さて、まゆさん、ユキちゃんの気持ちが少しは分かっていただけたかな?
さて、ガオウの人となりがある程度わかり、最後の掘り下げ期間となったかな…と思えた今期間ですが、最新の第44話にて、なかなか重いテーマを取り上げましたね。
そこで少し変則的なのですが、この第44話については、次回にまだ先がありそうな雰囲気なので、あえて今回の記事では触りだけにして、次回記事に持ち越し、今回の記事では43話までの各話小感想としてまとめたいかと思います。
第40話
ニコ様の力の影響で、人間組の二人が動物(いろは=犬、まゆ=猫)の姿に一時的になってしまう、というコメディタッチのお話。
このお話では、まず、遠吠神社*1、すなわちガオウの現在の本拠地にわんぷりチームが乗り込みました。幸か不幸か、ガオウと幹部は全員外出しており、バッチングはしませんでしたが、まずは敵の本拠地はそのものはさっさと割れてしまいました。
物語としては、人間組が動物の気持ちを理解する…みたいな重めのものではなく、どちらかというと本能に根差したものには逆らえない(追いかけっこがしたくなるいろはや、猫じゃらしに飛びついてしまうまゆなど)という様なギャグ要素の方がフレーバーとしては強く、お話の最後に悟も兎になってはしゃぐという展開であり、所謂日常回色が強かったです。
どちらかというと、次回で判明したガオウにとって思い出の場所である町全体を俯瞰できる大岩に佇むガオウとザクロとか、ガオガオーンを呼び出したものの、無事浄化され勝負(とトラメは思っている)に負けたトラメが「楽しかった」といって撤退したのを見て「彼は実は遊びたがっているだけなのではないか」とキュアワンダフルが気が付いて、他のメンバーも「そう言えば、会うと必ず遊ぼうと言っている」と同調した点も鑑みるに、敵側にも切り込み始めた、と印象を受けた回でした。そして、やはりガオウ一味は討つべき相手ではない、と再認識していく流れなのかな、と。
第41話
前々から誘われていた演劇部員の出演依頼にまゆの策略懇願もあって折れる形で出演する事になったユキ。そんな折、遠吠神社と狼の伝説の文献の解読に成功した悟の話を聞いた演劇部部長・狐崎は本来のロミオとジュリエットのシナリオの変更に着手。
ユキを主役とした演劇は進んでいくものの、その劇をたまたま見ていたザクロは狼がモチーフになった変形ロミオとジュリエットに興味が湧き…というものでした。
まずは、ここで重要人物として“昴”という人物が登場しました。
何でも、昔、狼と交流した人物であり、その手記が遺されていたのを悟が解読したのです。150年前、という記述から、その人物自体は故人と考えられます。
で、視聴者目線で言うと、この狼こそがガオウ(ただ作中では伏せられていた)です。この回では昴はケガをした狼を助けた事をきっかけに町(当時は村か)を俯瞰する大岩でその狼と時を共にすることが増えたそうですし、前回でその大岩にガオウは感慨深げに座しています。また、次々の回でも、ザクロがガオウに何度も庇われていた描写があるのですが、その狼の主がこの狼っぽいんですよね。
お話としては、演劇本番の最中にザクロが呼び出したガオガオーンに対処するためにニコ様が飛び入り参戦したり、最後のシーンでこむぎが台本にない台詞を叫んでしまいアドリブで乗り切ったり、ドタバタ感がありましたが、この変形ロミオとジュリエットののメインテーマになった「人間と動物の共存」にニコ様が本気で気持ちの吐露っぽい事を言ったり、ユキが演劇に対して満更でもない態度を取ったり、本音の垣間見せや成長物語としてもなかなか面白い話だったかと。
全体的に見ると、大まかなわんぷり組の方針の再確認とともに、動物と人間が絆を結んでいる様子を演劇部員たちという第三者を通して描いた良回だったと思います。
ザクロもとにかくガオウ命であり、少し柔らかい表現に変わった印象。だけど、あの演劇は結構いい線突いていた様に思うんですが、狼側が骨がある、という感想しか持たなかったようで、ガオウの過去に近しい内容ではなかったぽいのは意外でした。
ただ、狼が人間に変化したところに怒りの表情を見せたところを見ると、やっぱり人間への恨みは根深いみたいですね。
第42話
毎年恒例のアニマルタウンカレンダーの写真撮影にまゆの父親が抜擢され、それを聞いたわんぷりチームが町内の案内を買って出る、というお話。
まゆの父親・たかゆきさんは母親からユキの事情(人間態になれる&喋れる)は聞いていたらしく、この初顔合わせはスムーズにいっていましたね( ´艸`)
途中、写真撮影の心得や、わんぷりチームによる町と様々な動物案内を挟みつつ、大量の写真を選別中にトラメが襲ってくる…という内容でした。
次の回もまゆのお話でしたが、この話はどちらかというと“猫屋敷まゆ”、次回は“キュアリリアン”メインだったかな、というのが筆者的にはまずは感じました。
今話は最後のシーンでまゆパパが言っていたまゆがアニマルタウンに来たことによって笑顔を見せてくれるようになった=成長を喜んでくれていたのがキモの回だったと思います。
