ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】わんだふるぷりきゅあ!第44~45話雑感

ティラノサウルスすらピンク色に染め上げるニコガーデン、さり気にヤバい場所なのでは…

 

さて…二話ともになかなか重いテーマを持ってきましたね。

一つは人間とペットの寿命の違いについて、そしてもう一つは失われた命は二度とは戻らない、という事。

話自体に大きな連動はありませんでしたが、いろはが「悲しい事はあるし、これからも起きる、しかし、それと同じ、いやそれ以上に嬉しい事や楽しい事もある」という学びを得たという点では繋がってはいましたね。

 

第44話について

ペットの死を大きく扱った意義ある回。

準レギュラーである三婦人の一人・お鶴さんの飼い犬、ふくちゃんが寿命を迎える…というお話なのですが、ふくちゃんは御年18歳、いろはとは物心つく頃からの“友達”であり、その死に際しては少なからずショックを受ける…というものでした。

様々な見所がありましたが、まず筆者が最初に感心したのは“ファンタジー”の部分をうまく取り込んでいた事です。

物語の終盤、ふくちゃんの寿命が尽きかけた時、ふくちゃんの気持ちをこむぎが通訳・代弁するのですが、その言葉は感謝に満ち溢れたものでしたし、最後にはニコ様への最後の願いとしてお鶴さんのところまで歩けるようにしてほしい(ふくちゃんはもう自力歩行が出来ない状態だった)と願い叶えてもらっています。

この部分はれっきとしたファンタジーであり、しかし、それを上手く使う事でふくちゃんの一生が満ち足りたものであったことを存分に物語りました。

ただ、その上で敢えて言うと、これ実際のところは難しいんですよね。そもそもこのファンタジー部分を現実では排除されてしまう訳で、例えば、ふくちゃんの様に天寿を全うしたペットならともかく、筆者が実家住まいだった時に飼っていた猫は原因不明の病に倒れ僅か8歳で世を去りました。当然、当時の筆者は納得など出来ませんでした。逆に父方の田舎で飼われていた猫は22歳まで生きましたし、これは大往生だったな、と最後は笑顔で送る事が出来たと思います。

現実ではきれいごとでは済まされない。ペットの気持ちの詳細など分かろうはずもない。だからこそ、ファンタジーの部分を使って、ふくちゃんの一生を見せる事にした。そして、同時に死とは不可逆なものである、という現実もニコ様を通して叩きつけた。上手だとしか言いようがない、と感じました。

次にこの話の件についてのこむぎの感情がとても気になりました。この人間とペットの寿命の差については、犬飼組や猫屋敷組、延いては兎山組もいずれぶち当たる問題です。よしんば、プリキュア化した事によってこむぎとユキは人間並みの寿命を獲得している可能性はありますが、兎山組だけは逃れようがない。しかも、今回のプリキュアの設定は、ニコ様の力を一時的にプリキュア側が“預かっている”様なものですから、そんな都合のいい事が続くはずもない。

さて、ふくちゃんの最後の言葉を通訳している最中、いろはが神妙な顔をしているのに対して、こむぎは終始笑顔でした。

それは勿論、ふくちゃんの言葉をこむぎが代弁していたからに他なりません。それだけ、ふくちゃんは幸せに包まれながら息を引き取ったのでしょうが、これはこむぎがいろはに対して向けている感情でもあるのかな、と思わせました。

次の第45話で、いろはがふくちゃんの事を引きずって元気がない様子を見て、こむぎはいろはに犬形態で擦り寄っています。故にこむぎは全てを悟っているのでは…という意見も界隈では散見されましたが、筆者個人としては、そういう事よりも目の前の幸せを享受している以上、別れが来たとしてもそれは満足である、というのが今のこむぎなのかな、と感じました。即ち、もし寿命の差で別れの時が来たとしても、こむぎは満足して旅立つのかな、と。

最後に敵側のトラメ。

今回もトラメが出張りましたが、その最中にふくちゃんの容体が悪化、病院に連れて行こうとするものの、トラメが呼び出したガオガオーンはよりにもよってティラノサウルス型であり、道が寸断されてしまうほどの被害が出てしまいます。

