ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】デリシャスパーティ♡プリキュア/総評

力こぶに始まり力こぶに終わったデパプリ。間違いなく歴代でもトップクラスのパワープリキュアだったキュアプレシャスですが、他の面々も含めて本当に可愛く楽しんでみる事が出来ました。まずはスタッフさんに感謝を。

 

では、早速総評に入りたいかと思いますが、うーん…キャラクターの可愛さなどは良かったのですが、正直問題点は結構あった作品という事で、辛口の内容になるかとは思います。見たくない方は回れ右をお願いいたします。

 

↓以下長文注意↓

 

 

まずはエクスキューズをします

この作品を語る上で、実は結構な大前提があると筆者は考えています。それは黙食に対する考え方と触れ方です。

コロナウィルスの蔓延により、黙食という概念が日本で生まれてから結構な時間が経過しました。今年の5月を目途にコロナウィルスの感染症レベルの引き下げが検討されているとはいえ、この習慣は当分の間残ると予想されるでしょう。

さて、今作デパプリは食をテーマに、皆と笑顔で食事をすることの楽しさ、尊さを前面に押し出した作品です。それは、本来の視聴者層である若年層には現在縁遠い代物ともなってしまいました。だからこそあえて来るべき未来のためにも作中でその大切さを描いたかと思いますが、反面、今の食の環境というのはかなり家庭環境によって変わるものでもあり、視聴者それぞれで視点がかなり変わるものかと思います。

例えば、独立し未婚で生活をしている者と、学校で黙食を余儀なくされる子供やその親御さんでは、この作品の見方は全く違うものになるかもしれません。

そこで筆者なのですが、私はわりかし黙食というものとは縁がない方であり、緊急事態宣言解除以降は頻度こそ減りはしたものの、食事会などにも参加しますし、食事も自炊メインで親とも離れて住んでいますので、あまり黙食の“リアル”というものを知りません。その事も踏まえて、今回の記事を作成していく事をご了承ください。

 

まずはかわいい!

まあ、とにかくキャラクターが全員可愛かったですね。それがシナリオに直接寄与するものではないにせよ、やはり可愛いキャラクターは重要なファクターかと思います。

特に、今回のキャラクターデザインを担当した油布京子氏は元よりプリキュアの大ファンの方であり、各キャラクターのデザインは正に気合が入ったものでした。

食いしん坊のパワー系であるゆいは少しふくよかな雰囲気を残しつつピンク色が良く似合う愛らしさですし、ここねは吊り目系で少し強気な面と友人を得た事による柔らかさの両立を、らんは少しの幼さと天真爛漫さを、あまねは気真面目さと凛々しさを兼ね備えた気品を。

全てきちんとデザインに落とし込んでおり、それでいて、チームとしてのデザインの統一感もちゃんとある。ここに声優さんの演技が加わって非常にいい塩梅に仕上がりました。

動き一つとっても、ゆいのおにぎりを食べるシーンが結構頻出しましたが、とにかく「美味しそう」に食べている様が良く伝わる。ニコニコ笑いながらおにぎりを頬張り「デリシャスマイル~」とこぼれるような笑顔を見せる。とにかく食事は楽しいものなんだよ、というテーマがデザイン通して一貫していたのはとても良かった。

何年後になるかは分かりませんが、また油布氏キャラクターデザインのプリキュアが出てくれることを今から願ってもいます。その時にはまた可愛らしい娘が出てくれると嬉しい限りです。

 

分かりやすい全体シナリオ

今作は敵組織の入れ替わりや目的の追加・変更などがなく、非常に分かりやすいシナリオ運びとなりました。最初期はレシピボン、レシピッピ、レシピッピスタンプ、ホカホカハート、デリシャストーン・スペシャルデリシャストーンと混乱の元になりがちな設定が飛びまくりましたが、結局のところ、捕らえられたレシピッピを解放し、レシピッピスタンプを集めれば目的に近づく、というのは変わっておらず、敵側の出場幹部も交代交代で入り乱れる事もなくジェントルー→ナルシストルー(⇔スピリットルー)→セクレトルーという順番で固定化されており、分かりやすさに一役買っていました。それが故に幹部の能力がどんどん上がっていくのも理解しやすかったです。

