ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第22話「バッタモンダー 最後の秘策!」感想

うむ。安売りのリサーチは重要よな。感心感心。

 

ふうううううう…正直、ちょっと言葉に詰まっています。

これまた、大きな転換点を迎えてしまいましたね、ひろプリは。え? わりかししょっちゅうそんなこと言っていないか? ですって?

しかし、今回ばかりは、今までのシリーズとは事情が違う気がします。というのも、第22話にして、この作品の評価そのものを決定付けかねないシナリオをぶち込んできたからです。

今話はソラがメインのお話で、正直言えば来週の放映を待って原稿を書いた方が良いであろう、完全な二話以上の構成です。しかし、今回はあまりにも大きすぎるポイントがあったので単独感想記事とさせていただくことになりました。

 

話の流れとしては、定期連絡でスカイランドと通信していたひろプリチーム。そんな彼女らに国の方々でシャララの目撃情報があった事がベリィベリーによってもたらされます。

色めき立つソラ達。あげはは不確定な情報過ぎると若干の警鐘を鳴らすものの、ソラは心の底から安堵。書いたことは必ず実行する、と誓いを立てているメモ帳に風船型ランボーグ襲撃時の際にシャララが残してくれたメッセージを書き写して、新たなる一歩を踏み出そうとします。

後日、買い出しに出ていたソラ達でしたが、そこでソラはシャララ隊長の姿を目撃。他のメンバーを尻目にその後姿を追いかけます。長い距離を移動し、人目のない広場でようやく追いつけたものの、そのシャララはやはりと言うべきか、偽物。バッタモンダーが作り上げた幻影に過ぎませんでした。

流石に激昂するソラ。しかし、なぜこんな真似をするのか、と怒り心頭で問いかけるソラにバッタモンダーは「優しくて強い僕にどす黒い感情を植え付けたから」と身勝手極まりない言い草でランボーグをけしかけます。すぐさま変身し対応するソラ=キュアスカイでしたが、戦いが一段落したところで、バッタモンダーは奥の手を披露。なんと、そのランボーグはシャララ隊長自身が核になったものでした。

手が出せなくなり守勢一方になったキュアスカイでしたが、他のメンバーが遅れて到着、タイタニックレインボーアタックで浄化してシャララの救出を試みようとするのですが、余裕の態度を崩さないバッタモンダーにキュアプリズムとエルちゃんが不審を抱き制止。それを見て残念がるバッタモンダー。

スカイランド襲撃に失敗したあの日。キュアスカイに凄まれ撤退した先に、偶然吹き飛ばされて失血死寸前だったシャララを発見したバッタモンダーは、なんと失われつつある血液の代わりにアンダーグエナジーを注入、彼女をランボーグとして生き永らえさせ、復讐のための切り札にしていた、と言うのです。

血液の代わりにアンダーグエナジーで生き永らえている、という事は、浄化技で浄化してしまえば、アンダーグエナジーが消滅する=彼女の死が確定してしまう。

そして、憎きキュアスカイ自らの手で尊敬するシャララを討たせようという残忍な計画を立てた訳ですが、その目論見自体は外されたものの、どちらにせよ切り札はバッタモンダー側。しかし、今までの無機物とは違い、生身の人間を使用したシャララランボーグ(便宜的に以降シャララボーグで統一)は安定性に欠け、この場は納まりますが、シャララを倒すか倒されるか好きな方を選べ、とバッタモンダーは余裕綽々で撤退。

残され呆然とするソラ達。最善策を考えよう、となんとかソラを慰めようとする他メンバーですが、シャララの大事とあって冷静でいられないソラはそのすべてを拒否。絶望に打ちひしがれた彼女の手に握られたスカイミラージュペンが消失し、スカイトーンも色を失い石化、という場面で幕となりました。

 

吐き気を催す邪悪! をどう処断するのか

あー、まず最初に筆者のお気持ちから表明しておきますね。

もし、これでひろプリチームがバッタモンダーをぶっ殺す事*1が出来ず(若しくは、それに匹敵する何かを与えるか)、剰え彼を許すような展開になったら今作は90%駄作評価にします。残り10%は目を見張るような解決策があるかもしれないから残した数値に過ぎません。

それはプリキュアには相応しくないだろう? 確かにそうですね。つまり、バッタモンダーはプリキュアには相応しくない、完全に度を越した悪役になってしまった、と筆者は考えています。

今までも人の心を踏み躙る最悪クラスの悪役は数々登場しています。直近…というよりは、この傾向は最近の作品の方がむしろ強く、プリアラのエリシオ、ヒープリのダルイゼン、デパプリのフェンネル、また一時的にですが記憶除去装置を利用した際のトロプリの三幹部などが記憶に新しいですが、エリシオはその生い立ちからしプリキュア達を陥れるのに固執していたに過ぎませんし、そもそもプリキュア以外のメンバーの少なくとも命まで利用はしていません。ダルイゼンも追い詰められた際の身勝手さが今までの行いにフィードバックされただけですし、標的はあくまでものどかの身辺のみ、フェンネルも質こそ悪かったものの自分に従えば命の保証はしてくれています。

しかし、このバッタモンダークソ野郎人の命を弄んだばかりか、復讐相手であるソラの尊厳を踏み躙り、心に一生残る傷を故意に残すように仕向けた。シャララを盾にしてキュアスカイを打ち倒し、エルちゃん奪還への足掛かりにしさえすればよいものを。その理由が自分のちっぽけな自尊心が傷付けられたから、という傲岸不遜なものである上に、本人はキュアスカイやキュアバタフライ、果てはエルちゃんにまでビビり散らかすどうしようもない小物の癖に。心を傷つけた、という点でキュアスカイも同じだろう? と言うのであれば、彼女は少なくとも何かを盾にしてはいないし、命を弄んでもいないし、悪意で傷つけようとすらしていない。

まあ、悪役としては申し分ありませんよね。実際、敵対関係な訳ですし、相手を慮る必要性などバッタモンダー側にはない。*2

しかし、ここまでやった以上、バッタモンダーはそれ相応の報いを受けない限り、やはり納得はしにくい。プリキュアピカレスクではないし、ニヒリズムを掲げている訳でもない。新しい試みはあるべきでしょうが、本質はあくまでも「善」性であり、そこを外してしまえば、それはプリキュアではなくなってしまう。

さて、ひろプリチームはどの様な選択をするのでしょう。メタ発言をするならば、四人同時の合体技や、場合によっては追加戦士の登場により、浄化+回復がシャララに施されるというものが考えられます。特に今話で登場したのですが、ミックスパレットには黄色:癒しの力=回復能力がある事が判明しています。この辺りを応用するのか。

しかし、それでシャララが結果的に無事で済んだ場合、めでたしめでたし、としてしまうのか。確かにシャララはバッタモンダーに発見された際に瀕死状態ではありましたが、同時にこのままでは死んでしまうだろうとも明言されています。そこを適切な処置ではなく、アンダーグエナジーの輸血という処置をされてしまっている以上、現段階では生きた屍に等しい。

死は不可逆なんですよ。この大原則を破ってしまうと、話としてはどっちらけ甚だしい。ザオリクやアレイズやカドルトがある世界観じゃないんですから。

このバッタモンダーの行いを許容せず完全断罪まで踏み込んでしまうと、それは単なる復讐劇と化してしまう危険性があるし、逆に許容してしまうと、人の死を利用してまでプライドに固執した外道を見逃すことにつながる。復讐劇大いに結構、という考え方もありますが、それをプリキュアでやっちゃうの? となってしまう。このバッタモンダーの非道はプリキュアというプラットフォームではあまりに敷居が高いんです。実際、ヒープリのダルイゼン断罪は大きな賛否両論があったようですし。…まあ、まずはキュアスカイ復活が先決ですがね。

おまえはそこでかわいてゆけ

みたいな結末が一番しっくりくる終わり方かなあ、とは思いますが、良くも悪くもプリキュアでそこまで思い切れるか、という不安があります。

ご都合主義でハッピーエンドにするのか、シャララと涙を飲んで別れを果たすのか。上でも書いた様にこの作品を決定付ける重要な分岐点かな、と思っています。どういう結末であれ後者が出来れば大したものだと思いますが…果たして!?

 

ソラの思い違い

少々厳しい物言いですかね。ただ、筆者はこの回でソラはとんでもない考え違いをしていたんだな、と感じました。

彼女はヒーローになりたかったんじゃない。

シャララになりたかったんだ、と。

我ながら酷い言い草だと思います。

でもだからこそ、シャララが行方不明状態だと彼女の最後の言葉をメモに書くことを躊躇していたし、シャララが生きているかも、という希望が出てくれば誓いの言葉を記すメモ帳に彼女の言葉を書き写す。そして、シャララがこのままだと助からない、という事実が分かった瞬間崩れ落ちた。

そして、そのこと自体をソラ自身が気が付いていなかった。故にシャララという彼女にとっての絶対的な存在が消滅する危機に直面し、彼女のアイデンティティは崩壊してしまったのです。

ここで考えなくてはならないのは、シャララがソラに「ヒーローになれ(出番だ、立ち止まるな)」と言っているのは、ヒーローとしての規範そのものを指しているのであって、決してシャララ個人を指しているのではない、と言うこと。

シャララは間違いなくソラを買っていました。前の記事でも書きましたが、後継者として考えていたのでしょう。だからこそ、ベリィベリーの怪我の件や、地方視察を通じて様々な事を彼女に教えようとしていた。その最後の言葉こそが、風船ランボーグに立ち向かう際に残した最後のメッセージ「立ち止まるな」だったはずです。

残酷な話ですが、シャララはもう助からないのかもしれません。

でも、例えシャララが死しても彼女の教えは残るのです。彼女が導いてくれた「ヒーロー」への道は残るのです。

今のソラの姿をシャララが見たら、彼女はその頬を叩いてこう言ってくれるはずです。

「立ち止まるな、ヒーローガール」

と。

そこまでソラが気が付いて、この状況にどういう答えを出すのか…ですかね。予告を見た感じではヨヨさんが助言をしてくれる可能性があるので、見守りましょう。

 

その他の動向について

まずはバッタモンダーですかね。

まあ、やってくれましたね。個人的にここまで殺意が沸いた幹部は初めてかも。とにかく癪に障るのが「自分は絶対に正しい」と思い込んでいる事。ソラを憎んだ理由が「本来優しくて強い自分にどす黒い感情を植え付けたから」というものなのですが、なんてことはない、キュアスカイのあまりの剣幕にビビり散らかして逃げただけの弱虫の分際で、完全に自身を「優しくて強い」などと嘯いて正当化している。おまけにやっていること自体が人を弄んだ挙句、安全地帯から腐った殴り棒を用いていたぶるという、自己評価からかけ離れた残忍な行為ばかり。

悪いけど、小物なら小物らしくさっさと滅んでくれ、ここまで行くと貴様の事情など知ったこっちゃない、という感じです。

あと、欠点があるにしろ、アンダーグエナジーを生物に注入できる事が正式に判明しました。まあ、正確にはカバトンが自身に施した先例はあるのですが。これは敵側が今後も人間を盾として使用できることを意味し、バッタモンダーが出張り続けたり、彼並みの非道が主人公たちを追い込む際に使える手段となり得ます。ただ、現状、アンダーグエナジーを生物に使用する事に大きなメリットはないみたいですね。カバトンは自身の力に上乗せ、という使用法でしたが。

味方サイドだと、やはり気になるのはましろ

正直、ソラのあの姿を見てどう思うのでしょう…あれだけ親しかった彼女が絶望する姿は痛々しくて見ていられないはず。まして、ましろは他人の痛みを自分の痛みとして感じるような優しい子です。

次回はキュアスカイを除いた三人がバッタモンダー&シャララボーグと対峙するみたいですが…ちょっと、キュアプリズムの奮闘に期待したいです。ああいう優しい子は本当に怒らせると手が付けられない気がするので。そして、それだけの行いをバッタモンダーはしてしまったはずなので。

あげははてっきりバッタモンダーと因縁の関係になるのかなあ、と思ったのですが、彼がソラに対してのみ異様なヘイトを向けていたのはむしろ意外でした。先回はキュアバタフライの啖呵にもビビり散らかしていたんですがね。当然、この先、そのヘイトがあげはに向かう可能性もありますから油断は禁物ですが。尤も、どういう結末になるにせよ、バッタモンダーはそろそろ退場の様な気はします。

そして、ちょっと希望的観測として、次回是非出てきてほしいのがカバトン。元アンダーグ帝国幹部にして、今は改心してソラシド市で再出発しているはずです。そして、ソラの強さを良く知っているキャラクターでもあります。

個人的には、彼が絡んでソラ復活の兆しになってくれると激熱なんだがなあ、と思ったりしています。また、彼はアンダーグエナジーを生物に注入(本人)した初の経験者でもあります。ひょっとしたら、シャララの件の打開策を知っているかもしれません。

 

色々書きましたが、次回に大いに期待しましょう。果たして、ソラが、そしてスタッフがどのような結論を出すのか。個人的には予想を大きく覆してほしい事案でもあるので。

ソラは書いたことは必ず実行するというメモ帳に、シャララ隊長の「立ち止まるな、ヒーローガール」を書き込みました。これは誓いです。最早、彼女は立ち止まれない。隊長を助けるにしろ、彼女の意思を継ぐにしろ。

