ふらあそ!

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【アニメ】デリシャスパーティ♡プリキュア第42話「ゴーダッツのたくらみプレシャスvs.ブラックペッパー」感想

あれ? 教皇が二人を呼びだして、一人を後継者に、一人を補佐にした某星座アニメの1シーンと見てもあまり違和感ない…

 

さて…個人的には中々の問題回と感じました。と、言うのも、悪役が正論を吐いてしまったからです。ある意味、プリキュアシリーズの最大の弱点を突いてしまった訳で筆者的には

こんな気分です。

 

話の流れとしては、ついに本性を現したフェンネル=ゴーダッツと対峙するクッキングダム陣営の男性陣。ダメージを受けたデパプリチームをブラペが覚えたての回復能力で癒している間に、力の回復したマリちゃんはセクレトルーを完封。しかし、いい勝負は出来るもののクックファイターの変身能力を失っている門平=シナモンは次第に追い詰められていきます。

やがて、回復したデパプリチームはゴーダッツが呼び出していたGウバウゾーを浄化成功するものの、核となっているおにぎりのレシピッピの捕獲解除が出来ず、その間隙を縫ってプリキュア達に放たれた攻撃を庇ったシナモンは重傷を負います。

最後のレシピッピを奪うという目的を遂げ、ワープゲートを使用して撤退しようとするゴーダッツをブラペ、キュアプレシャス、マリちゃんが追いますが、ワープ先はもちろんブンドル団本拠地。

ブラペは父親がクッキングダムに対して抱いている想いを先日のスペシャルデリシャストーン回復の泉探索の際に聞いていたらしく、その思いを踏みにじるような真似をしたゴーダッツに対し怒り心頭の様子。

彼に追いついたキュアプレシャスはその様子を見て、危機感を覚え…というものでした。

 

どこまで敵意を許容するのか? それをどう描くのか?

うーん。まず最初に言いたい事としては、今回のタイトルは詐欺に近いんじゃないかなあ。確かに、ブラペとプレシャスの意見が対立はしましたが、それで直接対決したわけではありませんし、ゴーダッツに対して敵意をむき出しにしたブラペの行動をプレシャスが止める、という流れで「vs」という枕詞を使ったのは、ちょっと納得できなかったです。

プリキュアシリーズは、映画版ドキプリの「マナ結婚」*1や、プリアラの「ゆかり闇堕ち」*2、はぐプリの「アンリ寝返り?」*3などやらかしが散見されるんですよね。深い意味を持たせたいのかもしれませんが、少なくとも筆者的にはあまり伝わらなかったです。

シナリオの後半、敵の本拠地に乗り込んだブラペは今までの冷静な態度をかなぐり捨てて、ゴーダッツに対して敵意をむき出しにするのですが、その理由というのが「父親=シナモンが大切に思っていた愛すべき故郷・クッキングダムから放逐させたのみならず、クッキングダムの技術力を欲し悪用しようとしている」からなのですが、そもそもからしてここが弱い。

もちろん、ゴーダッツを憎む理由は尤もです。というか、むしろ憎んで当然な訳で、これを止めに入ったキュアプレシャスの方が理に適ってはいません。

ですが、ブラペ=拓海は、その思いに至るまで、先回の回復の泉探索で父親にその想いを聞かされた、以上の情報が視聴者側に入ってこなかった。ここに問題があります。

そこまでに父親に対してどういう感情を抱いていたのか、離れている期間が長くて、寂しいと感じていたのか、ピンとこない感情が先立っているのか。こういう表現はプリキュアであるゆいやここねは存分に描かれていましたが、困った事に対象は中盤出番が減ってしまった拓海。

TV電話のシーンや、スペシャルデリシャストーンを託された回想シーン程度ではどうにも伝わらない。先回の父親とクックファイターとしての活動を話し合ったシーンでも彼自身が感情を爆発させるタイプではないため、なんとなくなし崩し的に結論を先延ばしにしたように見えてしまう。

せめて、中盤のクッキングダム歴訪回にブラペが参加していればまた違ったのでしょうが(ただその場合、彼がクックファイターである事の整合性を考える必要性があるが)、それに加えて、過去に飛ぶ話でも彼は外されており、ブラペは肝心なところでハブられている場面が多く、ここは全体通しての失敗だったようにも感じます。