ただ、それだけに、転換点となるシナリオがなかったのも事実で、シリーズ恒例となりつつある中盤の盛り上がり&ターニングポイントが存在しなかったのはマイナスポイントでした。あえて言うなら、キュアフィナーレが加入する辺りが中盤の山場だったのでしょうが、ちょうど強化型のウバウゾーが出現して苦戦はしていたものの、絶望的な状況を…という感覚はなく。ここら辺は平坦さが出てしまっていましたね。

あとは重要人物であるシナモン=品田門平の布石打ちはなかなか良かったのですが、ジンジャーの件は少し後半にバタバタと消化した感が否めませんでしたし、クッキングダム来訪回でのフェンネルの態度など腑に落ちない部分も散見はされましたが、全てはレシピッピスタンプを集めること自体が、ホカホカハート収束装置の起動キーになる、というところで話は集約しており、そこに対する齟齬は生じてはいなかったので、全体的な流れとしては文句はなかった、というのが率直な感想です。

特に、妖精たちとジンジャー、ホカホカハート収束装置の設定はよく考えられており、これは最近の傾向ですが、きちんと妖精枠をシナリオの重要部分に当てはめているのは見事でした。

 

プリキュア達の成長物語

上で書いた様に物語の流れ自体はシームレスでスムーズに進みましたが、その中でメインのプリキュアキャラ4人も存分に描かれました。

特に成長著しかったのはここねで、初期の孤独だった立場から、ゆいを筆頭に少しづつ友人を増やしていき、家族間の問題も親子一体となって解決、おいしーなタウンからの引っ越し騒動など、回を追うごとに表情は豊かになっていき、存分に描かれました。口数が少ないものの、心の奥底では人とのつながりを求めている描写も見事で、声優さんの演技も含めて実に良いキャラクターだったと思います。

最初はジェントルーとして敵の立場で登場したあまねも、洗脳が解かれ、デパプリチーム入りしてからは、自身の在り方に悩む事になりましたが、彼女元来の性質である正しいと思う事を貫き通す意志の強さを確固たるものにするという成長を遂げました。

個人的な欲を言えば、ジェントルーを完全に別人格として否定するのではなく、あくまでもあまねの一部として受け入れ、克服してほしかったですが、ナルシストルーを絡めての葛藤も上手で最終的には納得できる出来栄えでした。中の人がベテランの茅野さんなのも良かったですね。

らんは時折見せる優しさ(かつてジェントルー時に手を出してしまった彼女の店に入る事を躊躇したあまねにさりげなく入店を促す)などがありましたが、基本的には最初から最後まで明るく社交的な性格は変わらず、メンバーの中では最も変化に乏しいキャラクターではありましたが、そもそも彼女のテーマが「自身の長所を伸ばす」ことだったため、これはこれで正解だった気がします。特に第36話のタテモッティ回は彼女自身のトラウマの克服を兼ねた躍進回として良いエピソードでした。

難を言えば、トラウマの原因になった(であろう)、幼少時の友人らの言葉(「らんちゃんって変わっているね」)の件はもう少し掘り下げても良かったのかな、とは思いましたが、詳しくは敵側の事情で後述しようかと思いますが、今作はあえてそういうネガティブ要素はぼかしていたようにも見受けられたので、これはもう制作側の判断だったのですかね。

また、戦闘時(キュアヤムヤム)は地頭の良さでかなり工夫して戦うシーンが多く印象的だったことも付け加えておきましょう。こういう学力とは別の賢さって好きなのよね、筆者は。

そして、主人公のゆい。普遍的なピンク枠のキャラクター性であり、正直言うと少し退屈なキャラクターかな、と思っていました。食事のシーンやギャグなど可愛さは一級品なのですが、どうにもそれ以上ではない。彼女のパーソナルともいえる祖母の言葉の盲信も筆者的にはネガティブイメージでイマイチ乗り切れない。ジェントルーとのラストバトル(正確にはプレシャスは一切手を出さず受けていただけなのだが)シーンも「まあ、歴代ピンクなら同じ行動を取る*1よね」というものでそこまでのインパクトは…と感じました。

しかし、後半、怒涛の展開が待っていました。

過去の世界を訪問し祖母自身から言葉の力の強さとそれが絶対ではないという二律背反的なものである事を教わり、実際祖母の言葉が通じない人間がいる事を目の当たりにし、更に敵に善意を求めた結果、その言葉は薄い、と糾弾されてしまう。

