これ、こむぎが賢いというより、この程度で開いてしまうセキュリティに問題あると思うの…
こむぎの元の飼い主登場回。
さて、いよいよ来てしまったか…という回でしたが、それほど重い話にならず上手にまとめた回となりました。無難といえば無難とも言えますが、良い落としどころだったと思います。
話の流れとしては、犬飼家のドッグランでいつものように遊んでいたこむぎ達。その様子を見ていた動物病院を訪れた中年の女性から、こむぎは「マロンちゃん」と呼びかけられます。
女性は動物ボランティアをしており、とある老人が施設に入る事になったため一時的にマロンちゃんを預かっていたのですが、二年前にケージから逃げられてしまったと言うのです。
彼女のスマホに保存されていたマロンちゃんの写真はどう見てもこむぎ。
事情を聞いたいろははその方に会わせてほしいと女性に依頼。そしてこむぎに穏やかな顔で前の家族に会いに行こう、と促す…というものです。
この話はいくつかポイントがありましたね。
まず、この人なくしては語れないのがこむぎの元の飼い主である栗原さん。かなり山の方に位置する施設に入所しており、終始車いすでの登場など、自力では動けないような描写がありました。
穏やかな老紳士、といった感じで、自力での移動が困難であろう事情も併せて恐らくこの施設が終の棲家になるであろう雰囲気です。推測ですが、施設ではペットの同伴は禁止なのでしょうし、よしんば許されていたとしても今の栗原さんの状態ではこむぎのお世話をするのは難しいと思われます(本人もそのような旨を語っている)。
この様な人柄と事情から、最終的には引き続きこむぎ(彼にとってはマロンちゃんなのだが)をいろはにお願いします、という声をかけてくれました。明言はしませんでしたが、筆者的には実質「託した」と感じましたね。
いろはは覚悟を決めて栗原さんに会う事になった訳ですが、栗原さんと会話をしているうちに、自分が知らなかったこむぎの過去(臆病だった、小食だった、病気がちだった)を聞かされて、その上で今のこむぎは栗原さんが知らない姿であり、いろはが育ててくれたからこそ、という言葉を聞いてついに感情が堰を切って流れ始め、こむぎの元の飼い主が見つかった際には返すつもりだった事、しかし今は別れたくない、というのを正直に告白しました。
このいろはの覚悟が鈍ったのを、弱いと取るか、仕方ないと取るかは判断が難しいところではありますが、それでも栗原さんに思いの丈をぶちまけるのは勇気がいた行動だと思います。
いろはの吐露を受けたところでタイミングよく(悪く?)たまたま付近にいたトラメがいろはに付いてきていた他のプリキュアメンバーを見つけガオガオーンを召喚。話の流れは一旦断ち切られ、戦闘に入ります。
戦闘自体はキラリンアニマルの助力もあって何とか解決。
そしてこむぎは人間態のまま、栗原さんに「おじいちゃん」と甘えながら抱き着き彼を困惑させます。
しかし、栗原さんはいろはに先ほどの答え、と言ってこむぎといろはの手を取りこれからも二人でワンダフルな関係を築いて欲しいと言ってくれました。
正直言うと、すっかりやられた、という感じです。
元の飼い主が返してほしい、という展開、最悪、実は虐待されていた可能性も考えていたのですが、栗原さんという仕方のない事情でこむぎを手放さざるを得ない、それでいて優しい人物を設定する事で、すんなりシナリオが進行してしまった。こむぎも当時幼かった故に栗原さんの記憶が曖昧になっていただけで、栗原さんに再度抱っこされた際にはその懐かしさを思い出し、最後は人間形態で会いに行ってしまった上「おじいちゃん」と甘えるまでになった。本当に優しいシナリオ。
そろそろシナリオも後半戦突入ですし、少なくともプリキュアサイドの過去の掘り下げは十分に描かれた気もします。あとは猫屋敷関連がひょっとして…ぐらいですかね。
あと、少し気になった点として、今回のメインプロットと全然関係なかったのですが、トラメの立ち位置。
今回山の中をぶらぶら散歩していた彼は偶然野生のオコジョを発見。可愛いと言って構おうとするのですが、危険を察知したオコジョは威嚇した上で逃げてしまいます。
それを面白がったトラメはおいかけっこと称してオコジョを追いかけるのですが、最終的には逃げ切られてしまい、悔しがっている所にまゆやユキを発見し、勝負という遊びに興じるためにガオガオーンを呼び出しました。
先回のザクロもそうですが、決して彼らは人間以外の動物を恨んでいる訳ではなく、可愛い動物はちゃんと可愛い、という感性は持っているし危害を加える様子もないんですよね。ただ、動物側からは危険と認知されているようですが…少なくとも邪悪な生物ってわけじゃない。
で、このトラメのムーブ、一言で言うとこむぎにそっくりなんですよね。何にでも興味を示す、楽しい事優先、遊びには目がない。当然そこに邪心はない。じゃあ、どこに違いがあるかというとそれは倫理観と人間への嫌悪感の有無なのであって、それは他ならないいろはとの絆で育まれたわけで。要するに敵側のこむぎなのかな、と。
そういう観点で言えば、ザクロもひょっとしたら敵側のユキの立ち位置なのかもしれませんね。彼女の方が人間への恨みが深く感情的ですし、ユキもかつては孤独に生きる事を選択していた孤高の存在でした。ユキは、先回にも「自分もその頃は(心は)あのガルガルと同じだった」と独白しており、ザクロの事情次第ではやはりユキとの対抗馬なのかな? と感じられます。まあ、ここら辺は先に期待ですね。
さて、次回は恒例ハロウィン回。
でも、最終4クール目突入という事もあって、色々転換点が来るかもしれません。特にニコ様が別形態になる可能性が示唆されていますので。まずはラストスパートにむけての準備期間になりそうですね。
今回のわんぷりをかいつまんでナナメからバッサリ
車いすのキャラクターを飛田さんに演らせたの、やっぱりアレを意識をしたのか、とか変な勘ぐりを入れてしまった( ´艸`)
----------------