ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】HUGっと!プリキュア第46話「クライ、ふたたび!永遠に咲く理想のはな」感想

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新年あけましておめでとうございます。今年も当ブログをよろしくお願いいたします。

 

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と、かしこまったりした訳ですが、とりあえずクライさん、この娘を理想のはなにしてよろしいんですかね?(苦笑)

 

さて、今回は分かりやすく最終決戦突入の流れでしたね。プレジデント・クライ自らがとうとう本格的に動きだし、プリキュア以外の時間が停止しました。このまま一気に決着方向に流れるかと思いますが、時間が止まったという事は恐らく身バレもないんですね。ちょっと残念…

 

話の流れとしては、年末年始を幸せに過ごしていたはぐプリチームでしたが、買い物を兼ねてさあや・ほまれと待ち合わせ場所に向かって一人になっていたはなの前にクライ自らが現れます。彼は彼女に親愛の情を示すのですが、当然はなはそれを拒否。クライは軽いショックを受けたものの、彼自身の理念を説くのですが、はなの頑なな拒絶の態度に何かを悟ったようにいったん姿を消します。

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日が変わって新春イベントがはぐくみタワーで開催されている中、クライはあろう事かクライアス社本社ビルそのものをはぐくみ市の海上に召喚。更に巨大化した自身(猛オシマイダー化した姿?)を出現させ大量のトゲパワワを散布、プリアラチーム以外の面々が次々と時間停止する中、大量の猛オシマイダーが出現し…というものです。

 

プレジデント・クライ(ジョージ・クライ)について

彼の行動理念は前々からある程度は語られていましたが、結局のところは今ある美しい状態を時間経過で劣化させたくない、という事に集約している気がします。つまり根本はジェロスと変わらない訳ですが、ジェロスはその対象が自身に向いていたのに対してクライは全てのもの…というよりは事象に対して向いているのが違いでしょうか。

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今回で彼の掘り下げがあった訳ですが、まずははなと共通の夢を見ている場面で、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」を二人で鑑賞しながら、女神をはなに投影していた事、更に次第に年老いていく絵を何枚か出して、彼女の劣化を惜しむかの様なシーンがありました。

そして、はなが一人になった際にエレベーター内での対峙で、なんと未来世界で時間を止めたのは彼(=クライアス社)ではなく未来の人間そのものだっただった事が発覚、彼もその事を嘆いており、そんな未来が来るぐらいなら今のうちに時間を止めてしまえばいい…という事らしいのですが…

お前は何様だ

別に感情的に言っている訳ではなく、ちょっとどういう存在なのか分からなくなってきた、という感じです。ドクタートタウム曰く「彼は何もしない男」だそうですが、欲望にまみれた人間に絶望し未来を奪う選択をした事といい、彼自身「僕を魔王か何かと思っているのかい?」とはなに言っていましたが、未来そのものを俯瞰的に捉えた発言もあり、ただの人間風を装っていながら超自然的な存在としか思えません。あえて言うならハピチャのブルー(&レッド)に近いのかな? という印象を受けました。

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彼がいつも持っている未来日記(仮称)も人類そのものの未来という泰然的なものから、アンリに起こった極めて限定的な未来まで書いてあり、万能感あり過ぎでちょっと人の手に余るアイテムに思えますし。*1

更に、彼の回想? の様な場面で成長したと思しきはなが一瞬映し出され、(恐らく彼に対して)笑顔を振りまく、というのも謎でした。

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夢の中での邂逅でもはなが花嫁姿を想起する姿で登場しており、この二人は未来で(良い悪いは別にして)何か因縁があるのかもしれませんね。ただ、ネット界隈でも揶揄されていますがクライの行動はストーカー紛いでありこの二人に妙な因縁は個人的には付けてほしくないかなあ…*2

そのはななのですが、中盤以降、クライと対称的に描かれることが非常に多くなりましたが、反面、今回で「お!?」と思った事がありました。

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それはクライが自分の理念を語っている際に「人がいくら未来に希望を持っていてもトゲパワワはなくならない。君にも覚えがあるだろう」と言われたはなが過去のクラス内孤立化の事を思い出すのですが、それに対してまるで振り払うかのような仕草をして否定した事です。つまり、クライもはなも人はアスパワワもトゲパワワも両方持っている事は百も承知な訳*3ですが、二人とも、はな=アスパワワ、クライ=トゲパワワ、を半ば盲目的に信じ切っている、という共通性があるんですよね。この手のお話はゴプリのキュアフローラが最終回でどっちも受け入れる、という結論を導き出したのが印象的でしたが、この作品ではどういう結末を与えるのかはちょっと注目です。はなの無条件にアスパワワを信じる心は過去に何人もの人間(直近ならアンリが代表格か)を救いましたが、今回のクライとのやり取りを聞いている限りでは些か独善的に過ぎる感じもします。それが行き過ぎた姿がどうにもクライと重なるのですよね。

 

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後半は大量に呼び出された猛オシマイダーの処理にはぐプリチームが奔走、相手は無限に呼べるようなものですから厄介な訳ですが、プリキュアトゥモローアタック(仮称)で大量強制退社させた所で業を煮やしたクライがはぐたんを拉致、追いかけようとしたところにリストルとビシンが立ち塞がる…という所で幕となりました。

 

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次回は最終決戦の続きの様ですが、なんと浄化済みの元幹部との共闘が実現しそうですね。というか、こいつら時間停止はしない程にアスパワワに溢れているんだな。

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個人的にはダイガンさんの本気が見たいんだけどなあ(ΦωΦ)

 

今週のはぐプリの個人的見どころ!

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ほう…デッドorアライブソースをかけた餅…貴様、いい加減にしろ(世紀末伝説的威圧)

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

 

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そして、毎年恒例、次世代プリキュアの番宣が入りましたね。次作は宇宙人!? がいるのでしょうか? メインでは初めての褐色肌のプリキュア登場に加え、更に自分の大好きな黄道12宮ネタも扱う様ですし、結構ワクワクしてしまいますね。蛇遣い座ネタ使うかなー?( ´艸`)

 

 

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*1:彼自身が時間旅行者故の未来既視から生まれたアイテムだとしても度が過ぎている。

*2:しかも雑誌かなんかのインタビューでクライははなの初恋の相手、とか製作スタッフが答えてんだよね、確か。

*3:実際、過去回で本当にくだらない理由のちっぽけなトゲパワワで何回も猛オシマイダーが召喚されているし、またコンサートを盛り上げるだけでアスパワワが溢れオシマイダーが弱体化した事もあった。

【アニメ】HUGっと!プリキュア第45話「みんなでHUGっと!メリークリスマス☆」感想

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「このままではクリスマスは中止に…」よし良いぞ…実に良い提案だ!(真っ黒)

 

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しかも、どうも未来の世界にはクリスマスはない模様。僕、クライアス社に入りますねッ!(真っ黒黒)

 

さて、今回はクリスマスをベースにした息抜き回…というよりは今までの補完を目的とした回でしたね。メインはドクタートラウムとルールーのぎくしゃくの解消、そしてジェロスの救済、と言った所でしょうか。

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先週のさあやとれいらの件もれいらが正式にさあやの進路を認める描写があり、ほまれもハリーと仲良く会話するシーンが挿入され吹っ切れた様な感じを受けました。

 

話の流れとしては、突如はぐたんが呼び出したサンタさんでしたが、なんとそりを曳くトナカイが風邪で完全ダウンしている上にサンタさんも体調が良くなく、今年のクリスマスは中止になる、と言い始め、そこで突如現れたドクタートラウムがメカトナカイを開発、はぐプリチームはこれを使ってサンタさんの手伝いをする事になります。

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一方その頃、クライアス社ではジェロスが社長・プレジデント・クライの心はもう自分には向いていない事に絶望。かつて、彼女の部下だったジンジン・タクミを暴走させたドクタートラウム開発の聖杯型アイテムに手を伸ばします。

クリスマス前夜にサンタさんの手伝いをしながらはぐプリチームがプレゼントを配る事ではぐくみ町にはアスパワワが溢れるのですが、明けたクリスマス当日、はぐプリチームゆかりの者たちで開いていたパーティー会場に突如ジェロスが乱入、彼女は聖杯の力を使って猛オシマイダー化する…というものです。

 

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上でも書いた通り、今回は補完を目的とした回でしたね。メインはルールー親子とジェロスでしたが、他にも車いすから松葉杖になったアンリが登場したり、順調に回復している様が描かれました。

 

ルールーとドクタートラウムについて

この二人については先回の第40話でかなり深く描かれていたため、今回はより補完の意味合いが強かったですね。

先回でこの二人は完全和解をしているのですが、二人の性格の不合致(お調子者のトラウムに冷静なルールー)もあって、主にルールーは素直になり切れておらずトラウムに辛辣に当たる事が過去回にも何回か描かれました。

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今回もそれは変わっていなかったのですが、えみるの助言もあり、彼女はクリスマスに因んでトラウムにささやかなプレゼントを考えます。それは、彼女自身の手料理をトラウムに食べてもらう事。彼女は野乃家の面々に頼んでカレー作りを伝授してもらうのですが、そこで基本のカレー作り+作り手の愛情を追加する事を学びました。

ルールーが初めて野乃家に訪れた時、彼女は皆と楽しく手巻き寿司パーティーをする事を「非効率的だ」と批難したのですよね。

そして、はぐプリチームとの様々な交流を経て、正式にプリキュアになり、食への関心がどんどん高まり、先回にはドクタートラウムに「まずは一緒にご飯を食べませんか」と言う程になった訳ですが、今回は「一緒に楽しく食事をするのが家族」と明言し、ついに彼をお父さん、と呼んでくれました。

