ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】トロピカル〜ジュ!プリキュア第36~37話感想

f:id:furafuraasobinin:20211204162945j:plain勝利を確信し、敵に背を向けるなど…君たちはカエルさんに怒られてきなさい( ´艸`)最後まで気を抜くな。勝利に酔いしれた時にこそ隙が生じる。

 

さて、今回の記事なのですが少し変則で行きたいと思います。まずは連話となった第36~37話をここでは取り扱います。最終盤スタートにふさわしい激動の回でした。

 

さて、まずはおさらい(あらすじ)から

伝説のプリキュア? と後回しの魔女? の戦いを夢に見るまなつ。思わず飛び起きてそれが夢であったことを再確認するものの、妙な悲しさを余韻に残してしまいます。

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そんな折、グランオーシャンの女王からドレッサーを通して国も徐々に回復しつつあり、トロプリメンバーを一度招待したい旨、連絡が入り、ローラの帰郷という事もあって、全員乗り気のトロプリチーム、早速変身アイテムの力を借りて水中を進み、途中の関門である巨大な渦潮を通過すると、そこはグランオーシャン。妖精たちの歓待を受けながらまるでおとぎ話のような美しい世界を満喫しながら女王との謁見に臨みます。

謁見を終了し晩餐会となるのですが、そこで女王はトロプリチームに頼みごとをします。それはこの国のどこかにあるという大地のリングと対をなす海のリングの捜索

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快諾し、早速調査に乗り出すトロプリチームですが、何のヒントもない状態でのグランオーシャンでの探索は難航を極めます。物見遊山にしか見えなかったのはナイショ( ´艸`)

とりあえず一度女王に報告しに帰るものの、彼女は今までの態度とは打って変わって明らかにイラついている様子。そこから不自然な言動も相まって不信を抱いたローラは彼女が偽物なのを看過。それと同時に5人とは別行動をとっていたくるるんがチョンギーレとともに姿を現した挙句、女王もヌメリーの擬態である事が判明。彼女たちの見た繁栄を取り戻したグランオーシャンは幻であり、この国にある「記憶を吸い取る装置」を使用・応用したものであると暴露されます。

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あまりの仕打ちに怒りに燃えるトロプリチームに幹部達は「生物を核にしたヤラネーダ」で対抗。タコを核にした圧倒的なパワーを持つ生物ヤラネーダはトロプリチームを圧倒。ランドビートダイナミックも跳ね返され、絶体絶命に陥るものの、皆の諦めない心と次期女王になる決意を揺るがないものにしたローラに応えて海のリングが出現、しかし、これを待っていたかのように素早くバトラーがリングを奪取。彼はプリキュアの強い心がリングを生み出すことを知っており、最初から計算づくの行動だった、と。

もう用済み、とばかりグランオーシャンの結界が崩れ、トロプリチームは巨大な渦に飲み込まれ…

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気が付くと、トロプリチームはグランオーシャンの城の中と思われる一角で変身解除状態で目覚めます。まずは女王の救出、と探索を再開する5人。その途中で、不思議な空間にたどり着きます。そこには壁や柱などに貝殻が埋め込まれており、その貝殻に触れるとかつての人魚の記憶を垣間見る事が出来る…まなつ達は人魚と人間にも交流があった事をその数々の記憶から見出すのですが、しばしの夢想を感慨深く見ていた4人を他所に難しい顔をするローラ…

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さらに奥に探索を進めると、気絶している女王を発見。彼女はまなつの名前を尋ねる質問に本名(メルジーヌ)で返し本人であることを確認、ひとまずほっと胸をなでおろします。女王は、魔女の目的は愚者の棺をやる気で満たす事、そしてそれが成就した暁には不老長寿が得られること、そしてどういう理由があるにせよ、人のやる気を奪って不老長寿を成就させるなどという不義を許すわけにはいかない、と事情を説明、改めて後回しの魔女の野望を打ち砕くように依頼してきます。もちろん、そのこと自体は快諾するトロプリチームなのですが、ただ一人、ローラだけが女王にまだ隠している事があるだろう、と先ほどの空間で見つけた貝殻を取り出します。

