ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】デリシャスパーティ♡プリキュア第44話「シェアリンエナジー!ありがとうを重ねて」感想

ごめんなさい白状します。デパプリチームがハートウォッチに格納していたレシピッピの正式名称、「レシピッピスタンプ」だったこと今知りました…

 

さあ、最終決戦回でした。

少し惜しい部分はあれど(後述)、概ね満足いく仕上がりだったと思います。招き猫像がホカホカハート収束装置であり、全ての料理が消えた際の救済措置だったのは予想の範囲内ではありましたが、もう一つの役割があったのは素直に驚きました。

 

話の流れとしては、押され気味のデパプリチームの援軍に駆け付けたキュアプレシャス。ゴーダッツに対して、皆との絆を信じる、貴方を止める、もう止まらない宣言をして参戦。それと同時に溢れ出すホカホカハート。

ゴーダッツはその源が町中にある招き猫像にある事に気が付き、チビスピリットルーを使役してそれを次々と回収、ホカホカハートの湧出を封じます。それでも諦めないデパプリチームに業を煮やしたゴーダッツは二つのスペシャルデリシャストーンを合体させ巨大化。

圧倒的な力の巨大化ゴーダッツに為す術もなく変身解除まで追い込まれるデパプリチームでしたが、それでも心の中にある思いは消えない、と高らかに宣言したキュアプレシャスからホカホカハートが沸き上がり、それは今まで彼女たちが集めていたレシピッピスタンプと共鳴して、招き猫像が復活。

招き猫像はホカホカハートをまき散らしながら、チビスピリットルーを抑え込み、更にホカホカハートの湧出再開により修復されたスペシャルデリシャストーンでブラペが参入、デパプリチームの傷を癒します。

クッキングダムではナルシストルーが自作であるスピリットルーを掌握し、息を吹き返したクックファイターたちがチビスピリットルーを完封。王族の救出にも成功。

更に世界を駆け巡っていた門平がお土産に配っていた招き猫像のホカホカハートも力を得てゴーダッツの元に集まり彼を拘束、更に巨大招き猫像が巨大化ゴーダッツと対峙。

いわば世界を敵に回したゴーダッツがそれらに翻弄されている間にデパプリチームが全員回復再変身。再度対峙となった時、キュアプレシャスはゴーダッツに語り掛けます。

自分の、言葉で。

 

キュアプレシャスが紡いだ彼女自身の言葉

さて、長い前振りもあって、やはり最後の場面で出ましたね。キュアプレシャス=ゆいの自身の言葉。

まとめると、それは「感謝」です。作中では「ありがとうの気持ち」と表現されていましたが、彼女はゴーダッツにそれを伝えた上で、ここまで来れた事、キュアスパイシー=ここね、キュアヤムヤム=らん、キュアフィナーレ=あまね、マリちゃんに門平、ブラペ=拓海、町の人々、今まで出会った人たち、様々な料理、レシピッピ、そして、彼女に色々な事を教えてくれた祖母=よね、彼女を形成するあらゆるものに感謝している事を伝えました。

そして、こう語り掛けるのです。

「ジンジャーさんの事を思い続けている貴方にもその気持ちがあるはず」だと。

物語としては、割と普遍的な結論かな、とは思いましたが、これは4クールかけてじっくりキャラクターを描けるプリキュアシリーズの強みですね。こういう悪い言い方をすれば使い古されたネタでもちゃんと心に響く。先回のセクレトルーに言った「あなたの言葉、響いた。あなたの事をもっと知りたい」なんかは、まずは理解する事を優先する彼女の人となりを良く表していましたよね。そして理解した上でそれも自身の経験として取り込み、感謝の意を表す。

彼女は元々祖母の教えもあって、食事に対する敬意を忘れない性質を持っていましたが、そこに様々な触れ合いを持ち、更に前回ゴーダッツに自身の存在意義を投げつけられた上で自分を形成してくれたすべてのものに感謝する、という答えに導かれました。

これは食がテーマという事も大きかったのでしょうが、全ての事象というものは決して単独では成り立たない。食事一つとっても、食材があり、その生産者があり、料理する者がおり、食す者がいる。その食材にしても命を刈り取る行為であり、人間は何かを犠牲にして生きている。だからこそ言うのです。

「いただきます」「ごちそうさま」と。

それは自分が命を繋げた事への感謝の言葉です。そこには様々な事柄、人間、生物が絡む。そして、当然、思いも。そして、感謝は感謝を呼び、連綿と受け継がれていく。それが心を温かくするのだと。

