ふらあそ!

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【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第18話「アゲアゲ! 最強の保育士 キュアバタフライ!! 」感想

そんな…四人目はベリィベリーだと信じていたのに…追加戦士! 追加戦士の目はまだあるよね! ね!

 

と言う訳で、まあ大方の予想通り、あげはさんが発表されていた最後の戦士・キュアバタフライへと変身を果たしました。

変身動機は彼女が保育士志望という事もあって子供を庇う展開で…というべた展開を予想していましたが、いい意味で裏切られました(ただし、子供の庇護も動機の一つではあった)。なかなか面白い切り口だったと思います。

 

話の流れとしては、いきなり戦闘シーンから始まるのですが、ひろプリチームの連携もあってバッタモンダーの召喚したランボーグをあっさり撃退した事に喜ぶあげはでしたが、その事をバッタモンダ―に「外野がうるさい」と言って撤収するのを見て「負け惜しみかっこ悪い」と一蹴します。

日にち変わって、あげはは幼稚園での研修が始まり、プリキュア達の活躍が園児たちも含めて認識されている事に驚きます。そんな中、園児の一人・たける君はキュアウィングに強く憧れており、あげは経由で手紙の返事をもらって更に感動。尊敬の念を強めますが…

そんな折、たける君が他の園児をぶつ、という事件が発生。順番を守らない園児をぶつのは正しいと、暴力を正当化し始めた事により、プリキュアへの憧憬が間違った方向に行きつつある、と感じたあげはは逃げ出した彼を追いかけますが、そこにタイミング悪くバッタモンダーとランボーグが現れ…というものです。

 

聖あげは=キュアバタフライについて

満を持して登場…と言った所でしょうか。筆者は上でとぼけていますが、公式発表の段階で既にバレバレであり、しかもシリーズ初の成人プリキュアである、という点も話題になっていましたね。

ただ、個人的な観点で言わせてもらうと、筆者はあまりこの成人というのにはこだわってはいませんでした。と言うのも、似た年齢層であった高校生組のプリキュア変身者が既出でしたし、あげは自身も進路を明確に決めているとはいえ、まだ18歳の学生である、という事があるからです。成人に近い大人の対応、というのであれば、例えば、ハトキャのゆりさんやプリアラのあきらが近いポジションとして存在していましたし、敢えて違いを挙げるのならば自動車の免許を持っている事ぐらい。その車を生かした機動力も前作のマリちゃんがそうであったようにプリキュア必須の重要なファクターとはあまり言えない。

まあ、そんな訳で、個人的にはいつもの年上キャラ…ぐらいに考えてはいましたが…実際の所、今の段階ではその枠をはみ出てはいないかな、と感じます。が、これからの活躍次第でどう化けるかは分からないので、次回以降に期待です。

変身動機はなかなか良かったですね。上でも書いた様に、子供を守るというのもありはしましたが、それ以上にひろプリチームに献策と応援以外何も出来ていなかった負い目と、バッタモンダーに外野扱いされた事への反発、そして、あくなき向上心、と言った所でしょうか。

少し話は変わりますが、自分は俗に言う「ラノベ、なろう系」が苦手です。やれ主人公がチートスキルだ、いきなり最強だ、というのもありますが、それ以上にダメなのが「主人公以外の世界があまりに狭い」事。主人公が不自然なぐらいモテモテになったりするのも、この原則があるからなのですが、それ以上に主人公(若しくは良くてもその周辺)以外の扱いがぞんざいすぎる。その最たるもの「モブ」という定義。

自分もこのブログで行きがかり上、その表現を使いますが、結局のところ、モブと言うのは存在しない、とも思っています。それが創作物のキャラクターであっても一人一人に人生があり歴史があるはずです。それを一括りにモブで表現してあまつさえぞんざいに扱うのはどうしても好きになれない。

