アイル初登場からしばらく「神谷声男」とメモに仮ネーミングしていたのは私です…だって、デザイン的になんかそれっぽいじゃん!(実際は豊永利行さん)
さて、まずは長らくお待たせいたしました。
まほプリミライデイズの全体総評に行きたいと思います。
…とはいうものの、正直な事を言うと、あんまり書くことないんですよね。つまらなかった、という事ではなく、むしろ正統続編としてそつないどころか、とてもよくまとまっていた作品で、逆から言うと前作からの変化としては若干乏しかったというか。
なので、そこまで長い内容ではなく、雑感+αみたいな感じの記事になるかと思われます。
で、まずは最初に思った事
これ、正確には続編ではないですね。え? 上で言ってる事と早速違うじゃねえかって? 確かにそうですよね。ですが、個人的にこれは補完作品、感覚的に言うと「魔法つかいプリキュア2」というよりは「魔法つかいプリキュア第51話~第62話」と感じたんです。
オトナプリキュアシリーズ最初の作品、キボウノチカラ~オトナプリキュア'23~(以下、'23と省略)ものぞみとココの結婚という補完的な内容がありましたが、今作は前作・まほプリの最終盤の性急な展開を見事に補完している上、主人公をみらい(リコとはーちゃん、新キャラクターのひすいはどちらかというとサブっぽい位置づけだった)として重点的にシナリオを展開したため、不満点が概ね解消されており、筆者的にはとても満足がいく出来栄えでした。ここは8人ものキャラクターを抱えてエピソードが散発的になってしまった'23(のぞみメインだったとはいえ)の弱点を解消しています。
それは例えば、マホウ界とナシマホウ界が再び接点を持つのにリコを筆頭にした魔法学校の面々が尽力していた事を描いていたり、前作の後日談で別れ別れになったみらいとリコがお互いの事を気に掛ける描写があったり、二つの世界の再接続後の補習トリオの面々が丁寧に描かれていたり、更には前作のチョイ役だったそうたの再登場と、たった12話でよくぞここまで…と思わせたほどです。
更に、この作品のテーマの一つでもある未来。懐かしい面々のこれからを描きつつ(例えば、復活したドクロクシー一味は全員魔法学校の生徒になった)、プリキュア側の面々は全員ナシマホウ界での生活を再スタートさせることになりました。
そう、はーちゃんも、です。
魔法をナシマホウ界で教導することを託されたリコはまだしも、はーちゃんも、というところに「ああ、本当にこれでこの物語は終わりなんだな」と感慨深くもなりました。はーちゃんは最終的に天空からではなく地上で世界を見守る事を選択したわけで、彼女はこの異変でラパーパからはーちゃんになったんだな、と。だからこそ、この魔法つかいプリキュアという作品は今作前作併せて一本で繋がっている感覚があったんじゃないかな、と感じました。
8年越しの物語が蛇足感もなく見事に決着した。筆者的には、ようやく…などと言ってしまうとちょっと偉そうですが、すっきりとした満足感を得るに至ったな、という感覚です。
不満点もない訳ではないが…
ちょっと分かりずらかった、というかスタッフさん自身が混乱してない? と思った事象にみらいとリコに付与された過去視・未来視能力の時系列があやふやだったことが挙げられます。
この能力はシナリオ内の所々に散発的に挿入される事もそうなのですが、とにかく時系列がバラバラで起こる(しかも過去視・未来視どちらもランダムっぽく)ため、視聴者側にとっては集中力を削がれる要素の一つになってしまっていた気がします。
例を挙げれば第7~8話の過去視の表現だと、ラパーパになったあとのはーちゃんともみらい・リコはちょこちょこ会っていたような表現でしたし、これが本編最終回一回手前の三人再会後の話と言うのはちょっと頭追い付きません。しかもリコ回想ではリコが先生に「なったあとで」マホウ界とナシマホウ界をつなぐ研究の許可を得ようとしている。ここも矛盾点ですよね。*1
時間系のお話ははぐプリでもすっきりしない展開がありましたが、やっぱりいろいろ難しいんですかねえ。ただ、今作のそれは未来・過去・ランダムというぐちゃぐちゃになる要素が多数だったのは良くなかったかな、と思いました。しかもそんな能力がみらいとリコ、果ては中盤までのボスだったアイルにまで付随されていたんですから。
直上で名前の出たアイルとの決着がつかなかったのも、少しモヤりました。中盤までまほプリチームの前に立ちはだかった彼でしたが、その目的は時の魔獣・クロノウストを復活させ、早逝した(と思われる)母親の時代にタイムスリップ、そのまま止まった時の中で永遠を過ごしたい、というものでした。
…なんか、改めて文字に起こすととんでもねー野郎だな(苦笑)。
しかし、中盤、願い叶って時の魔獣を復活させ、石像となって過去の世界に閉じこもってしまった彼は結局話の最後まで帰ってくる事はありませんでした。正直言うと、時の魔獣の解放=世界滅亡(というより世界そのものが停止してしまう)を、自らの欲望のために目論んだ彼がどういう形であれ勝ち逃げ状態になってしまったのはすっきりしません。
てっきり後半は彼の救出の物語になると思ったんだけどなあ…
アイルが母に強い思いを抱いていたのは分かる。その手段がクロノウストの復活しかなかったのもまあわかる。しかし、その結果、まほプリチームは未来視過去視という能力を無理やり付与されて苦しんだ挙句、利用され、更にはマホウ界・ナシマホウ界、両方の時間が停滞し、すべての人間が石化するという最悪の事態まで引き起こす結果となった。最終的には、まほプリチームの力でクロノウストの再封印で事なきを得ましたが、彼のみは行方不明のまま帰ってくることはなかった。
