ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】デリシャスパーティ♡プリキュア第9~11話雑感

あー、バケツプリンって9割がた失敗するんだよなあ。「バケツプリン デストローイ」で検索すると惨劇が出る出る(笑)。

 

さて、この期間はいつも通り各メンバーの掘り下げに…と思いましたが、思いの外ジェントルー=菓彩あまねにスポットが大きく当たる期間となりました。尤も、今作は各キャラクターの変身に時間を割きながらゆっくり性質・性格を描写していったため、それほどの違和感は感じません。むしろ、変化球チックではあるものの、あまねが彼女らに大きく関わるであろう事を表した上手い展開だと感じました。

 

全体的な流れとしては、第9話ではここねとらんの性質の違いとそれによるちょっとした衝突→和解。第10話では敵側のパワーアップ及び今まで救い出したレシピッピからの助力による新アイテム付与と新技追加による対処、第11話ではあまねの罠によるデパプリチームのピンチ及びついにジェントルーの正体が判明してしまう…というものでしたが、どれも情報量が多く見ごたえがありました。このジェントルー=あまね絡みの流れはまだまだ続きそうなので、引き続き注目ですかね。

 

ここねとらんの関係性について

ここねは感情表現が苦手で物静か、らんは天真爛漫だが若干無神経な部分がある、という感じですが、各々その欠点には気が付いており、気に病んだり改善しようとしたりしている点は良いですね。

第9話のBパートで、何かと意見がかみ合わなくお互いが遠慮しがちだった様を見かねた妖精たちやゆいの計らいにより、コメコメの世話を二人ですることになるのですが、元々小さな兄弟に囲まれて育ったらんの独壇場になってしまい、居たたまれなくなったここねが反発する…という流れがありました。

多少無神経な部分があったものの、基本的にらんに非はなく、どちらかというとここねの気の強さが前面に現れたような印象を受けました。少し気になったのは、前の記事でも書いたのですが、ここねの強迫観念というか「何事も自分がうまくこなさなければならない」という感情です。先回の焦りによる戦闘中の突出も「こんな私では嫌われてしまう」という他人の評価を恐れているような描写がありましたし、今回の事にしても、幼子の扱いに慣れているらんに対し、何も出来ない自分に苛立った、とも言えます。

完璧である事を求められ、それが出来ないと不安に苛まされる。

最終的には戦闘中にまでかみ合わなくなった二人をキュアプレシャスが祖母の教え「味噌は味が違っても合わせる事で深く更に美味しくなる」を受けて協力体制を築くことで和解しましたが、この二人の間は修復されたものの、ここねのこの性質は不安がまだ拭えません。自覚して直そうとしている点は美点ではあるのですが。

あと、この話で面白いな、と思ったのは、ここねとらんが対立し始めた際、今までは陰でお互いを思いやる発言をしていたにも関わらず、本音が噴出した際にお互い思うところがあった事を吐露している点でした。人間の感情って単純じゃありませんから、両方とも彼女たちの本心なのでしょうね。

これは第9話の最後にマリちゃんが言った「お互いに言いたいことを言い合えるなんて素敵な事」という言葉に集約されていると思うのですが、こういう人間臭い部分の表現はお見事でした。

 

敵側の事情

新幹部・ナルシストルーが登場。そして、ジェントルーがレシピッピをめぐるプリキュア達との対立で苦しみ始める…というのがメインになりました。

やはりメインはジェントルー=あまねの暴露でしたが、苦しみ始めたジェントルーを見た際にナルシストルーは「操り人形の糸が切れかけている」と嘲笑し、第11話でデパプリチームに敗北を喫しあまねの人格が大きく顕現した際には素早く背後に現れて彼女を操り人形と侮辱しながら「まだ楽しませてもらう」と言いながら拉致したり、どうにも幹部内でも格差があるような表現がありました。これはセクレトルーもジェントルーの苦悩を見て「ゴーダッツ様に報告しなければ」と独り言ちており、ある程度事情が分かった上で彼女を利用していたようですね。

先回の段階ではあまねに関しては様々な憶測が飛びましたが、今の段階では洗脳&あまねとジェントルー二つの人格がある、というのが一番ある路線ですかね。実際、瞳の色が変わったりしますし(ジェントルーは赤で、あまねは青)、あまね時でも第11話でプリキュア変身者たちを罠にハメる(実力テストを急遽施し、彼女たちの答案だけ難問のものにすり替えた)際にも瞳の色は赤になっています。

そして、ここからは推論混じりで気になった点なのですが、何故、ジェントルーがあまねの人格を取り戻しかけているのか。

もちろん、レシピッピの苦しみにあまねの人格が呼応しています(下記するがこれは相互でもある)し、キュアプレシャスの「あなたはそれほど悪い人じゃない」という呼びかけにも反応しています。筆者が気になったのはナルシストルーがウバウゾー強化に「自身の力を注ぎ込む」事を提案した、という事。

つまり、ウバウゾーの強化に使ったジェントルーの力というのは他でもないジェントルー人格そのものなのでは? と感じたのです。この期間での経緯を見ても分かるように、あまねとジェントルーの人格は同じ肉体内でせめぎあっています。ジェントルーは律義に怪盗としての矜持を守ったり、ゴーダッツに絶対の忠誠を誓う気真面目さも見せていますから、ここはあまねの影響を少なからず受けているっぽい。しかし、もし、ウバウゾー強化のためにジェントルーの力を使い始めた事で、力の均衡が崩れあまねが主導権を取り戻しつつあるならば?