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最後はドクタートラウムにカレーを食べてもらう事で彼に感激されていましたが、考えてみるとルールーと食べ物は切っても切れない関係であり(ギャグも含めた)彼女の食べ物関連エピソードの集大成になりましたね。

その後はルールーに最上のプレゼントをされ舞い上がったトラウムの過剰なスキンシップを冷ややかにスルーする一見いつもの関係に戻ったように見えましたが、ここら辺も思春期の女の子らしさが出ていましたね。なんか、ホントにアンドロイドとは思えないなあ。

そう言えば、今回初めて言及されましたが、ドクタートラウムのトラウムという名は「夢」を意味するのだそうですね。たった今調べましたがドイツ語ですか。リストルにも「リストラ」と「リス」のダブルミーニングが存在しましたが、彼の名も「夢」と「トラウマ」の2つの意味があったのですね。と言うか、彼の今までの行動や言動・過去の回想を考えるに、なるほど、と納得出来る名前でもあります。

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そんな彼も今回はウザい過剰な愛情表現をしてルールーからあしらわれる様は相変わらずでしたが、暴走したジェロスがルールーを狙った攻撃を咄嗟に庇ったり、手作りカレーに感激したり(まあ、これは嬉しいよねえ)、相変わらずの親ばかっぷりを発揮していました。が、実の娘同然に思っているルールーに対してはむしろ当たり前の反応でもありますね。第40話で登場した謎の少女との関連性はますます気になりますが、どちらにせよ、彼は元々愛情深い良いお父さんだったようですね。この二人が幸せな関係を築けたのは本当に微笑ましいです。

 

ジェロスについて

慕っていた社長・プレジデントクライに冷たくあしらわれた事によって完全暴走。かつてジンジン・タクミを暴走怪物化させ、無差別時間停止テロを行った聖杯の力を飲み干す事によって猛オシマイダー化。

猛オシマイダーとしては、ちゃんと自我があった点や、無差別に時間停止能力をばらまくなど、なかなか強い部類に入るかと思います。

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彼女の原動力は度々言及されていた老いによる劣化への恐怖であり、クライの心が離れた事も経年劣化だと思い込んでいた節があります。

…これ、結構難しいテーマですよね。何をして劣化、というかによるのですが、それ自体が漠然とし過ぎている。身体能力? 容姿? ものの考え方等の柔軟性? ジェロスは容姿にこだわっている様な節がありましたが、結局のところクライにそっぽを向かれた事による言い訳っぽく感じました。何より、彼女は今までの行動を鑑みても、それに対する努力を怠っているのですよね。自身の落ち度をジンジン・タクミに擦り付けましたし、そもそもパップルを追い落とす際にも(あれがパップルの誤認かどうかはともかく)クライの力を借りており典型的な自身が何もしないタイプです。

こういう人物が自身の経年による劣化を嘆いてもねえ…

そして、何より今回感じたのは、よく若い人が目上をジジババ扱いする事がありますが、それに対する警鐘です。別に目上の言うことは何でも聞けとか、無条件で尊敬しろ、とか上から目線で言うつもりは更々ありません。と言うより、自分は天邪鬼ですからむしろそういう意見には反骨心をむき出すタイプです。

ですが、最近経年劣化を馬鹿にする人間が多い事には正直辟易してもいます。自分の若い頃はどうだったんだ、と言われるかもしれませんが、実は自分は若い頃からそういう感情は全然なかったです。だって、自分だっていずれ年取っちゃうんですから。まあ、今の若い子も冗談で言ったり感情的に喚いているだけ、と信じたいんですがねえ…

話を戻すと、異変を嗅ぎつけたジンジン・タクミが戦闘に乱入した事によって、攻めあぐねていたはぐプリチームも一旦仕切り直すことになるのですが、この二人は何だかんだでジェロスを未だに慕っているのですね。

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猛オシマイダー化したジェロスを説得するのですが、回想シーンではジェロス下積み時代から三人で共同生活している場面が描かれ、これからもどれだけ時間が過ぎようと三人で一緒にやっていこうとまで言ってのけました。おいおい、これ凄い告白シーンなんだけど…*1

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二人の意外な告白に心打たれ、更に昔の事を思い出すと同時に、自分を本当に支えてくれる存在に涙したジェロスにプリキュアの浄化技が炸裂*2、事なきを得ましたが、最後には売れ残りのクリスマスケーキを持ってきたジンジン・タクミと三人仲良くいずこかへと去っていくという形でフェードアウトしたため、これにて彼女も退場ですかね。自身を支えてくれる本当に大切な存在に気が付く、という流れは先回のアンリ回との共通性がありますね…

 

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引きの場面では、今話の途中でプレジデントクライが描いていた爽やかな草原の絵を、はなの事を夢想しながらわざわざ白く塗りつぶす、という不気味なシーンで幕となりましたが…

 

次回はいよいよ最終決戦の前哨戦と言った所でしょうか。というか、今年最後の放送だったんですね、今回。幹部側にもまだリストル・ビシンが残っていますし、どうなる事やら。

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しかし、予告の最後に花嫁姿のはなが映し出されたり、今までの行動・言及からプレジデント・クライは歴代でもかなりヤバいラスボスになりそうですね。何ていうのか…サイコパスというか、やっている事・タイプは全然違いますが、なんかジョジョの奇妙な冒険第4部の吉良吉影のような不気味さがあります。

 

今週のはぐプリの個人的見どころ!

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しかし、回想シーンでの「国のトップを狙う」発言には驚かされたが、知ってるか、その場合君の前には相田マナという絶望的な壁が立ち塞がるんだゾ…(;゚Д゚)

 

 

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

*1:ただ声がねえ…

*2:こう書くと鬼畜っぽいな(笑) 

【アニメ】HUGっと!プリキュア第44話「夢と決断の旅へ!さあやの大冒険!」感想

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お、このあとすぐからいきなりさあやvsらんぜ戦争勃発!

 

さて、今回はさあやの最終エピソードと言った感じでしたね。ここしばらく男性プリキュアやほまれ大失恋など色々な意味で濃いエピソードが続いたため、今回はそれに比べると若干大人しめな内容となりました。別な言い方をするならば無難なまとめ方だったと言えますね。

 

話の流れとしては、ファンタジー世界を舞台にした姫と姫騎士の物語の映画に、ついに親子共演を果たす事になったさあやとれいら。

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しかし、撮影直前になって先回のハリー過去回想回の様に、突如主要人物が映画台本のVR世界に閉じ込められます。ルールーの解析により台本に準えた演技をして行けばいずれ脱出できることは分かったのですが、その演技の最中さあやは演技に身が入っていない事をれいらはおろか一緒に事態に巻き込まれていた蘭世にまで指摘されてしまいます。

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さあやは実は進路を女優か医師かで真剣に悩んでおり、その迷いが演技にも出ていたのですが、やはりこの事態に巻き込まれていた女医・マキ先生の体験談やダイガンの言葉に後押しされて、医師への道を進むことを決意。この映画を最後に芸能界から引退する事をれいらに告げます。

進むべき道を見つけたさあやを祝福するれいらなのですが、やはり女優への道を断つことが惜しいという気持ちがあったのか、このVR空間の仕掛人であるリストルの甘言によって猛オシマイダー化。はぐたんを赤ん坊の頃のさあやと誤認して自らの体内に取り込んでしまい…というものです。

 

今回はさあやの内面にスポットが当たりましたが、非常に彼女らしい選択をした、というのが個人的な感想です。

プリキュアシリーズで将来の夢をテーマにするのはままある展開ですが、今回のさあやはゴプリのきららとみなみをミックスした様な感じでしたね。

さあやは母親であるれいらに憧れて芸能界に入った訳ですが、今作の途中で医師の体験学習をする事により医師の道の素晴らしさにも気が付いてしまいます。そこからの葛藤は残念ながらあまり描かれませんでしたが、今回で演技と言う形で一気に噴出した格好になりましたね。

尤も、少々辛辣な物言いをすると、さあやは演技の才能がある事が度々言及されてはいますが、女優業が主要なエピソードになると(主にれいらに)叱責される場面が思いの外多く、また生来の優しい性格もあってあまり女優に向いていない気がします。反面、一つの事に集中すると口調が変わるほどの負けず嫌いである点や、先回でマキ先生が褒めた他人をケアできる能力、意外と物怖じしない性質など、何気に医師としての素養は高いのですよね。

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逆に今回意外な活躍をした蘭世ですが、彼女は気が強い事が強調されており、またどんな役(それが意に沿わないものであっても)でもこなす器用さもあって、大化けする可能性が高そうですよね。そう言えばこれは偶然でしょうが、れいらは蘭世と度々共演している事になる訳ですが、彼女が蘭世に何かを言っているシーンはないんですよね。そこまで描かれていない、と言われてしまえばそこまでですが、案外れいらは蘭世を評価しているのかな、と思わせる所もありますね。*1

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しかし、蘭世はやはりいいキャラクターでしたね。今回は女優引退を宣言したさあやに激しく食い下がったり、彼女の決意が固いとみるや憎まれ口を叩きながらもそれを応援したり、実は情け深いいい娘でした。さあやをライバル視していたのも、以前共演したCMでのトラウマだけではなく、ちゃんとさあやの事を見た上で実力を認めていたからこそなんですよね。今回もれいらより先にさあやの演技の不甲斐なさを糾弾しており、実はライバル関係がしっかりと築かれていた事が強調されました。

上でも書いた通り、今回のさあやのエピソードはゴプリのきららとみなみのミックスどころでした。きららとは母親への憧憬から仕事を始めたところは共通ですが、母親を超える道を目指した彼女とはここで違いが出ました。逆になんとなく家業を継ぐことが当たり前でそれに向けて励んでいたみなみとは入口が違う訳ですが、最終的に自分の道を見つけてそれに向かって進む入口に立ったところが彼女と共通しています。三者三様、非常に「らしい」道を歩んだと思いますが、今回はそれを取り巻く、れいら・マキ先生・蘭世・ダイガンという非常に良い脇役が揃っていたので、これらをもっと活かしてきらら・みなみの様に2話かけて描いてほしかった、というのは贅沢ですかね?

