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【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第49話「キュアスカイと最強の力」感想

あ、その、なんて言うんですかね…公式からこんなすばゲフンゲフンけしからんダークスカイちゃんとか出しちゃうの、うん、まあ……ふう…

 

実質最終決戦回…と捉えてよいのかな? という回でした。これはラスボスを務めたスキアヘッド改めダークヘッドが実質キュアスカイとキュアプリズムの二人に倒された上、次回はアンダーグエナジーから生み出された大蛇型ランボーグ・ダイジャーグとの五人での戦闘が予定されていると思われるからですが、今話の引きでのキュアバタフライの台詞「今更出てきても場違いなんだよ(意訳)」の言葉通りになると思われるので…次回は最終回でもありますしね。

 

話の流れとしては、消滅したはずのスキアヘッドからアンダーグエナジーの矢で貫かれたカイゼリンに驚くひろプリチームに、彼は淡々と今までの顛末を語り始めます。

スキアヘッドはアンダーグエナジーの海そのものから生み出された集合体且つその意識体のような存在であり、真の名前はダークヘッド。その真の目的は力こそが全てというアンダーグエナジーの根本を実体化させるための器を作り、それに乗り移る事。

最初はその候補にカイザーを挙げていたダークヘッドは、しかしスカイランドとアンダーグ帝国との和平を為したカイゼリンに注目。彼女の「ヒーロー性」に目をつけます。

そう、アンダーグエナジーの器には、より高い「ヒーロー性」こそが必要だったのです。

ダークヘッドは300年前のある日、カイゼリンの目の前でカイザーを殺害。そして、アンダーグエナジーの装置(回復装置と思われていたアレ)を使用し、彼女を洗脳。彼女の記憶を封印した上でエルレインがカイザーを誅殺したという偽の記憶を埋め込み、憎悪を煽りました。

全てを思い出し半狂乱になるカイゼリン。そんな彼女にダークヘッドはさらに追い打ちをかけます。

「あなたを愛している、と言ったのが最大の嘘」である、と。

信じていた最後のものにまで裏切られ、ついに落涙し頽れるカイゼリンに、彼女を解放しろ! とキュアスカイが迫ります。

何故だ、カイゼリンは彼女たちに散々敵対した者だろう、とスキアヘッドは応じますが、一切の迷いもなく「泣いているものに手を差し伸べるのがヒーローだ」と啖呵を切ったキュアスカイにカイゼリン以上のヒーロー性を見出した彼は、かかってきたひろプリチームを軽くいなしつつ、アンダーグ帝国本拠地へのワープゲートを開き瀕死のカイゼリンを連れて撤退。

罠なのは分かっている。しかし、ここで退くわけにはいかない。ひろプリチームの5人はワープゲートに踏み込み…というものでした。

 

まずは色々な伏線が一気に回収されて、全体シナリオそのものが大きく破綻はしていませんでしたね。正直この短期間でよくぞここまで、とは思いました。

例えば、スキアヘッド=ダークヘッドが先回自身の力を上回ったキュアスカイに瞠目していたのも、アンダーグエナジーを受け入れる器としての資格であるヒーロー性に注目したからでしょうし、延いてはそれが彼自身言っていた事でしたが、プリキュア達を襲っては撤退する事を繰り返したことにも繋がっていた。当然、300年前の生き証人でもある彼がキュアノーブルの力を引き継いだキュアマジェスティだけは排除の対象にするのも納得ですし、生かしておけば生かしておいたでカイゼリンの憎悪を煽り立てるのに大いに役立つ。

カイゼリンが片マントでスカイが反転したようなデザインだったのも、二人に共通する類稀なヒーロー性を顕したものだった訳ですね。

プリキュア側に目を向けても、何故今世のプリキュアが5人もいたのかの推測をキュアマジェスティが述べましたが、エルレインはともに戦う仲間が欲しかったのではないか? というのは納得しかなかったです。ましてや、クルニクルンの力でソラ達に出会う事になった彼女なら猶更でしょうし、前々回の記事での筆者の推論になりますが、彼女は天涯孤独だった可能性もあります。そう考えると、ダークヘッド最大の被害者は実はエルレインだったのかもしれませんね…

さて、Bパートで敵の本拠地に乗り込んだひろプリチーム。ダークヘッドを追うためにウィング、バタフライ、そしてマジェスティまでも追撃を足止めすべく離脱。ついにスカイとプリズムの二人でアンダーグエナジーの海のある場所でダークヘッドと対峙します。

カイゼリンを救うという使命に燃える二人は強大な力を持つダークヘッドと互角の勝負を展開するのですが、アンダーグエナジーの充満したこの場では毒の空間で戦うに等しく倒れ込んでしまいます。

ダークヘッドは当然それを狙っており、悠々と動けなくなったプリズムを捕まえると、彼女を海に突き落とす寸前で止め、アンダーグエナジーを受け入れれば彼女を助けられるとスカイを誘惑。迷うスカイでしたが、プリズムが落とされた瞬間、アンダーグエナジーを受け入れる決断をし、ダークスカイとなってプリズムを救出すると同時にダークヘッドを攻撃。ついに闇に染まった、器が完成した、と狂喜しながら打ち据えられるダークヘッド。ダークスカイは持ち前の精神力で破壊衝動を最小限に抑えてはいたのですが、とうとう抗しきれなくなり、ダークヘッドと一体化してしまいます。