息を飲むような顔をするメリジーヌ、そして、気が付いてしまったか、と嘆息をつくのでした…

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幼い頃、ローラはどうしても地上の世界が見たくて結界を抜け出して人間界の海に出てきます。出てきた先は南乃島。そして、彼女はその島の海岸で一人の人懐こい同年代の少女に出会います。すっかり意気投合した彼女たちは夜が更けるまで遊び、翌日、また会う事を誓います。しかし、次の日少女が彼女に…何故か水面から一歩も出ようとしなかった女の子に会う事は叶いませんでした。名前も聞いていない彼女に会えなかった後悔から泣きじゃくる少女は、以降、今自分がやりたい事をやる、最初に人に会った時は必ず名前を聞く、後悔しないために、という誓いを立てるのでした…

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f:id:furafuraasobinin:20211204163437j:plainそう、まなつとローラは幼き日に邂逅していたんですね。

そして、ローラがまなつに会いに行けなかった理由。それは「記憶を吸い取る装置」を使われ、その時の記憶が奪われたから…

何でそんなひどい事をしたのか、と流石に糾弾し始めるローラにメリジーヌは「それがしきたりだから」「人と人魚は交わってはならない」「今までの人と関わりを持った人魚たちも皆こうして記憶を奪われた」と返答。つまりあの不思議な空間にある貝殻はすべて記憶を吸い出された人魚たちの思い出の結晶…そして、当然現在後回しの魔女が引き起こしている事変を解決すれば、ローラは記憶をもう一度奪われることになるのだ…

ショックを隠し切れないトロプリチーム。そんな折、地上では邪魔者がいなくなったバトラーがやる気を奪いまくっていました。躊躇するローラを何とか焚きつけて対処に向かいますが、変身したもののタコ型ヤラネーダは墨を吐いて視界を遮るわ、触手で変幻自在に攻撃してくるわでやはり強くあっという間にピンチに。

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バトラーが生物型ヤラネーダは海のリングなしでは浄化できない事を得意げにばらしたところで、トロプリチーム全員奮起、まだ諦めるわけにはいかない、とキュアラメールの決意に呼応して海のリングが突如彼女たちの前に出現! 驚くバトラー。彼は本拠地にあるコインロッカー? みたいな場所に海のリングを保管していたのだから、いきなりワープしてきたらびっくりするよねえ。

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海のリングの力がドレッサーに付与され、新必殺技・プリキュアマリンビートダイナミックが炸裂、ヤラネーダは浄化され、まずは一件落着します。

一方その頃、グランオーシャンでは女王と伝説のプリキュアがコンタクト。伝説のプリキュアは魔女の救済がまだ残っている…と女王に告げる。

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ヤラネーダを退けた後の夜、まなつとローラはお互いを確かめ合う様に語り合う、そしてまなつは言う。大丈夫、忘れても絶対に思い出す、と。強い確信を以て。

 

ここにきて急展開アイテム「記憶を吸い取る装置」!

ふう、きっちり書くとあらすじ長い長い。2回分な上にあまり省略しませんでしたから、くどいようなら後で簡略化、修正しますね。

さて、ここまで長いあらすじを書いたのは、今回の感想は主にこの「記憶を吸い取る装置」にメインに据えて書きたいからでした。

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しかしこれまたとんでもないアイテムが登場しましたね。プリキュアシリーズの様に長い物語構成の場合、どこかで話の転換点が設けられることが多いですが、これは正に物語の核心に迫り、ひっくり返すほどのものでした。

なぜ人魚伝説は数あれどグランオーシャンと人間との接点が皆無に近かった(事になっていた)のか、まなつの基本性格の成立、そして恐らくは後回しの魔女…様々なものに関わってきています。

ここで考えなくてはならないのは、この装置はどう言い逃れしようとも人の心を踏みにじるものである、という事です。流石に記憶を抜き出すのみでその記憶は厳重に(あの不思議空間が厳重だったかどうかは置いておいて)保管されますし、別の記憶を植え付けたり洗脳のような真似が出来るわけではないのでしょうが、現実問題として、今話では敵方がその記憶を利用して現実とたがわない幻影を見せるという、悪用が可能でした。

