王女とTV電話…クッキングダムの王と女王もそうだけど、こいつらさり気にとんでもないコネ持ちだよな( ´艸`)
さて、この期間は各デパプリメンバーの掘り下げが進みました。かなり期間が空いてしまいましたが、これは恐らく4人分のエピソードをやるんだろうな、と予測できたからであり、いえ、決してサボりたかった訳では、いやいや(^_^;)
和実ゆいについて
第34話ではゆいの祖母への想いにスポットが当たりました。
祖母・よねの昔からの知り合い、又三郎さんとそのお孫さんに当たる宏輔君、そこによねと又三郎が共同で開発したおでんのレシピを絡めたシナリオ作りでしたが、途中に野球をやったり、ゆいと拓海の間に宏輔が横入りしてくるなど、楽しい展開もありメリハリが効いていて良かったです。
注目点としては、仲違いした又三郎とこうすけを、それぞれ拓海とゆいが諭すシーン。又三郎と拓海は置いて行かれる側の人間の心情を、ゆいはこうすけに大切な人間が傍にいてくれる尊さを説きました。
そして、ゆいは話の終盤で又三郎からおでんの秘伝レシピを伝授されましたが、その姿によねを重ねており、その時の表情が、嬉しいような、懐かしむような、寂しそうな、何とも言えない表情をするんです。こういう表現は本当に上手ですよね。
ゆいは今まででよねの教えを大切にしている事を作品内で、これでもかと強調してきましたが、だからこそ、この回のあの表情は生きた、とも思うのですよね。ちょっと集大成っぽかったのですが、なんと第38話予告では、そのよねさんとの絡む話が用意されているようなので、彼女の想いがどのレベルなのか注目したいですね。おばあちゃん子だった筆者はこういうのに弱いのよ…
芙羽ここねについて
第35話はここね回。
先回登場したマイラがここねの両親に食料関係の重要ポストを用意して招聘*1するのですが、長期滞在になる事を見越して、芙羽家全体でイースキ島に移り住もうという話になりここねは悩み始める…という流れでした。
ここねの集大成の様な話でしたね。まあ、この期間は全体的にそんな雰囲気ではあるのですが。ひょっとしたら最終決戦前に各キャラクターのファイナルエピソードがあるかもしれませんが、ここら辺は(終了時期も含めて)不透明ですしね。
この話で良かったのは、両親が折衝案を提示し、実行してくれたことです。今までのシリーズでも、プリキュアメンバーの一人に離脱の選択肢が生まれその当事者が懊悩する、というのは度々ありましたが、往々にして、最後はプリキュアサイドに残る選択をし、両親がそれを許容する、というのがセオリーでした。
今回のここねもその例に漏れず、最後はおいしーなタウンに残る選択をしています。ただ、ここねの場合は両親との触れ合いが極端に少なかった故の寂しさがここまでで描かれていましたから、その悩みは相当深かったと推察できます。
しかし、ここねの両親はなんと彼女の気持ちを汲んだ上で、はつこのみをイースキ島に派遣、しょうせいは日本に残り、二人の力が必要な際にはテレワークを利用する、という見事な折衝案を出してくれました。
今の世相に合わせつつ、最善の道を視聴者に提示したのは上手かったですね。このテレワーク演出は和実家と品田家でも行われていましたが、こういう時事ネタを取り込むのも面白いと感じます。
そして、ここね。上でも書いた様に最終的に残る選択をした彼女な訳ですが、初期の彼女は人と関わる事を疎ましいと感じていたきらいがあり、それを考えると本当に成長したんだな、としみじみしました。ゆいに限らず、らんやあまね、マリちゃんに妖精たち、学友たちまで、様々な交流を経て絆されていった演出は見事でした。こういうのが集大成だな、と感じる所以ですね。
そう言えば、ここねが引っ越すかもしれない、と知った時、普段冷静沈着なあまねがとんでもない狼狽ぶりを披露しており、本当に仲が良いのね、この二人、というのが分かる演出も微笑ましかったです。
華満らんについて
第36話はSNSで人気のインフルエンサーとギャル曽根(本人出演だった!)を絡めてらんがTVデビューするお話。
ここねが「変化」を題材にしたのに対し、らんは逆に一度決めた道を真っ直ぐ突き進む事を説くお話でした。