それに掛けてなのですが、今回も顕著でしたが、今作はたまに凄い拙速な展開になる時がありますね。

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今回の台本VR世界閉じ込めも唐突感が半端なかったですし*2、いくら今回のさあやのエピソードに必要性があったからと言って、れいら・マキ先生・蘭世・ダイガンが都合良く全員集合した挙句VR空間に閉じ込められるというのも流石に無理やりすぎです。

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一応、秘密であるはずのプリキュア化についても、猛オシマイダー化したれいらや元クライアス社のダイガンはともかく、マキ先生と蘭世の事を完全無視して変身してしまうなど、粗さが酷いです。

 

今回はれいらベースの猛オシマイダーが出現しましたが、戦闘はほとんどなしで、むしろさあやが母親の元に向かうためシンクロダイブする事がメインとなりました。流石に徹底的に打ちひしがれたパップルを説得するためにシンクロダイブしたえみルルコンビほど深くは描かれませんでしたが、ここのれいらの描き方は秀逸でしたね。

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猛オシマイダー自体が涙を流している様なデザインというのも胸に来ましたが、心の中ではさあやが新しい道を見つけた事を嬉しく思いつつも、彼女の才能を惜しむ心もある、しかもそれは実の娘…という実に複雑な心境をよく表していました。過去作品ではゴプリのみなみやプリアラのあおいが将来の夢を親が(しかもあっさりと)承認してくれる、という場面がありましたが、あれは両エピソードとも娘がまだ自分の道を見つけていない、と親自身が考えていたからこそ成立する訳で、ここまで複雑な事情のれいらが猛オシマイダー化した事は到底非難できません。というより、あれであっさり認める様なら逆に人間味のなさを感じてしまいます。

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そんな中、シンクロダイブしてきたさあやに強い意志を以て、母親への憧れを断ち切って医師の道を進む、と宣言されたからこそ、最後は誤認していたはぐたんを手放し浄化を受け入れたのですよね。あのはぐたんを手放すシーンはれいらの子離れも象徴していたのかな、と漠然と感じました。

 

思いの丈を伝えて、これからは心機一転医師の道を志すことになったさあやでしたが、次はいよいよはなの最終エピソードですかね、と思っていたら…

はぐたんがサンタさんを召喚。次回はクリスマス回となるのでしょうが…

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なんか今までの主要メンバーほとんど出てくるんか? …こら、さあや、そういうものに興味津々になるんじゃあないッ!

 

今週のはぐプリの個人的見どころ!

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蘭世ちゃんを魔王に操られた市民扱いするさあやマジ鬼畜ぅ

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

 

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*1:ただ、れいらは娘のさあやだからこそ厳しい事を言っているだけ、という可能性はある。2世の辛さを過去回でも明言しているし、元々他人の事に口出しするようなタイプにも見えない。

*2:一応リストルの仕業である事は見せていたが、何故ピンポイントにこんな場面を狙ったのかがわからない。

【アニメ】HUGっと!プリキュア第43話「輝く星の恋心。ほまれのスタート。」感想

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カップル…くぉのバカップルめええぇぇぇ!(僻み)

 

と思ったら、まさかの大失恋の話でした(壮絶なネタバレ)。まさかここまでやるとはなあ…

 

話の流れとしては、大きな大会を控えたほまれでしたが、彼女のハリーに対する恋心は最早スケートの出来に影響するほど重症化しており、さあやをはじめとした他のはぐプリメンバーに心配されるほどとなっていました。

もちろん、ほまれもアンリからの叱咤もありその自覚はあったのですが、大会日の出番直前、他のはぐプリメンバーの手引きによってハリーに直接気持ちを伝える事になる…というものです。

 

しかし、今回は本当に驚きましたねえ。先週の男性プリキュア誕生も驚きましたが、個人的には今回の方が全然インパクトありました。

 

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上でも書きましたが、ほまれは今回堂々とハリーに告白しました。そしてものの見事に完全玉砕しました。

 

こう書くとだから何? の世界ですが、よく考えてみるとシリーズでも初の試みだったんじゃないでしょうか。

確かに女子中学生という多感な年ごろの女の子がメインキャラのプリキュアシリーズですから今までも幾度となく恋愛に絡む話はありました。5GOGOののぞみとココをはじめ、全体的に恋愛そのものをテーマの一つにしたハピチャ、ゴプリのはるかとカナタなど、枚挙にいとまがないほどです。

しかし、どの恋愛要素も話の終盤になるにしたがって忘れ去られたり(これはスイートの奏と王子先輩が代表例だろうか)、結局はっきりしないまま終わったり、または単純に成就して終わったり、とよく言えばハッピーエンドや希望を残した形で、悪く言えば有耶無耶になって終わるものが殆どでした。

今回、ほまれの母親も言っていましたが、恋愛と言うものは必ずしも上手くいくものではありません。ある意味成功の象徴であるヒロインの大失恋を描いたのは凄い勇気だったと思います。

ほまれは元々芯の強い娘ですし、これを糧にしてスケートの道に邁進するのでしょうが、こう考えるとオシマイダー化体験者且つケガからの復帰を果たしたスポーツ選手と言う意志の強さを今まででたっぷり演出できたのは非常に良かったと思います。ここまで描いたからこそ、ハリーに振られた直後に輝くほどの演技が出来たのも納得できるのですよね。

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しかし、その振った方のハリーなのですが、やはり心はキュアトゥモローに傾いているのですね。それはそれでいいのですが、そうなると彼女はどこかで再登場してもう少しどういう人物なのか描いてほしいかな、という欲求は産まれました。はぐたんの今までの行動や、先回の回想編ではやはり不十分だと感じます。ほまれを振ってまでハリーが選ぶ人物なのですから。

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そう言えば、ちょっと気になったのが今回久しぶりに登場したほまれの母親です。今回はハリーとの恋に悩むほまれを諭す役として登場しました。シングルマザー、離婚歴ありというのは過去回で名言されていましたが、今回は父親の事に言及しており、その際結婚した後も辛いこともあった、と言っているのですよね(後悔はしていない、というニュアンスの事も言っていたが)。どうもその様子から父親とは死別した感じではなかったですし、これはひょっとして…と思わせる表現でした。たまに(悪い言い方をすると)言葉尻を捕まえると「え…!?」と思わせるのがはぐプリの面白い所でもありますね。

 

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あとはぽつぽつと、例えばアンリは車いすに乗りながらほまれを叱咤しており、これは指導者としての道を進む暗示かなあ、とか、振られた後のほまれを優しく抱きしめるはなさんマジ天使、とか色々見どころはありましたが、なんかほまれの大失恋の前には何となく霞んで見えたというか…返す返すもよくこのシナリオの領域に踏み込む決心がついたなあ…としか。正直、脱帽しました。

戦闘シーンは最早おまけレベルのチープなものでしたが、振られた直後のキュアエトワールに嘲笑を浴びせたビシンに「一生懸命やった者を笑う資格はテメエにはねえよ、あんまふざけた事ばっか言ってるとぶち〇すぞ(意訳)」と啖呵を切ったキュアエールさん、マジイケメン…実際、ビシンは敵側陣営の場面で「ハリーさえ側にいてくれれば状況は問わない」みたいな完全に狂気の世界に入り込んでいるシーンが挿入されており、完全に思考を停止した状態で、結果はどうあれ能動的に動いたほまれとは対称的に描かれていましたね。

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そう言えば、今回の戦闘で完全ホールドされたキュアエトワールが他メンバーの応援やキュアエールの啖呵をばねに無理矢理こじ開けるシーンがありましたが、正直「力」プリキュアっぽいのを見せた初めてのシーンかもしれません( ´艸`)今何話だと思ってんねん(笑)。

 

最後はほまれが大会で優勝するというハッピーエンドとなりましたが、これで吹っ切れたのかな? 新しい恋を見つけるのか、ハリーの事を引きづるのかまでは分かりませんが、どうにもドライには徹しきれない雰囲気もありますし、そういう事が解りにくい、複雑な心情を持っているキャラクター性が彼女の魅力なのかもしれませんね。

 

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引きでは、さあやが過去回で夢の一つとして語った母親との共演が早くも実現する、みたいな場面が挿入されて幕となりましたが…

 

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次回予告だと…大丈夫か、これ?( ´艸`)

 

今週のはぐプリの個人的見どころ!

