ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】ひろがるスカイ!プリキュア第34~37話雑感

オールスター系の映画の番宣が入るといつも思う事なんだけど、敵側の気持ちになった時「もうダメだぁ…おしまいだぁ」というのが一番強くなるの、キュアラブリーさんが出てきた時だよね…

 

さて、シリーズ恒例の追加戦士加入からの中盤の山場を経て、秋季の日常パートメインに入りましたね。

各キャラクターの掘り下げを、というのも恒例ですが単純に一人ずつ順番に、といった感じではなく、ましろ→ソラ→あげは→ましろ&あげはという少し変化をつけてきました。次回がツバサメインと予想されるので、そこから+αして終盤に突入しそうな雰囲気ですね。

反面、話の流れ的には大きな進展はなく、エルちゃんも変身時のみ成長するという路線は変わらず、停滞気味な進行でもありました。

 

プリキュア側の事情

確かに各話メインキャラが据えられたシナリオではあるのですが、今作はチーム全員が一つ屋根の下で暮らしている事もあって、とりあえず全てのキャラクターがどこかしらに絡んでくる、というのが多かった印象です。

あげはが自動車の運転という最大機動力を持っているため、どこに行くにしても全員が付いてこれる。第37話なんかそのは典型でしたね。

いくつか興味深いエピソードがありましたが、まずはソラが野球を通じてチームとしての結束を再認識する第35話でしょうか。ソラシド学園の野球部のエース・たまきがけがをした事によって臨時コーチを引き受けたソラが、ピッチャーという最重要ポジションが抜けてしまった穴に苦悩する彼女から、自身のヒーローとしての立ち位置を再認識するというもの。

言うまでもなく、野球はピッチャーこそが最重要ポジションです。正直言うとこのポジションの強さで8割がた決まってしまうと言っていい。しかし、同時にピッチャー以外の8人が捕球し守り打たなければ野球は成立しない。結局お互いの支え合いなんですよね。ソラもたまきと同様、責任感が強いタイプですが、そこをましろがあげはがツバサがエルちゃんが支えてくれたからこそここまで来れた。あくまでも彼女一人で戦おうとしていれば、シャララボーグ登場時に彼女の旅は終わっていたのでしょう。

そう考えると、ましろがキュアプリズムになってくれた事や、シャララ隊長の皆とともにヒーローの道を歩め、はとんでもない伏線張りにもなっていたんですよね。一見野球を絡めるという脈絡のない話に見えて、ソラの成長の集大成の様な話になっていたのは良い塩梅だったと思いました。

第37話のましろとあげはの友情の話も印象に残りました。ましろとあげはの幼い頃の思い出を振り返るエピソードでしたが、ましろが幼少時人見知りであったことは予想通りではありましたが、あげはの明るい性格とましろ優しい性格が上手くかみ合ったのはお見事でしたね。

風で飛ばされたましろの帽子が高い木の枝に引っかかってしまい、それを取りに行こうとして尻餅をついて失敗してしまったあげはを心配するましろの姿は、なるほど、序盤で言っていたましろんの最大の美点は優しさである」というあげはに言わしめたのに見事に掛かっています。

第36話ではあげはが何故「最強の」保育士を目指すのかも判明。別に誰かと競おうとしている訳ではなく目標としている「最強の保育士」が存在していた事が明かされました。しかも、それは先回も出てきたたける君の祖母である事も判明。ちょっとご都合っぽかったですが、何かしらのネガティブ要素がなかったのは正直ほっとしました。正直、家庭事情が一番複雑で闇がありそうなのがあげはだったので。

あげはと絡んだもう一人のキャラクター、たける君も面白かったですね。急な引っ越しが決定し、あげはと別れる寂しさから彼女から距離を取ってしまう…というのが第36話の大まかな流れだったのですが、最終日にたける君と砂遊びをしている最中に別れの寂しさであげはが涙を流している所を見て、自分もそうであると我慢していた感情を吐露していました。

これを見て思ったのが、たける君にとってあげはは初恋の相手だったのでは? という事。この年齢で? と思われるかもしれませんが、早熟な子なら十分に考えられますし、まして相手はあげは先生。子供から見れば非の打ちどころのない先生と言っても過言ではなく、十分恋愛対象になり得るのでは…と思わせました。

全体的に言える事でしたが上でも書いた様に、過去回のキャラクターや事象を上手に絡めながら進行したイメージでした。言及しなかった第34話もバッタモンダーが絡むお話でしたしね。

 

戦闘シーンについて

最初こそスキアヘッドが召喚するモンスター、キョーボーグにキュアマジェスティ以外は手も足も出ない状態でしたが、今期間中に互角よりちょっと劣るぐらいまで是正されており、マジェスティ頼りな面はだいぶ改善されました。

…そこに至る過程が描かれていないのはちょっと不満点ではありますけどね。ただ、ソラなどは日々鍛錬を怠ってはいないでしょうから、徐々にパワーアップしていても不思議ではない訳ですが。

そんなキョーボーグをある程度知恵を絞って連携しながら戦うのは、毎回楽しんで戦闘シーンを見られている事もあって工夫が垣間見えてよい感じですね。

特に感心したのは第36話のキュアバタフライ。

この話のキョーボーグはホーミング飛び道具を乱射し迎撃が難しい上に、接近戦に持ち込もうとしてもカウンターが上手いという難敵だったのですが、キュアバタフライは一計を案じ、上空に舞って下方にバタフライシールドを展開。敵の弾はホーミング弾のため、当然シールドを避けてバタフライに迫りますが、彼女がシールドを展開した真の目的は弾の射線を限定させること。ホーミング=自分狙いである事も逆手にとって、直前で弾を躱し相打ちにさせて、その余勢でシールドをそのまま利用してキョーボーグ本体にバタフライプレスを仕掛けるという頭脳戦を見せました。