そして、その上で今までのあらゆる経験、言葉を自身で咀嚼する事を学んだ彼女は全ての事象に感謝する、という己自身の言葉をラスボスであるゴーダッツにぶつけました。

この展開は素直に痺れましたね。このために彼女が関わった物語が凝縮していた。人間的な成長度合いが一気に爆発していた。「男子三日会わずば刮目してみよ*2」ではありませんが、終盤の急成長は見事としか言いようがなかったです。

最後には拓海との関係もやんわりと進展がありましたし、最終的にはそつなく主人公をこなせていたかと思います。

 

敵側の描き方について

残念ながら、これはイマイチとしか言いようがなかったです。

最初の幹部、ジェントルーはあまね絡みの事もあり、かなりの時間をかけて描写されていましたが、最終的にあまねとは完全に別人格にされてしまったのがやはり納得はしにくかったです。

当該記事でも書きましたが、ジェントルーがどうしようもない悪女として描かれていればまだ良かったのですが、律義な性格や人を負傷させることを良しとしない性格は間違いなくあまねの影響を受けていましたし、あまね覚醒後も少なくともジェントルーの知識は残っていました。

人は誰しも負の側面を持っています。どのような聖人であれ、です。実際、あまねも第37話ではその葛藤に苦しんでいます。つまり、少なくとも彼女にだって負の部分はある訳です。

それをゴーダッツが引き出したのか*3は分かりませんが、やはり、ジェントルーが偽りの仮面だったとするのは無理があると筆者は思っています。だとすれば、ジェントルーの否定はあまね自身の否定でもある。あまねはその負の部分を、マリちゃんの助言もあって己の正義を貫く、という確固たる信念によって抑え込んだ訳ですが、出来ればその時にジェントルーが犯した過ちを顧みて償いの意味も含めてくれればなおよかったなあ、と思いました。

他にも、ナルシストルーにしろ、セクレトルーにしろ、悪の道に進んだ理由はそれとなく描かれてはいるのですが、どうにもあと一歩の踏み込みが足りなくて、それが世界から食を奪い去るという悪行に手を染めるほどの理由にはどうしても思えない。

ナルシストルーの場合は好き嫌いの多さ故の孤立、セクレトルーは自身の料理下手が起因の恋人or夫との別れだったのは想像が尽きましたが、それがどれほど手酷いものだったのか、というところまで描かれなかった*4ため「どうしてその程度で?」という感覚に陥ってしまう。要するに原因と実際に行っている悪行とのギャップが理解しにくい。

そして、それを最も端的に表現してしまったのが、よりにもよってブンドル団首領・ゴーダッツ=フェンネルでした。

最終盤である第41話で正体を現したフェンネル=ゴーダッツでしたが、はっきり言うと未だに納得していません。だって、やっぱり、世界征服を企む理由が弱すぎるんですもの。

一応、判明したのは師匠であり父親同然であるジンジャーを強く慕っていた事、その彼がなくなった事にショックを受けていた事、心の底では彼の愛を独占したがっていた事、シナモンやマリちゃんに対する嫉妬、自身の能力への過信。様々な感情がないまぜになっていたようなのですが、描かれこそしなかったものの、ジンジャーが非業の死を遂げた訳でもありませんし、そもそも、スペシャルデリシャストーンを引き継いだシナモンに嫉妬心を燃やし彼を罠に嵌めて放逐したのはジンジャー存命時です。

師匠の死が切欠になり歪んでしまった、というのは北斗の拳サウザーのエピソードが有名ですが、あれは慕っていた師匠を自身の手で殺めた上に、その事を師匠自身が許容するという展開で、彼が歪む因果関係として申し分ない描かれ方をした。だからこそ、非道の存在であったにも拘らず、サウザーが散るシーンは感動的でもあった訳です。

翻って、フェンネルは(あえてフェンネルと表記するが)既に独り立ちしていた段階で相当歪んでおり、しかも最低15年間(シナモン放逐から拓海の年齢を鑑みた場合)は善人の仮面をかぶり続け、裏ではブンドル団首領・ゴーダッツとして暗躍していていました。はっきり言うと、今までシリーズの大ボスの中でも最高に質の悪い、ぶっちぎりの邪悪だと筆者は思っています。最終回のEDロールで更生のための強制労働に従事させられている様が描かれましたが、個人的には彼こそ断罪されるべき存在だと思っています。あくまでも彼の善性を信じおにぎりを手渡すことによって和解に持っていたキュアプレシャスには悪いですが。