思わぬ事態に右往左往しているお鶴さんを発見したトラメは必死に病院に連れて行こうとする彼女を見てガオガオーンに制止を指示、その隙に浄化が決まって破壊痕も元に戻るのですが、トラメはお鶴さんに急ぐように指示して見逃してしまうのです。

やっぱり、どうにも悪い子じゃないんですよね、トラメ。それどころか、ふくちゃんとお鶴さんの身の上に同情すらして道を開けるような真似までしてしまいました。

そして、この彼の身の上は、次回に意外な別れという形を伴って判明してしまうのです。

 

第45話について

前回で全てのニコアニマルの回収に成功し、いよいよ狼たちを鎮めようと息巻くメエメエ。一方、トラメは退屈を紛らわせるためにアニマルタウンに繰り出しますが、お目当ての黒い卵は当然なく、つまらなそうに遠吠えをしてしまいます。

そんな事をすれば、当然わんぷりチームに気が付かれる訳で、トラメの元に向かったわんぷりチームは犬飼組の「黒い卵はもうない」「一緒に遊ぼう」という言葉とともに鬼ごっこを開始する…というものでした。

 

キュアフレンディが何故フレンディ=友達を顕しているのかが良く分かった回、と同時に幹部直接対決回をこういう形で表現した凄い回。

トラメの本質、遊びたがっている、を人間サイドから寄り添う、一緒に遊ぶという行為を以て成仏させた。むしろ、浄化を旨とするプリキュアの真骨頂の様なやり方だったと思います。しかも、そこにプリキュア側に打算があった訳ではなく、単純に友達になりたいという思いが遊びに繋がり、トラメの満足につながり、浄化(成仏)に繋がった。まさにフレンディ=友達の真骨頂でした。

トラメは自分の本当の望みが鬼ごっこを通して、仲間たちと山を駆ける事だったのを悟った訳ですが、先回のお鶴さん見逃しといい、心の底では人間とは仲良くしたがっていたんですよね。過去に何があったかまでは触れられませんでしたが、彼がフレンディに問うた「前に人間なんかと仲良く出来ない、と言ったが、今ではどうか?」に「一緒に遊んで楽しかったら、それはもう友達」と応えたのは完璧と言っていい。

そして、十分に満足した彼は自らにプリキュアエターナルキズナシャワーを打つようにわんぷりチームに依頼、最後にガオウの事を託して消滅、元の狛犬の姿に戻りました。

…正直言うとすっかりやられました。

筆者的には、一緒に遊んだうえで和解、いったんニコガーデンで保護されるのかなあ、ぐらいに考えていたので…いやいや、甘いにもほどがある。

上でも書いたように、死は不可逆です。ニコ様も言っていましたが、狼は昔に絶滅した動物です。少なくとも日本では。トラメは狛犬を通してガオウがニコガーデンから採取したクリスタルに魂を封入して一時的に復活させた存在ですから、浄化すれば、それは天に帰るしかない。ふくちゃんはお鶴さんとの18年間に満足して旅立ちましたが、トラメもまた、キュアフレンディ──いや、わんぷりチームという友を得て自らの根源を思い出し満足して去っていった。本当にすごいシナリオ。実際、あまりに見事過ぎてTVの前で筆者は唸ったぐらいです。

そして、同時に、絶滅した狼である以上、浄化する以上、消滅は免れない。ある意味容赦のない展開でもあります。この理屈で言えば、ザクロもガオウも最終的に目指すところはトラメと同じ結末になる。ならば、如何に彼らを納得させたうえでそこまで持っていくのかがカギになる訳で、プリキュア側は肉体的に戦うというのとは別の視点で、彼らと戦う必要性が出てきたのだと筆者は感じました。

 

次回はクリスマス回ですが、どうもユキとザクロが絡むっぽいので、これまた重い話になる可能性が無きにしも…ですかね。当然、トラメ消滅はザクロにも伝わっているでしょうし、彼女はトラメよりも恨みの根が深い。彼女の根幹が色恋沙汰っぽいのも気になる要素ですし、どうなる事やら、ですかね。

 

ここまでのわんぷりをかいつまんでナナメからバッサリ

……エッチ(直球)

 

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