ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】トロピカル〜ジュ!プリキュア第43~44話雑感

f:id:furafuraasobinin:20220116182958j:plain毎年恒例! 新年から舞台の街が大惨事になる光景をご覧ください!(´;ω;`)

 

さて、設定暴露回からの最終決戦直前までの流れでしたね。これまた濃密な展開がなされました。それと同時に雑感と呼ぶにはかなりの長文です。覚悟を決めた方からどうぞm(__)m

 

まずはあらすじ

鯨型ヤラネーダに粗方のやる気パワーを吸い取られてしまったあおぞら市。町を救うべく、そして連れていかれてしまったキュアサマーを救出すべく、残ったトロプリメンバーは海の中に向かう事を決意します。

壊れてしまったアクアポッドを修復するべくキュアラメールは単身グランオーシャンへ。残った三人はローラの助言で後回しの魔女の本拠地へ。

一方、キュアサマーは変身解除状態で不思議な空間を漂っていたのですが、またしても伝説のプリキュアと破壊の魔女との邂逅(?)の幻影を見せられます。やがて眼が覚めた彼女は眠っている鯨型ヤラネーダの口をこじ開けて脱出、そのまま後回しの魔女の館に向かいます。

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場面変わってグランオーシャン。アクアポッドの修理を女王に依頼したローラはそのついでにどうして記憶を封じなければならないのか、そしてなぜ人魚はプリキュアになれないのかを問い質します。それに関して一つ一つ応えていく女王、そして彼女は先日伝説のプリキュアに聞かされた、後回しの魔女の真実をローラに伝えるのだった…

魔女の館側では、まなつがエルダと、キュアフラミンゴら三人がヌメリーとバッチング。早速騒動になるのですが、その騒ぎにイラつき始めた後回しの魔女を宥めるようにバトラーは愚者の棺を満たせるだけのやる気パワーが集まったと進言。

館の中では狭いと悟ったメンバーはいったん外に出るものの、今度はチョンギーレが率いる鯨型ヤラネーダと戦闘になりますが、愚者の棺に注ぎ込むためのやる気パワーを失っている鯨型ヤラネーダは急遽駆け付けたキュアラメールの助力もあってマリンビートダイナミックであっさり浄化。実はアクアポッドはまだ修理中なのだが、やる気回収&カムバックする必要性がないからこうなる訳ね、なるほど。

余勢をかって一気に魔女の部屋まで突入するトロプリチーム。女王からすべてを聞かされていたキュアラメールは反対するキュアフラミンゴを納得させたうえで、魔女の説得を試みます。しかし、バトラーはプリキュア達の説得と記憶の曖昧さに苦しむ魔女を焚きつけ、更に愚者の棺を発動。バトラーは愚者の棺とはやる気パワーを注ぎ込むことで発動、その後世界を破滅させ、生きとし生けるものすべての生命力を奪取し、その力を使用者に不老不死という形で分け与えるものだと説明。流石にそれを承服しかねたチョンギーレを裏切り者としてヤラネーダ化させてプリキュア達に襲い掛からせます。

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f:id:furafuraasobinin:20220116183145j:plainチョンギーレヤラネーダの攻撃をかいくぐり、愚者の棺を止めるためにやる気が満ちた瓶を何とか割る事に成功したものの、攻撃をもらいそうになったキュアサマーをエルダが何気なく救助(わざと落とし穴を発動させ、キュアサマーを落として他のメンツに彼女の後を追わせ、落ちた先の牢屋の鍵を「閉め忘れて」いた)。すぐさま別の部屋に移動しいったん落ち着いたトロプリチームにキュアラメールは女王から伝え聞いた真実を皆に語り始めます…

はるか昔、地上は破壊の魔女によって攻撃されていました。なぜ破壊の魔女が生まれたかは定かではありません。そういう存在として生まれた、としか今となっては分かりません。しかし、人間の必死の抵抗にあい、彼女は傷つきとある洞窟に身を隠します。

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そこで破壊の魔女は一人の少女と出会います。彼女の名はアウネーテ。彼女は傷ついた彼女に食べ物を分け与え、ほとんど言葉を発する事が出来ない魔女に私たちは友達だと微笑みかけます。魔女は聞いたこともない友達という言葉の意味と、自身が破壊を宿命づけられた存在であるという現実に得も言われぬ感情を抱きながら海に帰っていきます。

一方、事態を重く見たグランオーシャンは当時の女王が一人の人魚を地上に派遣し、プリキュア探索を命じます。やがて、一人のプリキュア、キュアオアシスが誕生し、彼女は破壊行為を繰り返していた破壊の魔女と対峙し、そしてお互い驚愕します。キュアオアシスの正体、それはアウネーテに他ならなかったのですから…

