うむ。予想通りのテスト点数…って、なんて顔してんだ! ひなた(笑)。しかし32点か。昔の俺と大差ない。だいじょーぶだいじょーぶ。*1
さて、この期間ではひなたの掘り下げとヒーアニ達の成長と今後の憂いという展開でしたが、うーん、次回がちゆエピソードなため、ひなたはもう一波乱ありそう&今回に関してはそこまでの掘り下げはなかった印象でした。逆にヒーアニ達はちょっと時期的なことを考えてもファイナル単独回っぽかったですね。その代わり彼らなりの悩みをよく描けていたと思います。
平光ひなたについて
第36話はかつてはお互いの事をエリザベス、ナターシャと呼び合った仲の良かった友人であるえりこと久々に再会を楽しみにしていたひなたが妙に機嫌が悪い彼女に塩対応されてしまい凹んでしまう…というものでした。
それを機にひなたは猛勉強をすることになるのですが、まあ、とにかく飽きっぽい、というか机に集中してずっと座っている事が出来ない上、参考書もまるで意味をなしていないものをチョイスしているなど、なるほど、この子は馬鹿、というよりそもそもの方法論を知らないタイプなんですね。まるで学生時代の自分を見ているよう(以下自粛)。
ちょっと気になったのは、彼女がえりこに冷たくあしらわれたのは、長い時間離れ離れになって友情が薄れてしまったから、そして自身が子供の頃からの能天気さも含めて成長してないからだ、と考え、せめてのどかやちゆと同じ学校に行かなければ、彼女たちとの友情も破綻してしまうであろう事を恐れている点でした。
この場面自体はコミカルに描かれていたので悲壮感がかなり薄らいでいましたが、そのひなたの想像はレベルの高い高校に進学し高飛車になったのどかとちゆが、彼女を見下しながら眼中にない、という態度を取る、というもので、逆から言えばひなたは人とのつながりが断ち切られるのを極端に怖がっているとも取れます。それこそ、アスミが「同じ学校に行かなければ友達ではいられないのですか?」と純粋な質問をぶつけてくるまで気が付かない程に。
ここでもう一つ気になる事があります。今作の話も最早後半戦というところまで進んでいるのですが、彼女の家族構成がはっきりしていく中、なぜか母親が未だに登場していないんですよね。しかもいくらでも出す機会はあったでしょうに。
ひなたは過去回においてのどかを気遣う母親に感涙してみせたり、ラテが必死にメガビョーゲンに立ち向かう姿に「これ以上やったら死んじゃうよ!」と悲痛な叫びをあげたり、スランプに陥ったちゆに「記録が出なくても死なないし」と言って励ましたり…母親と「死」についての言及が多々あります。そして、今回の人とのつながりの断裂を恐れるひなた…
あまり考えたくはないのですが、ひなたの母親が仮に故人だとしたら…時たま見せるネガティブな面も含めて彼女の人格形成に大きな影響を及ぼした可能性がありますね。まして、今作の設定を考えるに、その原因がビョーゲンズがらみ…という可能性もなくはないです。ここら辺がうまく描かれていくとひなたもとても良いキャラクターになりそうですよね。まあ、ひなた単独回はまだあると思うので、今後に期待しましょう。ひょっこり母親が登場する可能性もあるわけですしね(その方が嬉しい誤算です。たとえ物語上であってもプリキュアシリーズにおいて人死にはあまり見たいものではないですし)。*2
結局、この話においてはえりこはひなたが見せたのどか達と仲良くしている写真を見て嫉妬したが故の塩対応だった事が判明。もちろん、ひなたがそんなことを気にするわけもなく、誤解も解けた二人は元通りの仲良しに戻りました。そして、その事を受けて、離れ離れになっても友情は不変なのだと悟った彼女は勉強はやめた…
と嘯き、その事とは関係なくのどか達と同じ高校を目指す、と改めて目標を定めて勉強に邁進する事を決意する、というところで幕となりました。
今作は誤解でのすれ違い→そこからの和解、というプロットの話が案外多いですね。作風的にあまりとげとげした印象がないのは救いでしょうか。
ヒーアニ達の憂鬱
第37話ではヒーアニ達にスポットが当たりました。