今話の最後でソラは「私はヒーローにはなれなかった」と嘆いています。それはそうでしょう。上でも書いた様に、ソラはそれを目指していたわけではなかった。でも、目指していたシャララ隊長に「立ち止まるな」とヒーローへの道程を託された。今こそ、彼女の本当のヒーローへの旅が始まるのだから。

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

ものすごい重い話をやっているのに、中間新アイキャッチがめちゃくちゃほのぼの系だったの、地味にじわっているんですけどッ!( ´艸`)

 

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*1:あえて伏字は使わんよ

*2:しかし、一部の薄い本界隈では小躍りされそうなシナリオだったよな、今話は…

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第19~21話雑感

(下民めが…余を誰と心得ておるのじゃ…)

とかだったらやーよね、このシーン(^_^;)

 

さて、この期間はソラ以外の三人の掘り下げ期間となりました。大きな動きとしては新アイテム・ミックスパレットの登場がありましたが、キラキラエナジー回収も順調で着々とシナリオが進みつつありますね。

 

ミックスパレットについて

第19話にて登場した新アイテム。行きがかり上、ランボーグと二人で戦わざるを得なくなったキュアウィングとキュアバタフライが、エルちゃんから新たなスカイトーンを付与され、アップドラフトシャイニングを発動させようとした際に発現しました。

アップドラフトシャイニングが違う形を伴ったのも面白いですが、このアイテム自体が「明確にバフを撒く機能」に特化しているのは新しいですね。

羽を模したパレット状をしており、赤青黄白という4つのボタンが配されています。そのボタンの押し方の組み合わせにより様々な効果をプリキュアに付与します。現段階で分かっているのは

  • :元気の力。対象に剛力を与える
  • 黄色:守りの力。第20話では相手の特殊攻撃(すべての動きを強制ストップさせる)を無効化。
  • :温度の力。凍結能力っぽく使用。敵の動きを封じたり、空中に冷気を散布する。温度上昇も出来る? 
  • :キュアウィングとキュアバタフライでの合体浄化技「プリキュアタイタニックレインボーアタック」を発動させる。

頭脳派のキュアバタフライが使用する事で、更に戦略の度合いが増す素晴らしいアイテムですね。全色での合体浄化技が二人で発動できる、というのも大きい。更にまだ見せていない二色はおろか、三色混成もあるかもしれないとなると、とんでもないチートアイテムな気もします。

合体技・プリキュアタイタニックレインボーアタックはキュアウィングがフェニックスのようになりキュアバタフライが頭上に鎮座、敵に体当たりをした後、フェニックスが突如、虹色の巨大なプニバードに変化して相手を押し潰して浄化する、というもの。

見た目が派手でカッコいいのですが、締めのプニバードの台無し感がかえって楽しい。この最後の演出は当のキュアウィングも不満を漏らしているのがいいですね( ´艸`)。しかもよく見るとこれ、ひろがるウイングアタック(フェニックスでの飛翔から体当たり)とひろがるバタフライプレス(押し潰し)の混成技っぽいんですよね。こういう所もなかなか凝っています。

一つ気になる点としては、このミックスパレットがキュアバタフライ以外に使えるか否か、でしょうか。実際、このアイテム出現以降、バッタモンダーの敗色がどんどん色濃くなってきています。登場時の余裕はどこへやら、です。そうなると、敵側の思惑の一つとして、ミックスパレットを封じる、というのが出てくるわけですが、そうなった時に、キュアバタフライを狙うのか、他プリキュアが使用可能な場合はそれは意味があまりない事になります。

第19話での経緯(研修で訪れていた幼稚園の壁に思い出の絵をツバサとあげはで描いていた、その際に結ばれた絆がエルちゃんからスカイトーン付与のきっかけになった)を考えると、使えてもキュアウィングまでかな、と思われますが、バッタモンダー側はどう動くでしょうかね?

 

虹ヶ丘ましろについて

第20話でひょんなことからソラシド市主催の絵本コンクールに参加する事になりました。

この子も割と絵のレベル高いんですね…というかソラは言わずもがなですが、第19話ではあげはやツバサも上手である描写があり(特にツバサは画家の息子でもある)、なんか今回のメンバーって絵に関してはやたらと高スペックですね。

しかし、この子はなんと言うか…意外と自分に対して無頓着なんですかね? 今回も最初は絵本作りに乗り気ではなく、やはり初めての経験に対する挑戦欲というのは薄いように感じられます。これは転じて、今までの人生で褒められることがあまりなかったように見受けられました。

自身の将来のありように悩んでいた点から、自分は何も出来ない、という諦観がある訳ではなさそうですが*1、やはり受動的な点は否めない。

…まあ、だからこそ、ソラはましろに色々な挑戦を勧めてくるし、あげはは若干強い言葉で、優しさが彼女の美点である事を強調したのでしょうが。

今回の絵本作りも最初はテーマが見当たらず暗礁に乗り上げたものの、エルちゃんが他の同年代と仲良く出来ない現場を見た事で、彼女がモデルのキャラが友人と仲良くなる過程を描く絵本を作成。入選こそ出来なかったものの、エルちゃんがそれを見て笑顔になってくれたことで手応えを感じる、といったところで幕となりましたが、その根本は「他人の笑顔が嬉しかった」というもの。あくまでも無私の姿勢は彼女らしいとも言えますが、少し危険にも感じます。いつか、何かを守るために身を呈してしまうのではないか、と…

 

夕凪ツバサについて

第21話は彼がメインとなりましたが、なかなか意義ある回でしたね。

話の流れとしては、キュアウィングへの変身を果たしたことで、航空力学への勉強への意欲が削がれていたツバサの相談に乗ったヨヨさんが、皆を引き連れて彼女の畑の収穫を手伝ってもらう、というものでした。

いきなりですが、筆者の座右の銘の一つにこんな言葉があります。

知識は無形の財。いくら持っても嵩張らず、いくらでも蓄える事が出来る。

これはエルミナージュ3というゲームのロッツというNPCの台詞ですが、中々の名言だと思っています。

さて、この第21話では広大な畑の管理能力、野菜の知識、自家製の肥料、などヨヨさんの博識ぶりに皆が驚くのですが、彼女はそれを知識と言うものは連綿と繋がっているものであり(畑を作ろうとする→野菜の知識を学ぶ→効率化のために肥料をゴミから作成)、今は役に立たなく感じられても、どこで役に立つかは分からない。知識は得るに越したことはないし、あっても困らないものである、と説くのです。

正に今のツバサにとっては天啓のような言葉です。

結果的に、彼は空の様子を見て雨を予見し、その後に襲来してきたバッタモンダーとランボーグを今までの航空力学で得た知識を以て退ける事に成功しました。そして、ヨヨさんの言葉を承けて、勉強を継続を決意するところで幕となりました。

今は情報が溢れている世界ですから、何かの疑問を調べる事が随分お手軽になりましたよね。でも、だからこそ、効率が求められて、無駄な知識を得ること自体がなんとなく忌避されている傾向がある様に感じます。

筆者は昔から好奇心が旺盛なタイプだったので、今のスマホ一つで情報が引き出せる世の中は便利になったなあ、と思うのですが、割と偏った情報に拘泥する人間が意外と多い事に驚くこともあり、もったいないな、と感じる事があります。まあ、時間は無限ではありませんから、そこは人それぞれかな、とは思うのですが、個人的にはこのお話でのメッセージ性は共感できる部分が大きかったですね。

 

聖あげはについて

彼女の場合はキュアバタフライに変身できるようになるかなり以前からひろプリチームとして活動はしていたので、目新しい発見はなかったですかね。どちらかというと、何かと世話を焼きたがる性格にツバサが母性を感じているのが判明したのが収穫だったかも( ´艸`)

第19話では家事に勉強にと、一人で抱え込んで無理をしている描写がありましたが、それもツバサの気遣いですぐに好意に甘える事にしましたし、自分が壊れてしまう前にさっさと切り替えてしまうのは大人っぽい反応かなあ、と。

そう言えば、この期間でとうとうあげはも虹ヶ丘家に居候する事になりましたが、メンバー全員が一つ屋根の下で暮らすのって実はシリーズ初の試みですかね?

彼女のクローズアップ場面としては、やはりバッタモンダーと反りが合わない事でしょうか。対峙すれば事あるごとに怒りの感情を露わにしていますし、撤退の際には嫌味を平気で言い放っています。まあ、バッタモンダーは確かに癇に障るキャラクターではありますが、特にあげは=キュアバタフライとの確執が目立っていますよね。ひょっとしてタイマンあるのかしら?

キュアバタフライの能力面に目を向けると、蝶の形をしたシールドが目に留まりました。しかも、シリーズ恒例の大きな一枚バリア*2、というよりは可動型且つ複数枚張れる代物で、前方に重ねて強化したり、展開して広範囲をカバーしたり、と汎用性に富んでいます。ミックスパレットと言い、彼女の臨機応変のスタイルはかなり良いですね。センスを感じます。

 

バッタモンダーについて

相変わらず意味深な台詞・態度が多いですね。

今回気になったのは、第19話で幼稚園の壁に記念で描いた絵(ツバサ・あげはだけではなく、園児たちや過去の研修した人たちの分もあった)を庇う戦い方をしたキュアウィングとキュアバタフライが追い詰められていき、その様を見たエルちゃんが泣きだすのですが、それを見て一瞬怯んでしまうのです。

更に第21話では建築現場みたいな鉄骨に一人佇んでいる所を工事現場の人に咎められ、静かに「行こう、もっと静かな場所に…」と呟きました。

こういう場面場面だけ見ると、キュアスカイやキュアバタフライの剣幕にたじろいだり、体育祭を「残酷」と表現したりした事も鑑み、実は争いそのものが好きなタイプではない? とも思えてしまいます。ただ、地上世界に来てまでプリキュア達との勝負に固執している上に、本来ならば第一目標であるエルちゃんを二の次にしている点を考慮すると、好戦的である、という線も捨てきれません。プライド、でしょうかね? ちょっと分かりにくいキャラクターに仕上がってしまったかな、というのが率直な感想です。

尤も、第21話での去り際には「とうとうアレを使う時が来た」と意味深発言をしましたし、次回タイトルも不気味なものなので、注目してみましょう。

 

少し気になった点なのですが…

第21話のラスト、ツバサが勉強の継続を決意した際に、その助けになるだろうと、ヨヨさんが自身のミラーパッドを譲渡しました。

話の流れとしては至極真っ当で、学者としての本分を才能ある彼に託したのかな、と思われるのですが、彼女のアイデンティティ的なアイテムを渡してしまった、というのは少々気になりました。

…なんか、自分の役目は終わった、そう言われたようで。

取りようによっては自身の助力はここまでしか出来ない、という隠しメッセージにも見えるんですよね…第16話(別の回だったかも。ちょっとうろ覚え)で何かを調べている際に眉を顰めている描写がありましたしね…

ましろの血縁者である事のみならず、プリキュアメンバー全員にとっては恩人もいい所なので、嫌な事が起きなければいいのですが…

 

さて次回は、バッタモンダーが何か仕掛けてくるようですが…シャララ隊長が目撃されたぁ!?

…うーん…嫌な予感がどんどん膨らんでいくんだが…

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

そ、そうだったのか…ただ、トマト使う料理って意外と難しいのよな…簡単でお気に入りのトマト炊き込みご飯を今度やる時、気に掛けてみようφ(`д´)メモメモ...

 

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*1:そういう諦観があれば、そもそも将来に悩むこと自体がないし、初期はそれらしいところもあったが、ソラがだいぶ緩和してくれた

*2:ただし、過去作にもキュアコーラルが最終戦でバリアを四重に張ったりしている

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第18話「アゲアゲ! 最強の保育士 キュアバタフライ!! 」感想

そんな…四人目はベリィベリーだと信じていたのに…追加戦士! 追加戦士の目はまだあるよね! ね!