最近、アニマックスでやたらと某スライムアニメをやっていたのでしばらく視聴していたのですが、自身の村を襲撃した軍隊を復讐で全滅させたシーンを見て視聴を止めました。主人公を怒らせればとんでもない事になるところを見せたかったのは分かるのですが、その主人公が元は人間であるはずなのに、平気で虐殺行為に及べるバックグラウンドがありませんでしたし、そもそもあの話は首謀者を倒せばよかっただけの話(現に軍隊虐殺後、首謀者も葬っている)。つまり、主人公の残忍性の表現に軍隊と言う「モブ」を虐殺しただけな訳ですが、ではその虐殺された側の家族はどう思う? とか、そういう視点はまるでない。それでいて、主人公がそういうキャラならともかく、自分が形成したコミュニティでは善人扱いであがめられる存在で普段は気さく、とか…狭い上に都合が良すぎるんですよね。*1

さて、余談はここまでにして、今作。カバトンもそうでしたが、「脇役」「外野」と敵側はプリキュアサイドの人間を煽る際にやたらとモブ扱いしたがるんですよね。それが弱肉強食であろうアンダーグ帝国の常識なのでしょうが、それは同時に、その人間の「それまで」の否定につながる。

直接的には言っていませんでしたが、あげはが外野扱いに強い拒否反応を示したのもこの点でしょう。自分にとって守りたい存在、保育士になるという夢、そこに至る過程まで含めてそれらを無視して価値なし、と断ぜられれば腹も立つ。

そして、その上でプリキュアにもなれないくせに何が守るだ、と罵られて

俺がガンダムだ

だったら、私もプリキュアになってやる! は正直…痺れました。ここら辺は流石年を重ね、目標を見定めている者ならではの強固な意志の表れでしたね。実際、それでペンが出現し、エルちゃんから変身の力が授けられたわけですから。

しかも、戦い終わって敗北して負け惜しみを言うバッタモンダーに真剣な表情でいくらでも来い、ただし、自分の大切なものにてぇだしたらぶっ●す許さないぞ、と凄むのも、相当腹立てていたんだろうなあ、と思ったのと同時に堂々とした啖呵が素敵でした。先回のキュアスカイとは違って、明確に怒りの表情が描写されていましたしね。ただ、キュアスカイはこれ以上だから描かれなかったのかな…となるとどんだけ恐ろしい貌してたんだ…

ただ、ちょっと気になるのは彼女の目標が「最強の」保育士になる、である事。これは高い目標を掲げている抽象的なもの、と言うのは分かるのですが、言葉面だけを見ると、競争を勝ち残るという意志でもあります。つまり、アンダーグ帝国と根本は似ている。考えてみると、何故保育士を目指しているのかもまだ明確には分かっていませんし、最強=一番にこだわるのにも何か理由があるのかもしれません。いよいよレギュラーキャラに正式に昇格したと言っていい訳ですから、ここからの描かれ方に注目しましょう。

 

変身後のキュアバタフライ、パーソナルカラーは彼女がピンクですね。ピンク色はキュアプリズムが白と兼用かな…と思っていましたが、筆者の勘違いでした。バタフライの名前を冠するだけあって、所々蝶のモチーフ(頭やネクタイ、スカートが長い二重構造なのも羽が落とし込まれているっぽい)がありますが、個人的にはだいぶ落ち着いたイメージです。というか、キュアウィングのデザインが秀逸すぎた…ちょっと難を言うと、目の両端に付加されるアイシャドーが想像以上にケバいのは不満点。成人設定を強調したかったのは分かるのですが、ちょっとえぐかったんじゃ…とは思います。まあ、大人の色気という事で。

戦闘能力はバッタモンダー産のランボーグを単騎で圧倒したので強いは強いのかもしれませんが、この回では他の三人が手出しできない状態で封印されてしまったのもあって、ちょっと比較はしにくかったですね。近くの建築現場のシート複数枚をあっという間に回収して、それをランボーグに巻き付けて動きを封じたところからスピード特化かな? とは思いましたが、たぶん気のせい(笑)。どちらかと言うとその場の環境に合わせての機転が利く点を演出してたっぽいです。

必殺技はひろがるバタフライプレス。上空に上がった後、蝶のオーラを真下に出してそれを踏みつける様に敵に落として圧迫するというもの。浄化対応技。なかなか派手でしたが、最初のモーションがジャンプで対応しているのか空が飛べるのかどうかは今の段階では分かりませんね。蝶モチーフなら飛べる可能性はゼロではないので。