グルメ系のインフルエンサーとして登場したタテモッティ(モデルいそうなんだけど、誰なんでしょうね?)はらん憧れの存在であり、あらゆる意味でらんのアッパーバージョンとして描かれましたが、そんな彼女が陰で努力をしている事を知って…という流れだったのですが、らんが意外なあがり症だったのが露呈しました。
この場面はらんの父親もとんでもないあがり症であることが一緒に描かれており、一見ギャグチックに描かれていたのですが、面白いな、と思ったのは、過去回で描かれたトラウマが原因だったと思わせた点。
というのも、セクレトルーとGウバウゾーの襲撃を退けて、その際に襲われそうになったタテモッティを助けたお礼として、彼女の提案でらんは一緒にグルメレポーターをするのですが、緊張がほぐれ、いつもの調子でレポーターをこなした後に「私とは違ういいレポートだった」と言われた際に
自分の変わり者を指摘されたかと不安そうな顔をするのです。恐らく、これがらんのあがり症=足枷になって、いたのかな、と感じました。
やはり、あの「らんは変わり者」という幼少時に掛けられた一言は彼女に影を落としてはいたんですね。
もちろんタテモッティにそんな意図はなく、それは個性としてどんどん伸ばしていく事を指摘。らんもSNSを含めて更なる味の追及を自分なりにすることを誓う、というまとまった内容になりました。
戦闘中にも捕縛されてしまったキュアヤムヤム以外の三人の拘束を諦めないで解除しようとして成功するなど、彼女のひたむきさを良く表していましたね。
らんの明るくぶれない姿勢が良い縁を引き寄せた象徴的なシナリオだったと思います。
菓彩あまねについて
第37話は久々登場のナルシストルーを絡めての、先回の彼女の決意がどれほどのものだったのかを知らしめる回でした。
先回にナルシストルーに憎しみの感情がある事で懊悩した彼女でしたが、今回はそのナルシストルーがクッキングダムから脱走、彼女の目の前に現れるものの、ブンドル団側は彼を始末するために動いており、それを目の当たりにしたあまねは…という内容でした。
実際、第33話では、マリちゃんをはじめ、デパプリメンバーの助言を受け、もう一切、自身の正義を揺るがさない事を誓っていましたが、今回の話では、因縁があるナルシストルーと言えども、それを死に至らしめようとするブンドル団(正確にはセクレトルー)のやり方に、自身の正義が許容する事が出来ない、という強固な意志を見せました。
これには流石のナルシストルーも感じ入るところがあったのか、戦闘終了後には自らデパプリチームに再度捕縛されました。というよりは、話中の最後にあまねの生徒会長引退セレモニーがあったのですが、そのサプライズのくす玉作りを彼は手伝っており、あれは彼なりのあまねへの謝罪もあったのかもしれませんね。実際、彼が素直な性格ではないのは散々強調されてきたわけですし。
欲を言うなら、あまねが強固な意志を持っている事は十分に伝わったのですが、裏を返せば、それは頑固である、という事。その辺りの柔軟性を示せれば、更に良いキャラクターになるのかな、とは思います。個別エピソードがもう一回あるかどうかは分かりませんが、最後は少し明るめの話が充てられると個人的には嬉しいですね。
味方側の事情について
さて、クッキングダム陣営に大きな動きがありました。というのも、ここにきて、ジンジャーという人物が浮上してきたのです。
この人物はマリちゃんの師匠であり、かつて先代コメコメ、パムパム、メンメンの三匹とともに、レシピボン捜索に人間界を訪れており、人間界での任務を終えた後、何故か三妖精の記憶を封印し(これ自体はマリちゃんの推測)、クッキングダムに帰還せずに滞在を続けていたそうです。
更に、スペシャルデリシャストーン製作能力も持っており、かなりの重要人物の様ですが、残念ながら故人の様ですね。
そして、美味しーなタウン滞在中によねや又三郎とも交流を持っており、その際には自分と同じような恰好(マリちゃんの服装に似ていたそうだ)をした人間が訪れたら面倒を見てやってほしい旨頼んだそうです。朧げな記憶の中でメンメンは「何かを作っていた」と回想していますが…
気になる存在なのは間違いないのですが、筆者的に気になるのは、結局のところおいしーなタウンの人々とクッキングダムの人間が連綿と繋がり続けている事。