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おイモ食いながら恋を語る女、パップル

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

 

【アニメ】HUGっと!プリキュア第42話「エールの交換!これが私の応援だ!!」感想

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「~なのでありますか!」口調連発のはなさん、元自衛隊の昔の友人を思い出す…

 

さて、今回は色々問題回でしたね…なんとなく制作側の趣味が滲み出た感じがしなくもなかったですが、正直ここまでやるならもう少し考えてほしかった…というのが素直な感想です。おいおい後述しましょう。

 

話の流れとしては、先回から匂わされていたアンリの足のケガですが、彼自身はもう限界だと感じており、直近で行われるジュニアスケート大会を最後にしたいとほまれに告白します。

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明らかに様子が変わったアンリをほまれが心配する中、不幸は重なるもので彼は大会当日(これは日にちが前後していた可能性もあるが、表現的には当日にしか思えなかった)交通事故に遭い、元々痛めていた足に重傷を負ってしまいます。

最後と心に決めた大会への出場も閉ざされ打ちひしがれているアンリの前に、プレジデント・クライに再洗脳されたリストルが現れ再びクライアス社へのスカウトを行う…というものです。

 

さて、今回は濃厚なアンリ回でした。そして、彼の救済にはなの「他人を応援する力」が最大限に発揮される、というのがコンセプトでした。

まずはアンリから語りましょうか。

基本的にサブキャラでありながら、はぐプリのテーマの一つであるLGBTに関わっていたり、ほまれやはな、更にはえみるの兄である正人との関わりが深かったり、よく言えば破格の扱い、ちょっと穿った見方をすると製作者側肝入りのキャラクターと言えます。

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そして、今回は先週の予告でアンリが闇堕ちするのでは? という予想が為されましたが、ご丁寧にOPにまでアンリがクライアス陣営にいる様な表現が追加され、まさかの敵幹部化か!? と思われました。…が、これは完全にフェイクでしたね。*1

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ただねえ…今回のOPの演出もそうなんですが、ちょっとインパクトを与えてからの煙の巻き方が鼻につきますよ。過去回で性同一性障害とスケーターとしての自身の在り方に悩んでいる様に見せていながら、実は(「自分に時間がない」と言った理由が)足にケガを負っていたからだったり、何というか…どうにも煮え切らないんですよね。

そして今回最大の衝撃、恐らくゲスト扱い(キュアペコリンなど)にはなるでしょうが、とうとう正式な男性プリキュアが誕生してしまいました。ギャグ(原西やアニメ店長)や近しい存在(ジュリオ)の男性プリキュアもどきは存在しましたが、今回のアンリ=キュアアンフィニ変身は流石にやり過ぎ感が半端なかったです。

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確かにアンリはサブキャラとしては破格の扱いを受けています。しかし、プリキュアの有資格者となれるほど深く描かれていたかと言うと、正直言うと、うーん…です。今回は意外な脆さを露呈はしましたが、過去の登場回で悟ったような澄ました態度に終始していたのも印象は良くなかったですね。今作で度々語られる「誰でもプリキュアになれる」のテーマに沿っての演出なのかもしれませんが、はっきり言うと、プリキュアになる、と言う事はそんなに軽くないですよ。男性プリキュアを描きたいのであれば前作プリアラのジュリオクラスの描き方をしなければ到底納得は出来ません。

彼の扱われ方から考えるに、このキュアアンフィニ登場=プリキュア初の男性プリキュア登場は初期から考えられていた既定路線だったと予想できますが、それならば出番をもっと増やすなり、声優さんを彼の見た目に合わせたもっと中性的な人を当ててみたり、それなりの工夫が必要だったと感じます。

上で例に挙げたジュリオなどは

敵幹部として登場→相次ぐ失敗に加え、ゆかりに一方的に頭脳戦で敗れ→強い力を求め暴走→更に姉のシエル登場→彼女へのコンプレックス、そして和解→プリアラ陣営に加わる→更に改心した後も過去の罪に苛まされる

ここまでの段階を踏んでおり、このクラスの扱いをしなければ男性プリキュアなどその場限りだったとしても出すべきではなかったでしょう。しかもジュリオは似た力を行使したものの正式にプリキュアは名乗っていません。

ここまで書いておいてお分かりかもしれませんが、決して男性プリキュア登場そのものを否定している訳ではないのです。ただ、やるのであればそんな簡単な話じゃなかったんじゃないの? と言う事ですね。まして、アンリは上でも書いた通り今までのLGBTがらみのネタフリ、主要人物との接点が多い点、更にクライアス社に目を付けられたほどのダークさも持ち合わせていた点など、色んな意味でネタの宝庫だったでしょうに。残念ながらアンリ=キュアアンフィニは登場させるほどの段階までには達していなかった…というのが自分なりの感想ですね。

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ただし、今話はアンリの成長物語としては非常に良かったですね。彼は元々他人には頼らない孤高の性格でしたが、今回の件でプリキュア、特にはなが気にかけてくれたことの大切さ、彼を支えてくれていた正人の献身、そして自身のスケートの本質=ファンからの声援を糧にしていた事、全てに気が付くことが出来ました。

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何より、今までは自身の夢をプリキュア(というよりははぐプリチーム)に託していた節があった彼が、最後には自分の道を自身で見つけるくだりは名場面と言ってもいいと思います。その集大成がプリキュア化であった、と。トゲパワワが最大になりリストルの手によってオシマイダーのベースになった際にも、本人の意識はしっかりしており、猛オシマイダーを操る場面も見られてたので、元々の精神力は高かったのでしょう。

最後は自分なりの道を模索する、という事をはな達に告げましたが、ケガを克服して選手として復帰するのか、引退してアイスショーの道に進むのか、はたまた指導者としての勉強に入るのか…猛オシマイダーが浄化された後、リストルは「ひと時の夢に溺れれば残るのは現実だけ」と呟きましたが、今のアンリならばもう大丈夫そうですね。社長の強制洗脳とかなければ…ただ、このリストルの台詞は結構深いよなあ…

 

今回は完全にアンリに持っていかれた回でしたが、少しはなについても触れておきましょう。はなは元々他人をあけすけに応援できる非常に心根が優しい娘ですが、今回のアンリへの説得は彼女の能力が最大限に発揮されましたね。

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特に感心したのは、彼女は決してアンリに同情の念を見せなかった事です。正人の様に「(事故を)自分が変わってやりたかった」という深情けもいいのでしょうが、そういうのは重荷にしかならない人物は実際にいます。アンリももろにそのタイプで、作中でも「下手な同情は嫌いだ」とはっきり明言しました。

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しかし、リストルの誘導により負の感情に捉われ、猛オシマイダーを暴れさせているアンリにはなが贈ったのはひたむきな応援でした。彼女自身も「貴方の苦しみは全ては分からない」と言っていましたが、結局自身の問題を解決するのは自分だけである、と。しかし分からないなら分からないなりに懊悩する人物に手を差し伸べる、その究極の形が彼女にとっては応援なのでしょうね。人の心は他人には簡単に推し量れないものです。多くの干渉はせず、しかし最大限の声援を送る。彼女は過去に辛い目に遭った分、少し大人なのかもしれませんね。

 

 

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来週は…いよいよほまれとハリーの件に決着が付くのでしょうか? この件についてはビシンとキュアトゥモローが絡むなかなか厄介な問題でもあります。時間をかけて描いてほしい所なのですが…残りの時間を考えるとちょっと厳しいのかな。尻すぼみにならなければ良いのですが。

 

今週のはぐプリの個人的見どころ!

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分からない事があったらすぐ端末で調べる。うちの母親が真っ先に習得すべき能力であるッ! (´;ω;`)

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

 

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*1:ただし、今回追加されたクライアス陣営メンバーはアンリを除いて全員プリキュアに浄化され済みのメンバーだったのよね。だからアンリも一旦トゲパワワに染まるが浄化されるのかな? とも感じた。そう考えると、リストル再洗脳は伏線かもねえ…

【アニメ】HUGっと!プリキュア第41話「えみるの夢、ソウルがシャウトするのです!」感想

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プリキュアシリーズはたまに少年漫画ばりのノリを画面で醸し出す癖があるよね…

 

さて、今回は…ある程度予想はしていましたが重い回になりましたね。

 

話の流れとしては、はぐたん・ハリハムハリー・ルールーの未来からやってきたメンバー(以降未来組と呼称)が正式にクライアス社を倒した後に未来に帰る事を宣言したのですが、それにショックを受けたえみるが精神的に参ってしまい、声が出せなくなってしまいます。

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兄の助言などもあり、思いのたけをルールーにぶつける事で声が出なくなる症状は改善はするのですが、そこにえみるの祖父をベースにした猛オシマイダーをビシンが召喚して…というものです。

 

まず、最初に疑問に思ったのが、未来組の未来への帰還そのものについてです。作品序盤で語られていますが、ハリハムハリーの本来の目的は未来世界を救うため過去の世界(今の世界)でクライアス社を滅ぼすことにあります。まあ、もっとも先週で過去に来たこと自体が偶然と言うか作為的な行動ではなかった事が判明してしまいましたが…

しかし、未来組はクライアス社の野望を止めてから未来に帰還する事を宣言しています。クライアス社を倒すイコール未来の世界はクライアス社そのものがない世界になる訳ですから、そもそもプリキュアとして戦う必要性がありません。つまり元々未来の世界の住人であるはぐたんやハリーはともかく、未来産まれとは言え感情を今の世界で得て生まれ変わったルールーは帰る意味をあまり見出せないのです。しかも割り切った考え方をするなら、ルールーはアンドロイドですから悠久の時を生きて未来に帰還する事も可能です。*1今話の後半で未来の世界には歌がないのでそれを伝えにいきたい旨をルールーは言っていましたが、クライアス社がなくなれば歌のない絶望世界そのものがなかったことになる可能性があります。

もう一つの可能性はクライアス社がなくなった世界と未来組がいたクライアス社が存在する世界が別々のパラレルワールドになる場合です。ドラゴンボールのトランクスのエピソードや古くはドラえもん映画「魔界大冒険」で扱われたネタですが、今の段階では未来世界のプリキュアの救出の事なども含めて、こちらの世界観の方が有力でしょうか。ただ、今話でルールーがえみるを説得する際に「私は未来に一足先に行っていますから未来で会いましょう」という旨の発言をしていたので、これでパラレル有りはちょっと無理がある気もします。

最初の方でこの作品にタイムパラドクスが絡むと予想できた際、捌き切れるかどうか非常に不安視した事を思い出しますが、残り8話(or9話?)で納得いく回答が得られるかは非常に不安です。ただ、最終回(正確には最後は引き継ぎ回だろうから1回前の回)は別れの話になりそうですね…

