ふらあそ!

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【アニメ】トロピカル〜ジュ!プリキュア第46話・最終回「トロピカれ!わたしたちの今!」感想

f:id:furafuraasobinin:20220130155848j:plain最後まで見れば、今回は戦闘がない故に変身シーンをしょっぱなに見せたのは分かるんだけど、最終話までボケ倒すの、マジトロピカってる( ´艸`)

 

はあああ…終わってしまいましたね…正直言うと、ほぼ満点の最終回だったと思います。久々に引継ぎなしで最後までやり切った感がありました。Cパートで申し訳程度に次回作の主人公・和実ゆいが登場しましたが、共闘もなく本当に顔を合わせた程度。上手に絡めるのも醍醐味でしょうが、元来、引継ぎはこの辺りでいい様な気がします。

 

話の流れとしては、前回、女王とローラのやり取りを偶然聞いてしまったまなつ。翌日、彼女の迂闊な一言をきっかけに、ローラは他のメンバーも含めて事情を説明します。突然の別れになるかもしれない事実に泣き出しそうになるさんごや急すぎると感情を爆発させるあすかなど様々な思いが交錯しますが、トロピカる部の総意としてはローラの意思を尊重する事になります。

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そしてトロフェスがスタートし、いよいよトロピカる部の演劇が始まろうとした時、ローラは最後のシーンの変更を申し出ます。それはローラ演じる姫が正体を明かし皆に別れを告げる、というもの。

やがて劇が始まりシナリオはトロプリの今までの軌跡をオマージュする流れで進行するのですが、最後のシーンでまなつが劇中の別れのシーンを現実と混同してしまい、ローラの名前を呼びながら感極まって抱きついて号泣(実際、役名のロザリオではなく「行かないでローラ!」と言ってしまっている)。

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それでも彼女を優しく離したローラは最後のクライマックスシーン、全員で歌を歌うシーンに移行するのですが、そこでまだぐずっているまなつがドジを踏んでセットを倒してしまい、ローラを下敷きに…突然の事態に啞然→爆笑のコンボになり、仕切り直して無事ラストシーンを演じ切り、更にローラは観覧者全員の前で自身が人魚であることを暴露し、謎の盛り上がりに沸きに沸いたままトロフェスは無事終了。

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そして、いよいよ、別れの時が来ます。海岸に見送りに来る4人。たとえ記憶を失ったとしても決して忘れない、私たちは友達だ、とお互いを確認しあい、海に戻っていくローラ…

そして、その日の夜、寝ていた4人のリングが輝きだし…翌日、彼女たちは「ローラのいない」日常に戻っていきました。何かが足りない僅かな違和感を残しながら…

f:id:furafuraasobinin:20220130160306j:plain一方その頃、ローラは女王に呼び出されて、以前から頼まれていた「人間の世界を見てみたい」という願いに許可を与えます。久しぶりに…いや、今の彼女にとっては初めて訪れた地上世界。彼女はまるで導かれるようにかつてまなつと出会った砂浜へと向かい…そこでまなつと再会! 人探しをしている、というローラに興味津々のまなつ、お互い初対面の様な対応をしている所に、ローラが持っているリップが自身のものであることに驚いたまなつは思わず口走ります。

「なんで“ローラ”が私のリップ持っているの!?」

そしてそれに反論するかのように

「なんで“まなつ”が私の名前知ってるのよ!」

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お互い顔を見合わせる二人。そしてグランオーシャンにある記憶の聖地から光があふれだし、それはアクアポッドを通じて次々とシャボンピクチャーの思い出としてあふれ出し…

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実はローラは海に戻った後、ある布石を打っていました。それは記憶消去装置の影響を受けない三幹部とコンタクトし、まなつ達の事を思い出す手伝いをしてほしいというもの。ローラはその上で記憶を失う前に「魔女の所を訪れよ」という未来の自分にメッセージを残しておいて、その言葉に従ったローラに対しエルダは彼女の希望通りに協力してくれたのです。彼女とまなつの再会を望みながら。

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f:id:furafuraasobinin:20220130160604j:plain再会を喜び合う二人。そしてエンディングテーマとともに流れる後日談。かくして「ローラがいる」日常をトロプリチームは取り戻す…というものでした。

 

いや、すっかりやられました。上でも書いたように最終回としては満点に近い。途中ギャグを挟みながらもローラの決断、涙の別れ、そして再会。エンディングで差し挟まれた一枚絵の後日談にその後のCパートでの次回作のキャラクターのお披露目。

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少々舌足らずな部分もありました(三幹部とのやりとりなど)が、すっきり納得がいく終わり方をしましたね。

 

最後の回答・記憶消去装置について

さて、この非人道兵器(笑)ですが、きっちり布石消化しました。ある程度予測できていた事ですが、あの記憶消去装置はやはり人魚と人間の寿命の差による悲劇を回避するものであることが判明しました。確かに、女王が南乃島で海ばあが若い頃の世代でありながら現在でもあの姿を保っている事から、人魚が長寿なのは推測できたことですし、決して悪意のある代物ではなかった訳です。

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その上で敢えて言うと、記憶が失われてしまう事に対する最後のあすかとさんごの台詞「忘れてしまう方が寂しい」「忘れてしまったら寂しいとすら思えなくなる」の方が真実じゃないかな、というのが個人的な感想でした。