よねや又三郎とジンジャー
拓海の母や和実ひかると門平=シナモン(ただしこれは推測。今の段階でシナモンと門平が同一人物であるという言及はない)
そしてデパプリメンバーとマリちゃん
しかも、世代ごとに交流が続いている。これが、ジンジャーがこの町に留まり、ブンドル団がこの地に固執する理由だとすれば…メタ発言をするならば放映期間もあと2ヶ月。そろそろ核心に迫りそうな雰囲気ですね。
後、ここにきて、第37話でナルシストルーが脱走した事を受けて、クッキングダムもようやく敵がワープゲートを使える事を認識したみたいですね。少々のんびりが過ぎるとは思いますが、再度捕縛されたナルシストルーが、少なくともこの手段を用いて逃げられてしまう様な事はなさそう。
まあ、ナルシストルーは自ら脱走する事はもうないとは思いますが。彼自身も言っていましたが、身を隠すには捕らえられている状態が一番安心である、と。あれはデパプリチームに嘯いたようにも一見思えますが、ワープゲート対策してあるクッキングダムなら、確かに一番安全な状態でもあるんですよね。それなりの待遇でもあるみたいですし。
敵側の事情について
よくは分からないのですが、何かしらの「計画」を着々と準備している発言が散見されます。ただ、セクレトルーは能力こそ凄まじいのですが、どうも戦闘の指示は甘いようで、強力なGウバウゾーを使っているにも拘らず、デパプリチームに連敗を重ねています。何より、第37話ではナルシストルーに「それじゃ勝てない」という予見までされており、現場指揮官として有能かは疑問符が付きますね。
スピリットルーが表立った動きを見せないため、どうしても敵側の動き=セクレトルーの動きとなってしまいますが、まずは驚いたのが、第37話に口封じを兼ねてナルシストルーを暗殺しようとした事です。
尤も、彼が捕らえられていた牢にワープゲートを開いたり、デパプリチームと開戦した際にも最初は「(ナルシストルーの身柄は)ゴーダッツ様の判断に委ねる」と言っていたり、一見奪還を狙っている様にも見えたのですが、戦闘中にナルシストルーに煽られた程度で怒りを露わにしてGウバウゾーが暴れている空間に捕縛状態で放り出すなど、少なくとも彼を助命する意志は低かった事が伺えます。
何より、元幹部だったナルシストルー自ら目の前に現れたセクレトルーに対して「始末しに来たのか」と言っている以上、ブンドル団というのは「そういう組織」だという事でしょう。
今までのシリーズでも幹部の粛清は度々行われていますが、同僚が堂々と暗殺に赴いてくるというのは、なかなかえぐい。セクレトルーが普段事務的な態度に終始しているのも拍車をかけていますよね。反面、実行した際には「感情に任せて」しまったのは面白いな、と思いましたが。
上でも書いた様に、ナルシストルーは命の危機をデパプリチームに救われた事もあって、改心…という態度こそ取らなかったものの、自ら捕らわれの身に逆戻りし、以降は大人しくしているものかと思われます。
最終決戦辺りで出てくる可能性は十分に考えられる(しかも彼は単騎でキュアフィナーレとブラぺを相手取り互角の戦いが出来るほどの実力者)でしょうが、まずはいったん退場でいいのかな、という感じですね。
そう言えば、この項目で書くのもなんですが、ここ最近、ブラペ=拓海の出番が殆どないのは気になります。まあ、シナモンとの関りがある以上、このままフェードアウトするとは思えませんが、このままいくと「あれ? ブラペって正直必要だった?」となってしまいかねません。終盤の頑張りに期待したいですね。
次回はなんと、コメコメの力を使って20年前のおいしーなタウンにタイムワープするみたいですね。
もちろん、目的はジンジャー絡みでしょうが、それは当然、ゆいとよねの再会にもなる訳で…おいおい、最終回間際でもないのに涙腺崩壊が危惧されるんですけどッ!?
ここまでのデパプリをかいつまんでナナメからバッサリ
イースキ島とおいしーなタウンをこれで往復…それが可能なら、ここねは今すぐ朝ドラのヒロインになった方がいい(時事ネタ)。*2
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