 

そして今回は濃厚なえみルル回でもありました。ルールーが帰る事にえみるがショックを受けて心を閉ざしてしまうのですが、その時のえみるが猫型の変顔に終始していたのでギャグチックに描かれていましたが実際はかなりの重症であり、途中で声がそのものが出せなくなった挙句、その事が原因でミライクリスタルが消滅してしまう、という事態に発展しました。

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興味深かったのはそれと同時にルールーのミライクリスタルも消滅してしてしまった事です。正直、今回の話にルールー自体に落ち度がありません。しかしそれが故にえみルルコンビは一心同体である事も強調されましたね。更に途中でビシンが呼び出した猛オシマイダーから逃げ回っており、変身できなかったのは一目瞭然です。やはり彼女らは二人が揃わないと(そしてミライクリスタルが揃わないと)変身出来ないのでしょう。

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そうなると、ルールーが少なくともプリキュアとして単独で未来へ帰還するのは意味がないのでは?」と一瞬思いましたが、今回のえみるへの「未来で待っています」という優しげながら強い意志を見せたのは良かったですね。実際、えみるが「帰ってほしくない」と素直な心情を吐露し、ルールーが上記の意志を伝えてえみるがお互い離れていようと親友である事を確信した際にミライクリスタルが復活した訳ですし、何よりその心があれば単独でも変身可能なのではないか、と思わせる演出は素晴らしかったです。

今まではえみるの方がお姉ちゃんぽいなあ、と思っていましたが、今話はルールーがお姉ちゃん的に振る舞いましたね。そしてえみるは年相応の感情が見せてくれた訳で掘り下げ回としては申し分なかったと思います。

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そして、最後に評価したいのが終盤に猛オシマイダーを退けた後にメンバー全員で泣きはらすシーンでした。これはスマイルプリキュアのれいか留学回や最終回のオマージュだと思われますが、えみるを元気づけようと河童の着ぐるみを着たはなや二人羽織を披露しようとするさあや・ほまれも考えてみるとえみる並みに変な行動をしている訳で、結局未来組帰還にショックを受けておかしくなっていたのはえみるだけではなかった、というのが伏線になって最後の泣きはらすシーンに繋がったのは上手だなあ、と感心しました。ただ、ほまれは…どうするんだろうねえ、ホント。

 

次第に着地点が見え始めたはぐプリですが、最終回付近の涙腺崩壊が今から危惧されます( ´艸`)同時に総括の方針も徐々に固まってもきました。あと2か月、どういう物語を紡ぐのか今から楽しみでもありますね。

 

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次回は、とうとうアンリにクライアス社の魔の手が伸びるようですが、予告を見た感じだとほまれというよりははなが一枚噛んできそうですね。ミライブレスに変化がある様なニュアンスもありましたし、なかなか目が離せませんね。

 

今週のはぐプリの個人的見どころ!

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えみるの猫変顔はどう考えてもパンデミックレベル!(,ΦДΦ)

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

 

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*1:クロノトリガーにこんな話がありましたね。

【アニメ】HUGっと!プリキュア第40話「ルールーのパパ!?アムール、それは…」感想

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そう言えば、ルールーがまだ敵だった頃、随分なセンスの飛行物体に乗っていたけど、あれって多分トラウムの影響だよね( ´艸`)

 

さて、今回は先週のやけにバタバタしていた回を補完しつつ、一気に設定を暴露する回となりました。ドクタートラウムがクライアス社の内情を、そしてハリハムハリーがはぐたんの事を交えつつその補足をする形です。まずは箇条書きして整理してみましょう。

  • 先週の未来の世界に皆を飛ばしたのはドクタートラウムの仕業。未来での出来事を見せたかったようだ。
  • トゲパワワを散布し未来を奪い時間を停止させることを社是とするクライアス社、未来の世界ではそのクライアス社の前に4人のプリキュアが立ちはだかった。その中の一人にキュアトゥモローがおり、彼女はリーダー的存在だった様だ。
  • キュアトゥモローは未来を司る女神マザーの力を最も濃く引き継いだ存在である。
  • キュアトゥモローは改造され暴走していたハリハムハリーを鎮めるものの、クライアス社に追いつめられてしまう。しかし、今度はハリハムハリーの手引きにより脱出。しかし、追手は執拗に迫りキュアトゥモローはマザーの力を最大限に解き放つ。
  • 結果、ハリハムハリーとキュアトゥモローは過去の今の世界にワープし、彼女は力を使い果たしたのか赤ん坊の姿に戻ってはぐたんとなった。

ある程度察しは付いていましたが、やはりはぐたんはプリキュアでしたか。個人的にはマザーそのものという線を考えていましたが、どちらかと言うとまほプリのはーちゃん(マザーラパーパの力を引き継いだ存在)に近いという印象を受けました。実際、過去回には赤ん坊状態にもかかわらず初代を召喚したり、今回の回想でも暴走ハリーを触れただけで正気に戻す&本来の小さな姿に戻す(ついでに封印の鎖もその時に生成されている)など、他のはぐプリメンバーとは一線を画す力を持っていますね。

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話の流れとしては、ドクタートラウムとハリハムハリーの解説が一通り終わった所で、自分を父親だと名乗ったトラウムに対してルールーは軽い錯乱状態に陥ってしまいます。はなの協力で何とか落ち着いたものの、ドクタートラウムときちんと向き合って対話する事でお互いの思いが交錯し…というものでした。

 

はぐたん=キュアトゥモローや未来の戦士について

さて、今回ははぐたん=キュアトゥモローであると同時に、そのプリキュア達の神にあたるマザーの存在が明示化されました。そして、プリキュアが未来の世界にもいた事も示唆されました。この事は作中序盤でもシルエットの形で暗示はされていましたね。

最初観た時はキュアトゥモローは別枠で、残りの4人がいたのかな? と感じました。どういう理屈でか分かりませんがルールーを除いたはぐプリメンバーがその4人として存在しているのではないか、とも考えました。

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が、シルエットの一人はどう見てもキュアトゥモローである点、キュアマシェリはキュアアムールがいないと変身できない可能性がある点、更にEDテーマでのスタッフロールの「未来の戦士」が3人+声優がはぐプリメンバーとは別の人間が当てられていた点を考慮すると、少なくとも今の段階では別人だと思われます。*1

何にせよ、残りの未来プリキュアの安否は気になりますね。キュアトゥモローも彼女らを見捨ててまで過去の世界に飛んできたようなニュアンスで描かれており、このままフェードアウトとは考えにくい存在です。

そして、はぐたん=キュアトゥモローである事実を知って密かに様々な感情がないまぜになっていそうなのがほまれです。今話でも2回ほどはぐたんとハリーの関係性を見てアンニュイな表情をし、さあやが心配そうに見つめているシーンがありました。

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ほまれはただでさえはぐたんを溺愛していた訳ですから、そりゃ胸中複雑でしょうね…先回のビシンとの対決回でもある程度ハリーへの想いをさらけ出してしまっている訳ですし、ここら辺はどう解決するのかはちょっと興味深いです。ただ、今回の引きの場面でも言われていましたが、はぐたん、延いてはハリーもいずれは自分たちの世界=未来に帰らなくてはならない訳で、これはハリーの動向にも注目でしょうか。正直、こんなドロドロ話に発展するとは思わなかったよ…

今後、キュアトゥモローが出るにしても追加戦士というよりはあくまでもゲスト枠(ルミエルやキュアエンプレスが立ち位置としては近いか)として扱われるのでしょうが、彼女が物語に於いて終盤とは言えどの程度のウェイトを占めるのかは作品全体の出来に影響しそうですね。

 

ルールーとドクタートラウムについて

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とりあえず、たこ焼きヤケ食いはやめて(笑)。

上では冗談めかして書きましたが、この二人は親子っぽさが出ていていい演出でしたね。

ルールーはまずドクタートラウムに自分が欠陥品だから捨てられたのではないかというトラウマ、そして、それなら何故自分に感情を解する程の高度なAIを搭載されたのか、という疑問がごたまぜになり、彼にキツイ態度で接してしまいました。

それでも中盤にトラウムが彼女の疑問に対して人間とはそういう矛盾した生き物なのだ、と優し気に語り掛けた点や終盤でジェロスの呼び出した猛オシマイダーに痛打を食らわされそうになった時に彼が庇ってくれたことに態度を軟化させました。

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ラウムの名付けてくれたアムール=愛を受け入れてこれからも生きていこうと決意するシーンは本当に良かったです。

逆にドクタートラウムの事情は全ては分からずじまいでした。当初は自分の理想のアンドロイドが出来たと喜んだものの、どうにも暴走しがちな彼女に正面から向き合えなくなった様ですが、そこに彼女を受け入れてくれたプリキュアに対する嫉妬感などが合わさってどうにも複雑な感情を抱いていた様です。

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ところが彼女の過去を思い出す場面で一瞬だけ謎の少女が映りました。これが何なのかは分からずじまいでしたが、あえて想像するならやはり自分の娘かねえ…そしてルールーのモデルになったと邪推してしまいます。それならば、ルールーに愛を冠するアムールの名を与えた事や、悪い言い方をすると機械人形のアンドロイドに対して非常な情を移していた描写も概ね合点出来ます。*2

一回はルールーと向き合えなくなったトラウマ、彼女を受け入れたプリキュア達への嫉妬、そして彼女に対する思い入れ。幹部時代は愛ゆえに大きく狂っていたキャラクターとも言え、それならば先回のオールスター回でのパワフルさや、強力な力によって完全浄化されたのも納得です。逆から言えばオールスター回での敵役は(少なくともレギュラー放送としては)彼でなくては務まらなかったとも言えますね。

 

上でも書いた様に引きでは、最終的には未来から来た人間は元居た世界に戻さなくてはならない*3、という流れとなりましたが、それにははぐたん=キュアトゥモロー、ハリハムハリーに加えルールーも含まれるわけで…えみるがその事に気が付いて絶叫するという所で幕となりましたが、次回は

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なんかえみるが壊れてるぅぅぅぅぅ!?