要するに、ゴーダッツにあそこまで感情を高ぶらせる表現に乏しかった。理由はあるんだけど、急に豹変してしまった感覚が拭えなかった。

筆者がこの手の話で思い出してしまうのは、やはり鋼の錬金術師ロイ・マスタングがエンヴィーを追い詰め、それをエドワード・エルリックが止めるシーン。今回のブラペとプレシャスのシーンに酷似していましたよね。感情に任せて敵を葬ろうとするブラペ(ロイ)とそれを危ういと感じ止めようとするプレシャス(エド)という構図も同じ。*4

それでも、鋼の錬金術師のあのシーンが説得力があったのは、ロイが国の行く末を案じているシーンがこれでもか、と描かれていたからであって、だからこそ、エドの「テメエ自分の顔をよく見ろ! そんなツラで国を治める気なのかよ!」も響くわけです。

プレシャス=ゆいとブラペ=拓海が付き合いが長いのはロイとエドの関係性に準える事は出来ますが、その説得にしても、ゴーダッツもかつてはジンジャーの下でシナモン・マリちゃんと修行した仲間であり、分かり合えない訳がない、拓海にそんなことをしてほしくない、という、悪い言い方をすれば、彼の気持ちを全く考えないものでした。そして、ゴーダッツはそんな彼女を一蹴する事になるのです。

 

さあ、どう消化する!? ゴーダッツの辛辣な一言!

さて、キュアプレシャスとブラペが押し問答をしている間、同じデリシャストーンを持っているマリちゃんはゴーダッツと対峙。そして彼の力を封じ込める事に成功します。

しかし、プレシャスの説得によって矛を収めたブラペは倒れたふりをしていたゴーダッツに打ち抜かれ気絶、マリちゃんも吹き飛ばされてしまいます。

それでも必死に説得を試みようとするキュアプレシャスですが、その際にジンジャーの事を引き合いに出した事でゴーダッツを激怒させ

と言い放たれてしまうのです。

これはなかなかキッツいですよね。ゴーダッツがプリキュア達が過去に飛んでジンジャーと交流した事を知らなかったとはいえ、あまりに不用意な一言です。しかも、一方的に敵に善意を求めた結果でもある訳で、これは明らかにゴーダッツのいう事に理がある。

元々、プリキュアシリーズというのは、主人公たちが善意の塊であることが前提で作成されています。故に例えそれが敵にとっては理想論であっても、押し通すだけの力があった。

敵に(この場合はゴーダッツに)事情があるのを察するのは素晴らしい。しかし、それでも、彼の過去を知らないまま、ずけずけとジンジャーの心情にまで踏み込んでしまったのは如何ともしがたい。元来、ゆいは祖母の教えが皆の助けになると信じそれを広める事に躊躇がない子ではありましたが、それも前回でそれだけではだめなのだと気が付けたのですが…彼女の弱点が露呈した格好になってしまいました。

もちろん、クッキングダムでのフェンネルの態度を見れば、あからさまな敵意を見せるのが難しいのは分かりますし、そんな相手に憎しみをぶつけるブラペを止めたくなる気持ちは分かるのですが、ほとんど葛藤もなしに自分の考えを押し通してしまった。ゴーダッツも言っていましたが、自ら招いた結果と言わざるを得ない。

以前の映画版はぐプリの記事

furafuraasobinin.hatenablog.com

ここでも書きましたが、プリキュアの発する言葉は善意の下で発せられる故に力がある、だからこそ、悪意の下で発せられれば空恐ろしい事にもなり得る。それは第39話のわかなとの一件でも表現されていましたが、他人の受け取り方一つでもある訳で、今回のゴーダッツに対する「ジンジャーさんだってそんなこと望んでいない」は正に彼の逆鱗に触れるシロモノだった訳です。

ある意味、プリキュアシリーズの根底を揺るがす一言に対して、ゆい、というよりスタッフはどういう回答を見出すのか。期待せずにはいられません。

プリキュア達が信じていた根幹が揺らぐ事態になった時、ヒープリののどか=キュアグレースは悩んだ末に断罪に踏み切りました。はぐプリのはな=キュアエールはそっと抱きしめる事で最後の理解を示しました。スマプリのみゆき=キュアハッピーはバッドエンドの未来を否定し自らの悪の現身を消し飛ばしました。

次回は、この状況を作ってしまったゆいが葛藤する回のようなので、どの様な結論を導き出すのか、注目したいです。

 

