セクレトルーさん、プリキュアにも卵割れなかった人いたんだからセーフセーフ( ´艸`)
ふうううう…
なんか怒涛の急展開でしたね。思いもかけない一か月間の空白を経て、どういうスケジュールになるのか読めませんでしたが、この流れだと例年通り1月末決着ですかね。
伏線もほぼ消化しましたし、いよいよ最終決戦に向けて始動した感じです。
和実ゆいについて
第38話で祖母であるよねを絡めてほぼ語りつくされたかな、と思われたゆいでしたが、第39話でまさかの集大成の話が来ました。正直、第38話の記事とくっつけて加筆修正版を作る事も考えたのですが、一応ここでまとめてみようかと思います。
第39話はゆいが助っ人に入っている女子サッカー部の主将・わかな*1が、サッカー推薦がかかっている彼女を気遣った父親に自身のお弁当作りを任せてしまって無理をさせている苦しさを吐露するのですが、そんな彼女にはゆいの信じていた祖母の言葉が通じず…というものでした。
この作品初期から懸案だった事の一つに「ゆいが祖母の言葉を盲目的に信じている」事が挙げられます。
これは特に初期に祖母の言葉を無理矢理あらゆる事象に当てはめて、頓珍漢…とまでいかなくてもかなりずれた事を言う事があったのに良く表されていましたが、回を重ねるごとに緩和はされていきました。そして、先回の過去の祖母に会う回で消化しきれたのかな、と思っていましたが、引っかかるセリフもありました。
それがこれ。
わかなに祖母の言葉をやんわり否定されて、落ち込んでしまうゆいでしたが、実は先回のこのセリフでよねはきっちりゆいにこの事を教えていたんですよね。
残された言葉が、必ず万人にとって正しいとは限らない。特に祖母の教えを絶対だと思っていたゆいのショック度合いは画面に映った彼女の表情以上だったのでは? と推測します。
そんな最中、セクレトルーが襲来し戦闘になるのですが、その戦いの最中に彼女は「自身は完璧でなくてはならない」という主義主張をするのですが、その言葉を聞いて、彼女は祖母の言葉だけではなく、他人の言葉を、経験の重さを勘案した上で今度は自分の言葉を紡がなければならない、という自覚を得るに至りました。
何故、セクレトルーの言葉を承けて、その思いに至ったのかは、ちょっと分かりにくいのですが、筆者自身の考えとしては、やはりゆいには理解しがたい人間の考え方を、極端な人物に触れる事によって尊重する事に気が付いたのかな、と感じました。確かに、それまでのゆいは祖母の教えに拘泥していた事もさることながら、捕縛される前のナルシストルーに厳しい顔を崩さないなど、割と頑固な側面が強調されていたので、ここにきて一皮むけたのかな、と思います。実際、ゆいとは全く違う思想を見せたセクレトルーに感謝の言葉すら述べています。
少し自分語りをお許しください。一応白黒反転にしました。読みたい方は反転して頂ければ。↓以下、自分の経験談。
実は、筆者の友人の一人にとあるジャンルに於いて主張が強い人間がいます。彼はある時期からSNSに嵌り始めるのですが、その自身の主義主張を押し通すために、やたらとSNSの他人の発信を引用したがるのです。そのジャンルに筆者自身が興味があれば会話も成立するのでしょうが、生憎、私はそのジャンルにさしたる興味はない。しかし、彼はことあるごとに、そのジャンルの話をまるでこちらを洗脳でもしたいのか、と思うが如く繰り返す。
はっきり言えば迷惑な話です。興味のないジャンルの話であっても、他人の主義主張は聞き入れるだけの度量は私にもありますが、それならそれで私は彼自身の言葉を聞きたいのであって、他人の発信内容など嫌な言い方をすればどうでもいい。
翻って、これは第39話でも当てはまる話であって、これまた嫌な言い方をすれば、わかなにとって、よねの言葉はどうでもいい訳ですよね。もちろん、よねの言葉に感化されていた他のデパプリメンバーの様な例もあれど、それはそもそもゆいというフィルターがかかって初めて成立するわけですし、個人の感じ方ひとつな部分がある訳です。
最終的にわかなはゆいのかけてくれた言葉には感謝しているし、ゆいはゆいでわかなの父親のフォローをなごみ亭でするという結論に落ち着いたわけですが、これは祖母の言った「言葉は引き継がれ」ていきながらも、ゆい自身の言葉(=行動)がわかなに受け入れられた訳で、取りも直さず、ゆいにとって大きな一歩になったのだと思います。
言葉を、思いを引き継ぐことは大事である。しかし、それは独善的であってはならない。柔軟に受け入れることが肝要である。この第39話はかなり深いテーマを追求した傑作エピソードになりましたね。