 

と言う訳で、まあ大方の予想通り、あげはさんが発表されていた最後の戦士・キュアバタフライへと変身を果たしました。

変身動機は彼女が保育士志望という事もあって子供を庇う展開で…というべた展開を予想していましたが、いい意味で裏切られました(ただし、子供の庇護も動機の一つではあった)。なかなか面白い切り口だったと思います。

 

話の流れとしては、いきなり戦闘シーンから始まるのですが、ひろプリチームの連携もあってバッタモンダーの召喚したランボーグをあっさり撃退した事に喜ぶあげはでしたが、その事をバッタモンダ―に「外野がうるさい」と言って撤収するのを見て「負け惜しみかっこ悪い」と一蹴します。

日にち変わって、あげはは幼稚園での研修が始まり、プリキュア達の活躍が園児たちも含めて認識されている事に驚きます。そんな中、園児の一人・たける君はキュアウィングに強く憧れており、あげは経由で手紙の返事をもらって更に感動。尊敬の念を強めますが…

そんな折、たける君が他の園児をぶつ、という事件が発生。順番を守らない園児をぶつのは正しいと、暴力を正当化し始めた事により、プリキュアへの憧憬が間違った方向に行きつつある、と感じたあげはは逃げ出した彼を追いかけますが、そこにタイミング悪くバッタモンダーとランボーグが現れ…というものです。

 

聖あげは=キュアバタフライについて

満を持して登場…と言った所でしょうか。筆者は上でとぼけていますが、公式発表の段階で既にバレバレであり、しかもシリーズ初の成人プリキュアである、という点も話題になっていましたね。

ただ、個人的な観点で言わせてもらうと、筆者はあまりこの成人というのにはこだわってはいませんでした。と言うのも、似た年齢層であった高校生組のプリキュア変身者が既出でしたし、あげは自身も進路を明確に決めているとはいえ、まだ18歳の学生である、という事があるからです。成人に近い大人の対応、というのであれば、例えば、ハトキャのゆりさんやプリアラのあきらが近いポジションとして存在していましたし、敢えて違いを挙げるのならば自動車の免許を持っている事ぐらい。その車を生かした機動力も前作のマリちゃんがそうであったようにプリキュア必須の重要なファクターとはあまり言えない。

まあ、そんな訳で、個人的にはいつもの年上キャラ…ぐらいに考えてはいましたが…実際の所、今の段階ではその枠をはみ出てはいないかな、と感じます。が、これからの活躍次第でどう化けるかは分からないので、次回以降に期待です。

変身動機はなかなか良かったですね。上でも書いた様に、子供を守るというのもありはしましたが、それ以上にひろプリチームに献策と応援以外何も出来ていなかった負い目と、バッタモンダーに外野扱いされた事への反発、そして、あくなき向上心、と言った所でしょうか。

少し話は変わりますが、自分は俗に言う「ラノベ、なろう系」が苦手です。やれ主人公がチートスキルだ、いきなり最強だ、というのもありますが、それ以上にダメなのが「主人公以外の世界があまりに狭い」事。主人公が不自然なぐらいモテモテになったりするのも、この原則があるからなのですが、それ以上に主人公(若しくは良くてもその周辺)以外の扱いがぞんざいすぎる。その最たるもの「モブ」という定義。

自分もこのブログで行きがかり上、その表現を使いますが、結局のところ、モブと言うのは存在しない、とも思っています。それが創作物のキャラクターであっても一人一人に人生があり歴史があるはずです。それを一括りにモブで表現してあまつさえぞんざいに扱うのはどうしても好きになれない。

最近、アニマックスでやたらと某スライムアニメをやっていたのでしばらく視聴していたのですが、自身の村を襲撃した軍隊を復讐で全滅させたシーンを見て視聴を止めました。主人公を怒らせればとんでもない事になるところを見せたかったのは分かるのですが、その主人公が元は人間であるはずなのに、平気で虐殺行為に及べるバックグラウンドがありませんでしたし、そもそもあの話は首謀者を倒せばよかっただけの話(現に軍隊虐殺後、首謀者も葬っている)。つまり、主人公の残忍性の表現に軍隊と言う「モブ」を虐殺しただけな訳ですが、ではその虐殺された側の家族はどう思う? とか、そういう視点はまるでない。それでいて、主人公がそういうキャラならともかく、自分が形成したコミュニティでは善人扱いであがめられる存在で普段は気さく、とか…狭い上に都合が良すぎるんですよね。*1

さて、余談はここまでにして、今作。カバトンもそうでしたが、「脇役」「外野」と敵側はプリキュアサイドの人間を煽る際にやたらとモブ扱いしたがるんですよね。それが弱肉強食であろうアンダーグ帝国の常識なのでしょうが、それは同時に、その人間の「それまで」の否定につながる。

直接的には言っていませんでしたが、あげはが外野扱いに強い拒否反応を示したのもこの点でしょう。自分にとって守りたい存在、保育士になるという夢、そこに至る過程まで含めてそれらを無視して価値なし、と断ぜられれば腹も立つ。

そして、その上でプリキュアにもなれないくせに何が守るだ、と罵られて

俺がガンダムだ

だったら、私もプリキュアになってやる! は正直…痺れました。ここら辺は流石年を重ね、目標を見定めている者ならではの強固な意志の表れでしたね。実際、それでペンが出現し、エルちゃんから変身の力が授けられたわけですから。

しかも、戦い終わって敗北して負け惜しみを言うバッタモンダーに真剣な表情でいくらでも来い、ただし、自分の大切なものにてぇだしたらぶっ●す許さないぞ、と凄むのも、相当腹立てていたんだろうなあ、と思ったのと同時に堂々とした啖呵が素敵でした。先回のキュアスカイとは違って、明確に怒りの表情が描写されていましたしね。ただ、キュアスカイはこれ以上だから描かれなかったのかな…となるとどんだけ恐ろしい貌してたんだ…

ただ、ちょっと気になるのは彼女の目標が「最強の」保育士になる、である事。これは高い目標を掲げている抽象的なもの、と言うのは分かるのですが、言葉面だけを見ると、競争を勝ち残るという意志でもあります。つまり、アンダーグ帝国と根本は似ている。考えてみると、何故保育士を目指しているのかもまだ明確には分かっていませんし、最強=一番にこだわるのにも何か理由があるのかもしれません。いよいよレギュラーキャラに正式に昇格したと言っていい訳ですから、ここからの描かれ方に注目しましょう。

 

変身後のキュアバタフライ、パーソナルカラーは彼女がピンクですね。ピンク色はキュアプリズムが白と兼用かな…と思っていましたが、筆者の勘違いでした。バタフライの名前を冠するだけあって、所々蝶のモチーフ(頭やネクタイ、スカートが長い二重構造なのも羽が落とし込まれているっぽい)がありますが、個人的にはだいぶ落ち着いたイメージです。というか、キュアウィングのデザインが秀逸すぎた…ちょっと難を言うと、目の両端に付加されるアイシャドーが想像以上にケバいのは不満点。成人設定を強調したかったのは分かるのですが、ちょっとえぐかったんじゃ…とは思います。まあ、大人の色気という事で。

戦闘能力はバッタモンダー産のランボーグを単騎で圧倒したので強いは強いのかもしれませんが、この回では他の三人が手出しできない状態で封印されてしまったのもあって、ちょっと比較はしにくかったですね。近くの建築現場のシート複数枚をあっという間に回収して、それをランボーグに巻き付けて動きを封じたところからスピード特化かな? とは思いましたが、たぶん気のせい(笑)。どちらかと言うとその場の環境に合わせての機転が利く点を演出してたっぽいです。

必殺技はひろがるバタフライプレス。上空に上がった後、蝶のオーラを真下に出してそれを踏みつける様に敵に落として圧迫するというもの。浄化対応技。なかなか派手でしたが、最初のモーションがジャンプで対応しているのか空が飛べるのかどうかは今の段階では分かりませんね。蝶モチーフなら飛べる可能性はゼロではないので。

 

明るい性格に前向きな姿勢、地頭の良さに度胸、優しさもきっちり兼ね備えていておまけに年上で一番の常識枠。…あれ? 筆者の好きな要素が詰まっているゾ…と言った感じです( ´艸`)

 

強さとは何ぞや? というテーマ

先回のシャララ隊長の教えもそうですが、これまた難しいテーマを…と思ったのが、たける君が自身の正義を振りかざし、暴力を正当化した問題。

詳しくは描写されていなかったのですが、他の園児が順番を守らなかった(横入り?)のを咎めたける君がその子をぶって泣かしたようなのですが、これはなかなか難しい。

どういう事情があれ暴力は良くないにせよ、実力を行使しなければ言う事を聞かない人間と言うのは一定数存在します。今回の件でも、その横入りした子が言葉で言い聞かせようとしても聞かなかった可能性もある訳ですし、逆上して殴り掛かってくるかもしれない。かと言って、じゃあ、無視をしてしまえば、今度はその横入りを容認したに等しい。最適解は先生に報告する事なのでしょうが、口さがのない子供だと、今度はそれは「告げ口」と判定してしまう。横入りを糾弾した上で周囲の人間が同調してくれる、というのが理想なのかな? いずれにせよ、経過が描かれず、たける君が一方的に責められていたのでちょっと何とも言えません。

更に問題なのが、たける君が自身の正当化にキュアウィングを引き合いに出してしまった事。幼稚園児故の純粋さ、と言うのもありますし、プリキュア達の戦う理由の詳細まで彼らに分かろうはずもない以上、プリキュア達がやっている事は襲ってきた敵を力を以て撃退した、以上の事ではない。

怖いのは、自分の正義が絶対だと思い込むことにプリキュアを利用している事。子供の頃にこれを定着化させてしまうと、その自分優先はどんどん肥大化していく。だからこそ、あげは彼を言い聞かせようと追いかけたのですよね。

実は自分の知り合いにもこのタイプがいるので、ちょっとこのシーンは胸が締め付けらる思いでもありました。まあ、この話は長くなるのでこれ以上は言及しませんが、一言いうならば、近しい人間が次第に視野狭窄に陥っていくのを見るのは辛いものがありますよ、なかなか、ね。

話中では、ランボーグに襲われたたける君をあげはが背負って逃げ回り、あまつさえそんな状態であるにもかかわらず、逃げる軌道を利用してランボーグを転倒させるのに成功させ、彼を守り切ったたため、単なる暴力だけではなく何かを守る事も強さなのである、と理解してくれましたが、逆にその後に変身したキュアバタフライはやはり力を以てランボーグを撃退しており(ただ、その手法が殴る蹴るではなく、相手の動きを封じる、だったのはたける君、延いては視聴者に対するメッセージかな、とは思った)、今回は一件落着しましたが、ここまで色んな人間に認知されているプリキュアですから、それはそれでまずいのかな、と感じました。

…今まで考えた事もありませんでしたが、プリキュアの正体を明かしてはいけない、は結構重要なんだな、と。

再度言いますが、なかなか難しい問題です。相手の行為を糾弾するという事は、相手の事を慮らなければならない、というのは先回のシャララ隊長の言葉でしたが、思慮が行き過ぎれば、行動そのものが遅れてしまう。相手の出方も分からなければ、こちらの正当性がどの程度のものと捉えられるかも相手から計り知れない。

結局のところ、物事はよく考えて起こさなければならないし、起こしたからには責任を持たなければならない。これ以上の答えはないようにも思えます。今作はなかなか思想的の内容をぶち込んできていますね。ここまで分かりやすいのははぐプリ以来かも。

 

プリキュア側の事情について

まず、大きな問題として浮上してしまったのが、エルちゃんをどうするか、という事。今までプリキュアサイドでありながら変身者ではなかったあげはが保護してくれていた訳ですが、彼女もキュアバタフライとして参戦する以上、エルちゃんは浮いた駒になってしまう。しかも、彼女はアンダーグ帝国からしてみれば第一ターゲットでもあります。

実際、今話でも、三人が変身してしまい、あげはがたける君を背負って逃げる、という窮地に立たされたことでエルちゃんを庇う人物がいなくなり、バッタモンダーに狙われる場面がありました。次回以降はキュアウィングとキュアバタフライあたりで守護しながら…となるのかな? と思われますが、出来れば戦いの場に連れて行かない方が良いのでは…と思います。

ただ、その場合、彼女の世話をするのはヨヨさんだけ、という事になってしまい、ヨヨさん自身に戦闘能力はないものだと思われますので、バッタモンダーに二方面作戦あたりやられるとやっぱり危ない。*2ベリィベリーさんあたり借り受けた方がいいんじゃねーかと、割と真剣に思います。

今話で早速課題提起してきただけに、この問題はいずれクローズアップされるかもしれませんね。

あと、上でも少し触れましたが、ソラシド市に於いてひろプリチームの認知度がかなり高い事も気になる要素です。前の記事でも書きましたが、今作はプリキュアの正体を隠すこと自体に拘泥はしていないと思うので、作風と言われてしまえばそれまでなのですが、あそこまでの大暴れを度々している以上、それを快く思わない市民も当然いるはずな訳で…

こういう点では、マスコミがちゃんとプリキュアを認識していて市民権を得ている世界観だったハピチャの設定は好きなんだよなあ。

今作はここら辺のどろどろを描くとは思えませんが、ソラやツバサが異世界人である事も含めて、将来的にこの要素がチームの足を引っ張らないか少し不安でもありますね。今の段階で二人(先回の大阪弁のおばあさんとたける君)には素性までばれてしまっている訳ですし、幼稚園児たちにあげはがプリキュアと繋がりある事はばれてしまっているのですしね。

 

バッタモンダーについて

今回幼稚園を襲った理由が「皆が見ている前でプリキュアを叩きのめしたい=ギャラリーが欲しい」というなかなか嗜虐心に満ちたものだったのが注目点でした。そう言えば前々回も「必ず俺に跪かせる」とも言っており、この辺りは性分ぽいですね。

今回は少し戦略を捻ってきており、エルちゃんを狙う→皆が庇う事を見越して直接攻撃ではなく泡の空間にプリキュア達を閉じ込める、という罠を張る事に成功しました。…逆から言えば、これもカバトンと同じく正攻法では勝てない、と自ら言った様なもので、まあ、そこを抜きにしても卑怯な手段を使う事に抵抗はないタイプと見ました。そう言えば、先回の風船型ランボーグもスカイランドの民そのものを人質に取った卑劣な手段でしたしね。

ただ、今回もキュアバタフライに啖呵を切られ凄まれただけで撤退しており、彼の根幹に「臆病」があるのはほぼ決定っぽいですね。

少し整理してみると

  • 根は臆病である
  • 弱肉強食主義者である
  • 自身の実力に自信を持っている
  • 嗜虐志向が強い
  • 卑怯な手段も迷わず実行する、どころかむしろ好きまでありそう
  • 思い通りに事が運ばないと乱暴な面が現れる
  • 強さへの諦観がある(不確定)
  • 競争することそのものには否定的(不確定)

