ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第40~43話雑感

そのスタイルでそれを言うのか…あー、許せない。これは許せない発言ですわー(虚ろな目)

 

さて、今期間では敵味方、様々な事情や思惑が入り乱れながら終盤に突入する流れになりました。次回はエルちゃん絡みで大きく話が動く可能性が大なので、そこまでに懸念材料を粗方消化したようなイメージでしたね。

 

敵側の事情について

やはり目玉と言えば、バッタモンダーの正式退場でしょうか。このお話(第43話)があったために更新が遅れたほどです。まあ、物理的に退場、という訳ではなかったので最終決戦辺りでひょっこり出てくるかもしれませんが。同じく和解したミノトンは「受けた恩はいつか返す」と言っていたぐらいですし、敵幹部、最後に助力してくれるフラグじゃないかなー。

さてそのバッタモンダーなのですが、41話と43話でがっつりとましろに絡みました。バッタモンダーは嫌がらせレベルとはいえ、ひろプリチームへの復讐を諦めてはいなかった*1のですが、彼の正体に気が付いていないましろが、バッタモンダーが自身を卑下して揶揄した落ち葉が好きであるという事と理由を聞いて迷いが生じ始めます。しかし、43話で再度紋田と出会ったましろは落ち葉を題材にした絵本のアドバイスを求め、ついに我慢できなくなり感情を爆発させてしまった紋田=バッタモンダーは正体を現し、彼女のペンを奪って逃走する…という内容でした。

そこからはそのあらましを見ていた(と思われる)スキアヘッドに怪物になって心をなくした状態でアンダーグ帝国に最期の奉公をするか、今この場で殺されるかの二択を迫られ、前者を選択するものの、今までのましろとのやり取りやスキアヘッドに散々無価値だと罵られた事、そして、ひろプリチームと対峙した際のましろの「自分の価値は自分で決めるんだよ、他人が決める物じゃない」という言葉を承けて、とうとう離反。その後は我を忘れての暴走状態になったものの、ひろプリチームの浄化技が決まり、憎まれ口を叩きながらも和解という流れとなりました。

第41話では、アンダーグ帝国内ではあまりいい扱いを受けていなかった事も語られており(恵体ではないにも関わらず過剰な筋トレを課せられ音を上げていた)、強さへの執着、諦観、汚い手段を使う事の躊躇のなさと、嗜虐的思考、そしてビビりの根本、すべて一本の線でつながっていました。

でもね。

それでも、彼がシャララに行った行為と、ソラにした仕打ちは消えないんですよ。第43話のラスト和解後に、ましろにだけ聞こえる声で彼女の絵本の下書きを破ってしまったことを謝罪するシーンがありましたが、彼が本来謝罪し許しを請わなければならないのはシャララとソラでしょうに。確かに彼がシャララにアンダーグエナジーで延命した事は結果的には彼女を救う事になりましたし、ソラも何も失わずには済んだ。しかし、それは結果論です。少なくともあの当時のバッタモンダーにそういう意図はなかったどころか、悪意を以て利用しただけなのですから。

前回の記事で、筆者はバッタモンダーの悪事をましろの優しさで上書きしようとしているのでは? と評しましたが、どうやらその通りになってしまいました。

個人的に、この一連のバッタモンダー問題はこの作品の評価に大きな波紋を投げかけたというか、うーん、これは総評でまとめた方がいいかな? かなりのネガティブポイントになった、と個人的には思っています。

ひとこと言わせてもらえば、ソラが和解の憎まれ口を叩いていたバッタモンダーに「反省しているならそれでいいです」と言ったのは流石に頭痛かったです。もちろん、ソラが狭量な人物ではない事は百も承知ですが、そうなると今度は、あれ? 彼女のシャララに対する想いはその程度だったの? ってなってしまう。

許容するにしても

これぐらいはやってほしかったかな、というのが率直な感想でした。*2

もう一人の幹部・スキアヘッドは相変わらずひろプリチームをストーキングしながらキョーボーグを呼びだしては撤退を繰り返すに終始していますが、第41話~42話で面白い動きを見せました。

事の発端は第41話。キョーボーグの浄化後、覗き見をしていた紋田をスキアヘッドが発見、始末しようとするのですが、その様子を見てキュアスカイが激昂「何故、そんなひどいことするばかりするのか」と直情的に殴り掛かかります。その攻撃を捌きながらスキアヘッドは愛する人がそれを望んでいるから」と意外な返答をするのです。