そして何より、人の心というのはあくまでも不可侵が是、と筆者は考えます。*1

過去の作品には人の心の中にシンクロダイブしたり(はぐプリ)、逆に敵に取り込まれた際にその心に触れる(直近ならヒープリ)など、他人の心の中に侵入する場合はあるのですが、それらはあくまでも救済目的であったり無理やりであったりと、あくまでもイレギュラー的な扱いでした。*2

前作ヒープリでキュアグレース=のどかがあそこまで厳しくダルイゼンを断罪したのも彼が彼女の心を踏みにじり、最後の最後まで彼女の心の事まで考えなかったからです。

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しかし、この装置に関してはあくまでもグランオーシャン側が能動的に使用しているものであり、それも古いしきたりに則ったものという何とも杓子定規的な使い方がなされています。過去の人間たちと接点を持った人魚たちの幸せそうな記憶もそうですが、何よりローラとまなつには深い傷を残してしまいました(それでも再会を果たした二人は運命的とはいえるんだけどさ)。ましてや、グランオーシャン側からしてみれば、今回はローラと4人もの人間が深い接点を持ってしまった上に、多分ですが彼女らは伝説のプリキュアを除けばグランオーシャンに初めて踏み込んだ人間でもあるでしょうから、この装置、トロプリチーム全員に使用される危険性すらあるのですよね。

では、なぜそのようなしきたりが生まれたのか、ですよね。

後回しの魔女。

十中八九、彼女絡みでしょうかね。人魚の女王と比する事が出来るほどの巨体、まなつの夢の中で頻繁に登場する伝説のプリキュアとの関連性、そして記憶喪失、伝説のプリキュア自体が彼女の救済を訴えている上に、恐らくそれなりに過去から生きている人物。

ここまで状況的証拠が提示されている以上、何らかの関わりはあるのでしょう。あくまでも予測ですが、このしきたりが生まれる原因になったのが彼女なのでは? とすら思っています。

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37話最後に、メリジーヌと伝説のプリキュアがコンタクトを取っている場面がありましたが、そういえば彼女は頑なに「魔女」としか呼ばないんですよね。彼女にとって「後回しの魔女」はあくまでも「魔女」なのでしょうか…それともあくまでも別人?(関連性はあるにしても)

そして、この二人が繋がっていた、という事は今回のプリキュア達と後回しの魔女陣営の戦いはある程度仕組まれていたものだった訳です。ローラを地上に派遣したのも、彼女が任務を完遂すれば再び装置を使って記憶を消す事もすべて計算ずくだった訳ですよね。

随分と非情なやり口はスタプリの12女神を彷彿とさせますが、女王の場合はローラに愛情がない訳ではないっぽいんですよね。皆と映っているシャボンピクチャーを微笑みながら見ていたり、初対面のまなつを筆頭にしたトロプリメンバーに悪い印象を持っている感じはなかったですし、ローラが幼い記憶を忘れさせられたことを知った時も非常に複雑な表情を見せていました。

しかしそう考えれば第17話のローラの帰還を許容したのは彼女なりの思いやりだったのかもしれませんね。伝説のプリキュアと繋がっている以上、あそこでローラがグランオーシャンに帰還してしまえば、実質は任務失敗だった訳です。しかしそれを許したという事は、これ以上ローラが深く人間に関わって傷ついてほしくなかった、彼女の心にメスを入れたくはなかった、とも読み取れます。その上で、変身アイテムを託して彼女の意思に任せた*3、と。なかなか複雑な感情を持ち合わせたいいキャラクターですね、メリジーヌは。

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このままでいくと、次期女王はローラという事になるのでしょうが、いざ彼女が将来的に女王になった際、この装置の処遇はどうなるのでしょう? その前に記憶を消されてしまった上でしきたりに従うのか、それとも…!?