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f:id:furafuraasobinin:20220130160844j:plain更にこの装置が凄まじいのは、これが単純に「対象者の記憶を消去する」だけではなく「最初からいなかったことにする」事周囲にも影響を与えてしまう事でした。実際、ローラが帰ったあと、奇妙な違和感を感じつつ、トロプリメンバーの4人はローラの事が初めから存在していなかったように振舞いましたし、トロフェスでローラの正体を見た人たちからの記憶からも抜け落ちてしまっています。ご丁寧に5人で写っていた写真のローラの部分が空白になる、という徹底ぶりで、記憶、というよりは存在そのものの抹消に近いという空恐ろしいものでした。

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この装置ははるか昔に人間と関わったとある人魚が、取り残されてしまった寂しさから開発したものなのだそうですが、ここまで徹底的に人間にまで影響を及ぼす仕様なのは、その人魚が自分に関わってしまった人間を慮った故だったのでしょうね(尤も、その人間はとうの昔に亡くなっていたとは思うが)。ただ、グランオーシャンに関わる者と人間以外には効果がない、というのはちょっと片手落ちな気もしますが、ね(苦笑)。

今回のローラはこの装置の呪縛を破る先例を残した訳ですが、これは女王も半ば分かった上だったようにも感じます。恐らくなのですが、ローラの記憶除去が発動した段階で、女王もローラとプリキュア達との関りを忘れてしまっています。女王と言えど「グランオーシャン関係者」という縛りからは逃れられないのですから。しかし、本来移動したはずのグランオーシャンは実際はあおぞら市の直近にいた、少なくとも魔女のかつての住処に行ける程度の距離にあったと推察できます。でなければ、かつて地上を訪れた際に上陸したあの海岸に偶然行き着くものではありません(あるいはエルダに指示されたか。ただし、エルダはまなつとローラの出会いそのものを知らないはず)。

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そう考えると、女王はこの事を見越してグランオーシャンをあえて今までの位置からほとんど動かさなかった、とも取れるのです。

あと、ちょっと思ったのが、この装置は吸い出した記憶を「貝殻状にして」保存します。直接その貝殻記憶を垣間見る事も出来ますし、今回はその記憶が一気に溢れ出て記憶が戻るような描写がありました。

取り残された者が記憶を持ち続けることは辛い。それはそうでしょう。しかし同時に長い時を生きれば記憶が薄れる、という事もあります。それこそ後回しの魔女がそうであったように。その上で、この装置の事を改めて考えてみた時、これは同時に薄れてしまった記憶を思い出す足掛かりにもなるのですよね。

こう考えると、ちょっと惜しかったな、と思うのが、この装置に関わった人魚の存在。ここら辺を描く事が出来れば、より味わい深いラストになったのかな、とも思うのです。が、何でもかんでも説明を付加するのもそれはそれで違う気もしますので、ここら辺がいい塩梅だったのかもしれません。

 

情緒のない言い方をするならば、ローラは結局両方を取ったと言えます。最後の後日談シーンでは、地上で生活しつつ、グランオーシャンでは女王としての教養の一環として、他の人魚たちに教鞭を振るうシーンもあり、何とか地上とグランオーシャン両方での歩みを両立させている様でした。実際、グランオーシャンでのシーンは女王が見守っており、記憶が戻っているはずの女王がそのような態度を取っているという事は、その両立を認めている事に他なりません。

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細々としたことを言うのならば、ローラの記憶がよみがえった後、他の関係者(観劇していたローラが人魚だと知った人たちなど)がどの様に彼女と関わるのか、など気になるところはありますが、そこは視聴者側の想像に委ねる、でもいい部分だと思います。人魚がいることが公然の秘密として受け入れられるのか、都合よくトロプリメンバー以外の記憶は封じられたままなのか、そこら辺は各々の解釈次第でいいのではないでしょうか。

 

f:id:furafuraasobinin:20220130161358j:plainなんにせよ、見事なハッピーエンドでした。まさに大団円と呼ぶにふさわしい。気持ちのいい最終回も実にこの作品らしい。お見事でした。

 

一応、次回作のヒロイン・和実ゆいについて。

f:id:furafuraasobinin:20220130161452j:plain本当にCパートでちょこっと出ただけなので、来週の放映が始まってから詳細は分かるかとは思いますが、今回でのイメージはデカいおにぎりの飾り物を本物ではないと嘆いたり、それがもし本物ならかぶりつきそうな勢いであったり、「トロピカる」を「美味しそう」と言ってみたり、やはりアホの子オーラが滲み出ています。意外と流されやすそうな性格(半ば強引にトロピカる部のメイク体験に参加させられた)ですが、まなつとすぐ打ち解けた会話をするなど社交的でもありそうですね。来週を心待ちにしましょう。

 

それでは最後のここまでのトロプリをかいつまんでナナメからバッサリ

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f:id:furafuraasobinin:20220130161604j:plain後にも先にも犬のふん踏んでぶっ飛ぶという終わり方をするプリキュアはこれだけ…と信じたい( ´艸`)

 

近日中に総評をアップ予定ですが、本当に約一年間楽しませてもらいました。スタッフの皆さまには楽しい時間を過ごさせていただき本当にありがとうございましたm(__)m