次第に見えてはきましたね。臆病とアンダーグ帝国に生まれたが故の板挟みが根幹にある気がしました。もちろん、彼の事情は今の段階では一切語られていませんから、あくまでも推測ですが。いずれ、カバトンともバッチングするかと思われるので、どういう接触の仕方をするのかも注目したいです。それ次第でアンダーグ帝国の事情も見えてくるかもしれないので。

 

さて、次回は…キュアウィングとキュアバタフライのお話ですか。この二人はキュアスカイとキュアプリズムがそうであるように、OP映像でペアとして扱われている節があるので、どう展開するのか楽しみです。べたな展開なら二人による合体技でしょうか。新アイテムも出るっぽいですし。強力浄化体勢が二つに増えれば戦い方に幅が出ますしね。

 

今週のひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

このシーン、某錬金術漫画の「主婦だ!」を連想してしまった( ´艸`)

 

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*1:ただ、ここまでもかなり我慢して視聴していた。アイデアは凄くいいんだけどね。

*2:特に今回の敵はワープゲートを使いたい放題である。

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第16~17話雑感

ここです! 実はここが改変ポイントなのです!(最近は結構有名になったよね、この逸話…)

 

さて、それなりの重要度はあったものの、予想通りの息抜き期間となりました。とうとう第18話での4人目の戦士・キュアバタフライ登場が予告されましたし、いわばそこまでの準備期間だったかな、という感じです。

 

大まかな感想としては

話の流れとしては、第16話は再度両親と離れ離れになってしまったエルちゃんを元気づけようと奮闘するひろプリチームのお話でした。

いくつもの絵本からエルちゃんが興味を引いた桃太郎をアレンジして演劇を見せてあげる…というものなのですが、とりあえず、話をアレンジするのはいいのですが、ちゃっかり自分をお姫様役に抜擢してしまうシナリオ改変係のあげはさん、アンタ、いい性格してるな(笑)。

この話のミソはやはり前回での精神的ダメージがかなりひろプリチームにあった事でした。実質、負傷した事により王族を守れなかったキュアウィング=ツバサに、心根の優しさ故に王と王女の呪いに心を痛めるましろ、そして、バッタモンダ―に啖呵を切って撤退に追い込んだものの、青の護衛団の本分を全うできなかったばかりか、シャララまで失ったソラのショックは相当のものだったとも思われます。

そんな状態の中、エルちゃんを元気づけようとするものの、逆に彼女に励まされて再び前を向く展開はなかなか良かったですね。あげはも言っていましたが、不安な気持ちというのはやはり伝播してしまうものなのですよね、それが例え赤ん坊であっても。

エルちゃんの精神年齢が現段階でどの程度なのか分からない以上、エルちゃんは彼女らの名前を呼んだだけかもしれません。そこに深い意味はなかったのかもしれません。しかし、ひろプリチームの面々にとって、それは何物にも代えがたい励ましだった。これ、かなり深い演出だと思っています。

ちょっと難を言えば、演劇が一段落したところで、バッタモンダ―が攻めてくるのですが、折しもエルちゃんの励ましによってみんなが立ち直ったところで、通信でスカイランドが青の護衛団を中心に復興に向けて歩み始めている、と判明します。が、エルちゃんの話の直後だったので、ちょっとオマケ感があったことぐらいでしょうか。

この後の戦闘で、スカイランドの復興が台詞に掛けられていた(バッタモンダ―が「いくら信念があろうとスカイランドはボロボロになった」と煽ってきたのを否定した)ので、もう少し丁寧に言及してほしかったかな。

第17話は、学校生活に戻ったソラとましろが、体育祭のリレーに参加するのですが、その際にクラスメイトの推薦で選ばれたソラが自身にバトンを渡す=前の走者にましろを指名する事を条件にする、というものでした。

まずはクラスメイトが「ソラちゃんと言えばましろだもんね」という認識を持ってしまっている事に苦笑( ´艸`)

この話は体育祭というものには大まかに二種類の思惑があるというのがキモになっていました。即ち、楽しみにしている側とそうでない側です。

元々、ましろは体育祭を待望しているタイプではなく、今回のリレー参加も「ソラが指名してくれたから」引き受けた側面が強かったのですが、親しい彼女の期待に応えるためにも特訓を開始します。*1

しかし、リレー当日、緊張もあってか自身の出走時に転倒。一気に最下位に陥るものの、ソラの奮闘で逆転優勝をもぎ取ります。

その結果に居たたまれなくなったましろは落ち込みモードに突入。このシーンは、転倒した悔しさもさることながら、自身がやればできる=ソラに追いつけると思っていた事を自虐しており、やはり自己肯定感が少し低い点は気になりました。ツバサがキュアウィングへの変身を果たし、エルちゃんのナイトである事を自覚し始めてから、そういう側面が消えていったのとは対照的です。

逆にソラはましろが転倒した際に諦めかけた事を謝罪。しかし、それでもましろが諦めずに走り抜けた姿に奮起して頑張った事も同時に告白し感謝の意を表しました。ただ、酷な事を言うと、今回の話はソラの悪いところが出てしまった話だと個人的には思っています。彼女がましろを信頼しているのは分かるのですが、自身の前走者にましろを選ぶこと自体は、自身の価値観に則したものであって、言うなれば自分の気持ちの押し付けです。

勿論、リレー選手選抜の際に、ソラはましろの了承を得ようとしていますが、クラス中が注目するあの場で拒否する選択肢は実はましろ側には殆どない。ソラ側も当然受けてくれること前提で提案している節がある。

しかし、そこで上で書いた原則が出てきてしまう。体育祭に関しては大きく二つの思惑がある人種に分かれる、という事実が。

実際の所、多少なりともましろは傷つく結果となってしまい、その事でソラも一つ学びを得る結果となりました。ここにきて、先回のシャララ隊長の教えに掛かった彼女の未熟さが浮き彫りになったのは結構エモかったかな、と感じています。この先も二人で…というよりひろプリチーム全体を通して成長していくのでしょうね、ソラは。

 

新機軸・キラキラエナジー

先回で呪いの眠りに閉ざされた王と王女。その呪いを解くためにヨヨさんが提示してきたのが、キラキラエナジーの回収です。

ヨヨさん曰く、キラキラエナジーランボーグを浄化した際に出現する光煌くエネルギーであり、これを一定量ミラーパッドで吸収する事で解呪薬の制作が可能とのこと。

しかし、分からないのがこのキラキラエナジーがどういうものなのか、です。

単純に呪いへの特効薬的な物質である可能性もありますが、そもそもそれならば何故ランボーグが浄化の際とはいえそんなものを放つ事が出来るのか。一つ考えられるのは、呪いをかけたバッタモンダ―本人のランボーグから発生するから、というものがありますが、このキラキラエナジー自体はカバトン産のランボーグからも発せられてはいたんですよね。

しかも、かなり困った事に、プリキュア達はランボーグを倒すこと「自体」がカルマになってしまった。要するに、本来ならばド迷惑なランボーグ襲来がむしろウェルカム状態になってしまっている。

元来、プリキュアの役目は防衛・邀撃・守護であるはずです。それをこちらからけしかける訳ではないにせよ、相手の怪物を待ち構えなければならなくなった。

更に言うと、バッタモンダ―側には実は縛りが存在しない。王族の呪いを維持するためにランボーグを召喚する事が必須という訳でもなければ、実はスカイランド陣営を困らせたければランボーグを呼びださない、という選択肢もある。…尤も、この場合はバッタモンダ―がプリキュア側の事情=解呪の方法を知っている事が前提になりますが。

今回の当座の指標、キラキラエナジーの回収については、なんにせよ、少し目的と手段があやふやになってしまっているのは悪手と感じました。浄化さえしてしまえばゴールに近づくというのは分かりやすいのですが、プリキュアの本質を少し外れてしまったのではないか、と。これでは言い方は悪いですが、エルちゃんをダシにしてランボーグが現れるのを待ち構えているみたいで。ソラ達はそんな事は露ほども考えていないでしょうし、プリキュアの庇護下が一番安全である以上、エルちゃんのソラシド市同行は仕方なかったのですが、ね。

 

バッタモンダ―について

うーん…最初は色々な感情が渦巻いていて面白いキャラかな? と思いましたが、第16話敗北では「ありえねー!」と絶叫、第17話では「はいはい、強い強い」という諦観めいた捨て台詞を吐き、更に普段の態度からの豹変ぶりからプリキュアサイドが呆れる、という場面も挿入されたため、これどちらかというと、負けるたんびに何かしらのネガティブ感情を吐く、というのが芸風なだけかもしれませんね。

まだ先を見てみないと分かりませんが、あまりに複雑な感情を盛り込み過ぎると、キャラクター性そのものがぼやける危険性があると思うので、何かしらの芯は欲しいかなあ、とは思います。その点はコミックリリーフと極度の弱肉強食主義、それに加えて自身の弱さを露呈していたカバトンは分かりやすいキャラクターでした。

勿論注目点もあって、まず第16話。当たり前のようにワープゲートを使って地上界、ソラシド市にやってきた彼はランボーグを暴れさせプリキュア達をおびき寄せるのですが、その際にエルちゃんの捕獲ではなく、プリキュア達との再戦のために来た、と言うのです。

もしエルちゃんの捕獲そっちのけで独断でソラシド市にやってきたというのならば、特に前回での敗北は相当堪えたものだと思われます。まあ、10代前半の少女に凄まれておめおめ逃げた訳ですから、彼みたいな紳士ぶった態度の裏にプライドの高さを持っているタイプからは憎悪の対象に見られてもしょうがないかもしれませんね。この憎悪がどのレベルのものなのか、ここら辺の度合いで彼がどの程度まで非道の行いをするかも変わってくるかと思われるので、注目ポイントにしてみたいです。

第17話では体育祭にランボーグを乱入させるのですが、その際に「優劣をつける様な残酷な祭りは壊してもいい」と言っているのです。

先回でも分かっている通り、彼もアンダーグ帝国陣営の例に漏れず弱肉強食主義者です。しかし、このセリフはまるでそれを否定しているかの様でした。

強者である自信から来る蔑視か、自分の主義の正反対の事をあえて言っている諧謔のつもりか、はたまた本心か。

ただ、本心だとしたら…彼は、過去に何か「優劣をつける」という点に於いて何かあったのかもしれませんね。そして、それが故に今の裏表がありつつプライドが高い性格が形成されたとしたら…

彼がどの辺りまで活躍する幹部かは分かりませんが、引き続き注視していたいキャラクターではあります。

 

さて、次回は上でも書いた様にデフォルト発表されていた四人のうちの最後の戦士、キュアバタフライ誕生の様です。かなり時間をかけた印象ですが、まずはどの様な動機で変身するのかに注目したいです。燃える展開を頼んまっせー(/・ω・)/

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

ツバサ、何気に鳥と会話できるってすごい能力だよな…ソラシド市の索敵まで完璧にこなしちゃってるじゃん。

 

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*1:ただ、殊更運動音痴である様な描写はなかった。むしろ、幼少時は活発な方だった、とあげはにも述懐されている。

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第14~15話雑感

ハイ! プリキュアママ美人さんの法則、発動ー(/・ω・)/<大歓喜

 

さて、今期間はスカイランド回とでも言いますか、スカイランドでのソラ達の活動がメインでした。しかし、それ以上に濃厚なソラ=ハレワタールという人物像にスポットが当たった期間でもありました。

今まで、割と謎の多かったソラでしたが、2クール目の入り口、という事もあってか大体の事情も判明。流石に大きな秘密持ち、という訳ではなく概ね合点がいく内容でした。

 

話の流れとしては、ヨヨさんのおかげでとうとうスカイランドに行くワープゲートをくぐって凱旋する事になったソラ、ましろ、ツバサ。エルを無事保護してくれ、親元に送り届ける事に成功した彼女らは、熱い歓待を受けます。

望むものを取らせようとする王でしたが、ましろは何も望まなかったものの、ツバサはエルちゃんの養育係に、ソラは彼女の本来の目的であった王宮直属の騎士団「青の護衛団」への入団を希望、許可されます。

ソラは青の護衛団の団長シャララ(かつて救われた「ヒーロー」とは彼女の事)に憧れており、また彼女もソラの事をよく覚えていたため、青の護衛団に正式に入団するのですが、その事を快く思わない団員ベリィベリーと一騎打ちをすることに。この勝負に辛くも勝利を収めたソラは強さに拘泥している彼女を糾弾します。

しかしシャララからベリィベリーの事情が語られ、正論を吐くにしてもよく考えなければならない、と窘められたソラは彼女に謝罪するべく王城を飛び出します。

一方、勝負に負けた事とソラからかけられた言葉に落ち込んでいたベリィベリーはアンダーグ王国からの新たな幹部・バッタモンダーに彼女自身の手甲を核にしたランボーグを召喚され襲われる事に。当然騒ぎになったため、ひろプリチームがすぐに駆け付けます。

しかし、流石にカバトンのものとは比べ物にならない強さを誇るランボーグに苦戦。声を上げランボーグの標的になってしまったベリィベリーを庇う形でキュアスカイが踏みとどまり、彼女に非礼を詫びるとともに怪力を発揮。そのまま合体技で浄化に成功し、バッタモンダ―は撤退。