実は、特別まゆがピックアップされていたわけではなかったのですが(たかゆきを町案内したのはわんぷりチーム全員)、まゆという引っ込み思案の子がアニマルタウンに来たことを契機にして変わっていったことの集大成的な内容だったのかな、と。だからこそアニマルタウン関連の人物総出演みたいな内容になったし、まゆが町中で飼われている動物たちに異様に詳しくなった表現もあったのでしょう。
たかゆきは撮影終了後、動物と人間がお互い寄り添っている、とアニマルタウンのありようを称賛していましたが、その町にまゆという愛娘を預けている(彼自身は世界各国を飛び回っている)、というのは大いなる安心感が生まれたのだろうな、と思わせました。
敵サイドとしては、この回はトラメが出張りましたが、彼はやっぱり遊びたいだけなのかなあ。初出の時からは少し設定ブレれてる(人間の恨みを思いきり口にしていた)けど、やっぱり悪として描く気はないっぽい。今回、たかゆきが一通り撮影を終え、わんぷりチームの面々が写真の選別の最中に襲い掛かってきたわけですが、人間と動物が楽しそうに映っている写真に対しても別に怒る(逆にザクロは憤慨しそう)でもなく、腹たてた理由はあくまでも無視されたから。
徹頭徹尾悪気もなかったっぽいし(ただ、それなのに破壊工作に繋がっているのはタチ悪いともいえるが)、この子は和解できそう、とは思いました。一応、最新放映回(2024/12/15放映予定)の予告で和解っぽい内容(少なくとも一緒に遊ぶ様な内容らしい)が提示されていたので、それ待ち、という形になりそうです。
第43話
まゆお手製のマフラーをクラスメイト達に自慢するユキ。それを契機にまゆの編み物教室が友人らの間で開催されるのですが、その様子を見ていたザクロは自分も手編みのマフラーを編みたいという気持ちと、敵である人間に教えを請う訳にはいかない、と葛藤する…というものでした。
ザクロさん、本当に乙女ですなあ(しみじみ)。
この回で猫屋敷関連は終了かな、と感じました。十分描き切ったでしょう。というか、まゆ、本当に成長したなあ…という感じです。
編み物に挑戦しようとしているザクロを偶然発見したまゆは、教えるから一緒に編み物をやらないか、と勧誘するのです。
ザクロはそこら辺に落ちていた木の枝と蔓で編み物をしており、流石に見かねて…というのもあったのでしょうが、何よりまゆの「私、もっとあなたの事を知りたい」という気持ちが全てだった気がします。
最初は私は敵だぞ、と拒否するザクロですが、まゆの「ガオウのどんなところがいいの?」から始まった恋愛トークで盛り上がり、かなり距離を縮めたものの、ユキの「だからと言ってガオウが何をしてもいいってわけじゃない」という糾弾をきっかけに、決裂、戦闘に突入してしまいました。
戦闘自体はリリアン以外が無力化されてピンチに陥るものの、彼女がこの町に来てあらゆる人達と縁を結べたことを想起しながら、それは編み物と同じである、一つ一つが紡がれて強さになる、という自覚を得て勝利(リリアンネットを編み物状にして強化した上でガオガオーンを追い詰めた)。
そして、戦闘終了後にもザクロにもう一回編み物を一緒にやらないか誘うもののそれも拒否され、リリアンは「私、もっと彼女の事を知りたい」と言って幕となったのですが、これは彼女の決意表明に他なりません。
今までは動物を保護したい、ユキとともに保護活動をしたい、という漠然としていた目的が、とうとう自分からザクロという存在と向き合ってお話したい、仲良くしたい、と能動的にこの活動に身を投じる事になったのです。
全体的に見ると、まず、ザクロもそこまでの邪悪じゃないことを強調した回だったと思います。ガオウに惚れているのはほぼ確実なようで、依怙地になっているのも彼の影響はありそう。
ただ、この回で判明したのですが、悟が解読した文献の中に、昴と友情を結んでいた狼の主がガオウであり、村人たちに見つかってしまい、狼狩りを行われた様な表現がありました。その回想シーンの中でザクロと思しき狼をガオウが庇っているシーンがあり、多分、かなりの頻度で庇ってもらったのがガオウに惚れている理由だろうな、とは思わせました。
そして、編み物という、編んで紡いで完成させるもの、というものをシナリオに絡め、まゆが今まで紡いできた縁、ザクロともこれから縁を紡ぎたい、というダブルミーニングを持たせたのは凄い高評価。まゆの優しさや良くも悪くもいろんなことに首を突っ込む性格がよく出ていました。
逆に、ユキはいらん事を結構している(ザクロに余計な一言で絆されかけていたのを元に戻したし、最後の場面もガオウを糾弾して依怙地にさせている)のですが、ガオウ側が人間側に被害を与えている事に間違いはなく、彼らが邪悪ではなくとも、人間サイドからは到底許諾出来ない行動に順じている事を厳しく追及する立場というのはやはり必要かな、と思います。
ただ、最後にはまゆの決意を尊重していたので、絶対糾弾にまでは至らないであろう事も分かりました。なんだかんだで、彼女も随分丸くなった。
ここまでのわんぷりをかいつまんでナナメからバッサリ
あー、来年のカレンダーの件なんですが…ちょっと身内びいきが過ぎませんかね? 猫屋敷さん?
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(2024/12/19:タイトル変更及び一部文章を削除しました)
*1:当ブログで過去に何回か出てきた「奥社」はここ。以下、この名称で統一します。