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恐らくはルールーが未来へ帰還する事を受け入れる様な流れになるのでしょうが、何しろ彼女は小学生です。どういう流れで彼女が納得するのか、それとも駄々をこねるのか、それとも精神的に追い詰められてしまうのか、そしてルールーは何を思うのか…予告画面ではギャグっぽい場面が散見されましたが、しんみりした回になりそうですね。

 

今週のはぐプリの個人的見どころ!

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最後のルールー・トラウムの和解場面「まずは一緒にご飯を食べませんか」

非常にいい場面だったんだけど仮に語尾に「貴方のおごりで」という単語をくっつけるだけで一気に戦慄の場面に早変わりするという艦これ赤城感(笑)

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

 

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*1:もう一つの可能性としてはえみルル二人がイレギュラーであって初期三人+キュアトゥモローの4人のシルエットだった路線が考えられる。

*2:ただ、この少女、あまりルールーに似ているとは思えなかった。どちらかと言うとラブ〇イブのキャラみたい…という印象。

*3:未来に戻る必要性はないのでは? という疑問があるが、やはり未来の人間が過去に長時間いる事による齟齬、未来に置いてきた他のプリキュア達の事、何よりクライアス社を今の世界で倒す事により時間が動きだし元に戻った未来世界が待っているだろう点を考慮すると帰らざるを得ないだろう。ルールーも元々は時間停止後の世界を管理するように作られている以上、そのフォーマットはあくまでも未来世界のものである。

【アニメ】HUGっと!プリキュア第39話「明日のために…!みんなでトゥモロー!」感想

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お、このあとすぐでトラウム生存確認、っと。

 

さて、今回は何というか…ハリハムハリーの事も含めて敵側にスポットが当たった回でした。後半ではここ最近ちょくちょく出てきたハリーの思い人?らしき人物が顔見せ登場し、否が応にもストーリーが佳境に入ってきた感が強くなってきましたね。

 

話の流れとしては、いつもの様にビューティーハリーでたむろしていたはぐプリチームでしたが、何の前触れもなく突如電脳空間? に飛ばされます。飛ばされた先は未来の世界に於いてネズミ形態のハリーが過ごしていた通称ハリハリ地区。

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かつての同胞たちと再会するのもつかの間、それはリストルの罠であり、ハリーはそこで起こった過去の悲劇をフィードバックさせられ精神ダメージを負い、更にプリキュアメンバーも未来を奪われたはぐくみ市を見せられ、そこを背景にバトルに突入するものの高い戦闘力を持つリストルに圧倒され…というものです。

 

今回はハリーの背景がかなり描かれましたね。未来の世界に於いてのハリハリ地区というのはドラえもんに出てくる空き地みたいな場所であり、地区と謳ってはいるものの実際はかなり小さな群れの事でした。ハリーはそこで長兄的な立場だったようで、下の者からかなり慕われている様な描写がありました。作中でも言っていましたが、だからはぐたんなどの面倒もある程度慣れているのですね。

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そして、上でも書いた様に彼の過去がフィードバックされるのですが、判明した点としては

  • クライアス社から勧誘が前々から来ていた。人間になれるという条件も付けて。
  • ビシンはどうも病身だったようで、人間になればそれも治る、と考えていたようだ。また医者が「ドクタートラウム」だという事も判明。

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  • 最初にクライアス側に行ったのはリストル(過去回でもビシンがその事を非難している)。
  • ハリハリ地区は最終的には業火に包まれ滅んだが、それがクライアス社の仕業なのかは不明。
  • その際にハリーははぐたん大人バージョンを逃がそうとしている。

どうにも全てが判明した訳ではないのですが、ハリーのクライアス社に対する激しい不信感から考慮しても、ハリハリ地区を焼いたのはクライアス社と考えるのが妥当でしょうか。いずれにしても、彼は故郷を喪ってしまった訳ですね。

故郷を焼いたことにリストルが関わったのか、それとも後半でハリーやはぐプリチームに対して言った「大きな力に小さな力を集めても無駄」という考えに至ったのかは、ちょっと良く分かりませんでした。今でこそ敵対している訳ですが、リストルもハリハリ地区には相当な思い入れがある描写がされていましたし、後者かと思いますが。

さて、そのリストルですが、今回は彼の心理描写や原動力に加え、戦闘でも高い能力を発揮するなど、かなり深く描かれました。

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最初はネズミ形態で格闘戦を始めて何事かと思いましたが、ハリーを吹っ飛ばす際には頂肘を使用したり、プリキュア達と対峙した際には棍を用いており、中国拳法系の技を駆使していてなかなかのカッコ良さです。オシマイダー発注もそれ系のいい動きでかっこいい。

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彼の原動力はどうも「ハリハリ地区でいつまでも平穏に暮らしたかったが、結局クライアス社という大きな力にはどうあがいても太刀打ち出来ない」事実に対して絶望した、というのがある様ですね。いやな言い方をすると長いものには巻かれる事を選択した訳です。

しかし、ハリハリ地区滅亡の責任をどうにもハリーのせいだと思っている節もあり、ここらへんはビシンとは立ち位置が違うのは面白かったですね。

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更に、今回のプリキュア達の新必殺技によって浄化されて正気に戻ったのか、今度はプレジデントクライに怒りの矛先を向けましたが、その直後に彼自身に眠らされており、ひょっとして洗脳も入っていたのかな? とも思われました。今後どうなるかは注目でしょうか。

 

そして、今回ははぐたんもかなり出張りました。

ハリーとサシの勝負をするべく、プリキュア達を無限空間に閉じ込めましたが、それを破るきっかけをタンバリンを叩く音で与えたり、更に絶望の未来を見せられたキュアエールがそれでも諦めずに啖呵を切った所で、最後のミライクリスタルであるホワイトを昇華させてミライクリスタル・マザーハートを生成し、更に新フォームへの変身を果たさせたり、彼女の真実が分かるのも間近でしょうか。

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そして、浄化技を放った直後、恐らくは成長後(というより本来の姿)のはぐたんと不思議な空間でキュアエールが邂逅したのも良い演出でした。そう言えば、キュアエール=はなはことはぐたんの事になると急激に激昂したりしますが、やっぱりなんかあるんでしょうかねえ。今回もはぐたんに魔の手を伸ばそうとしてリストルに対して間一髪助けに入ったキュアエールが「はぐたんを泣かせるな!」と半ば恫喝にすら聞こえる厳しい口調で睨みつけており、もうただならない関係性な気がしてなりません。普段きゃわたんと言いながら溺愛しているほまれやさあやがそこまでの剣幕を見せないのもより拍車をかけています。最近忘れがちですが、HUGっと!プリキュアのテーマにタイムリープが関連しているのはほぼ間違いないですし、ここら辺は色々推測できることが多いですね。*1

 

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ただ、今話は色々詰め込もうとしたのは分かるのですが、いきなり前触れなく電脳空間に閉じ込められたり、ネズミ一族の事情が一気に提示されたり、かと思えば未だに肝心なところはぼやかされていたり、ドクタートラウムが最後に登場したり、どうにもせわしない構成に終始した感が否めませんでした。正直なところを言わせてもらうと、オールスター回なんかやっている暇があったんですかね? というのが感想です。

 

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そして、次回はいよいよドクタートラウムとルールーを中心としたエピソードですか…今回の引きでも親子漫才みたいなことをしていました(パパだよーといきなり抱きつこうとしたトラウムをルールーがどついた( ´艸`))が、ここら辺も色々判明するかもしれませんね。私自身も感じた事ですが、ネット界隈でもルールーはトラウムの娘がモデルなのでは? という意見が散見されますし、どう扱うかは注目したいですね。

 

今週のはぐプリの個人的見どころ!

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上がったつもりが下がっている階段…ダメだ。どうしてもポルナレフテンプレ台詞が脳裏をよぎってしまう…

「そうかそうか、クライアス社の仲間になりたいという事だな、キュアエトワール」

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

 

 

*1:はな、はぐたん、そして今回出現したミライクリスタル「マザーハート」…本当に色々考えられる。

【アニメ】HUGっと!プリキュア第38話「幸せチャージ!ハッピーハロウィン!」感想

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有体に言ってプリキュア達の本拠地になっている町のハロウィン好きは異常だよね…

 

さて、今回は恒例のハロウィン回ですね。先回のオールスター回がとんでもない物量で攻めてきた事もあって息抜きの度合いが高かったですが、いくつか伏線ぽい場面も散見されました。ある意味4クール目始まりに相応しい内容だったですね。

 

話の流れとしては、ハロウィンに沸くはぐくみ町ではな達はぐプリチームは仮装ダンスパーティーに向けて準備をしているのですが、一方その頃露店を出店していたダイガンの元にリストルが特別室長の座を用意して復職を促しにやってきます。

一度はリストルの誘いを断るものの、露天での細かい作業に鬱憤が溜まってしまったダイガンは目の前で微量のトゲパワワを発生させた少女を元に猛オシマイダーを召喚、復職を図ろうしてハロウィンパーティーを滅茶苦茶にしそうになるのですが、その時はなが機転を利かせて…というものです。

 

今回ははな達プリキュアメンバーというよりは脇役にスポットが当たった回と言えましたね。

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まずはハリハムハリーなのですが、ハロウィンの事を知らない、という事で少なくともハリーのいた未来の世界に少なくとも仮装パーティーをする類のハロウィンは存在しないようです。