ソラとベリィベリーは和解し、ソラは晴れて青の護衛団の一員として認められたのでした(第14話)。

それから、しばらくの間、散発的なランボーグ襲撃があったものの、青の護衛団とプリキュア達の力によって、スカイランドは平和が保たれていました。あるべき場所に収まったソラとツバサを見てましろはいよいよソラシド市に帰る決意を固めます。

しかし、そんな矢先に再度現れたバッタモンダ―は、今までの襲撃は倒されたランボーグをカモフラージュしてアンダーグエナジースカイランドに少しづつばら撒く布石であり、それを集約させて巨大な風船爆弾ランボーグを召喚した上で一時間以内にプリンセス・エルを渡さなければ、ランボーグを爆発させて国中にアンダーグエナジーをばら撒き大惨事を引き起こす、と王家に脅迫をかける…というものでした。

 

ソラ・ハレワタールについて

という訳で、大体の出自が詳らかにされました。

まず、上でも書いた様に何か途轍もない秘密があるとかではなく、今までの舞台がスカイランドではなかったが故に多くは語られていなかった、と言った所ですね。

第一話でスカイランドを訪れようとしていた理由は、かつて命を救われた「ヒーロー」シャララが隊長を務める青の護衛団に入団するためでしたし、回想シーンで両親も姿を現しました。スカイランド国にある田舎の一般宅の娘といった感じでしたね。先の記事でヒーローの正体自体は知っていたのでは? と推測しましたが、これについては予測通りであり、延いてはそのお陰で辻褄があったというか、パズルのピースが上手くハマった感じです。

回想シーンでは両親から洞窟に行った事を咎められており、過去回の触手の様な怪物に襲われそうになったシーンの事も含めて、ここは後々重要箇所になる可能性がありますね。

性質・性格面に目を向けると、自身の正義感の先走りは相変わらず、といった感じですが、今回はシャララにそれとなくその事を窘められており、しかし、それをすぐに受け入れて反省するのはやはり美点でしょうか。このエピソードはとても良かったので後で別項目で後述します。

そして、何と言っても第15話で見せた啖呵。風船型ランボーグを抑えるためにキュアプリズムとともに決死のアップドラフトシャイニングを放ったものの力尽きてしまうのですが、その隙に王宮に侵入したバッタモンダ―によって窮地に追い込まれたエルちゃんの助けを呼ぶ声に呼応。意識を取り戻したキュアスカイは王城の窓を突き破って、直接バッタモンダ―と対峙し言い放つのです。

「そこから1ミリでもエルちゃんに近づいたら、私はあなたを許さない!」

この場面、アングル的にキュアスカイの表情が一切分からなかったのですが、バッタモンダ―はそれを見て顔を引きつらせながら撤退してしまうのです。

まあ…鬼の形相だったんでしょうね。

プリキュアシリーズですから、あえてこういう柔らかい表現を使ったのでしょうが、正直、筆者的には「そこから一歩でも動いてみろ。ぶち●すぞ」と言ったように聞こえました。しかも、アップドラフトシャイニングとランボーグの力が拮抗している所にシャララが乱入して吹き飛ばされてしまったところを見た直後とあっては…

それを表情を一切見せない&声優さんの演技で演出しきったのは見事でした。決める時はきっちり決めるのは清々しい。

欠点がない訳ではない。しかし、それを提示されればすぐに省みて次への成長の糧とする。多少暴走気味ですぐに行動に移してしまう(シャララに窘められた際にも、彼女の制止を振り切ってすぐさまベリィベリーの元に駆け付けようとしている)のには苦笑してしまいますが、本当に良い主人公ですね。

 

スカイランドの人々について

かなり多様な人物が出ましたね。

まずは王様と女王について。娘であるエルちゃんを猫可愛がりしているのは今までの経緯からも分かっていた事でしたが、ちょっと気になったのはいくらなんでものんびり屋過ぎないかな、という点。これは前作のクッキングダムの王族にも言える事でしたが、敵の正体が良く分からないうちから、ランボーグの襲撃を10回程度防衛できたぐらいで「いい加減(敵側も)懲りただろう」と言うのは些か悠長に過ぎる。事の本質はそこではなくて(恐らく)ワープゲートを自在に使って王城付近まで敵が現れている事と、それに対処療法の様な形でしか対応できない事だというのに。

ただ、エルちゃん帰還の際に、ひろプリチームに保護してくれていた事だけではなく、ちゃんと養育してくれていた事に礼を述べている所は基本的には善人である事を伺わせとても良かったです。

それだけ、スカイランドはエルちゃん誘拐事件までは平和な世界だったとも言えますが、悪い言葉を使うと平和ボケ過ぎる。その代償と言っては酷かもしれませんが、いつの間にか王宮に侵入されてしまったバッタモンダ―に、エルちゃんの譲渡を拒否したため、昏睡状態にされてしまいます。

この眠りは通常のものではなく一種の呪いの様なもので、この解除方法を求めてひろプリチームはヨヨさんの力を借りるべく再びソラシド市に向かう事になりました。

青の護衛団隊長・シャララ。

幼い日のソラを助けた「ヒーロー」であり、彼女に多大な影響を与えた人物です。生真面目且つその立場から、面倒見の良さそうな好人物として描かれました。

剣の腕も相当のものの様で、単騎でランボーグを真っ二つにするほどの力があります。浄化の有無を除けば、プリキュアに比肩する、と筆者は感じました。

ソラの事は前々から目をかけていた様で、幼い頃に助けてもらったお礼にと渡されたスカイジュエル製の小さなペンダントを大切に身に付けていたり、入団間もない彼女を遠征のパートナーに指名していたり、アップドラフトシャイニング発動の拮抗状態に苦戦中のプリキュア達に我が身を顧みず助力しようとするなどしています。

プリキュアの援護に駆け付ける直前、ソラの部屋に立ち寄りメッセージを残していますが、どうにも他の団員の反応(「一人でなんて無茶だ!」)を見ても死を覚悟した上での乱入でもあったようで、力及ばずランボーグに吹き飛ばされた際にはキュアスカイに対して「ヒーローの出番だ」と呟いており、なんか、自身の想いまで含めて彼女にすべてを託したのかな、と感じました。実質後継者指名かな、と。

第15話のラストで青の護衛団必死の捜索でもその行方は分からず、いったんは退場となりました。流石にまだ出番はあると踏んでいますが、先の動向が気になるキャラになりましたね。

青の護衛団員、ベリィベリーもなかなか注目に値するキャラですね。(彼女からしてみれば)ぽっと出で入団してきたソラに反感を持ち一騎打ちを挑んできましたが、その戦闘スタイルは右手に仕込んだスカイジュエルが埋め込まれた手甲から雷光を纏わせての拳打を中核にした格闘術。厨二心を嫌でもくすぐられます。

腕前も言うだけあってスカイランド神拳の使い手であるソラとほぼ互角であり、最後はソラに打ち負けはしたものの、遜色はほぼありません。

シャララが腕のけがが原因で護衛団の登用試験に落ち続けていた過去をソラに明かしていましたが、恐らく手甲でそれをフォローしているものだと思われます。

ハンデがあっても護衛団の一員として勤めている事とソラと互角の勝負が出来ている点から、相当な努力を積み重ねている事は容易に想像が出来、似た格闘スタイルである事もあって、ソラのオマージュキャラの側面があるな、と感じました。敗北とソラにかけられた言葉のショックから落ち込んでいましたが、翻って、ソラもこのように自身の根幹が揺らぐ事態が起こった時、懊悩する可能性がありますね。

結果的に青の護衛団は隊長であるシャララを失い、プリキュアの力を持ったソラは再びソラシド市へ、守るべき王族は呪いの眠りに閉ざされ、エルちゃんもプリキュアの庇護の元が一番安全(+亡命も兼ねて)なソラシド市へ随伴。まずは人民の防衛が最優先でしょうが、ガタガタになってしまったのは紛れもない事実です。が、副団長っぽい男性団員とともにベリィベリーが支えていくのかな、と想像していたりしています。

ツバサの両親も少しだけ登場しましたが、ずいぶん心配をかけたが故にツバサの無事を喜んでいました。肝心のツバサ自身はちょっと反抗期に入っており、少しうざがってもいましたね( ´艸`)。ただ、確かにツバサはエルちゃんを救う大功績を残してはいるものの、いきなり彼女直属の近衛というのは有体に言って大出世どころの話じゃないですね。これをあっさり認めちゃうあたりも王と王女の甘さが鼻にはつくんだよなあ…

息子の意思は尊重してるようで、再びソラシド市へと赴くツバサを見送りに来ています。正直、親御さんとしては子供を危険な異世界に再び送り出すのはやるせない心境だと思うのですが、それだけ息子を信じているのかもしれませんね。この親子はもう少し掘り下げがあると嬉しいです。

 

敵側の事情について

第二の幹部、バッタモンダ―が登場しました。

基本的にはキザで紳士ぶっていますが、自分の思い通りに事が運ばないとすぐに癇癪を起し荒っぽい本性を表します。それだけではなく、シャララ隊長が倒されたところを目の当たりにし、エルちゃんを守るために決死の形相をしていたであろうキュアスカイに凄まれただけで撤退するなど、臆病な面も覗かせました。

落ち込んでいるベリィベリーの目の前に突如現れ、彼女の弱みに理解を示すふりをしながらいたぶる様に言葉責めをするなど、陰湿さが強調されています。精神攻撃を仕掛けてくる可能性もありますね。

本性を隠すために仮面を被っている、しかしその内面は様々なものを内包しているなかなか面白い敵キャラクターです。

基本的な物の考え方はカバトンと変わっておらず、弱肉強食を良しとする考え方です。カバトン自身も言っていましたが、アンダーグ帝国ではそれが常識的観念なのでしょうね。呼びだしたランボーグにプリキュア達の相手をさせるに留めていましたが、その理由も「(プリキュア達が)弱いから、自分まで出たらかわいそう」というもの。言うだけあって、カバトン製のものとは比べ物にならない強さのランボーグを召喚していましたが、シリーズ恒例の「怪物と幹部のタッグを何故かやらない」の理由付けになっていたと思います。

自身の強さを誇示し、弱者を踏みにじるやり方はカバトンとの共通性ですが、カバトンが自身の弱さの裏返しだったのに対し、バッタモンダ―は生粋の性分の様な気もします。ただ、上でも書いた様に、年下の女の子の気迫でたじろぐというビビりな面も覗かせたので、彼の今後の描かれ方にも注目したいです。*1

任務も引き続きエルちゃんの捕獲で変わっていないようですし、ワープゲートの汎用性を考えるに、当然地上=ソラシド市にも襲来してくるでしょうから、町への損害も含めて、プリキュア達がどう対処するのかも目が離せません。

 

そして、シャララ隊長からのメッセージ

とても…とても大切な言葉ですよね。別にこれはヒーローに限った話ではありません。我々個々に向けられた今の情報が溢れたこの世界に於いて、何とも考えさせられるメッセージです。

ただ、これは難しい側面もあって、例えば思慮深い故に結論が後回しになって大事な決断の時に出遅れてしまうと元も子もありませんし、かと言って、相手の事情を考えずに物事を処断してしまうのは隊長の言う様に非常に危険でもあります。*2

物事というのは様々な事象によって成り立っています。それをすべて鑑みる事は出来ないにせよ、ある程度の咀嚼を以てなさなければ強い言葉というのは色を失ってしまう。

当ブログでも敵の事情についてかなり切り込んで記事を書いていますが、これも主人公サイドの視点だけで記事を書くのはそもそもフェアではない、という思想があるからです。長所短所双方を出来るだけ書いているのも同じ理屈。

ところで、シャララ隊長はソラに、相手の事を慮る事を教唆したわけですが、すぐそばにいますよね。第一に相手の心情を慮る事が出来る心優しい「友達」が。

こう考えるとソラとましろはやはりベストパートナーなのかな、と思います。お互い足りない部分を補いあえるし成長しあえる。かけがえのないバディ。まだまだ前半でこれを描けているのは実はすごい事ですよね。

 

次回は…ご機嫌斜めになってしまったエルちゃんに桃太郎の演劇を見せるお話? 息抜き回っぽいけど…あ、エルちゃんが桃太郎役なんだ( ´艸`)

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

むう…腰の入ったいい拳だ…ソラ、拳訣を極めたな…

 

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*1:あの場面はバッタモンダ―がビビりなのか、それほどキュアスカイの表情が鬼気迫っていたのかは「視聴者の想像にお任せします」ではあったのだが。

*2:現にシャララも「そこがヒーローの難しい所だ」と言っている。

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第10~13話雑感

ヤーキターイ(実質タイ焼き)に鮭入れたがるのはどうなのさ~、ソラちゃん。しかしこの手のお菓子って呼び名一つで戦争起こったり色々な種類あるからなんともな( ´艸`)ちなみに個人的に食べてみたいのは秋田県にあるというオランダ焼き。

 

さて、1クールが終了しました。この期間はキュアウイングへの変身を果たしたツバサを中心に、皆のよき理解者であるあげはを絡めつつ、掘り下げが進みました。

更には、敵側ならば幹部カバトンの退場…というか再出発、プリキュア側もついにヨヨさんがスカイランドへのゲートを開くことに成功など、シナリオも大きく動きました。

 