その場合、気になるのは何故ナルシストルーはそんな手段をわざわざ教えたのか? まさかこの副作用とも呼べるものに気が付いていなかった? 彼の性格では考えにくい。むしろ、彼女を弄んで苦しめようとしている、と言われた方がまだしっくりくる(「苦悩の表情はいい」という悪趣味発言までしているしね)。それならそれで悪役としては申し分ありませんが、もっと他の意図があるとしたら?

ブンドル団は意外なほどその正体が分かっていない組織です。今までの戦闘がジェントルー一緒くただったこともありますが、敵の目的も具体的には不明、ゴーダッツも姿自体は不明、セクレトルー、ナルシストルーの能力や立ち位置も不明、ついでに言えばアジトの位置も不明。不明だらけ。

予告では来週はジェントルー最後の戦いの様相を呈していますが、彼女の苦しみをデパプリチームがどのように受け止めるのかに注目しましょう。そして他の幹部達もそろそろベールを脱ぎ始める時期でしょうから、盛り上がってきそうですしね。

 

新アイテム・ハートジューシーミキサーについて

プリキュア達が救い出した精霊のような存在が力を与える、というのはシリーズでもままある展開ですが、他のレシピッピたちの苦しみに呼応し、それを救助してくれる存在であるプリキュア達に力を託した様に見受けられました。しかしそれ以上に驚いたのが、どうもレシピッピはジェントルーの苦しみにも反応していた様な節があるのです。これは元々あまねとジェントルーの狭間で苦しんでいた彼女の力を捕獲箱に注いでレシピッピに伝播したからの様に見えたのですよね。*1プリキュアへの助力、ジェントルーへの感応、様々な要素が重なって生み出されたアイテム、と言ったところですかね。

今の段階では、このミキサー自体は通常浄化技では浄化不能な強化ウバウゾーを浄化技を強化状態にして放つことで浄化可能にする、程度の能力でとどまっていますが、ミキサーとは言わずもがな、様々な具材をミックスする調理器具。ミキサー登場の前の回ではここねとらんの喧嘩回で違う個性が混じり合う強さを表現していますし、まだまだ隠された能力がありそうかな…というのが感想です。

 

男キャラたちについて

拓海がデリシャスフィールドに消えていくマリちゃんを見て不信感を露わにしているシーンがありましたが、第11話ではゆいに「あの怪物と関係があるのでは?」という意見を口にしています。

なるほど、自分も視聴者として俯瞰的に物事を見ているからこそ意識できていませんでしたが、拓海の視点からすると、マリちゃんと怪物(ウバウゾー)がグルのようにも見えてしまうんですね。

もちろん、ゆいは事情を知っている…というより当事者ですから、その事を全力否定するわけですが、その後に拓海が呟いた疑問「でもあの怪物は何がしたいのかは分からない。暴れて街に被害を与えているわけではない」がゆいにジェントルーは破壊行動を極力避けているのでは、という確信を得るに至らしめたのは上手かったですね。拓海はゆいに気があるという事も手伝って、物語を別の視点で視れる面白いキャラクターとなりつつありますね。

マリちゃんは相変わらず好感度高いキャラです。ちょっと大人な立ち位置、というのをちゃんとこなしている。少し気になったのは、コメコメが立って歩いた上、片言でしゃべれるようになった事を感涙して「大人になると小さな幸せが大切になる」と言ったのは取りようによっては意味深ですよね。正直年齢不詳なところもありますし、コメコメへの反応から察するにひょっとしたら既婚者(だった)の可能性も否定できません。

 

次回はジェントルー最後の戦いかな? マリちゃんは心を操られていた、と推測していますが…キュアプレシャスは戦いたくないみたいだし、しかし格闘戦はするようなので、戦った上で和解かな?

 

ここまでのデパプリをかいつまんでナナメからバッサリ

プリキュアあほの子学力問題には賛否両論あるが、今作のゆいとらんは考え方を変えれば勉強に意欲的になる、というのが描写されていてとてもいい解答な気がする。というか、あまねによる問題すり替え不正があったから、そもそも本当の実力は分からんのよな。

 

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*1:このシーンはジェントルーとあまねはある程度融合しているのでは? とも思わせた。