この言葉を承けて、ゴーダッツもたじろいでいたのは、やはり彼にも思うところがあったからなのでしょうね。実際「ジンジャーはもういない」と嘆いてもいましたし。

全ての事柄に感謝し、最後に様々な助力を得る事になったキュアプレシャスとデパプリチーム。あくまでも自分の力を信じ、自分以外を切り捨てる事をまるで厭わず自身の想いを完遂する事だけに執着した結果、世界中を敵に回してしまったゴーダッツ。

全てに感謝しそれを力に変えたゆいと、プライド故に孤高に自身の道のみを追求したフェンネル

残念ながら勝負あり、です。

ただ、ちょっと言葉足らずだったのは、再度、ジンジャーの名前を出すのであれば、過去に飛んでジンジャーと直接触れ合った事はゴーダッツに伝えるべきでしたね。逡巡がないキュアプレシャスの言葉に今度は気圧されたような感じになってはいましたが、その事実を知らないゴーダッツからしてみれば「なんでジンジャーの事を知りもしない(知っていたとしてもマリちゃんや門平からの伝聞のみだろう)小娘にそんなことが分かるのか」となってしまう。

キュアプレシャスの導き出した自身の言葉。それ自体は良かったのですが、この舌足らず感が実に惜しかった気がします。

 

ゴーダッツとジンジャーについて

うーん…上でも書いた様に、世界を敵に回す真似をしたのは悪手もいい所でしたね。ただ、なぜここまで堕ちた存在になってしまったのかはやはり分からずじまいです。ジンジャーの死は確かにあったのでしょう。実際、巨大招き猫像にジンジャーの映像が出てきた際には動きを止めましたし、彼はもういない、と嘆き節も見せましたし。何より、巨大化した際の姿が黒いジンジャーとも取れる姿をしています。

前回の記事でも書きましたが、彼がスペシャルデリシャストーンの独占を狙ってシナモンを罠に嵌めたのはジンジャー存命時です。それを考えると、もう一人立ちしていた段階で偏った思想を持っていたとも言えます。

しかも、ジンジャーはいずれ今回の事件が起こる事を見越して、ホカホカハート収束装置を設置しており、ブンドル団(もしくはそれに近しい組織)の存在を予見していたはずです。

だとすれば、ジンジャーはフェンネルの本性に薄々気が付いていた可能性があるのですが、そうなると、今度は何故もっと事前に策を講じなかったのか、という事になりますし、逆に全く気が付いていなかったというのならば、ジンジャーの眼力が節穴、という事になってしまい、どちらにせよ株は下がってしまいます。

尤も、ジンジャーは第38話を見た限りでは、相当人が良さそうな感じでしたし、情け深そうではあるものの、切れ者かというとあまりそういうイメージはありませんでした。どちらかというとのんびり屋で温厚そうな感じでしたよね。

故に、気が付いていていた上で情に負けてしまっていたのかもしれません。フェンネルを直接咎め立てる事はしない代わりに、凶行に及んだ際にはそれを止める手立てを残しておく。彼の師匠であるとともに親子のような関係でもあったでしょう。ジンジャーはフェンネルを最後まで信じていたかったのかもしれませんね…そして、願わくば彼を正す事が出来る存在が出てきてくれることを願って…

詳しくは総評で書こうとは思いますが、どうにも敵側の描き方は全体的に失敗だったような気がします。ナルシストルーにしろセクレトルーにしろ想像は可能なんだけど、もう一歩踏み込めていない。しかもその究極にフェンネル=ゴーダッツがいた事はかなりモヤモヤが残る要素でした。

 

復活したデパプリチームに追い詰められ、最後は合体したスペシャルデリシャストーンが分離したところを模造デリシャストーンのみライトマイデリシャスで浄化。フェンネルの姿に戻った彼は崩壊していく空間に落下し、それをキュアプレシャスが追いかけ手を差し伸べ…というところで幕となりました。

次回予告では何気にフェンネルの手と思われるものが映し出されていたので、最後の回答に期待したいです。

 

次回はとうとう最終回。

画面での雰囲気は大団円の様相でしたが、はたしてどうなるのか。クッキングダムとの繋がりは、マリちゃんとシナモンの行方は、エナジー妖精たちの行く末は。

そして、ゆいと拓海の関係は!? 目が離せませんね。後日談が入るかもしれませんし、フェンネルの最後の動向も気になります。

 

今週のデパプリをかいつまんでナナメからバッサリ

最後はカロリー数誤魔化したネーミングパンチだったけど、少なくとも100万kcalまでは到達してんだよなあ…

 

-------------------