各話小感想

第10話

ツバサの歓迎パーティーを開催するにあたり彼の希望を聞いたところ、ヤーキターイというお菓子を所望されたものの当然地上世界では材料が足りず、ならばひろプリチームで似たようなものを制作しようと奮闘するお話。

ツバサメインかと思いきや、ましろが結構絡んできたのが意外でした。先回でも自身の夢のなさに焦燥を見せていたましろでしたが、ひたむきにヒーローとしての鍛錬を怠らないソラに、空を飛ぶ事への挑戦を続けるツバサにはいろいろ考えさせられている描写がありました。

話の後半にカバトンから戦闘面において突出している部分がないと煽られた際には、心が折れそうになっていましたが、キュアスカイとウイングが彼女の強さは優しさであり、その支えは何よりも強いのだ、と説かれたところで開眼、相手のミサイル攻撃を完封しました。

このシナリオでは、ましろが幼い頃に忙しい父母におにぎりを作ろうとして失敗したエピソードや、ツバサのためにヤーキターイの試作を何度も試みてくれたこと、更にはカバトンに切った啖呵「大切な友人を傷つけるのは許せない」など、まずは他人が優先である事が多く語られました。先回あげはも「ましろんの最大の強さは優しさ」と言っていましたが、他人を慮る心根の優しさこそが彼女の本質である、と改めて理解できる内容でとても良かったです。

一方、ツバサは地上に来てからかなりの月日が経って寂しかったでしょうに、先ほどのましろのおにぎり失敗エピソードを聞き、更に信頼し合える仲間たちを得て、彼女らと楽しく過ごせる時間こそ貴重なものなのだ、と気が付きました。家族と楽しく食事した思い出こそが本当に欲しかったものだと告白し、今はみんなとの楽しい時間こそが僕のヤーキターイであると告げるシーンはベタではありましたが彼らしくて微笑ましかったですね。

 

第11話

あげはがツバサと交流するお話。みんなでピクニックに行くのですが、どうもあげははツバサと仲良くしたかったらしく…

ツバサはあげはが彼を「少年」呼ばわりするのに不満顔であり、性格も反りが合わない感じで前途多難ぽかったですが…

よくよく考えてみると、ヨヨさんやエルちゃんを除けば、一番年の差があるんですよね、この二人は。お互いになのでしょうが、ない部分を持ち合わせている、と感じている様で良いコンビになりそうな予感がします。

先回でもあげはは策士っぽいところを見せましたが、今回も健在であり、後半ではロープウェイを核にしたランボーグに捕縛されてしまったところをじゃんけん勝負に持ち込んでロープから手を離させたり(しかも最初から「グー」を出すと宣言する周到っぷり)、キュアウイングが飛べることを見越して空中に投げ出されることを計算していたり、策を講じる頭、実行に移す即断力、危険を顧みない度胸など、なかなか見どころがありました。…え? あんなのに引っかかるカバトンがマヌケ? それはまあ…そう…まあ、そうね…

キュアウイングは自身をあてにした無謀な戦略を糾弾した際に「信用していたから」で返すあげはに少しどぎまぎした様子も見せましたし、これはなかなか目の離せないコンビになると見ました。

 

第12話

カバトン最後の戦い。

いよいよ追い詰められたカバトンは全ての元凶であるとソラ=キュアスカイを逆恨み、勝てば今後エルちゃんには一切手を出さない事を条件に一騎打ちを申し込みます。

彼の並々ならぬ決意を感じ取ったソラは決戦の日まで山籠もりの修行を行うのですが、決闘当日、カバトンは今まで無機物に放っていたアンダーグエナジーを自身に注入。自らをランボーグ化・巨大化させ襲い掛かってくる、という内容でした。

わりかし定番になりつつある幹部怪物化でしたね。

しかし、前々から思ってはいたのですが、そもそもソラ=キュアスカイの力はずば抜けており、出し抜く様な真似でもしない限り力押しは不可能にすら感じます。今回は意志ある幹部本人が怪物の力を上乗せしたわけですが、正直それでも全く敵っておらず、更には追い詰められたカバトンは約束を反故にしてエルちゃんを捕らえようとするのですが、それすらもサシの勝負を破棄したと見做したプリズム・ウイングに阻まれており、完全敗北を喫してしまいました。

ところで、カバトンがソラを目の敵にしたシーン(「お前が現れてから全て上手くいかなくなった」)なのですが、ましろやツバサは言いがかりだ、と糾弾していました。確かにその通りなのですが、物事がほんのきっかけで暗転してしまう(またはその逆)という事は実は結構ある事なんですよね。

普通ならそこから抜け出すべく人は努力するものなのですが、カバトンはそれを「ソラがいなくなりさえすれば好転する」と思い込んでいた辺りが追い詰められている様子がよく出ていました。実際はそれで事態が好転するとは限らないのに、です*1。またこれを淀みなく糾弾したましろやツバサも若さゆえの…という感じで、個人的には凄く、らしい、と感じました。そこまでの経験は若い頃はなかなか得られないものですから。

敗北を喫したカバトンに、目に見えぬ首領? 上司? から落雷による攻撃が降りかかりましたが、キュアスカイは咄嗟に彼を庇い、何故敵を助けるのか、というカバトンに「良くは分からないがそうするべきだと思った。体が勝手に動いた」と返す彼女にとうとう力でも心でも完敗した事を認め彼女の強さ、己の弱さを認めました。その後、カバトンはアンダーグ帝国の幹部を脱し、新たな出発を地上世界で誓うという形でいったん退場となりました。

このシーンはやはりキュアスカイの理屈ではなく体が動いてしまう実直性が見どころでしたね。例え敵対していた相手とはいえ粛清のような形で滅ぼされそうになっているのを見て見ぬふりは出来ない訳ですね。ホントヒーローだな、コイツ…

そして、カバトンも最後の最後で敗北を受け入れる度量があったのは救いでした。元々、コミカルな側面が強く憎めないところがあったので、この潔さで改心してくれるのなら個人的には「あり」です。過去回でも方々で働いているシーンがありましたが、再出発後はソラシド市で励めればそれが贖罪になるのかな、と。

同じ市内にいる訳ですから、ソラ達とはちょこちょこ絡んでくるかもしれませんね。*2

 

第13話

とうとう立って歩く事が出来るようになったエルちゃん。ヨヨさんの提案でひろプリチームでファーストシューズを贈る事になります。やがてエルちゃんの気に入った靴があったものの、それは初老の女性に買われる直前。しかし、ソラ達のただならぬ雰囲気を察した女性はその靴を彼女たちに譲るものの、その際に見せた寂しそうな表情をましろが看過。いったん靴は購入はしたものの、ましろの一言とソラの提案で、その女性を探すことに。

一方、ヨヨさんはとうとうスカイランドへのゲートを開くことに成功。学校がある事も含めて地上で暮らさねばならないましろの事もあり、別れの時は思いの外早く迫っていて…というものでした。

戦闘がないにもかかわらず、変身シーンがあった貴重な回でした。過去にスタプリであった際には驚きを以て界隈を賑わせましたが、その時も思ったのですが、何かを守るために変身するのがプリキュアだと個人的には思っているので、今回の初老の女性の息子夫婦と孫との別れという思い出を守るために変身したのは納得でもありました。ただ、プリキュアの身体能力を生かして建物から建物を高速ジャンプしていくのを背負われて味わうのは恐怖だったでしょう( ´艸`)

ファーストシューズの話ではありましたが、どちらかと言えばソラとましろの将来的に来るであろう別れを想起させることに重きを置いたシナリオでした。

エルちゃんの帰還を最優先に考え、今回のワープゲート完成の件にも喜びを表していたソラが、初老の女性が孫との別れに涙しているシーンで、ましろともども泣いていたのは印象的でした。やっぱり彼女も寂しいのね…

ただ、メタい事を言わせてもらうと、次回はましろスカイランドを訪れる様なのですが、流石にこれでエルちゃんが父母の元に帰ってハイ終わり、とはならないでしょうから、当然、戦いをまだ継続しなければならない転換点が来るのでしょうね。今までのシリーズでは舞台の街から大きく動くことはあまりありませんでしたが、今作はスカイランドで大冒険、みたいなのがあるかも?

後、細かい事ですが、この初老の女性、ソラ達の正体を知るキャラクターとなりました。準レギュラーである、ヨヨやあげはを除けば、初の既知キャラクターでもありますね。またどこかしらで関わるのかもしれませんが、今作はプリキュアの正体を隠すことにあまり拘泥していないイメージがあります。*3

 

そして敵側の事情

上でも書いた様に、とりあえず「幹部として」はカバトンが退場しました。そして、エルちゃんを狙う勢力がアンダーグ帝国であることが正式に語られました。公式HPでは表記だけはされていたんですけどね。

そして、その正体は一切不明。ソラやツバサはもちろん、ヨヨさんも初耳だそうで、カバトンを脅していた女性上役の事も含めて正体は判然としません。

第12話において、カバトンはアンダーグ帝国では弱い奴に価値はない、と言っていました。だからこそ強さを追い求めた、と。そうなると「帝国」とある以上、最初に考え付くのは競争が激しい弱肉強食が是となっている国家。その場合、国民は全員闘争の世界に叩き込まれる厳しい国であることが想像できます。翻って、敗れ去った「弱者」には辛い扱いが待っている事も想像がつきますよね。もちろん、上の方に上がっても失敗でもしようものならそれこそ今回のカバトンの様に「処罰」されてしまう訳です。

まだまだ謎が多い訳ですが、少なくともワープゲートを開いてある程度の干渉が出来る事が判明しています。第12話では一騎打ちに敗北したカバトンを抵抗できない状態で「持ち上げ」、落雷という自然の力を呼びだした挙句「操作」するという強大な力を見せつけました。

ただ、カバトンはキュアスカイに救われた事によって一命をとりとめましたが、もしアンダーグ帝国が想像通りの強権国家だとしたら、素直に許してもらえますかね? そのうち刺客が送られてくる可能性もあり、まだまだ油断はできませんね。

更に言えば、アンダーグ帝国は本来の目的「エルちゃんの誘拐(及び力の奪取)」をまだ達成していません。当然、第二第三の手を繰り出してくるでしょう。どのような手段に訴えるのか、こちらも気になります。

 

まずは1クール終了したわけですが、とにかくテンポが良く今のところ非常に好印象を抱いています。ソラの実直で努力を惜しまない性格、ましろの優しさ、ツバサの勇気、あげはの飾らない態度(いい意味での陽キャ)と大人の対応、うまくかみ合っています。

あえて言うなら学園生活があまり描かれていない(しかもましろにとってはスカイランドに行けない足枷になっている。次回では一時的に訪れる様だが)のが描写足らずかな、とは思いますが、それも正直気にならないレベルに収まっている。

ストーリーもいい意味で予想がつかず、たえずワクワクして見ている事が出来ます。最後までこのノリを維持できるでしょうか? 引き続き期待大ですね。

 

次回はまずはエルちゃんを無事父母の元に送り届けるようですが、なんとソラの憧れの「ヒーロー」が登場し、更に予告では敵幹部らしき姿や、ソラのライバルポジみたいなキャラ? も、ちらっと見えました。2クール目に向けてまずはスカイランドの事情に注目してみましょう。

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

前々から思っていたのだが、このソラの絵のスキルの高さはなんなんだろう…立体把握がどうしてもできなくて諦めた筆者には羨ましいスキルぞ!

 

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*1:好転するとしたらエルちゃんをアンダーグ帝国まで連れ帰る事に成功した時だろう。

*2:ただ、次回からはスカイランド編になる可能性もあるので、そこら辺はちょっと未知数。

*3:尤も、近作ではこの傾向は強く、プリキュアの正体を隠す縛りそのものがなくなってきている。

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第8~9話雑感

ほう…キュアラブリーさんをディスるとは、なかなかいい度胸だ、Boy…

 

さて、シリーズ初の男性レギュラープリキュアという事で、大きな話題になっていたキュアウイング=ツバサのお披露目回となりました。

二話をかけてじっくり変身者であるツバサとその変身動機を描き、男性ではありますがかなり中性的な容姿、そもそも人間ではなくプニバードというスカイランドに住まう鳥の一種族が変身した姿、とかなり慎重に事に当たったな、というのが最初の感想でした。

 

話の流れとしては、突如、虹ヶ丘邸にて謎の男の子がエルちゃんの前に現れます。その事を気取ったソラはカバトンの仲間ではないかと疑い、罠にかけて彼を捕縛。しかし、彼は元々虹ヶ丘邸で飼われていた太った鳥、プニバードが人間に変身した姿であり、エルちゃんを見守るために姿を現しただけでした。

飛べない鳥であるプニバードの彼が飛びたい一心で航空力学を学んでいる姿を見て、ソラは感動。警戒を解き和解に至ります。

一方、追い詰められつつあるカバトンは子供が遊んでいたドローンを強奪し、ランボーグ化。プリキュアを炙り出すために町を破壊し始めます。

慌てて現場に急行するソラとましろでしたが、二人がいなくなった事で人寂しくなってしまったエルちゃんは単独で彼女らの後を追ってしまいます。そんな彼女を守るため、ツバサはエルちゃんの保護のためにランボーグが暴れている町中に向かうが…というものです。

 

プニバードという種族について

自分は仮称でブッチャーバードと呼んでいました( ´艸`)

