昨日のNHKニュースでも報じられていましたが、とうとう伊方原発の再稼働が秒読みになりましたね。
愛媛県の中村知事は「エネルギー効率の良さ」「住民と話し合いの上での理解」「代替エネルギーの開発までの暫定的措置」である旨を語っていました。
どういう形であれ、地質調査などの安全基準もクリアしているため、妥当な判断だったと思います。
ところで伊方町は非常に印象深い街だったりします。
日本一長い佐田岬半島を自転車で訪れたのはもう7年前の話でしょうか。
しまなみ海道から四国に渡り、瀬戸内海沿岸をのんびり走行しながらたどり着きましたが、予約を入れたホテルは早くに到着していたため開いておらず、仕方なく街中をぶらぶら散歩していました。
伊方町の中心地である伊方は正直言えばさして広くもなく、ものの一時間もあれば粗方歩ける程度の広さでした。
しかし、その中心部に異様に立派な建物があるんです。
何分昔の話でうろ覚えなのですが、確か公民館だったと思います。上部に渡り廊下まである、寂れた漁村には似つかわしくない異様な建物で非常に印象に残っていることを憶えています。
というより、今はgooglemapという便利なものもあるんでしたね、調べてみましょう。
ああ、これですね。渡り廊下もあるし間違いない。町役場+複合施設みたいですね。なつかしいなあ…
さて、散策をしていていい時間になり、私は投宿することになりました。町唯一のビジネスホテルでお世辞にも繁盛しているようには見えませんでしたが、夕飯の時間になると先客がいらっしゃいました。
灰色っぽい作業着姿の二人が談笑しており、少し話が耳に入った所でようやく合点がいきました。
この二人は伊方原発の職員さんだったんですね。
そして、同時にあの妙に立派な建物があったのにも納得。
このビジネスホテルは原発の職員さんの宿泊所として利益を出しているのでしょうし、町も原発の恩恵を受けていたわけです。
ですから、今回の再稼働のニュースは私としては非常に納得出来るものでした。
中村知事がおっしゃっている事はおおむね理に適っており、上に書いたような事情もあるとなれば、再稼働やむなしといったところだと思います。むしろ「代替エネルギー」について触れられている事は好感さえ持てます。
ただねえ
あの異様に伸びた半島地形から察することも容易ですが、地震頻発地帯なんですよねえ…ここ。
また、地形的にも津波などが起これば被害を受けやすいでしょうし、今でこそメロディーラインという大規模国道が半島のほぼ中心部の尾根を走ってはいるものの、昔は船でしかたどり着けない「陸の孤島」だった険しい地理条件ですから、万が一が起こった場合は不安ですよね。
地震大国である日本にとって、原子力に代わる代替エネルギーの開発は国家を挙げての急務と私は考えているのですが、マスコミであれ公的なインフォメーションであれイマイチここら辺の情報が流れてこないのが如何ともし難いところですね。目標でもいいから提示することって大切だと思うんだけどな。