ついに悲願叶ったダークヘッドスカイは手始めとばかりプリズムに襲い掛かりますが、プリズムのスカイを信じ切った毅然とした視線に動きが止まり、それはスカイが猛然と反発したからであり、攻撃は中断。

「何故だ!」と勝利を確信していたダークヘッドの断末魔を他所にプリズムシャイン(技名は言っていなかったが、カイゼリンの傷すら癒したところを見ると恐らくプリズムシャインと思われる)が発動。スカイのアンダーグエナジーのみならず、アンダーグエナジーで傷付けられたカイゼリンをも癒し、ダークヘッドは今度こそ消滅…と相成りました。

正直言えば筆者はバッタモンダーの扱いに未だに納得はしていませんが、まさか、プリズムシャインが最後の切り札になるというのは、ちょっとやられたな、と思いました。ラスボスバトルの時って大体合体必殺技のスーパー版である事が多いので、個人技の決着というのに驚きましたし、しかして、それが納得できないかと言われれば全くそんな事はない。キュアプリズム=ましろの強さはその優しさである事は作中何回も語られましたし、あそこまでしつこくバッタモンダーを絡めてプリズムシャインに目覚める描写があったのですから、ここは文句のつけようがない。

アンダーグ帝国の民であるはずのカイゼリンにまで癒しの力が及んでいた事にカイゼリン自身も驚いていましたが、この技は元々バッタモンダーを浄化した技でもありますから、正にアンダーグエナジー「のみ」を浄化するものだった訳です。この設定は見事としか言いようがなかったです。そして、正にダークヘッドにとっては天敵の様な能力だった訳ですね。

そう考えると、ダークヘッドは本当にとんだ思い違いを、しかも二つもしていた訳です。一つは当然、彼にとっての最大の脅威はプリズムとその優しさであった事、そしてもう一つはソラを「力を追い求めるヒーロー」だと錯覚した事。実に弱肉強食しか知らない彼らしいですが、前の記事でも書きましたが

ソラは争い事そのものは好きではないんですよ。故に力に拘泥する事が根本という訳ではない。

そりゃ、勝負あり、になってしまう訳です。プリキュアのラスボス全体的な傾向かもしれませんが、結局、目の前の敵の最大の力の要因を読み違えて敗北しているなあ、と感じます。

そして、洗脳されていたとはいえ、間違いを犯してしまったと悔やむカイゼリンにキュアスカイは優しく手を差し伸べました。

それはキュアスカイがカイゼリンに出した答え。自分は友達が支えてくれたからこそここまで来れた。何を信じればよいのかと迷うのならば、まずは私と友達になろう、と。

うん。満点でしょう。伏線消化の事も含めて、今までの集大成として見事に昇華できていたと思います。シャララというヒーローを漠然と目指し、孤独な修行を経てましろという親友を得てから、ひろプリチームという友情の輪を噛みしめる事が出来た。そして、シャララから皆とともにヒーローの道を歩めと背中を押された。だからこそ、カイゼリンとまずは手を結ぶ事を選べた。お見事です。

 

ただ、味方側の描き方としてはこれで良かったのですが、大きな難点を言えば、この帰結は結局のところ、スキアヘッドがあまりに反則級の能力を持っていた事と、急な態度の豹変があったからこそ一気に収束できた訳であって、正直言うと大手を振って納得できるのかと言われると、残念ながらノーです。

というか、当時の王であるカイザーを一撃で倒せる能力もさることながら、記憶改竄能力とかポッと出て来たり、散々愛してる発言をしておきながら、あ、あれは嘘、と掌返しされても、前回の記事でも書きましたが演技だったとしても出来すぎです。

確かにミノトンですら顎でこき使えるほどの強大なアンダーグエナジーはその能力が洗脳や記憶改竄にまで及ぼせるのは理解できなくはありませんし、あれだけ無感情だったのも本心を内に秘めていた様に見えなくもありませんが、それにしても説明不足が過ぎる。ましてや、愛している発言をプリキュアサイドのみならず視聴者にまでフェイクとして匂わせておきながらの、あれは虚言だよ発言は流石にどっちらけ甚だしい。

詳しくは総評で書こうとは思いますが、やっぱりシナリオの急作り感がどうしても拭えないんですよね。期間は十分にあったはずだし、正直、いらないエピソードも散見されましたし。

 

次回はいよいよ最終回。一応、ラスボスっぽいダイジャーグというのが現れましたが、エピローグがあるであろう事も考えると、そこそこ苦戦はしても、場合によっては次回作「わんだふるぷりきゅあ」のキャラクターを乱入させつつ、あっさりぶっちらばしそう。

スカイランドとソラシド市とのつながりはどうなるのか、カイゼリンの処遇は? など色々見どころはあるでしょうから正座待機ですかね( ´艸`)

 

今週のひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

これハガレン風に言えば「デカければ勝てるとでも思ったか、バカが!」だよね。終わったな、ダイジャーグ…

 

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