最終回の最後の場面で、みらいはいつか会える日が来ることを確信しているような言葉を紡いでいましたが、口さがない事をあえて言わせてもらえば
甘えるな。
この一言に尽きました。ましてや、アイルの母親は理不尽な死を迎えた訳でも何でもない。彼が幼い頃に亡くなったのは確かに早すぎるし不幸でしょうが、それが世界を巻き込んでまでの災厄を振りまく理由にはならないでしょう。
ちょうど同時期に放映されていたわんぷりのテーマの一つ「死は不可逆である」を悪い意味でひっくり返そうとした悪役でもあったんですよね。
この作品のテーマに「過去に辛いことがあったとしても、それを乗り越えて未来に目を向けなければならない」というものがあったと思うのですが、だからこそ、その体現者でもあったみらいには彼を引き戻した上でひっぱたいてほしかった。「甘えるな」と。
クロノウストはある意味典型的な悪役だっただけに、アイルの件についてはどうにも残念感が残りました。*2
戦闘シーンについて
というより、主にみらいとリコなのですが、きっちり魔法能力を成長させていたのが良かったです。リコは魔法学校の先生に若くして上り詰めるほどの努力をしたのでしょうし、みらいはナシマホウ界で「マホウガール」として人助けをしながら能力を研鑽していたようです。
姿を消すことが出来る魔法の外套を使いこなしていたり、確かな成長を見せていたのですが、このシリーズの魅力の一つ、迫力ある戦闘シーンでもきっちり成長していたのは演出として申し分なかったです。
浄化技こそ、前作に準えるもの*3でしたが、サブのリンクルストーンを自在に召喚したり、前作では相手の足を封じるスネア技だったガーネットが地割れを引き起こすものに変わっていたりとにかくよりパワフル! それでいて、キュアミラクルのいったん敵を認知すると問答無用で叩き伏せようとする性格は変わっておらず、こういうところも継承作品だなあ、と安心して見ていられました。
さて、ところで筆者は前作の戦闘シーンについて、味方側が強過ぎて退屈、と総評しているのですが、今作の敵は未来視の能力を持つ(迅さんかよ!)アイルに、時間停止能力を持つクロノウスト(ただ、あまり活用はしていなかった)と、これは苦戦してもしょうがない、と思わせる能力を用意していたのも感心しました。
特にアイルはキュアミラクル自ら攻撃しながらも「この攻撃も全部わかっているんだろう」と言わしめたほどで、上でも冗談めかして書いていますが、マジでワートリの迅さんみたいな戦い方をしているんですよね。とにかく被弾しない。そして、その鉄壁の防御能力を持ちながら怪物をけしかけてくるという、なかなか厄介な相手でした。
しかし、後半になると、アイルが退場しはーちゃん=キュアフェリーチェが復活したことによってバランスは逆転。それでもクロノウストは頑張ってはいたのですが(相手の精神に干渉して、会いたいと思った幻影を敵に出来る能力を駆使して、よりにもよってヤモーからドクロクシーを引っ張り出してしまった)、最終的にはエクストリームレインボー*4で再封印と相成りました。
きっちり、キュアフェリーチェが最強格なのを描いてくれたのも良かった要素です。前作であれだけ強さを押し出したキャラ(それの是非は置いておいて)なのですから、続編で噛ませみたいにされるのはやっぱり萎えるじゃないですか。
今作はこのあたりのバランス感覚が本当によく出来ていたと思います。
全体的なまとめ
上で書いたこととダブりますが、
全体的に後日談としてよく出来ていたと思います。少し引っかかったのは、ひすいがやっぱりはーちゃんの引き立て役みたいになっていた事が否めなかった点、アイルの顛末が不明、クロノウストの存在がいまいち分かりにくかった(何故過去に留まる事に固執したのか。ただ、「そういう存在だから」で括ってもいい話ではある)ぐらいで、前作の未消化部分もきっちり補完してあり、なかなか見ごたえがありました。'23も悪くはなかったのですが、こちらのメイン二人(しかも主人公は実質未来一人だった)だったのに比すると、やはり散発的(6+2人)だったのは否めなかった。その分、ミライデイズはかなり濃密だったと思います。
ただ、放映が夜中の二時というのはツラいというか…結局全てTverでの視聴になってしまいましたし、ライブ感ないのは筆者的には筆が進まない要因の一つでもあるのよ…
全ての変身・浄化技も見せましたし、OTRの信頼感、予想はしていたけどキュアモフルン登場もあってファンサービスとしても申し分なかったと思います。テーマはそれなりに普遍的ではあったけど、大人要素(成長ゆえの挫折や失恋)などもきっちり盛り込んでおり、やり切った感が強いです。続編なのですから当たり前かもしれませんが、本編とセットの続きの物語としても優秀。最後にはーちゃんが天空からではなく地上に降臨したうえで皆を見守る事を選択したのは、ラパーパとしてではなくはーちゃんの選択だった、と感慨深くもありました。
こう良作が続くと、他作品のオトナプリキュアも見てみたいかも…とも思いましたが、こういうのってしつこくやるといつか微妙な作品が産まれかねないし、頃合いなのかな、という気もします。5年後(いやもう3年後か)当たりの25周年あたりで、もう一作とかどうですかね? 個人的にはドキプリとか見てみたいけど、確か小説版がそんな内容なんでしたっけ?(未読)
魔法つかいプリキュア!!〜MIRAI DAYS〜をかいつまんでナナメからバッサリ

この子たちの将来が一番心配になったシーンがコレだった。お前ら、塩分の取り過ぎに気をつけろよ。特にはーちゃん( ´艸`)
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