なんというか…牛が誰かを庇って死んでしまうのはお約束なんですかねえ…(聖闘士脳)
さて、今回は戦闘=ジュリオメインである流れが一旦終了し一区切りとなるシナリオでしたが、少し駆け足感が否めませんでした。先日のあおい回もそうでしたが、全体的に詰め込み過ぎな部分が散見されますね。
今話の流れとしては、ゆかりがリオ=ジュリオである事を注意喚起しようとするものの、一足遅く、母親からのスイーツのプレゼントに舞い上がってしまったいちかがリオを自室に招き入れてしまい、彼が正体を現していちかのキラキラルを奪取、いちかは無気力化してしまい、強大なキラキラルを入手したジュリオは他4人のプリキュアに襲い掛かる…というものでした。
最初に鼻についたのはいちかがあまりに不用意にリオを部屋に招き入れてしまった事ですね。母親からのスイーツのプレゼントに舞い上がってしまっていた、そのお礼のクッキーを作るための買い物を手伝ってくれた、という伏線があるにしても、易々と年頃の男の子を招待してしまうのは不用意としか言いようがない。
ある意味中学2年生とは思えない天真爛漫さを表現しているとは言えますが、ここら辺はそういう危機に対して妙に鼻が利いた前作の主人公・みらいと対称的なのは面白いです。
また、いちかの部屋に張ってあった、いちかが家族と写っている写真を見て、ジュリオが感情的になっているのも注目点でしょうか。その際にスイーツと家族というものに対する憎悪を口走りましたが、その流れで衝動的にいちかのキラキラルを奪った様に見受けられ、ジュリオの最終目標がいちかだったのは冒頭でも語られてはいましたが、実際は想定外だったのかもしれません。その割には前回苦汁を舐めさせられたゆかりに「一足遅かったな」とかドヤ顔かますんだよなあ…
キラキラルを抜かれた無気力いちかを目の当たりにし、更にジュリオも正体を現したので、プリアラにしては珍しくBパート早々にいちかを除く4人は変身、戦闘シーンに突入しました。
前回、ゆかりに一方的に打ち負けたジュリオでしたが、なんといちかのキラキラルで作り出したのは闇のキャンディロッド! プリキュアの技を全て使えるという代物であり、4人相手であっても余裕で立ち回るどころか、個々の能力を完全に上回り4人を窮地に追い込みました。
プリキュアとジュリオの使う力は方向性は違っていても同質である事が露呈した訳ですが、今回ジュリオが4人を圧倒出来たのが、いちかのキラキラルが強力だからなのか、ジュリオのポテンシャルが高いからなのかは判断の難しい所です。
他の4人のキラキラルを奪えば、やはり闇のキャンディロッドが出来るのか、それを使えばプリキュアを圧倒できるのか、という検証があれば良かったのですが、残念ながらこれは分からずじまいでしょうね。
一方、キラキラルを奪われたいちかにペコリンはお礼のクッキー作りをやる事を提案、機械的に作業を続けるうちに母親に対する思いや仲間たちとの楽し勝った日々を思い出しキラキラル再発生、正気に戻る…という内容でしたが、戦闘シーンの所々にクッキング場面が挿入されるのはある意味シュールでした。戦闘そのものがジュリオに次々とプリキュア達が吹っ飛ばされるものだったのもシュールさに拍車をかけていた気がします。いちかのキラキラル再発生も唐突感が否めず、ちょっと詰め込み過ぎて端折り過ぎなイメージを受けました。
復活したいちかはクッキーを作り終えると、すぐさまキュアホイップに変身して参戦。前回のキュアマカロンよろしく、完全にジュリオを制して最後はワンダフルアラモードにジュリオ本人を巻き込むことに成功。ジュリオの仮面は割れ、どことなく邪気の抜けたような顔をしていたため、浄化された、と見ていいのでしょうか。
単純に考えるなら、ジュリオが奪ったキラキラルを再発生したいちか=キュアホイップのキラキラルが上回った訳で、キラキラルの力は結構流動的とも言えますね。
尋問しようとしたキュアホイップに「じょ、浄化されたわけじゃないんだからねッ!(意訳)」とツンデレっぽい捨て台詞を残して去ってしまったため、まだ様子見ですかね。ただ、みくをダシに使われたあきらの心情を考えると、このまま浄化で改心は甘すぎる気はします。
今週のゆかりさんについて。
いちかがいない時はまとめ役を担う様な表現がなされました。ある意味理想的なサブリーダーですね。
上でも少し触れましたが、前回ジュリオに完勝したキュアマカロンでしたが、今回は同種の技のぶつけ合いに一方的に負ける事になりました。他のメンバーが次々とあっさり吹っ飛ばされる中、力のせめぎあいでかなり持ちこたえていたため、やはりポテンシャルが高めな面は垣間見えましたが、反面、押し切られて吹っ飛ばされジュリオにとどめを刺されそうになった時にあっさり諦めた様な表現があり、意外な脆さが出ていたのは好印象ですね。やっぱり完璧超人ってつまらないじゃん。
また、これは捉え方次第なのですが、いちかのキラキラルで作られた武器に敗北した(しかも同じ技で)という事は、最終的なポテンシャルはいちかに負けているとも解釈できる訳で、流石に主人公越えの力を持つキャラクターではないのかもしれません。まあ、ただでさえ個性が強いキャラなので、下手に完璧超人化すると主役を食いかねないので、これはこれで正解かと思います。*1
なんにせよ、ジュリオはこれで一旦メインストリームから外れるとは思いますが、最後まで実験実験言っていた辺り、もう少しマッドサイエンティスト的な要素があったら面白かったかな、とは感じました。流石にこのままフェイドアウトはないと思いますが、納得いく回答が欲しいキャラでもありますね(尋問しようとした際にいちかも似たような事を言っていたしね)。
次回からは新たな女幹部が登場する様ですが、薄緑色の髪色といい、ジュリオとの共通性が伺えます。悪い噂を振りまくという搦め手を使って来るらしいので、どういう性格のキャラクターなのか、まずは注目といった所でしょうか。
今週のプリアラを一言で表現
なんかどんどん変顔芸が酷くなってきているのは気のせいなのか、どうなのか。果たして…(笑)
来週もキラキラル☆
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*1:ただし上でも書いた様に同種の武器を使えばジュリオの力の方が強かった、とも考えられる訳で、今回の戦闘シーンは様々な解釈が出来ると思う。