第37話では竹やりを二本持ったキョーボーグに手を付けられなくなったチームにキュアプリズムが皆に足止めを依頼、プリズムショットで竹やりに一点集中攻撃を加え破壊するという荒業を見せましたが、やはりバタフライに比べると戦術面では一歩劣るイメージですかね。単独の打破ではない上に力押しですし。*1

それよりもこの回は普段戦闘では矢面に立つことが少ないプリズムが自ら現状打破を志願する事に意外性がありました。この回はあげはとの思い出の地での戦闘になったため、その場を守るという意思込みだったのでしょうね。やる時はやる、というのが見られたのは良かったと思います。

 

敵側の事情について

第34話にてバッタモンダーが大きくクローズアップされました。彼は先回での敗戦後、社会に溶け込む形でソラシド市に潜伏しており、貧困に喘ぎながらもプリキュア達に復讐の機会を伺っている…という描写が為されました。

尤も、復讐を狙っている、とは言うものの、キュアスカイ復活の際の戦闘は今でもトラウマになっていて、最早心はバキバキに折れまくっており、そこまで大それたことは出来なくなって模様。

このシナリオでは、ましろが絵本作家になる夢を持っている事を偶然立ち聞きしていたバッタモンダーが、美大生に化けて偶然を装い彼女に接近、彼女の作品を貶して自信喪失させてやろう、というせこい作戦を思いつく…というものでした。流れとしては、そこにソラ達が乱入し正体ばれにびくつくバッタモンダーや、嫌味を言おうとしても、ましろがすべてポジティブに解釈してしまい、結果的にアドバイスまでしてしまう始末で…まあ、ぶっちゃけ言うとギャグ要素が強めでした。

ましろが批判覚悟でアドバイスを求めて来たり、誰もが納得できるものが作れるわけではない、という事を理解した点は作家向き性格を良く表しているとは思いましたが、やっぱり全体的に先回ヘイトを貯めまくったバッタモンダー救済回に個人的には見えました。内容がコメディタッチだったのも、彼のイメージをコミカル方向に上書きしようとしたようにしか思えない。

あくまでも自分的な意見ですが、この程度でバッタモンダーがしでかしたことが上書きされるかと言われれば、それはありませんし、いちいちこんなシナリオに一回分を費やしたのは、制作側にとって、バッタモンダーの悪行に対するヘイトは想像以上だったのかな? と感じざるを得ない。だとしたら見通しはかなり甘いでしょう。

なんか、如月轟沈の反響が大きすぎて、劇場版を彼女の救済に充てざるを得なくなった艦これのアニメみたいだ…*2

ただ、話の途中でスキアヘッドが登場し、プリキュアに戦闘を仕掛けようとした際には彼に縋ろうと一瞬考えるものの「おめおめ帝国に帰れば処分されてしまう」と再考し、戦いを静観した挙句、キュアマジェスティ登場に驚いたりしていますし、彼のひろプリチームへのトラウマレベルの恐怖心から察するに、この回で実質退場したとみていいと思います。というより、退場だけで1シナリオ使わざるを得なかった、と見た方がいいんでしょうかね。

最後に、ましろから美大生の姿をしている状態で偶然に出会い、アドバイスに感謝され、お互い頑張ろうと言われた際には「誰かにがんばれって言われたのは初めてだ」と毒気を抜かれた様な顔で呟いており、彼がアンダーグ帝国でどういう扱いを受けてきたのかは、今までのゲスムーブも含めてちょっと気にはなりました。まあ、同情の余地はありませんけどね…先回のミノトンさんの事もあり、最終局面でプリキュア側に付く可能性もゼロではありませんね。同じアパートの隣室にカバトンさんも住んでいる事だし( ´艸`)

スキアヘッドは毎回新モンスター・キョーボーグをプリキュア側にけしかける事に終始していますが、第34話では「これが始まりだ」、第37話でキュアプリズムで自分たちを狙う事を詰問された際には「お前たちが知る必要性はない。私だけが知っていれば良い」とにべもないながらも、明らかにストーキングしながら彼女たちを狙い撃ちにしており、なんか、キョーボーグと戦わせること自体に意味がある様にも読み取れます。

先回も書きましたが、少なくとも、何らかの思惑があるのは確実っぽく、キュアマジェスティだけでなく、ひろプリチーム全体の底上げを狙っている風にも見えるんですよね。ただ単にひろプリチームを潰すだけなら、スキアヘッド自ら出張ればキュアマジェスティがいたとしても可能でしょうし、敢えて言うならば、プリキュアマジェスティックハレーションを警戒している可能性がありますが、彼はその起動キーであるマジェスティクルニクルンの入手さえ予定のうち、と言っているんですよね。

その事にソラ以外の誰が気が付くか、かなあ。ソラは逆に敵の術中に嵌って自らを鍛錬している様にも見えますし、第37話のましろのスキアヘッドに対する詰問はその前兆かな、と思えます。

 

次回はいよいよツバサメイン回ぽいですね。どうもプニバード族が関係するシナリオみたいなので、彼の集大成になる話になるかもしれません。今の段階では戦闘中のお姫様抱っこ役ぐらいしか印象がない役回りなので、ここらで大立ち回りを期待したいですね。

 

ここまでのひろプリをかいつまんでナナメからバッサリ

セパタクローって足でやるバレーボールみたいなヤツだよな…中学でこの部活あるの、かなり珍しくなイカ!?

 

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*1:プリズムショットの能力の強みはこの速射性にあるともいえる。

*2:ただ、公平な目で言ってこの劇場版が艦これアニメの中では一番まともな内容ではあった。