第29話でのセルフィーユを導いた態度*5や、マリちゃんの回想での化粧に悩む彼をフォローする姿まで偽りの姿だったというのなら、それは人を騙すことに何の躊躇も持っていなかった、という事であり、生粋の邪悪であったとすら思っています。感情的な事を言わせてもらえば、彼の処遇に関して言えば、あんなすっきりしない最終回はシリーズ初めてでした。

結局のところ、フェンネルが裏切り者だったという事に説得力がないんです。グループSNE清松みゆき氏が、TRPGのマスタリングをする際に、パーティー内に裏切り者を入り込ませるのは非推奨である、と何かの本で書いていましたが、その理由は「ヒントも与えずいきなりその事を暴露するとプレイヤーからは「何で?」と不満が出るし、ヒントを与え過ぎれば悟られて捕縛されてしまい非常に塩梅が難しいから」と述べていました。これを読んだ当時、筆者は成程なあ、と納得すると同時に自身の参考にもしたものですが、まさに、今回のフェンネルがそれに当てはまっていましたよね。フェンネルの場合は視聴者への味方サイドと思わせる誤認という方法でしたが、その誘導があまりにも下手だった上に唐突感が半端なかった。

挙句に最終回での、恐らく彼の根本動機「ジンジャーに自分だけを見ていてほしかった*6はあまりに身勝手。これで生物の根本的要素「食」を人質にとっての脅しなど卑怯千万もいい所。

知っていますか? どんなに大人しく、どんなに従順な動物でも食事時に手を出すと本気で噛みついてくるのですよ。

それを本気で奪おうとしたゴーダッツ=フェンネルは本来なら断罪されるべき存在だった。例えプリキュアシリーズであっても。これが筆者の率直な感想です。

 

ブラックペッパーの存在意義

さて、準レギュラーという立場でプリキュアではないものの男性の変身者が戦いに参入するという新しい試みがなされました。それが主人公ゆいの幼馴染の拓海=ブラックペッパー、通称ブラペです。

しかし、登場以降、戦いへの参入動機がゆい=キュアプレシャスの守護というのがあったにせよ、その力はほとんどキュアプレシャスを守るためにしか発揮されず、中盤以降は出番が極端に減り、大切な場面であるクッキングダム来訪、過去へのタイムワープ時にもハブにされるという不遇具合。

後半に出番は増えたものの、その頃にはGウバウゾーなどの強化個体に抗する力までは持ち合わせてはおらず、最終的にはゆいといい雰囲気になったものの、彼の恋心の行方までは結局分からずじまい。

後半の父親である門平=シナモンとの絡みもあって不要かと言われれば、そこまで言うつもりもありませんが、だからと言って上手く機能していたかと問われれば残念ながらノーでしょう。少し想像してみて下さい。もしブラペがいなかった場合、この作品は成立しませんでしたか? 個人的には「いなくてもどうとでもなったんじゃない?」というのが正直なところです。

彼を語る上で、やはり俎上に上がるのはセーラームーンシリーズのタキシード仮面及び月影の騎士だと思います。実際、立ち位置も非常に似ていました。

しかし、ブラペと決定的に違うのは、やはり登場回数の多さ。実際、タキシード仮面の正体である地場衛は特に初期シリーズではほぼ毎回主人公であるうさぎに絡む上に、戦闘シーンでは必ず登場しており、いやでも目立つ存在として描かれました。更に、衛とうさぎは前世、そして今世でも運命の相手であるという重要なポジションです。つまりなくてはならないキャラだった訳です。

そういうことを抜きにしても、実はヒロインのピンチを救い、フォローの一手を打つ、という点に於いてはタキシード仮面もブラペも大差はないのですが、そこにデパプリチームを全体的にフォローするマリちゃんという存在がいたのが更に良くなかった。

しかも、よりにもよって、マリちゃんはデリシャスフィールドを張るという性質上、ほぼ毎回戦場に顔を出す上に、戦闘経験の豊富さで的確な指示を彼女らに与え、キャラクターとしても大人の立場で、ある時は助言を、ある時は明るい雰囲気づくりに努め、しかも最終話で判明しましたが、彼女たちを尊敬までしていた。敵幹部が敗れ去った時も優しく諭すなど、本当にキャラが立っていて、正直、拓海というキャラクターからしてみれば対抗馬としても相手が悪すぎました。