それを聞いて躊躇ってしまったキュアスカイはキュアウィングの機転で致命攻撃を免れるものの、スキアヘッドには未熟扱いされ、彼女に戦う意味を懊悩させる結果となりました。

さて、ではスキアヘッドの「愛する者」とは何なんでしょうか? もちろん現段階では分かろうはずもありませんが、これが忠誠を示しているアンダーグ女王=カイゼリンを指すのか、別の何かを指すのか、愛すると言っても、性愛なのか、情愛なのか、敬愛なのか、で結構変わっては来ると考えられます。どちらにしても、彼が何らかの思惑で動いているのはほぼ確定にはなりましたね。

更に、バッタモンダーと接触した際には、彼の過去を振り返り、訓練でもすぐに音を上げる彼を前々から気に入らなかったらしく、挙句にプリキュア討伐やエル奪還にも失敗している彼を価値なしと断じ、すぐさま始末しようとするなど、結局アンダーグ帝国特有の弱肉強食主義者である事は変わらないんですよね。と言うより、その主義が一番徹底されていると思われます。

そんな無感情で非情な彼ですが、悩みに悩んだソラ=キュアスカイが自身との話し合いを望んでいる事を知って最初は一蹴するのですが、そんな彼女の彼から見ての戯言を、仲間の助けを借りてまで貫き通そうとして、彼の必殺攻撃までも打ち破ってみせたのを見て流石に動揺する、という場面がありました。

弱肉強食を是とする彼が、それとは真反対の話し合いという手段のために彼の極大攻撃を受けきる=自分と同じレベルまで上り詰めたキュアスカイに感情を動かした、と言うのは非常に興味深かったです。ちょっと今の段階では道筋が見えないけど、これ、彼との和解もあるかもしれませんね。

 

プリキュア側の事情について

この期間であまり動きがなかったのはあげはですかね。大きな動きはせず、あくまでも他四人のフォローやツッコミに終始していた感じがありました。

エルちゃんも第40話でピックアップはされましたが、ツバサを通してとはいえ、みんな大好き、というお話としては先回の焼き直し感がちょっとありましたね。結婚式に興味を持ったりする辺り、あの年にしてちょっとませてきてるのかしらん?( ´艸`)

あ、あと、バサ君もとうとう「嫌い!」判定食らったのはちょっと笑ったかも。あとはましろだけだな!( ´艸`)

エルちゃんは次回に大きくクローズアップされそうなので、そこ次第かもしれませんね。

さて、ツバサ。地味ですが、ここにきて活躍し始めています。ちょっと唐突感はありましたが、キラキラエナジーをスカイジュエルから抽出して、スカイランド全体をバリアで覆ってアンダーグ帝国の襲撃に備える、という研究をしており、確実に賢者としての道を歩み始めています。これは物語の最終盤での重要なファクターにもなりそうですし。

戦闘でも、咄嗟の判断でキュアスカイを致命攻撃から救い出したり、飛べる=機動力をうまく使いこなしていますね。

少し気になったのは、ツバサの研究の事をスキアヘッドが知っていた事。前作の様にまた内通者か? それともご都合? でもツバサが何故それを、と驚いているのでシナリオには組み込まれているっぽいんですよね…しかし内通者にしても現段階でヨヨさんが、とは考えにくいし、エルちゃんが敵側と繋がっている(彼女の意思とは関係なく)…とか? ただ、これは気のせいかもしれませんが、第42話にてツバサがこの研究を応用すれば、例えば青の護衛団でもランボーグやキョーボーグを浄化する力を付与できるかも、と言った時、それを聞いていたシャララが一瞬躊躇と言うか少し考えこむような動作を見せたんですよね。考え過ぎかな…

同じく42話ではスキアヘッドに未熟だと言われて悩んでいるソラが今度の事は自分で解決しなければならない、とシャララに溢したところを盗み聞きしていた彼が「またそんなこと言うのか!」と詰め寄って直情的なところを見せたり、第40話では改めてエルちゃんに傅いて彼女のナイトである事を再度誓うなど、キャラクターもようやく固まってきた感があって良かったと思います。特に、ソラの件について「人には一人で解決しなくてはならない事もあるんだよ」という製作者側からのメッセージに感情を露わにした点はまだ幼いながら自分の心情をはっきり吐露する「らしさ」があってとても好感が持てました。彼はこれからそういう事を学んでいくんだろうな、と。戦闘中にスキアヘッドとの対峙の仕方に悩んでいたキュアスカイに「話し合えばいいじゃないか」とあっさり後押ししてくれたのも好印象。