敵側の事情について

まずはゴーダッツについてですが、この回ではまだはっきりとした事情は飲み込めません。ただ、キュアプレシャスにジンジャーの事を語られれば激怒し、最後におにぎりのレシピッピを狙った理由もジンジャーとの思い出の品だったからで、ジンジャーに強い思い入れがあったのも間違いありません。

そう言えば、ブンドル団本拠地に会ったゴーダッツが裏にいた(?)背景の形ですが、ジンジャーの被り物に似ていますよね。

今の段階で視聴者側に伝わった情報としては、まずは継承者問題。特に本来ならば一人が継ぐべきであるスペシャルデリシャストーンをシナモンが継承してしまった事、その事で彼を罠に嵌め、今度こそ己がものにしようとすれば、王様が石の力を恐れて分割した上でマリちゃんとフェンネルに渡してしまったことで歪んでしまった…と推測できます。

シナモンに使いこなせるものが、私に使えない訳がない、と彼に対する嫉妬の感情も滲ませており、その段階でシナモンを罠にかけているのだとしたら、かなり昔から歪んでいた事になります。

そもそも、力は奪うためにある、という思想も宣っており、正直、彼があのジンジャーの下で育てられた存在とは未だに俄かには信じられないぐらいです。

ジンジャー絡みの事情がある以上、彼がどうして歪んでしまったのかはまだ判断するには早急ですが、何者かに操られている、とかでなければ相当キッツい悪役だなあ、とは思っています。

上でのプレシャスへの言葉もそうですが、シナモンやマリちゃんに吐いた

この台詞も社会においては真理だなあ、と筆者は思っているので(ただ、彼の場合は逆恨み甚だしいが)、こういう所々に正論ぶちかます悪役はなかなかクるものがあります。ただ、言葉尻だけ見れば、ゴーダッツの言っている事は確かに正論かもしれませんが、正論って言う人間によっては「正論」足り得なくなるんだよなあ…

一方、最後の幹部・セクレトルーはゴーダッツに最期まで献身したにも拘らず、見捨てられる形になり、残ったデパプリチームに保護される形になりました。

余りの結末に自暴自棄になる彼女に元同僚でもあるあまねが手を差し伸べていましたが、改心するんですかねえ…彼女も詳しい事情までは語られていないので、どうなるのか気にはなりますね。先回の眼鏡姿もそうなんですが、髪を下ろした彼女、実はとっても筆者好み…モニョモニョ

 

次回は上でも書いた様にゆいが責任を感じ戦えなくなるというもの。今回の引きでブラペやマリちゃんが倒され、全滅の危機を迎えたプレシャス達を救うため、コメコメが強制ワープを発動させて事なきを得ましたが、その代償としてコメコメも力を使い果たしてしまいました。

なので、次回の「戦えない」も正確にはゆいの精神的な事情なのか、単純にパートナーのコメコメが衰弱状態だからなのかは判別できていません。どうなる事やら。

 

そして、次回作、「ひろがるスカイ!プリキュアの番宣が入りましたね。一通り見た感じから察するに、パーソナルカラー青&異世界から住人がハナから主人公なんですかね? 新しい試みで面白いと思います。

どこかの記事で読みましたが、テーマはヒーローと空、という事なので、ひょっとしたらデフォルトで空を飛べるプリキュアかな? ヒロインのイメージも少しひかるっぽさを感じるので、20周年という事も合わせて壮大な物語を期待したいですね。

そう言えば「ひろがる」ってひょっとして「ヒーローガール」に引っかけているのかしらん? だとしたら言葉遊びダブルミーニングとしても楽しいですよね! デフォルトで4人のプリキュアがいるようですし、妖精枠の子もパーソナルカラーが紫。色々想像出来ちゃいますね。

でもまずはデパプリ最終盤、楽しんでいきましょう!

 

今週のデパプリをかいつまんでナナメからバッサリ

という訳で、セクレトルーさんの薄い本、もっと増えてよかですよ? なんならヒープリの織江さんとセットで。

え? ふらあその好みが知れる、って? いやいや…(〃▽〃)

 

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*1:サブタイトルにまでしたにも関わらず、結婚そのものが話の主体ではなかった。

*2:後に描かれたあおい暴走やひまりの研究ノート燃やしの方がよっぽどそれっぽかった。

*3:OPでまでわざわざ寝返りを強調しておきながら、最後は元に戻るという肩透かしを見せた。

*4:あのシーンはそこに長年のバディであるリザ・ホークアイと戻りようのない血塗られた道に片足を突っ込んでいたスカーが絡んでたのもうまかった。