実は第一話からその姿を見せてはいたツバサの鳥形態、プニバード。何でも、はるか昔に人間に変身する能力を得た代わりに、飛ぶ能力を失ってしまったそうです。

ツバサは過去に事故で空に投げ出されてしまう、という出来事があったのですが、その時一緒にいた父親が息子を救いたい一心で飛ぶことに成功し、彼は一命をとりとめました。それ以来、ツバサは空を飛ぶことに強い憧れを抱くのですが、父親はそれ以来飛んだことはなく、ツバサの「どのように飛んだのか?」という質問にも「無我夢中だったから分からない」という答えに終始しています。

他にも、プニバード族は様々な分野に才を発揮するらしく、ツバサの父親は高名な画家ですし、地上に落ちてきたツバサが航空力学という難しい学問に取り組んでいる事と言い、飛ぶ能力と引き換えに様々な能力を得ているトレードオフ状態になっています。

引っかかるのは、プニバードは実際は飛ぶ事が出来る、という点。そして、太古の昔に何があったのか、という点。

一つ目は、ツバサの父親が必死の境地だったとはいえ飛んでいる事で実証していますし、二つ目は実態が良く分からない言い伝えとして残っている事。特に二つ目は諸元が良く分かっていないプリキュアの伝説と被っている設定です。

確かにプニバード族は様々な才に恵まれてはいるのでしょうが、鳥のアイデンティティともいえる「飛ぶ」能力を失っています。有体に言えば筆者が最初に感じたのは「呪い」でした。

過去のプリキュアの伝説に、プニバード族の「呪い」。もし、この辺りに共通性があるのだとしたら…過去からの因縁というメインプロットがここから先出てくるやもしれませんね。

 

ツバサ=キュアウイングについて

翼がありながら飛ぶ事が出来ないプニバードが、プリキュアとなって飛行能力を得る。非常に良い演出でしたが、ひたむきに飛ぶ事への憧憬を止めなかった末に飛んだ=プリキュアとなった、と取るか、プリキュアになったからこそ飛ぶ事が出来た、と考えるかは意見の分かれるところかもしれません。個人的には前者を推したいですが、プニバード形態の時に飛べないとなると後者の様な気もします。

第8話ではカバトンに捕獲されたエルちゃんを救うために奮闘しましたが、いよいよ逃げ切れない、となった時にエルちゃんを逃がすために空飛ぶゆりかごにかけていた手を自ら離したのには驚きました。プリキュアシリーズでは頻繁に現れる自己犠牲でしたが、今回のそれは足場も何もない空の上で行った正に命をかけたものだった訳で…個人的にはドキプリのキュアダイヤモンド氷漬けに匹敵するインパクトでした。

プリキュアになれた動機も、エルちゃんを守りたいという気持ちと、空を飛びたいという純粋な憧れがペンを形成しましたが、双方とも彼の強い気持ちの表れであり、動機としては申し分なかったです。

それが故でしょうか、プリキュアになった際には、エルちゃんのナイトとなる事を宣言しており、彼女の守護を司る存在となるのかもしれませんね。ただ、エルちゃんとツバサの関係は確かに王女とその臣民ではあるのですが、ナイトの話が出てきたのはちょっと唐突だったかな。カバトンに彼がプニバードであることを看破され「王家に恩を売りたいんだろう」と罵られた際には「見知らぬ世界に取り残された彼女を守るのは当然の感情」と言っていましたが、少し弱い気もしました。エルちゃんが日々成長していく様を、自身の励みにしていたのはなんとなく分かってはいたのですが、ちょっと難しいところ突いちゃってない? とは思います。

ツバサ本人は自身を過小評価している点は気になりますが、向上心自体はあり大人しく優しい好少年です。自身を顧みずエルちゃんを救おうとした自己犠牲の精神、エルちゃんを侮辱したカバトンに啖呵を切るなど、いざという場面では勇気を持ち合わせていました。個人的にはヒープリのペギタンに少し似ているな、と感じます。

上でも書いた様に、シリーズ初のレギュラー男の子プリキュアという事で、どうなる事やら、と怖さ半分興味半分で見ていましたが、担当声優さんは男の方ながらも可愛らしい声でキャラクターにマッチしており、そもそも話中で男である、女である、という話題も出なかったため、思ったより違和感はなかったです。というより、プリキュアシリーズってそもそも「女の子しかなれない」とは明言してはいないんですよね。ならば、そう言う話がシナリオ上に出てくること自体がナンセンスな訳で。

ただ、あえて言うなら、今回の話はツバサが男である必要性そのものはなかったかな、とも感じました。逆説的に言うならば、この話はツバサが女の子でも成立はしたよね、と。そこに性差がない、という証左にもなっていますが、せっかくのシリーズ初の試みです。うまく活用出来ればな、と今後を楽しみにしています。

キュアウイングの能力面に目を向けると、やはり「飛べる」というのが最大のアドバンテージになっています。実際問題今回のランボーグは浮遊型で、スカイとプリズムではほとんど手を出す事が出来ず、その時点で合流していたあげはの助言でようやく一発をお見舞いできた、という状態でした。

余談ですが、あげははスカイとプリズムにランボーグのいる高度へ打ち上げる策を授けていましたが、彼女は参謀的な役割が充てられるのかもしれませんね。

飛べる、というのが個性の一つになっていたプリキュアプリアラのキュアパルフェがいましたが、正直あまり機能はしておらず消化不良に感じた部分でした。今回は空を飛ぶこと自体が局所戦を担える事がキュアスカイの口から語られており、個人的にはキュアマーメイドの様な局所特化型の戦闘シーンが見られると嬉しい限りです。

ランボーグの体を突進で貫通する「ひろがるウイングアタック」を披露しましたが、その後に浄化を二人に委ねており、この技自体は浄化能力までは持っていないのかもしれませんね。

あと、これは気のせいかもしれませんが、キュアウイングのデザイン。襟の部分が肩に被さる様に付いていますが、この襟が広く腕の部分から横に少しはみ出ておりこれが彼の肩幅を少し広く見せている=男の子である事を表しているのかな、と感じました。いずれにせよナイスデザインかと思います。

 

敵側の事情について

エルちゃんの捕縛に成功し、カバトンが上司に通信を用いて報告している場面がありましたが、その際にはかなりのエネルギーを使っている表現がありました。これはワープゲート使用の際にも同様かと思われるので、ゲート自体は開くことは出来ても多用が出来る代物ではない=だから地上に留まっている、と推察できます。

その上司に対して、アンダーグ帝国に帰還した暁には更なる力を「くれ」と言っていました。だとすれば、ランボーグ召喚を含めた彼の力は借り物である可能性が高いですね。額のクリスタルなんかはかなり怪しい。

第9話ではツバサと対峙した際に、上で書いたエルちゃんを守ろうとした理由を聞いた際には、今までのどこかコミカルな面を捨てて「わからん。お前は嫌いだ」と冷たく言い放ち、直後空に放り出すという非道を行っており(実際、エルちゃんが乗っている空飛ぶゆりかごごと落とされたから助かったものの、本来ならば地上に落ちてスプラッタだったはず)、どことなく不自然な態度を取りました。

更に、ツバサがキュアウイングに変身すると「あんな脇役まで」プリキュアになった事に驚愕し「空が飛べるから何だっていうんだ!」と激昂までしており、非常に感情的な顔を見せました。

これは、あれですかねえ。個人的に感じたのは同族嫌悪。要するにカバトンの根幹には自分=弱者を投影し、それを憎んでいる、というのがある。だからこそ、俺TUEEEEを連呼し弱者をコケにする様な真似をする。戦闘力を持たないプニバード形態のツバサを嘲笑っていましたが、それは他ならない自身への嘲笑への裏返しだとしたら…少し哀れにも感じましたね、今回の彼のキュアウイングに対する「慌て」ぶりは。このままいくと彼の出番はもう長くはないでしょう。深く切り込んでくるのかに注目しましょう。

 

さて、次回は、ツバサがまだまだ話の中心みたいですね。みんなでスカイランドの料理を作ろうとするみたいですが…むむむ…ヤーキターイ? どんな料理なのかさっぱりワカラナイ!(お目目ぐるぐる)

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

いやまあ、スカイランド神拳の使い手だからね…わかる。わかるんだけどさ…気配察知まで習得しているなんて最早達人の域じゃんかよお。どういう修行してたんだ、彼女は!?

 

【アニメ】艦これ ~いつかあの海で~ Final Episode「いつかあの海で」感想+全体総評

しかしこのミカンへの徹底的なこだわりは何だったんだろうね…

 

はあああああああああああああああ~~~~~~~~(クソデカ溜息)

 

まあ、そうなるよね。まとめようがないもの。全8話で。何がしたかったの? 自己満足? それが許されるのは同人までだよ、アホか!

 

えー、エクスキューズです。

上を見ただけでも分かるかと思いますが、ここから先は辛辣な事しか書きません。

え? いい所?

まあ、作画は良かったんじゃない? 艦娘可愛かったね。提督をきっちり出したのもまあ正解かな。

さあ、褒めたぞ。こっから先は覚悟しろッ!

あ、あと、この作品は環境によって視れる日が分かれるんですよね。今まで配慮が足りない記事を書いてしまっていたのは申し訳ない…故にネタバレ多数を含む今回の記事は折りたたみます。ネタバレが見たくない人や辛辣意見が見たくない人は回れ右をお願いいたします。

 

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【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第5~7話雑感

なんだと…ソラシド市は小田急線沿線だった…あれ? いや、でも待てよ、JRにもこんな車両なかったっけ? うーん、わからん!(乗り鉄なので車両の事全然詳しくないマン)

 

さて、いよいよ掘り下げ期間に入ってきましたね。まずは変身者二人を濃密に…という感じでしたが、所々、あげはやヨヨが絡んできているのが面白い。

 

ソラとましろについて

という訳で、この二人が友情を育んでいくのがメインの期間となりましたが、割と早い段階で二人ともべったりという感じですね。

既存というか、並みの作品であれば、ちょっと早急過ぎない? と感じるところですが、かなり特殊な環境に身を置いていた(らしい)ソラと、感性が一般人のそれに近いましろという組み合わせのおかげで思ったより違和感を感じていません。

というのも、ソラはどうもヒーローになるための鍛錬に明け暮れていたおかげで親しい友人というものを今まで得ておらず、ましろという友人が出来た事をとても大切にしていましたし、第6~7話でましろが学友たちと交流しているシーンがありましたが、全体的に常識的な付き合いに終始しており、逆から言えばソラは彼女にとって今までに出会ったことのないタイプの子なんですよね。

第5話では初めて出来た大切な友人を傷つけたくない一心でプリキュアとして戦う事を止めさせようとしたソラと、どうしても友人の事を助けたい、放っておけないという優しさを示したましろが対立してしましたが、お互いが本音を吐露してわだかまりが氷解。ましろとの共闘の覚悟をソラが決める流れは見ごたえがありました。

正直、穏やかな顔で「友達以外の言葉が思いつかない」と言い切ったキュアプリズムと、彼女の言葉を承けて変身後でも「ましろさん」と呼んでいたキュアスカイが「キュアプリズム」と声をかけたシーンは震えました。変身時のキュア呼びをこんな風に絡めてくる上手さもさることながら、早くも二人が一体になった流れが秀逸すぎます。

第6話以降は上でも書いた様にそんなお互いの事情もあってべったりし始めましたが、第5話の流れや、第4話までのソラの実直さ、ましろの優しさが存分に描かれていたため、なんか微笑ましい。特にソラの人間関係構築の不器用さは、これからのましろのフォローも含めて楽しいファクターになりそうです。

少し気になったのは、ソラがましろを過保護に共闘拒否した理由に、悪夢にうなされたから(戦っている最中に引き離されキュアプリズムのみ倒されてしまう、というもの)というのがあるのですが、正直言うと今の段階での戦闘に不安要素が彼女にあるとは思えず、そうなると、過去にそれを想起するようなトラウマがあるか、極度な完璧主義なのか。どちらも少しネガティブ要素になるかと思いますので、シナリオに絡んでくるのか注目してみたいです。

戦闘面に目を向けると、先回の記事でも書いた様に、やはりキュアプリズムが後方から飛び道具の支援攻撃、キュアスカイが接近戦からの打撃、というのがメインになりそうです。

キュアプリズムは一度放った飛び道具を敵の目の前で炸裂させ目くらましに用いるなど、中々侮れない戦術を使いますね。変身後の身体能力もキュアスカイと引けは取らないですし、第7話ではキュアスカイと同スピードで校舎の壁を走り抜けたりしていますし。

そう言えば、第7話ではましろ達が通うソラシド学園が戦いの場となったのですが、ランボーグが出現した際に生徒たちは逃げ出してはいたものの、戦闘終了後にひろプリチームの二人を女生徒たちが「かっこよかった」と言っており、戦いそのものは見られていたっぽいんですよね。

正直言うと、不特定多数が戦闘を目の当たりにしたという事は、この二人がプリキュアに変身している所は見られていても不思議ではないのですが、ここら辺の言及はなかったです。ちょっと無理あるかなー。逆の前作のデリシャスフィールドが如何に優れた設定だったのかが分かりました。

 

取り巻く人々について

まずはヨヨさん。ソラが学校に行きたがっている事を悟ってコネを使ってソラシド学園に転入させました。このソラシド市でも相当顔が効く存在の様ですね。ソラの転校初日、早速同級生たちが彼女を質問攻めにするのですが、その際に「ましろの家に居候している」と言った際に「あー、あそこ。楽しそう」と返されており、ヨヨさんはかなりの有名人ぽいニュアンスでした。

