ふらあそ!

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【アニメ】HUGっと!プリキュア第42話「エールの交換!これが私の応援だ!!」感想

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「~なのでありますか!」口調連発のはなさん、元自衛隊の昔の友人を思い出す…

 

さて、今回は色々問題回でしたね…なんとなく制作側の趣味が滲み出た感じがしなくもなかったですが、正直ここまでやるならもう少し考えてほしかった…というのが素直な感想です。おいおい後述しましょう。

 

話の流れとしては、先回から匂わされていたアンリの足のケガですが、彼自身はもう限界だと感じており、直近で行われるジュニアスケート大会を最後にしたいとほまれに告白します。

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明らかに様子が変わったアンリをほまれが心配する中、不幸は重なるもので彼は大会当日(これは日にちが前後していた可能性もあるが、表現的には当日にしか思えなかった)交通事故に遭い、元々痛めていた足に重傷を負ってしまいます。

最後と心に決めた大会への出場も閉ざされ打ちひしがれているアンリの前に、プレジデント・クライに再洗脳されたリストルが現れ再びクライアス社へのスカウトを行う…というものです。

 

さて、今回は濃厚なアンリ回でした。そして、彼の救済にはなの「他人を応援する力」が最大限に発揮される、というのがコンセプトでした。

まずはアンリから語りましょうか。

基本的にサブキャラでありながら、はぐプリのテーマの一つであるLGBTに関わっていたり、ほまれやはな、更にはえみるの兄である正人との関わりが深かったり、よく言えば破格の扱い、ちょっと穿った見方をすると製作者側肝入りのキャラクターと言えます。

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そして、今回は先週の予告でアンリが闇堕ちするのでは? という予想が為されましたが、ご丁寧にOPにまでアンリがクライアス陣営にいる様な表現が追加され、まさかの敵幹部化か!? と思われました。…が、これは完全にフェイクでしたね。*1

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ただねえ…今回のOPの演出もそうなんですが、ちょっとインパクトを与えてからの煙の巻き方が鼻につきますよ。過去回で性同一性障害とスケーターとしての自身の在り方に悩んでいる様に見せていながら、実は(「自分に時間がない」と言った理由が)足にケガを負っていたからだったり、何というか…どうにも煮え切らないんですよね。

そして今回最大の衝撃、恐らくゲスト扱い(キュアペコリンなど)にはなるでしょうが、とうとう正式な男性プリキュアが誕生してしまいました。ギャグ(原西やアニメ店長)や近しい存在(ジュリオ)の男性プリキュアもどきは存在しましたが、今回のアンリ=キュアアンフィニ変身は流石にやり過ぎ感が半端なかったです。

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確かにアンリはサブキャラとしては破格の扱いを受けています。しかし、プリキュアの有資格者となれるほど深く描かれていたかと言うと、正直言うと、うーん…です。今回は意外な脆さを露呈はしましたが、過去の登場回で悟ったような澄ました態度に終始していたのも印象は良くなかったですね。今作で度々語られる「誰でもプリキュアになれる」のテーマに沿っての演出なのかもしれませんが、はっきり言うと、プリキュアになる、と言う事はそんなに軽くないですよ。男性プリキュアを描きたいのであれば前作プリアラのジュリオクラスの描き方をしなければ到底納得は出来ません。

彼の扱われ方から考えるに、このキュアアンフィニ登場=プリキュア初の男性プリキュア登場は初期から考えられていた既定路線だったと予想できますが、それならば出番をもっと増やすなり、声優さんを彼の見た目に合わせたもっと中性的な人を当ててみたり、それなりの工夫が必要だったと感じます。

上で例に挙げたジュリオなどは

敵幹部として登場→相次ぐ失敗に加え、ゆかりに一方的に頭脳戦で敗れ→強い力を求め暴走→更に姉のシエル登場→彼女へのコンプレックス、そして和解→プリアラ陣営に加わる→更に改心した後も過去の罪に苛まされる