ソラはここにきて戦いの意義を問われるという、大きな転換点を迎えました。そして、その答えがスキアヘッドとの話し合い。そして、誰かの事情を慮る事が未熟だというならば、自分は未熟なままでいい。未熟だからこそ前進する事が自分のヒーロー道である、という強固な意志を固める事となりました。

あのソラが出した結論としては一瞬「?」でしたが、考えてみると、彼女はそもそも争いごとそのものは好きではないんですよね。第23話の回想で幼少時にそう溢しています。お互いの信念を持つ者同士であれば、まずは話し合いを。それでも相容れないのなら、聞く耳すら持ってもらえないのならば、その時は戦いも辞さない。ヒーローを目指しての鍛錬に余念がないのは決して彼女が脳筋なのではなく、あくまでも和解のための手段に過ぎない、というのはソラ=ハレワタールと言う人物を良く表していたと同時に、彼女なりのヒーローと言うものに対する答えなのかな、と感じました。

だからと言って、バッタモンダーをあんな形であっさり赦したのは解せませんでしたけどね…

最後にましろ

とても優しくていい子です。先回でも「彼女の最大の強さは優しさ」と書きましたが、とうとうバッタモンダーまでその優しさで絆す事となりました。

ただ、何と言うか…この子は実は前々から何か一歩足りないなあ、とは感じていました。キャラクターデザインはいいし、性格も申し分ない。優しいという点も今までのシリーズに沿っているし、意志だって強い。ギャグだって変顔だってこなす。あまり非の打ち所がないにも関わらず、何か物足りない。

ずっと不思議に思っていたのですが、今回の第43話でようやく合点がいきました。

この子には喜怒哀楽の怒の部分がすっぽり抜けているんです。

バッタモンダーが正体を明かして、今まで騙されていた事に打ちひしがれたましろでしたが、今までの事は全部嘘だったのか、と彼に問いかけ、バッタモンダーがそれを肯定した時に何とも微妙な表情で「良かった。ならば苦しんでいた事も嘘だったんだ」と言ってのけるのです。

この時の表情は悲しみを堪えつつ微笑みながら、というもので、だからこそバッタモンダーの胸を打ったのは分かったのですが、筆者的には怒りの感情が抜け落ちてしまっているが故にその様な微妙な表情になってしまったように読み取れました。これは声優さんの抑揚を殺した平たい声での演技だったのもそう思わせた要因でした。*3

考えてみると、確かに彼女は露骨な怒りの感情を今までも見せた事はないんですよね。第23話でのバッタモンダーに対する「許さない」発言の時ですら、そこまで厳しい表情を見せていません。親友の嘆きをあそこまで見ていたにも拘らず。これは他のメンバーが怒りの感情に関しては割とはっきり見せるのも拍車をかけてしまったと思います。

彼女は自身は何の取柄もない=弱者目線だったからこそ、バッタモンダーに同情し、彼を救う道を選択しました。エピソード的には申し分なかったのですが、彼女の無償の愛(この場合の「愛」はアガペー的な物)がバッタモンダーの今までの行いを矮小化させたり、キャラクターとしての弱点を露呈させたり、何ともすっきりしない事になってしまいました。と言うより、今作は話自体は良かったんだけど、でも、うーん…というのが多いですよね。特に中盤以降。

 

次回は、いよいよエルちゃんの謎に深く切り込みそうですね。途中クリスマス回も挟むでしょうが、12月で大胆にシナリオの謎部分を明かし、1月からエンディングに向けて突っ走るという感じかな? エルちゃんについては色々考察が捗りそうなキャラなので期待したいですね。

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

連れてもらったショッピングモールで買ったものが実用性重視のジャージとか、シャララさんとソラはやっぱり同属性なんだな、とほっこり。

 

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*1:ただ、口で言ってるだけで、実際のところは諦めていた風でもあった。どちらかと言えば、二つの感情の板挟みになって所在なさげだった、と言うべきか。

*2:逆から言えばここの流れ、数コマでキャライメージを崩さず二人の和解にもっていった荒木先生の技量は本当にすごいと思う。

*3:だからこそ、筆者は定期的に過去記事内で「こういう子を怒らせると怖い」と言っていたのかもしれない。