第40話でも注目点がありました。この話は、ブラペを中心としたプリキュア達を取り巻く男性陣にスポットが当たったのですが、その過程でとうとうブラペ=拓海であることがゆいにばれてしまいました。
最初は茫然自失としていたゆいでしたが、戦闘が一段落して、改めてプリキュアメンバー全員にブラペの正体が知られた際に、ゆいは大粒の涙を流して泣き出すのです。しかも、大号泣の様な感情の爆発というより、自然に涙があふれて来たかのような感じで。
これはどう解釈するのか非常に難しいですよね。話の最後のシーンでは「ブラペが拓海で良かった」と笑顔で彼に話しており、彼としては報われたのかもしれませんが、ゆい的には恋心なのか、幼馴染としてなのかは判別しにくい。
泣き出した点についても、大切な人間を知らず知らずのうちに巻き込んでしまっていたことに対してなのか、あまりにもびっくりし過ぎて自然に涙が出てきたのか、それとも拓海が自身を思って助けてくれたことに対する感動か。
まあ、視聴者の想像に任せます、でも良いのですが、やはり気になる部分ではありますよね。年明けの第42話ではプレシャスvsブラペという驚愕の内容が予告されていますので、この二人の間柄に注目してみましょう。この二人は凄くお似合いなので個人的にはくっついて欲しいんだけどなあ。
取り巻く男性陣について
先回の過去編でのジンジャー登場から、一気に伏線消化が進みました。少し性急かな、とは思いましたが、複雑化させないためにはいい塩梅だったと思います。
まずはシナモンが確定した拓海の父・門平ですが、世界を放浪していたこと自体は深い理由はなかった*2ようで、しかし、世界情勢そのものには目を光らせていた様で、おいしーなタウンだけではなく、世界のあちこちで料理が失われている事実を突き止めていました。
ただ、息子がクックファイターとしてブンドル団と敵対している事に関しては、その必要性はない、とやめる事を提言しており、ここは親心が出ていましたね。
これは後述の敵側の事情にも掛かるのですが、どうも、デリシャストーン修復の技術を伝授されていた事と言い、ジンジャーの後を引き継いだのはシナモンっぽいので、最終決戦でも何か重要な役割を与えられる可能性があります。
シナモン=門平に関わっていた事で、この戦いに関与している可能性を考えていたゆいの父親・ひかるですが、彼は特に関わりのある人物ではなかったようです。過去回でジンジャーとの接点はありましたが、どうやらそれ以上ではなかったようです。そう言えば、第38話で旧姓が和実でない事が明かされていましたが、そうなると、彼は婿養子なのですかね? あと、マグロの解体ショーが出来るほどの料理の腕前である事も明かされましたが、普段は子煩悩な父親、というイメージでしたね。漁師引退したら料亭とか営みそう。
そして、拓海。
ついにブラペであることがプリキュア関係者に暴露されましたが、父親から戦いから降りるように言われた際には、自身の役割とゆいを助けたい心情との葛藤に苦しむことになりました。
結論から言えば、ゆいの事もそうですが、それ以上にここまで戦いに関わってしまった責から逃げる訳にはいかない事、そして明言こそ避けていましたが、やはり父親がこれから先ブンドル団との抗争に巻き込まれるであろう事を見ぬふりは出来ない、という事から、プリキュア達がピンチに陥った際の一助として、引き続きブラペとして参戦する事を決意しました。
上でも書いた様に、次回はキュアプレシャスとの対決が待っている様ですから、それを見た上で彼の存在意義については総評でまとめる事になるかと思いますが、やはり似た立ち位置だったセーラームーンシリーズのタキシード仮面(&月影のナイト)はどうしても引き合いに出さざるを得ないでしょうね…その次回ですが、予告で正体を現したフェンネル=ゴーダッツに対して「許さない」発言をしていますし、プレシャスと戦うという事はどちらかが洗脳されてしまうのか、或いは幻術の類で誤認させられてしまうのか。どちらにせよ、望まぬ形であるならば、最愛と言ってもいいプレシャス=ゆいとの戦いは彼にとっては屈辱以外の何物でもないでしょうから、彼がどのように振舞うのかは目が離せません。
マリちゃんはシナモンの手によって、スペシャルデリシャストーンが修復されたため、一応、本来の実力が発揮できる状態に戻りました。
第一話でのスペシャルデリシャストーン破損もフェンネルによって仕組まれた(壊れやすくなるように細工されていた)事が判明し、いよいよ本当の実力が垣間見えるかもしれません。…尤も、その相手はゴーダッツなので何とも分が悪いですが、セクレトルーも健在なので、マリちゃん含む男性陣は、ゴーダッツとプリキュア達が対峙している間に彼女の抑えに回るかもしれませんね。