また、転校の手続きをさっさと済ませて目を白黒させているソラに対して「案ずるより産むがやすし」と言っており、(彼女にとっての)異世界に住み着いたことと言い、実践主義者であることも伺えます。

一応、ソラやエルちゃんをスカイランドに帰すための準備はしているようですが、かなりの手間がかかる様です。ただ、スカイランド探訪回は中盤あたりにありそう。

スカイランド帰還にかなりの時間を要する事を知って焦ったソラが強い言葉で早く出来ないのか、と言った際にも、実際はましろを戦いに巻き込みたくないが故である事を悟って「優しい子」だと評したり、ソラが転校時に出身地について瀕するという事を見越して先生に「スカンジナビア出身」であると事前に周知しておいたり、かなりの洞察力を持っています。これは戦闘シーンを鑑みるに孫のましろにも引き継がれているっぽいですね。

あと、ヨヨさんの口から、プリキュアとははるか昔にスカイランドを攻めてきた軍勢から姫の願いを請けて救った英雄として語り継がれた存在であることが語られました。しかし、同時にこの伝説は半ば失伝状態らしく、ここら辺に何か事情があるのかは今の段階では何とも言えません。

あげはは第6話で登場。

学校があるせいでましろと一緒にいられないモヤモヤに身を焦らしているソラに自分の伝えたい事を伝えるべき、とアドバイスし、その一歩を踏み出させるために彼女にメイクを施してあげました。

自分は男なので、メイクが大切な一歩を踏み出す一助になる、という感覚はイマイチピンときませんが、何かを変えるスイッチめいたものであるならば、もちろんアリなのでしょう。ソラは今までの経緯を考えるとそこら辺疎かったと思われるので、あげはの助力は的確だったと言えます。

ソラと街中で出会ったこと自体は偶然だったのですが、現段階ではまだソラシド市に引っ越してきたわけではなく、専門学校入学も少し先の様ですね。彼女はソラシド市に戻ってきてからが本番かな?

あげはの助言を一通り聞いた後、一目散にましろの元へ向かったソラの後ろ姿を見て「青春だねえ」と笑顔で独り言ちていましたが、大人の余裕か、はたまた過去に似たような経験があるのか。どちらにせよ、面白い立ち位置のキャラになりそうです。

 

敵側の事情について

もういい…カバトン、休め…

流石にもう限界が近づいてきていますね。ソラシド市で仕事をしながら日銭を稼いでいる描写があり、やはりアンダーグ帝国には帰還していないようです。

第5話では自分のエネルギーをかなり消費して強いランボーグを召喚、ひろプリチームを一時追い詰めましたが、普段ふくよかな彼が頬をこけさせるほどに消耗するものらしく、何回も使える代物ではないようです。挙句に新たな力に目覚めたひろプリチームの合体技・プリキュアアップドラフトシャイニングに為す術もなく浄化されてしまいました。

第6話では、ヘルメットを核にしたランボーグを召喚。モチーフが防護系統なだけあって防御力が高く、装甲が貫けなく最初は苦戦したひろプリチームでしたが、そのランボーグがセメント? の煙幕を張ってプリキュア側の視界を奪おうとするのですが、あっさり上空に逃げられそのまま合体技で浄化されてしまいます。

第7話でも最初の攻撃こそ当てはするのですが、二人にはまともに通ってすらいない状態で、今度は二人のスピードによる連携に全くついていけず自爆。

カバトン自身も言っていましたが、ランボーグの強さはそのまま召喚者の強さと直結しています。それでいて、ランボーグ攻撃の直撃でプリキュアサイドの装甲を貫けないというのは…もう個の力としても完全に劣っている事になってしまうのですよね、カバトンは。少なくとも現状、彼単身では何をやってももう無駄、とすら思わせます。ここまでの幹部も珍しいかも。

後は捨て身の全力攻撃に出るか、或いは本当に卑劣な策を弄するか…第5話では彼の無成果に業を煮やしたのか、声だけですが上役若しくは首領? と思しき女性にはっぱをかけられていましたので、そろそろ退場間近かもしれません。

自身の強さを誇示し、自分より弱い者をディスり、更なる力を求める。しかし、どうにも実力と言葉が釣り合っていない。何かカバトンには事情がありそうではありますが、退場までには明かされると思われるので期待していましょう。行っている事は結構悪辣ですが、割と憎めなさがあるので…

 

さて、次回は、虹ヶ丘家で飼われている鳥と、謎の少年にスポットが当たる回みたいですね。これは息抜き回ですかね(目を泳がせながら)。

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

あー、君、まさかとは思うけど、爪の伸び具合で調子を確かめるために定期的に切ってコレクションしてみたり、戦車型の超硬い爆弾を敵にけしかけたりする能力とかないよね?(^_^;)

 

 

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第4話「わたしもヒーローガール! キュアプリズム登場!!」感想

ソラシド市は山に囲まれた盆地の地方都市? 松本市辺りがなんとなくイメージだけど、こういう町いくらでもあるからなあ、日本は。でもこの風景はなんかモデルある様な気がする。

 

さて、ましろの変身、キュアプリズムのお披露目回でしたね。そして、重要人物と思われる聖あげはが登場しました。

 

話の流れとしては、突如虹ヶ丘邸を訪れた聖あげは。彼女はかつてましろとお隣さん同士の幼馴染であり、聖家の引っ越しを機に分かれ分かれとなっていたのですが、久しぶりの再会を果たし喜び合います。

あげはは保育士を目指しており、ソラシド市にある専門学校に転入してくるために帰ってきたのですが、その面接に付き合って学校の前で待機していたソラとましろは、カバトンが仕掛けたつまらない罠にソラが引っかかってしまい、ペンを奪われた挙句、ランボーグを召喚され拘束までされてしまいます。

エルちゃんを抱えていたましろはソラの頼みもあって専門学校の建物に逃げ込むものの、追い詰められ…というものです。

 

虹ヶ丘ましろ=キュアプリズムについて

とうとう変身姿が登場しましたね。パーソナルカラーは白という事になるのかな? 衣装のところどころにピンクが配されている事からピンク枠も兼ねている感じですかね。

変身のきっかけは自身の自信のなさをあげはに否定され後押しされた事。一般人であることが強調されたキャラクターですが、実際、カバトンに言われた「モブは引っ込んでろ(意訳)」に気圧されていたのも、実に彼女らしい。それにかけてあげはを見てからの自分が夢を持っていない=自分には取柄がない、というのが躊躇の所以になっていたのも実際の所一般人ぽい所でした。

そういう点ではましろはあげはに救われましたね。彼女はましろの美点に「優しさ」を挙げましたが、これを美点として褒めてくれる人はあまりいない。あったとしてもそれは清濁併せ持つことの方が多い。

割と最近の傾向として、過度の自己卑下を否定する流れがありますよね。前作のキュアプレシャスも自分が足手纏いになっているのでは、と悩んだコメコメを叱咤するシーンがありましたが、今回のあげはもましろの優しさを強さと認識した上で「それを卑下する事は友人として許さない」と諭してくれました。年の差はありますがいい友人関係ですね、二人は。

変身シーンもキュアスカイがかっこよさに振っているに対して、こちらは最大限の媚び可愛さを導入しており、イメージとしてはアイドルがモチーフなのかな? と思わせました。最後の決めポーズもちょっとあざとい( ´艸`)

戦闘シーンでは、最初は爆発的に上がった身体能力についていけず、目標であるランボーグの脇を猛スピードでカッとんでいったあと、近場のビルを足場にしてすぐさまターン。そのまま飛び蹴りをかますという、なかなか豪快なスタイルを見せましたが、その弾みで奪ったペンを手放してしまったカバトンからソラにそれを手渡させるために、彼女を拘束していたランボーグを飛び道具でたじろがせ、それを成功させます。

変身したキュアスカイが参戦してからはパンチのラッシュも浴びせましたが、どちらかというと飛び道具メインな戦い方をするのかな? という印象を受けました。浄化技・ヒーローガールプリズムショットも頭上高く掲げたエネルギー弾を相手にぶつけるもので、接近戦のキュアスカイに対して、遠距離攻撃のキュアプリズムといった感じですかね。

ただ、彼女自身の「夢がない」はカバトン乱入もあってこのシナリオでは棚上げになってしまったので、このテーマは後日取り上げらえそうではありますね。

 

聖あげはについて

んー。ちょっとわざとらしいかな、とは思いますが、公式では特に言及がないようなので、今の段階ではましろの幼馴染、という前提で記事を進めましょうか。

まずはましろと幼馴染ではあるものの、年の差は4つ…かな? ましろが中学2年生・14歳と仮定した場合ですが。しかし、姉妹というよりは本当に友人関係という感じで、実際本人も気さくで今風の言い方をすると陽キャ気質っぽいですね。

幼少時の引っ越しでの別れの際に、駄々をこねて家出をしたあげはをましろが探し出して連れ帰るエピソードがありましたが、その際に「ましろは悲しくないのか」という問いに涙をこらえながら「私が泣いたらあげはちゃんはもっと泣いてしまう」と諭されたのをましろの強さと認識しているのは、何より「等身大の友人である」という証でもあります。正直年の差4つというのは10代では結構大きく、学校の階級が基本的に変わってしまいますし(小学校のみ6年なので包括できるが)、流行等の世代も変わってしまうものですが、この二人にはあまり関係なさそうなのは微笑ましいです。

免許を取り自動車を運転していますし、このシーンはOPでも描かれています*1から、中学生組(ソラ・ましろ)とは立ち位置としては違うものにはなりつつ深く関わってきそうですが、彼女の性格の良さもあってあまり壁を感じさせないキャラクターとして接していくことになりそうですね。

あと、ランボーグにましろたちが襲われた際に、巨大な体躯のランボーグを見て咄嗟に専門学校の建物には入ってこれない事を悟ってエルちゃんを抱えたましろを誘導するなど、冷静な判断が出来るのも好印象でした。ただ、今回の件で、ソラ及びましろプリキュアである事は早速ばれてしまいましたね…まあ、彼女ならそれは気にせずに協力は惜しまないでしょうが。

 

ソラ・ハレワタールについて

今回は迂闊な行動が裏目に出てしまいましたね。前回の記事でも書いた通り、実直な性格が仇となってしまいました。

言語は通じるようですが、文字はさっぱり、という事で、一日に5文字ひらがなを覚えるという勉強を早速はじめ、それを使ってメモ取りを行っているなど、本当に努力は惜しまない良い性格です。

体力も町中にある小高い丘を難なくランニングで駆け上がっており、後からついてきたましろが悲鳴を上げていました。…尤も、これはソラが体力お化けなのか、ましろの持久力がないのかはちょっと微妙でしたが( ´艸`)

ただ、今回はカバトンが姑息な手段を使って、ソラの変身を封じた訳ですが、これは取りも直さず、変身されたら勝ち目はない、とカバトンは思ってもいる訳で、ここに加えてキュアプリズムまで参入してしまった以上、もうカバトン及び彼が呼ぶランボーグでは彼女らを倒すこと自体は不可能に思えます。ただでさえ、キュアスカイ単騎にも勝てていない訳で、こうなるとカバトン自体が何らかの形でパワーアップするか、本当に目的のみの遂行(エルちゃんの拉致)に突き進むのか、ぐらいにしかならない気もします。

あと、これは多分ヨヨさんが製作者視点の傍観者的立場だったからこその台詞だとは思うのですが、あげはが虹ヶ丘邸を訪問した際「運命がまた動き出した」と言うのですが、これは彼女にはある程度の未来が見えている可能性があります。しかし、第2話に於いて、彼女はソラの事を「なぜ彼女を選んだのか?」とエルちゃんに問いかけており、まるで、ソラが予定調和から外れたイレギュラーっぽい事を匂わせてもいるんですよね。深く考察するほどの台詞ではないのかもしれませんが、少し気にはなりました。主人公であるにも関わらず、ソラは今の段階では不思議なぐらい正体が割れていない存在なんですよね。

若干、ヒーロー的行動に対して盲目的な部分はありますが、そこはましろ=キュアプリズムがうまくカバーしていく事で更なるパワーアップが望めそうですね。それに掛けてなのですが。

 

次回はいよいよキュアスカイとキュアプリズムの合体技が飛び出すようです。しかし、ソラはあくまでも一人で戦う、とましろを遠ざける様なのですが…前作のマリちゃんの様にましろを巻き込むことを良しとしていないのか、或いは何か事情があるのか。

ソラの妙に思いつめた顔が印象的な次回予告でした。さて、どうなる?

 

今週のひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

糸目の状態で心の中でツッコミ入れるの、彼女のギャグ仕草の常套になりそうね。あ、ちなみに昭和でもそんな罠仕掛ける奴はほとんどいません(昭和生まれのおじさんのツッコミ)。

 

さて、二人目のプリキュアが参入した事で、まずは最序盤が終了した、と言ったところでしょうか。次回からは不定期雑感仕様に当ブログも戻ろうかと思います。なるべくマメには更新していくつもりですが、ご容赦くださいませ。

 

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*1:車がOPのものと同じだった。OPでは運転者の顔が光の反射で隠されているが、これは次回以降反射が消えそうな気がする。