どちらにせよ、物語の最終盤にも関わる重要な装置になりそうですね。

 

敵側の事情について

一気にバトラーが怪しくなりましたね。元々それらしいところを匂わせてはいましたが、流石に後回しの魔女、グランオーシャン双方の事情に詳しすぎです。ちょっとスマプリのピエーロみたいな不気味さがありますね。タツノオトシゴがベースで顔の表情が全く読めないのも拍車をかけています。今回の海のリング奪取作戦も申し分なく、むしろ、トロプリチームの海のリング召喚の方が理不尽な反則技であり、彼は手ごわい軍師のイメージが付きました。

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三幹部は今回でかなり悪辣なイメージが付きましたね。今までは緩い印象の方が強かったですが、記憶を吸い上げられた海の妖精たちや、幻影にものの見事に引っかかって囚われの身になってしまったメリジーヌを笑いものにして侮辱したり、少し悪役っぽさを見せつけました。

そういえば、メリジーヌが愚者の棺による不老長寿の事を語った際に、場面が敵側に少し移るのですが、三幹部達も目的は不老長寿なんですね。ただ、エルダはその事に疑問を持っている様ですが…エルダは先回、そっち方面での秘密が示唆されていましたし、ひょっとしたら不老長寿の先に何か目的があるのかもしれませんね。

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あと、ちょっと気になったのが、グランオーシャンと後回しの魔女の本拠地ってひょっとして繋がってませんか? 双方とも海の中にあるのは間違いないのでしょうが、ああもあっさり三幹部+バトラーに侵入されているのは不自然です。

同じ海の中だからと言っても、それならば少なくとも見た感じではメリジーヌとくるるんしかいないグランオーシャンならば、ローラやプリキュア達とじゃれついている間隙を縫ってさっさと侵攻してしまえばよかった訳ですし、そもそも、グランオーシャン自体は渦潮の結界によって守られています。この結界を通れるのは海の妖精か人魚のみだそうですが、もし後回しの魔女陣営=海の生物も通過できるというのならばザルとしか言いようがない。まあ、後回しの魔女陣営としてはグランオーシャンを滅ぼすことと不老不死を得る目的は合致していないため、今まで放置していたとも取れるわけですが。*4

記憶を吸い取る装置のことそのものを知っていたことも腑に落ちませんし*5、大体、回しの魔女側の本拠地、視聴者側に与えられている情報が異様に少ないんですよね。ついでに言えば、過去にはローラが敵陣営に捕らえられ脱出した際、敵側本拠地の近くで爆発?に巻き込まれ気絶し気が付いたらグランオーシャンの女王の間だった、という事があったのですよね。

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プリキュア達の当座の敵、大型怪物についてですが、今回登場した生物を核にしたヤラネーダ。今までとは一線を画す強さですが、今の段階でタコと蟹(第38話)、ナマコ?(第39話)が使用されています。海の生物でなくてはダメ、という縛りがあるかもしれませんが、もしこれが人間に使用された場合が今から危惧されますね。そして、場合によっては海の妖精や人魚すらも…何せ、自分たちの目的のために「心」を利用し踏みにじる事に何の躊躇も持たなかった連中です、敵側は。コミカルな面に騙されがちですが、何をしでかすか分からない怖さがある。自分はそう感じました。

 

記事は引き続き、第38~39話に続きます。

 

今回のトロプリをかいつまんでナナメからバッサリ

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幼き日のまなつとローラの邂逅、第1話できっちりオマージュされていたのはちょっと感動した…こういう演出本当に今回上手い。

 

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*1:人の心に寄り添う、という事はあるだろう。心を許しあいお互いを育む、という考え方もあるだろう。それでも、個としての心は不可侵でなくてはならない、と筆者は考える。

*2:それですらグレーゾーンであると筆者は考えている。

*3:伝説のプリキュアと繋がっていたからこそ、ローラの変身アイテムを持っていたと考えれば破綻はしていない。人魚はプリキュアにはなれない、というの言い伝えも様々な解釈が出来る。

*4:実際、今回も海のリングを奪ってプリキュア達を無力化する事が目的だった。

*5:上で書いた通り、魔女が絡んでいるのならばその限りではないが…当の彼女が記憶を奪われているのよな。だとすれば…やはりバトラーか?