お笑いの世界に於いて「繰り返しはギャグの基本」だそうですが、その「毎回=繰り返し」のお株はマリちゃんに奪われ、登場機会まで、正体を隠さなければならない、というシナリオ上の流れで失ってしまった。*7

試みとしては悪くはなかったですが、正直言えば、似た立場だったハピチャの誠司ですら洗脳され敵になってしまうという劇的展開があり、彼ほどにも機能していなかったのは如何ともしがたかった。

絵面的にはゆいと本当にお似合いだったので、本当に惜しいキャラだったと思っています。

 

全体的にぼかした演出

後、これも作品全体を通して気になったのですが、どうにも過激な表現を避けた傾向にあった気がしたのですよね。

なんか肝心な部分で一歩踏み込まない、というのが非常に多く見受けられた。

これは敵に於いては特に顕著で、上でも書いた様に、何故幹部連中が悪の道に走ってしまったのか、原因はある程度見えていても、決定的な部分までは描かれない。

よくよく考えてみれば、食というものを盾にとって世界征服を企んだ組織の人間を更生させるために服役させるに留める、などというのは、彼らのやった事の重大さをぼかしているに他なりません。

プリキュアサイドも、ここねの両親との共通時間の少なさによるネガティブさは本来ならばもっと深刻な問題になり得たでしょうし、らんの変わり者を気に病んでいる所ももっと強調出来たはず。より人間に近付きたいと願うコメコメに個性の大切さを教えたかと思えば、タテモッティに対してはその個性が変わり者故なのか、と不安そうな顔をするなどの齟齬も生まれています。

もちろん、プリキュアになる様な子はそういう事を気にしない心根のいい子なのだ、でも良いのですが、少し起伏が少なかったのは事実。

前作、トロプリを筆者は限りなく百点に近い、と評しました。しかし、今作は制作陣自らが80点を目指して、本当に80点になってしまった。そんな印象を受けています。

不正アクセスによる不測の事態など、苦労も絶えなかったでしょう。そこら辺の労苦は視聴者側には与り知れない事なので、あまり強くは言えませんが、もう少しはっちゃけても良かったのでは? と思わずにはいられませんでした。

 

まとめ

良くも悪くも及第点、それ以上でもそれ以下でもない、というのが全体通しての感想でした。いい所もあり、悪いところもある、というのはどんな作品でも共通でしょうが、ここまで相殺しあって、結果及第点、というのも珍しい気がします。

キャラの可愛さは一級品でしたが、最後のゆい=キュアプレシャスの成長から出た最後の彼女自身の言葉=結論「ありがとうの気持ち」がなければ、正直、凡作の烙印を押していたと思います。ただ、最終盤のゆいの自身の言葉を見つけ出すまでの流れは本当に良かった。

 

次回からはいよいよ新作「ひろがるスカイ!プリキュアが始まります。主人公枠のキャラクターのパーソナルカラーが青、過去に妖精役をやった声優さんのプリキュア起用*8、主人公がそもそも異世界出身者、など新しい試みがたくさんありそうです。

更にプリキュア20周年作品。ハピチャの歴代が出るOPまたやるのかしら? あれ凄く好きだったのでまたやってほしいなあ。

 

さて、長くなってしまいました。そろそろ筆を置こうかと思います。

それでは、次の…略称はひろプリでいいのかしらん? の記事でお会いしましょう。引き続きよろしくお願いいたします!

 

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*1:正確にはどういう行動を取るにせよ、受け入れる、という意味。

*2:いや、彼女は男子ではないけどサ(苦笑)

*3:明確には描写されなかったが、セクレトルーもどうもその節がある

*4:この辺りの敵の事情の描き方はスタプリが本当に上手だった。

*5:好意的な解釈をするならば、セルフィーユの苦境を、自身の不遇(と本人は思っている)と重ね合わせていたのかもしれない。

*6:ただ、このシーンで子供時代のフェンネルが泣きじゃくりながら独白するのは「彼は結局子供から成長しきれなかった、こどおじだった」のかなと思えた。

*7:実際、ブラペの正体が早期に割れていれば、クッキングダムも過去も行けない理由はなかっただろう。

*8:しかし、これが可能となったのならば、是非東山奈央さんのプリキュアを見てみたい。特徴的な声(本人は特徴がない、と言っているそうだが)に、演技力の高さ、申し分ないと思うのだが…