ここまでの段階を踏んでおり、このクラスの扱いをしなければ男性プリキュアなどその場限りだったとしても出すべきではなかったでしょう。しかもジュリオは似た力を行使したものの正式にプリキュアは名乗っていません。

ここまで書いておいてお分かりかもしれませんが、決して男性プリキュア登場そのものを否定している訳ではないのです。ただ、やるのであればそんな簡単な話じゃなかったんじゃないの? と言う事ですね。まして、アンリは上でも書いた通り今までのLGBTがらみのネタフリ、主要人物との接点が多い点、更にクライアス社に目を付けられたほどのダークさも持ち合わせていた点など、色んな意味でネタの宝庫だったでしょうに。残念ながらアンリ=キュアアンフィニは登場させるほどの段階までには達していなかった…というのが自分なりの感想ですね。

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ただし、今話はアンリの成長物語としては非常に良かったですね。彼は元々他人には頼らない孤高の性格でしたが、今回の件でプリキュア、特にはなが気にかけてくれたことの大切さ、彼を支えてくれていた正人の献身、そして自身のスケートの本質=ファンからの声援を糧にしていた事、全てに気が付くことが出来ました。

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何より、今までは自身の夢をプリキュア(というよりははぐプリチーム)に託していた節があった彼が、最後には自分の道を自身で見つけるくだりは名場面と言ってもいいと思います。その集大成がプリキュア化であった、と。トゲパワワが最大になりリストルの手によってオシマイダーのベースになった際にも、本人の意識はしっかりしており、猛オシマイダーを操る場面も見られてたので、元々の精神力は高かったのでしょう。

最後は自分なりの道を模索する、という事をはな達に告げましたが、ケガを克服して選手として復帰するのか、引退してアイスショーの道に進むのか、はたまた指導者としての勉強に入るのか…猛オシマイダーが浄化された後、リストルは「ひと時の夢に溺れれば残るのは現実だけ」と呟きましたが、今のアンリならばもう大丈夫そうですね。社長の強制洗脳とかなければ…ただ、このリストルの台詞は結構深いよなあ…

 

今回は完全にアンリに持っていかれた回でしたが、少しはなについても触れておきましょう。はなは元々他人をあけすけに応援できる非常に心根が優しい娘ですが、今回のアンリへの説得は彼女の能力が最大限に発揮されましたね。

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特に感心したのは、彼女は決してアンリに同情の念を見せなかった事です。正人の様に「(事故を)自分が変わってやりたかった」という深情けもいいのでしょうが、そういうのは重荷にしかならない人物は実際にいます。アンリももろにそのタイプで、作中でも「下手な同情は嫌いだ」とはっきり明言しました。

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しかし、リストルの誘導により負の感情に捉われ、猛オシマイダーを暴れさせているアンリにはなが贈ったのはひたむきな応援でした。彼女自身も「貴方の苦しみは全ては分からない」と言っていましたが、結局自身の問題を解決するのは自分だけである、と。しかし分からないなら分からないなりに懊悩する人物に手を差し伸べる、その究極の形が彼女にとっては応援なのでしょうね。人の心は他人には簡単に推し量れないものです。多くの干渉はせず、しかし最大限の声援を送る。彼女は過去に辛い目に遭った分、少し大人なのかもしれませんね。

 

 

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来週は…いよいよほまれとハリーの件に決着が付くのでしょうか? この件についてはビシンとキュアトゥモローが絡むなかなか厄介な問題でもあります。時間をかけて描いてほしい所なのですが…残りの時間を考えるとちょっと厳しいのかな。尻すぼみにならなければ良いのですが。

 

今週のはぐプリの個人的見どころ!

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分からない事があったらすぐ端末で調べる。うちの母親が真っ先に習得すべき能力であるッ! (´;ω;`)

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

 

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*1:ただし、今回追加されたクライアス陣営メンバーはアンリを除いて全員プリキュアに浄化され済みのメンバーだったのよね。だからアンリも一旦トゲパワワに染まるが浄化されるのかな? とも感じた。そう考えると、リストル再洗脳は伏線かもねえ…