 

明るい性格に前向きな姿勢、地頭の良さに度胸、優しさもきっちり兼ね備えていておまけに年上で一番の常識枠。…あれ? 筆者の好きな要素が詰まっているゾ…と言った感じです( ´艸`)

 

強さとは何ぞや? というテーマ

先回のシャララ隊長の教えもそうですが、これまた難しいテーマを…と思ったのが、たける君が自身の正義を振りかざし、暴力を正当化した問題。

詳しくは描写されていなかったのですが、他の園児が順番を守らなかった(横入り?)のを咎めたける君がその子をぶって泣かしたようなのですが、これはなかなか難しい。

どういう事情があれ暴力は良くないにせよ、実力を行使しなければ言う事を聞かない人間と言うのは一定数存在します。今回の件でも、その横入りした子が言葉で言い聞かせようとしても聞かなかった可能性もある訳ですし、逆上して殴り掛かってくるかもしれない。かと言って、じゃあ、無視をしてしまえば、今度はその横入りを容認したに等しい。最適解は先生に報告する事なのでしょうが、口さがのない子供だと、今度はそれは「告げ口」と判定してしまう。横入りを糾弾した上で周囲の人間が同調してくれる、というのが理想なのかな? いずれにせよ、経過が描かれず、たける君が一方的に責められていたのでちょっと何とも言えません。

更に問題なのが、たける君が自身の正当化にキュアウィングを引き合いに出してしまった事。幼稚園児故の純粋さ、と言うのもありますし、プリキュア達の戦う理由の詳細まで彼らに分かろうはずもない以上、プリキュア達がやっている事は襲ってきた敵を力を以て撃退した、以上の事ではない。

怖いのは、自分の正義が絶対だと思い込むことにプリキュアを利用している事。子供の頃にこれを定着化させてしまうと、その自分優先はどんどん肥大化していく。だからこそ、あげは彼を言い聞かせようと追いかけたのですよね。

実は自分の知り合いにもこのタイプがいるので、ちょっとこのシーンは胸が締め付けらる思いでもありました。まあ、この話は長くなるのでこれ以上は言及しませんが、一言いうならば、近しい人間が次第に視野狭窄に陥っていくのを見るのは辛いものがありますよ、なかなか、ね。

話中では、ランボーグに襲われたたける君をあげはが背負って逃げ回り、あまつさえそんな状態であるにもかかわらず、逃げる軌道を利用してランボーグを転倒させるのに成功させ、彼を守り切ったたため、単なる暴力だけではなく何かを守る事も強さなのである、と理解してくれましたが、逆にその後に変身したキュアバタフライはやはり力を以てランボーグを撃退しており(ただ、その手法が殴る蹴るではなく、相手の動きを封じる、だったのはたける君、延いては視聴者に対するメッセージかな、とは思った)、今回は一件落着しましたが、ここまで色んな人間に認知されているプリキュアですから、それはそれでまずいのかな、と感じました。

…今まで考えた事もありませんでしたが、プリキュアの正体を明かしてはいけない、は結構重要なんだな、と。

再度言いますが、なかなか難しい問題です。相手の行為を糾弾するという事は、相手の事を慮らなければならない、というのは先回のシャララ隊長の言葉でしたが、思慮が行き過ぎれば、行動そのものが遅れてしまう。相手の出方も分からなければ、こちらの正当性がどの程度のものと捉えられるかも相手から計り知れない。

結局のところ、物事はよく考えて起こさなければならないし、起こしたからには責任を持たなければならない。これ以上の答えはないようにも思えます。今作はなかなか思想的の内容をぶち込んできていますね。ここまで分かりやすいのははぐプリ以来かも。

 

プリキュア側の事情について

まず、大きな問題として浮上してしまったのが、エルちゃんをどうするか、という事。今までプリキュアサイドでありながら変身者ではなかったあげはが保護してくれていた訳ですが、彼女もキュアバタフライとして参戦する以上、エルちゃんは浮いた駒になってしまう。しかも、彼女はアンダーグ帝国からしてみれば第一ターゲットでもあります。