過去回でハリーは自分たちが未来の世界から来た、と断言していますが、同時に「自分達の世界では」という異世界めいた言い回しを度々使用するため、どうもハリーのいた世界がどういう所なのかは量りかねる部分があります。もっとも、次回予告で判明しましたが、次回はどうもハリーの世界に飛ばされる話の様なので、はぐたんはともかくハリーの秘密はだいぶ解明されそうな雰囲気ですね。

そして、ハロウィンにはしゃぐはな達や未来を夢見ている少女たちを見て終始アンニュイな表情を浮かべており、皆の前では無理に作り笑いをしているように見えたのが印象深かったです。最後の引きの場面ではなに自身の時間が止まっている、といったニュアンスの事を言ったり、はぐプリチーム5人の姿を見て以前のほまれ人魚姫回で登場したはぐたんの成長後? の姿を幻視したり、なかなか複雑な事情・感情を持っているキャラクターです。

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そう言えば、今シナリオの中盤ではぐプリメンバーがはぐたんに色々なコスプレをさせてむずかりそうになった時、はなが「はぐたんは何になりたいの」とあやすのですが、その際に「プリキュア」と答えており、これは今後の展開の暗喩っぽいなあ、と感じました。まあ、あのサークレットは怪しいとか言うレベルじゃないもんなあ…そう言えばこの時もハリーは「ん」と呻くなど微妙な仕草をしましたね。

 

そして、今回思いがけないスポットの当たり方をしたダイガンでしたが、ある意味クライアス社在籍時は実力を見せる前に倒されてしまったので、本当の実力は分からずじまいでしたが、少なくとも猛オシマイダーを呼び出す力はあったみたいですね。

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ただ、コミックリリーフの宿命か、はなの機転でハロウィンパーティーを滅茶苦茶にされる所をプリキュアショーに変えられた挙句、プリキュアの必殺技の餌食になり一切の反撃も許されぬままPCAで爆散浄化されるフルボッコという結末を迎えました。はぐプリチームの実力が上がったと考えるか、ダイガンはしょせんこの程度と考えるか、猛オシマイダーの素材が悪かったか(トゲパワワ発生の理由が靴擦れという小さなものだった(;・∀・))、判断は付きかねますが、PCAで猛オシマイダーごと巻き込まれていたので一緒にトゲパワワを浄化されたのか、毒の抜けた所にパップルに小突かれた程度で復帰できそうなので良かった良かった、と言った感じです。

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そう言えば、今回は決め技がPCAでしたが、前回使用したPAFYは55人のプリキュアの力を結集しなくては使えない(あくまでもオールスター回専用技)のか、恒常的に使用できる新技なのかちょっと今の段階では不明になりましたね。もっとも、専用アイテムで放つ技には違いないので後者だとは思いますが。

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個人的にはもう一回ダイガンの変なダンスが見られるとは思ってもみませんでした(苦笑)。

 

しかし、そうなるとリストルの行動がちょっと分かりませんねえ。ただ単に彼を利用した風にも取れましたが、一部始終を見ていたにも関わらず呆れた表情をした訳でもないですし、確か彼は過去にもダイガンについて酷い悪口を言ってなかったと記憶しています。

今回の復職についても「剛腕ダイガン」などと持ち上げており、実は結構リストル個人としては実力を買っていたのかもしれませんね。

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そして、かつてアンリにも渡していたクライアス社のリストル名刺ですが、どうもこれそのものが一種のトゲパワワ増幅アイテムっぽいですね。というよりはリストルの特殊能力かな? 今回のダイガンの凶行もこの名刺が媒介になったと考えられる要素がかなりあり(不気味にトゲパワワを産出する場面があった)、ダイガンはこの程度で済みましたが、このままではますますアンリが危険な感じがします。

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今回はダイガンにスポットが当たりましたが、流石にクライアス社も人材不足に陥っているんですかね? 考えてみるとジェロスは大きな精神ダメージ、ドクタートラウムも浄化済みです。今回の件もそれ故の復職での人材確保を狙った可能性もあり、チャラリートやパップルにももう一波乱あるかもしれませんね。そして、ルールーにも…

 

さて、次回は「ハリーの守れなかった世界」にはぐプリチームが飛ばされるみたいですが、それはイコール、ビシンやリストルの世界でもある訳です。

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単なる未来なのか異世界なのか…大体喋るネズミがいる未来…というのが少しおかしい訳で、ここら辺が判明するといいなあ…

 

今週のはぐプリの個人的見どころ!

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さあや「ハロウィンはケルト地方の帰ってきた故人の霊を慰めることに由来しています。そんな事も知らずにやれ仮装パーティーだの、やれトリックオアトリートだの騒ぐ日本人の、なんと多い事か…」(直近チコちゃんネタ)

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

【アニメ】HUGっと!プリキュア第36・37話「フレフレ!伝説のプリキュア大集合!!」「未来へ!プリキュア・オール・フォー・ユー!」感想

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(注)今回は36話・37話合体記事として作成しました。一応、先週の36話単独記事を削除予定でしたが念のため残しておくことにします。こちらの記事が先週のものに加筆修正したものなので、こちらを読めば先週の記事を読む必要性はあまりないかと思います。

 

ふう…さて、今回は何から書けばよいのやら…

まずは前提から入りましょうか。今回は多分みんな喜んで視聴したものだと思います。第36話で過去プリキュア、直近のまほプリとプリアラの面々に加え予想だにしないのぞみとラブ(そして完全サプライズ枠のブンビー)更に初代の登場、そして、37話では過去のプリキュア全員が登場するという、長い間プリキュアシリーズを観てきたファンへのサービスとしては申し分ないものでした。

その上で、あくまでもひねくれ者の意見として言いますが、今回に関しては全く評価できない、というのが私の正直な感想です。

 

話の流れとしては、前半部にあたる36話で冒頭のプリアラチームとドクタートラウムとの対峙、そしてはぐプリワールドにプリアラチームが召喚され、驚くはな達の前にまほプリチームまで突如出現。ドクタートラウムが操るメカとの乱戦になるのですが、これにはドクタートラウム自身の自爆もあって凌ぎ切ります。

他にもプリキュアのメンバーがいるはず、と大所帯を2チームに分けて探索に乗り出すプリキュア連合ですが、ルールー達のチームがラブを、はな達のチームがのぞみを発見した所でドクタートラウムが再出現。プリキュア連合チーム以外の時間が止められ大ピンチに…

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しかし後半部の37話で初代の加入もあって時間を止めてから巻き戻して回復を図る無限ループ戦法を使うドクタートラウムを追い詰めるものの、ドクタートラウムは自身のトゲパワワを全て使って暴走。プリキュア連合チームは再度時間を停止させられ暗黒のトゲパワワ空間に投げ出されてしまうのですが、キュアエールを中心にした応援励ましで全員復活。そして、その応援は時間停止に巻き込まれていた他の過去プリキュア達にも届き、プリキュアオールスター全員が復活し、暴走したドクタートラウムに逆襲を開始する…というものです。

 

危惧していた世界観崩壊の実現

正直、これには参りました。

この問題については、2年前、まほプリの最終回でいちかが登場した時から個人的には非常に危険視していました。まほプリの総評でも書きましたが、プリキュアの世界観は各々が独立した世界観です。そうでなくては毎年恒例の最後の世界が地球規模で大ピンチになる事自体に齟齬が生じます。直近の作品でもマホウ界とナシマホウ界が融合したり(その後分離したが)、地球そのものが無に帰したりしており、はっきり言うとこれが同一世界観で起きているというのなら、無理があり過ぎです。つまり、メソッドとしてはアレフガレド三部作や天空シリーズを展開したドラクエシリーズというよりはファイナルファンタジーシリーズに近い訳です。

今作はただでさえ第22話に於いて初代の二人を登場させており、これについては正直一回限りの嫌な言い方をすると反則技みたいなものだと思っていたのですが、流石に今の段階で過去プリキュアが登場する話に3エピソード確定しているのはやり過ぎではないでしょうか。

視聴率や売り上げについてはよく知りません。ですからこれがテコ入れなのかどうかは分かろうはずもありません。しかし、はぐプリは紛れもなくはな達の物語です。シナリオも今の段階では大きな不満点はなく、えみルルコンビの加入エピソードなどは屈指の出来といっても過言ではない。はっきり言えば過去作プリキュアを入れる意味は乏しいと感じるのです。*1

まほプリの最終回については、仮面ライダーシリーズと同じく、これから引き継ぎ回が常態化するのかな、とは思っていました。実際、プリアラ最終回の引き継ぎ回はよく出来ており、10年以上続いたシリーズだけに、まあ、それも悪くはないのかな、程度に考えていました。

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しかし、今回の話を見て、今作の他作品プリキュアの出演サービスについては改めてどうなのかな? と思わざるを得ない状態になりました。なんか、まほプリ最終回の以降、他プリキュア作品をゲスト出演させる、という事に対してタガが外れてしまったのかな、と。それが第22話の様に一回ぽっきりのサービスなら笑って済ませる事も出来たでしょうが、これが世界観を壊してまでやる事なのかは甚だ疑問です。

もちろん、ある程度世界観が壊れてしまう(そして、それを無理矢理つなげる力技前提の)仮面ライダーディケイドやジオウの様な属性を持った設定が今作のキャラクターにハナからあったのならばその限りではなかったのですがね…*2

 

ついに出てしまったクロスオーバーの齟齬

プリアラチームが最終回時の成長した姿での登場でしたが、ペコリンは後半部で幼い状態のキュアペコリンに変身しており、同作品内ですら最早完全に食い違っています。そもそも世界を駆け巡っているはずのいちか(ついでに言うと留学中のゆかり)が6人揃ってキラパティの前にいるのはものすごい違和感でした。無理矢理解釈するならば、イチゴ坂の異変に気付いたプリアラメンバーの誰かが皆を集めた、と言った所でしょうか。

