳だ…ソラ、拳訣を極めたな…

 

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*1:あの場面はバッタモンダ―がビビりなのか、それほどキュアスカイの表情が鬼気迫っていたのかは「視聴者の想像にお任せします」ではあったのだが。

*2:現にシャララも「そこがヒーローの難しい所だ」と言っている。