実際、今話でも、三人が変身してしまい、あげはがたける君を背負って逃げる、という窮地に立たされたことでエルちゃんを庇う人物がいなくなり、バッタモンダーに狙われる場面がありました。次回以降はキュアウィングとキュアバタフライあたりで守護しながら…となるのかな? と思われますが、出来れば戦いの場に連れて行かない方が良いのでは…と思います。

ただ、その場合、彼女の世話をするのはヨヨさんだけ、という事になってしまい、ヨヨさん自身に戦闘能力はないものだと思われますので、バッタモンダーに二方面作戦あたりやられるとやっぱり危ない。*2ベリィベリーさんあたり借り受けた方がいいんじゃねーかと、割と真剣に思います。

今話で早速課題提起してきただけに、この問題はいずれクローズアップされるかもしれませんね。

あと、上でも少し触れましたが、ソラシド市に於いてひろプリチームの認知度がかなり高い事も気になる要素です。前の記事でも書きましたが、今作はプリキュアの正体を隠すこと自体に拘泥はしていないと思うので、作風と言われてしまえばそれまでなのですが、あそこまでの大暴れを度々している以上、それを快く思わない市民も当然いるはずな訳で…

こういう点では、マスコミがちゃんとプリキュアを認識していて市民権を得ている世界観だったハピチャの設定は好きなんだよなあ。

今作はここら辺のどろどろを描くとは思えませんが、ソラやツバサが異世界人である事も含めて、将来的にこの要素がチームの足を引っ張らないか少し不安でもありますね。今の段階で二人(先回の大阪弁のおばあさんとたける君)には素性までばれてしまっている訳ですし、幼稚園児たちにあげはがプリキュアと繋がりある事はばれてしまっているのですしね。

 

バッタモンダーについて

今回幼稚園を襲った理由が「皆が見ている前でプリキュアを叩きのめしたい=ギャラリーが欲しい」というなかなか嗜虐心に満ちたものだったのが注目点でした。そう言えば前々回も「必ず俺に跪かせる」とも言っており、この辺りは性分ぽいですね。

今回は少し戦略を捻ってきており、エルちゃんを狙う→皆が庇う事を見越して直接攻撃ではなく泡の空間にプリキュア達を閉じ込める、という罠を張る事に成功しました。…逆から言えば、これもカバトンと同じく正攻法では勝てない、と自ら言った様なもので、まあ、そこを抜きにしても卑怯な手段を使う事に抵抗はないタイプと見ました。そう言えば、先回の風船型ランボーグもスカイランドの民そのものを人質に取った卑劣な手段でしたしね。

ただ、今回もキュアバタフライに啖呵を切られ凄まれただけで撤退しており、彼の根幹に「臆病」があるのはほぼ決定っぽいですね。

少し整理してみると

  • 根は臆病である
  • 弱肉強食主義者である
  • 自身の実力に自信を持っている
  • 嗜虐志向が強い
  • 卑怯な手段も迷わず実行する、どころかむしろ好きまでありそう
  • 思い通りに事が運ばないと乱暴な面が現れる
  • 強さへの諦観がある(不確定)
  • 競争することそのものには否定的(不確定)

次第に見えてはきましたね。臆病とアンダーグ帝国に生まれたが故の板挟みが根幹にある気がしました。もちろん、彼の事情は今の段階では一切語られていませんから、あくまでも推測ですが。いずれ、カバトンともバッチングするかと思われるので、どういう接触の仕方をするのかも注目したいです。それ次第でアンダーグ帝国の事情も見えてくるかもしれないので。

 

さて、次回は…キュアウィングとキュアバタフライのお話ですか。この二人はキュアスカイとキュアプリズムがそうであるように、OP映像でペアとして扱われている節があるので、どう展開するのか楽しみです。べたな展開なら二人による合体技でしょうか。新アイテムも出るっぽいですし。強力浄化体勢が二つに増えれば戦い方に幅が出ますしね。

 

今週のひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

このシーン、某錬金術漫画の「主婦だ!」を連想してしまった( ´艸`)

 

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*1:ただ、ここまでもかなり我慢して視聴していた。アイデアは凄くいいんだけどね。

*2:特に今回の敵はワープゲートを使いたい放題である。