まほプリメンバーも成長後の姿で現れましたが、はーちゃんがまほプリチームの面々をキュアップ・ラパパしてプリキュア当時にまで若返らせたのは相変わらずの万能感だなー、と苦笑。

詳しい描写はなかったのですが、ドクタートラウムは今回開発した時間を好き放題操れるメカを使って、プリアラチームを若くした挙句、はぐプリワールドに落としたみたいですね(これについてもなんで? という疑問符が付く)。

ドクタートラウムが撤退し、上でも書いた様に他のプリキュアの探索を始めるプリキュア連合なのですが、ここまではプリアラチーム、まほプリチーム、ドクタートラウムらがワープゲートをくぐってはぐプリワールドに来る描写があったのですが、ラブやのぞみを見つける際にはそういう描写が一切なく、まるで同一世界観の様な印象を与えてしまっています。更に、ラブやのぞみはに加え後半部に登場した他のプリキュアの面々も年を重ねた様な雰囲気ではなく、プリキュア当時の年齢のまま(もしくはいい所+1歳ぐらい?)に見受けられました。

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また、致命的だったのが、のぞみがさあやを指して「シュワシュワウォーターのCMの人」と認識、更にさあやはうららを「尊敬している女優」と言った事です。この両世界に異世界TVでもない限り、この段階で5GOGOとはぐプリは同一世界観、が確定してしまいました。*3

今までの他作品プリキュアがゲスト出演するシナリオ*4は、どこかでワープゲートをくぐる演出や一部の顔見知りを除いてお互い初めてあった様な描写を使用して、今までは辛うじて各プリキュア世界が異世界=同一世界観ではない、というメッセージ性を保ってきたのに完全にぶち壊してしまいました。

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時系列も世界観もバラバラ過ぎて、名言こそされませんでしたがこれがドクタートラウムが時間を好き勝手にいじれるようになったからだというのならば、流石に無茶あり過ぎです。これが映画だというのならば、今回のドクタートラウムがこのレベルの強敵でもしょうがないかもしれませんが、TV版の、しかも一幹部がこれではいくら何でもパワフル過ぎでしょう。

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もちろん、オールスター系の映画の事まで鑑みれば、こういうツッコミは野暮なのかもしれませんが、それならばこんな劣化オールスターではなく、素直に映画版を見ればいいだけの話です。*5ネット界隈でも言われていますが、曲がりなりにもプリキュアオールスターズの攻撃を全て受けきった(実際、最後の浄化ははぐプリチームの新技だった)のは今回のドクタートラウムが初めてらしく、なんでTV放映でここまで…と思わせる内容でした。

 

第36話、どうして、そのキャラ選出?

第22話の初代については、えみルルコンビの確執をなぎさとほのかの喧嘩回とオマージュさせたり、その二人の経験を活かした上でアンドロイドで感情解釈が不完全なルールー、幼いえみるを優しく諭す、というゲストとは言えちゃんとした配役があったからこそ納得できましたが、前半部のラブとのぞみは結局どう役割があったのか図りかねましたね。上でも書いた様にのぞみに至ってはむしろ悪手になったのでは、とすら思います。

更にメカを修復し、大量のオシマイダーを引き連れてリベンジマッチを仕掛けたドクタートラウムは他のプリキュア世界も次々に時間停止させ、この段階で他のプリキュアメンバーも含めてプリキュア連合+ラブ(キュアピーチ)+のぞみ(キュアドリーム、そして引きの場面で登場した初代+シャイニールミナス以外は時間凍結となってしまいました。

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で、ここに来て初代が無事だったのは、流石に「またかよ!」という気分にさせられました。確かに第22話でひかり(シャイニールミナス)以外ははぐプリメンバーと交流はしていますし妥当な人選だとは思いますが、正直初代最強説にまたしても箔をつけた印象しか受けません。

うろ覚えなんですが、第22話放映時、はぐプリ製作スタッフのどなたかがSNS「決して初代が最強と言う意図ではない」とおっしゃっていたと記憶しているのですが、ここまで繰り返されれば、結局初代最強とスタッフは考えているのかな、と勘繰られても仕方ないでしょう。

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そして何よりまずいと感じたのは、この36話の人選が他のメンツよりアスパワワの量が高かった故に時間停止に巻き込まれなかった、と考えられる点です。

現に他のプリキュアメンバーのほとんどが時間停止化している場面が挿入されてしまっているのですし、何よりシリーズものでキャラクター格差を発生させるのは要らぬ争いを生む火種として最悪手の一つと私は考えています。同一作品内である程度の格差を描くのは悪い展開ではないと思いますが(ゴプリはここら辺をよく考えていたし、まほプリのキュアフェリーチェも設定上間違いではなかった)、こういうオールスター系の内容に対してそれを描くのはどうなのか。直近作のプリアラ・まほプリの面々はともかく、初代、キュアドリームキュアピーチはファンの間でも最強の呼び声が高い人気キャラの一角*6です。しかし、翻って他のプリキュア達が彼女らに劣っているとは少なくとも自分には思えません。

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例えば、敢えて格付けしろと言うのなら、個人的には精神力最強はキュアハッピーだと今でも思っていますし、純粋な戦闘力だけならキュアラブリーの汎用性やキュアフェリーチェの何でもあり魔法は最強格だと感じます。もちろんこれに異を唱える人は星の数ほどいるでしょうし、同調する人もいるでしょう。何が言いたいかと言うと、個々に判断がまちまちなものに対して公式が解答を匂わす様な真似は正直してほしくない、という事です。

最終的にはプリキュアオールスターズが全員復活。これまた映画の様に多対一の乱戦になりましたが、やはりシナリオ出だしで躓いて何となくしっくり来なかった、というのが感想ですかね。

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ただ、このシナリオの帰結がはぐプリチームへの新アイテム・ミライブレス付与及び新技(そして恐らくは最終合体必殺技)プリキュア・オール・フォー・ユー(以下PAFY)開眼と締まったものになったのは辛うじての美点でした。全体的にこれだけ濃いキャラクターが多数出たにも関わらず、トゲパワワ空間からの脱出や初代はじめ皆からの思いを承けてミライブレス発動のきっかけをキュアエールが担ったのはポイント高かったです。

 

こまけえことはいいんだよ!

ここまで散々ネガティブな事を書きましたが、↑の見出しの様に細かい事を考えなければ、過剰なファンサービスと言ってよく、楽しめる内容でしたね。

特に映画版を観るにあたって映画館に行く事にテレを感じている層(自分もそう)には生でこのノリを見れたのは僥倖とも言えます。

更に、これだけの人数を出していながら、各キャラクターの個性を引き出していたのは凄いと感じました。横顔だけで威厳満々のキュアピーチや顔面着地のキュアハッピー、ちょこちょこ顔出すキュアマリンなど、よく特徴を捉えています。

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更に大量に発生したオシマイダーに対して幾人かのチームに分かれて戦うのですが、そのチーム分けが作品ごとや色ごとではなく、共通のテーマ性(剣モチーフ、盾モチーフ、氷属性、星属性など様々だったが)でチーム分けされていたのは面白かったですね。

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個人的には年嵩チーム(キュアエース・キュアムーンライト・キュアショコラ・キュアマカロン)の余裕感がタマランでした( ´艸`)

こういう見せ方は本当に上手ですね。

そして、プリキュア達に力を与えるべく登場したサブキャラ達も予想通りの人物からアロハプリキュアキュアフラワーなどのサプライズもあり悲鳴が上がりっぱなしでした。

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上でも少し触れましたが、その皆の応援を受けて55人ものプリキュアの攻撃を凌いだ暴走トラウムをも倒す合体技PAFYにはぐプリチームは導かれましたが、それに至ったのがキュアエールの応援だったのは非常に興味深かったです。一回トゲパワワ空間に投げ出された際にも復活のきっかけは彼女の応援でしたし、応援をテーマにしたプリキュアであるキュアエールを上手く使いましたね。

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キュアエコーが正規扱いされなかった事や、ドクタートラウムがルールーとの回想シーンが挿入されたため退場と思われる点(ただし、正式には生死不明)など若干の不満点はありましたが、設定などを無視すれば爽快感があり良い回だったとも思います。

 

ふう…こういうのを純粋に楽しめないのはひねくれ過ぎかねえ、やっぱり。

 

なにはともあれ、新たな力を身に着け、流れとしても3クール終了(全50話と仮定した場合)でとうとう佳境に入る事になりますね。

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次回は息抜き回の予感がしますが、ダイガンの所にリストルが訪ねてくるというなかなか嫌な場面もありました。ダイガンさん無事に済めばよいのだが…

 

今週のはぐプリの個人的見どころ

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しかしこうやって見ると各プリキュアのデザインはどれも本当に秀逸だねえ。しかし黒ベースのハピチャ勢はやはりひときわ目立つねい。

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

 

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*1:それでもえみルルコンビの最後のわだかまりを初代が溶解させたのはいい演出だったが。

*2:強いて言えばはぐたんがその役割を担っていると考えられるが、22話はともかく今回に限ってはそうは思えなかった。

*3:うららを「尊敬している女優」と表現したという事はのぞみやラブも成長後? 絵的にはそうは感じなかったが…

*4:まほプリ・プリアラ最終回及び今作第22話

*5:実際、やっている事はオールスター系映画とほとんど変わってない。

*6:初代=格闘戦最強、ドリーム=精神力最上位、ピーチ=漢前。男ではない。漢。とそれぞれ評されることが多い。