ラテを中心に色々な「秋」を満喫する事になったヒーアニ達。アルバイトを始めたアスミ、学校があるのどか達とは別行動となり、彼彼女らはスポーツ、芸術、食欲、と次々と秋を満喫していきます。
それが一段落し、満喫中に様々な人々の奉仕活動や優しさを目の当たりにしたヒーアニ達は紅葉彩る公園で一休みしながら、自分たちが守るべき世界を改めて自覚し、それと同時に「今度はのどか達と一緒に楽しもう」という言葉をきっかけに、ビョーゲンズから地球を守り切った際には彼女らと別れなければならない事に思いを馳せます。
そんな折、ヒーアニ達の前にダルイゼンが現れ、我々を倒さなければいつまでも彼女らと一緒にいられる、と煽られます。もちろんヒーアニ達はそんな戯言は拒否しますが、その言葉を承けてダルイゼンはギガビョーゲンを召喚、パートナー不在の彼らはピンチに陥る…というものでした。
これまたプリキュアシリーズ恒例のメンバーの別れについて言及された回でした。ただ妖精サイドから先に覚悟のほどを述べる描写は結構珍しいかもですね。今回ダルイゼンに煽られた際にも「別れの寂しさよりも守るべき大切なものがある」と啖呵を切り、更に戦闘中防戦一方になった際に全員バリアを先ほどの守るべきものを思い出しながら強化、敵の攻撃を退けており、成長著しい様が描かれました。
その37話なのですが、テアティーヌ以外のヒーアニ(大人のライオンと虎モチーフが2体)が登場し、援軍の準備を始めている様子が描かれています。皆次第に回復しているようで、テアティーヌ自身も動くぐらいのことは出来る、といった状態まで治癒しているようです。その大人のヒーアニが、ラビリン達の成長の事を憂いていましたが、この回でその点については杞憂かなあ、という感想を得ました。でもヒーリングガーデンにおいても、あの三人組は未熟でお調子者みたいな扱いではあったんですね(苦笑)。
少し気になったのは、先回のビョーゲンズ側もそうだったのですが、ヒーリングガーデン側も「時間を気にし始めた」事です。
今回のヒーアニ3人組も言い方が「来年には決着がついてヒーリングガーデンに帰らなければならない」事を前提に話をしていた節があるのですよね。実際のところはビョーゲンズとの戦いはいつ終わるのかわからないというのに。
更に言えば、37話ラストにはダルイゼンが撤退時に「残された時間をせいぜい楽しむがいい」と減らず口を叩いています。この期間内にも恒例の敵側寸劇はあったのですが、両話ともキングビョーゲンが不在でした。前の記事で指摘したキングビョーゲンが焦っているのでは? という推測もありひょっとして何かの準備をしている? 可能性もありますね。ヒーアニ達も反撃の狼煙を上げつつあるようですし。
物語上、両サイドともに病気による地球の汚染とそれの浄化、という形で一進一退を繰り返しており、とりあえず時限的なものはなかったはずです。つまり状態としては「拮抗」な訳です。*3
そうなると、ヒーリングガーデンサイドはプリキュア達にまだ何か隠していることがあるのかも? という疑念が沸きます。作風的には考え過ぎかな? という気もしますが。前作の様などんでん返しがないとは言い切れませんよね。
話の最後に、来年の事を憂うヒーアニ達を疑問を持ったのどか達に対して彼らは誤魔化す態度を取りました。メタなことを言うと、最終回近辺でヒーアニ達との別れは描かれそうなので、そうなるとのどか達は号泣しそうだなあ…特にペギタンをかわいがっているちゆは大泣きしそう…
さて、次回は…おお! とうとうちゆに大きな選択が迫られそうな感じですね。ちょっと間がなさ過ぎない? という気はしますが、彼女がどういう道を歩むのか。陸上を取るのか、家業を取るのか、それともあくまでも両方なのか。時期的にもちゆファイナルエピソードでしょう。注目ですね。
ここまでのヒープリをかいつまんでナナメからバッサリ
ちゆが時たま見せる「ダメだ…こいつ、早くなんとかしないと…」顔、めっちゃ好き…
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