マリちゃんはシリーズの男性キャラの中でも、かなり…いや個人的には飛びぬけて好感度が高いキャラクターなので、終盤の大立ち回りを期待したいです。
敵側について
まずはセクレトルーについて。
呼びだすGウバウゾーに働くことを強要し、自分こそが優秀であるという自負を持つ、役立たずと断じれば容赦なく粛清に手を染め、他者の心情には慮らない。
その根幹には「自分は完璧でなければならない」という思想が存在しました。
しかし、それは所々無理がある様が描かれ、まるでその思想が強迫観念の様になっているのでは? と感じました。何より、キュアプレシャスが、その表情を読み取って「苦しそう」だと看過するほどに。
しかも、その言葉を承けて彼女は激昂。その内容も「お前が変な暗示をかけるからだ(意訳)」というものであり、キュアプレシャスが言った事は正に図星だったことが読み取れます。
理由までは明言されてはいなかったのですが、差し挟まれた回想シーンから考えられるのは、彼女は料理が下手だったようで(卵を割り損ねるシーンがあった)、それが原因でパートナー*3が離れていってしまった様なのです。これは先回でも呟いていた「料理はプロが作ればいい」「自炊滅びろ」からもどことなく想像はつきます。
筆者的にはここから「すべてを完璧にこなさなければ大切なものを逃がしてしまう」という妄執に捕らわれた、或いは、完璧なはずの自分が料理という些細な弱点がある事が許せなかった、この辺りで歪んでしまったのかな、というのが感想です。ただ、ゆい=キュアプレシャスは相当彼女の事を気に掛けていますから、最後どうなるかは楽しみでもありますね。
そして、ついに登場したラスボス(と現段階では思われる)、ブンドル団首魁・ゴーダッツ。その正体はなんとクッキングダム王室近衛隊長フェンネルその人でした。
…え? なんとというほどではなかった? まあ、第29話感想にて「高潔そうな人物」と言った手前ね…モニョモニョ
確かに怪しい行動は結構していましたしね。
ただ、当の第29話における、彼の行動、特にセルフィーユを導いた態度が嘘だとは未だに思えないんですよね。さらに言えば、第41話では、師匠であるジンジャーを懐かしむ場面もあり、根っからの悪人とは未だに考えにくい。逆から言えば、この人物が真の邪悪で、今までの態度が全部演技だったとしたら、流石に不自然だし、個人的に「どうしようもない悪」認定ですかね。*4
ヒントになっているのは、第41話で幼い頃に弟弟子にあたるシナモンがジンジャーに連れられてきたことを回想するシーンがあった事。上でも書いた様にジンジャーの後を継いだのはシナモンであろう事が予想が出来る事と、そもそもこの話の発端の一つに、シナモンへの濡れ衣がある事を考えると…彼への嫉妬で狂ったか、あるいはそこをつけこまれて別の存在に操られているか。
第41話の最後でフェンネルの不意打ちを食らって変身解除まで持っていかれてしまったデパプリチームのピンチを男性陣が到着して対峙する、という流れだったので、まずはこの勢力との戦いになるのですかね。
特にフェンネル、シナモン、マリちゃんは同じ師に従事した因縁の間柄。どうなるのかわくわくが止まりません。
正直言うと、近作のラスボスは個人的にはあまり納得できていないものが多いので(前作のバトラーは良かったが)、強さだけではなく、ちゃんとしたバックグラウンドも含めて、フェンネル=ゴーダッツには期待したいですね。
クッキングダムでは、王と王女がスピリットルーに捕縛され、クックファイターたちがまごついている状態、おいしーなタウンでは追い詰められたデパプリチームに、ラスボスが男性陣と対峙、世界中ではレシピッピが大量に強奪されている状況。いよいよ予断が許されなくなっている状態ですが、プリキュア達はまだ健在ですし、クッキングダムにはナルシストルーもいます。そして、ジンジャーが仕掛けた「装置」…
年明けが楽しみですね、これは。
次回は上でも書いた様にプレシャスvsブラペ。ブラペが洗脳状態なら浄化が効くでしょうから、プレシャスに分があるでしょうが、単純な戦闘力だけだとどうでしょうかね。浄化の有無がある以上、ウバウゾー系での戦績はあてにはならないんですよね。
え? プレシャス=ゆいは素の状態で縄引きちぎる様な子だぞ、って? ヤバい! ブラペ、逃げて―!(悲鳴)
ここまでのデパプリをかいつまんでナナメからバッサリ
てめーは越えてはならねえ一線(ペタマックス4184kcal)を越えた...まあ、未発だったけどネッ!
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