破壊行為を止めてほしいというキュアオアシスの言葉に耳を貸さない破壊の魔女と激しい攻防が繰り広げられ、戦いは両者互角のまま平行線に。そして、破壊の魔女は突如戦いを辞め、こう言い残して去っていきます。「この戦いは明日にしよう」と。

館に戻った彼女は翌日、バトラーに戦いの続きを問われるものの「明日にする」と返します。そんな日がしばらく続き、延々と続き、悠久の時が過ぎ…破壊の魔女は、その記憶、目的すら失い、全てを後回しにする…後回しの魔女になったのです。

事情をすべて聞いたトロプリチーム、もう1回魔女を説得するように試みる事にします。そんな決意を固めた所でチョンギーレヤラネーダが部屋に突入。狭い場所での不利を悟ったキュアフラミンゴの機転で外に離脱、追いかけてきたチョンギーレヤラネーダを待ち受ける形でマリンビートダイナミックを放ち浄化成功。一方、先ほどのトロプリチームの説得によって記憶を取り戻した後回しの魔女は、長い時が過ぎ、もうキュアオアシス=アウネーテがもうこの世にいない事を悟って錯乱。自らの使命、世界の破壊を行うべく外に飛び出し、彼女を跡継いだプリキュア達に襲い掛かります。

しかし、キュアサマーの必死の説得「あなたが後回しにしたのは破壊じゃない、人間の女の子と仲良しになる事、勇気がなくて出来なかった事、そして今やるべきことだ」を受け、更にその場にキュアサマーを介して現れた伝説のプリキュア=キュアオアシスの霊と再会できた事で破壊の魔女は落涙、「彼女と友達になりたかった」事を「思い出し」てキュアオアシスとともに昇華、消滅していきました。

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その様を見て人間の娘に誑かされた、と激怒したバトラーは自らをヤラネーダ化させ、三幹部のやる気を吸収、最後にプリキュア達のやる気を奪って愚者の棺を発動させようと画策する…というところで幕となりました。

 

敵側の事情について

後回しの魔女

割と単純な事情でしたね。逆に色々想像できる余地があって良かったと思います。

プリキュア達も言っていましたが、破壊を宿命づけられそれしか知らなかった彼女に心という灯を点ける事が出来たのはアウネーテの優しさに他なりません。逆から言えばそれだけ彼女は無垢だったとも言えるわけです。

考えてみると、彼女は作中、悪事というものを働いてはいません。やる気の回収にしても、直接指示していたのはバトラーです。確かに過去に地上に破壊をもたらしてはいましたが、それも彼女が生まれついての業であっただけ。バトラーにやる気の回収を指示していたのは確かなようですが、今までの行動を鑑みるにそれも彼自身が唆していた可能性が高い。もちろん、破壊を使命に生まれたというのならば、それは生まれながらに邪悪だった、とも言えるわけですが、それもアウネーテによって氷解した、だからこそ「破壊」という唯一の彼女の存在理由を「後回し」にして記憶まで失った…

ところで、彼女の全身像から、破壊の魔女は人魚かそれに類するものだったと推察できますが、先回にローラが語ったところによると、人魚というのは巨大な貝殻から自然発生的に生まれるそうですね。親というものを介さない。前作のヒーリングアニマルと似た設定ですが、もし大自然そのものが破壊の権化である破壊の魔女を生んだのだとしたら…少しキングビョーゲンにも通ずる生い立ちの様にも思えます。キングビョーゲンと破壊の魔女、最後は全く違う存在となった訳ですが、それはそこに寄り添ってくれる存在(及び質)がいるかいなかったか、それだけの差だったのかもしれませんね。

それにしても、ようやく全てを思い出し、アウネーテの霊と再会したことにより、涙を流しながら彼女と友達となりたかった旨を述べながら消滅していった様は哀しくもあり美しかったですね。個人的にはエヴァンゲリオン綾波が死ぬシーンを想起しました(涙という感情を知った時、彼女は死ぬしかなかった)。

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或いは、彼女はもうとっくに滅んでいた存在だったのかもしれませんね。ただただ、アウネーテと会いたい、という心だけが、全てを後回しにし、記憶を失ってなお肉体だけを生き永らえさせていた。そして、全てを思い出し願いがかなった瞬間、アウネーテの霊とともに昇華していった。儚くも凄い結末だったと思います。すごく個人的な感想を言わせてもらうと、すっかりやられた、といった感じです。上記は自分なりの推論も入っていますが、そういう想像の余地がある設定を盛り込んだ上でシナリオを展開した方はストーリーテラーとしてとても優秀ですね。

 

バトラー

全ての元凶は彼だったようですね。前の記事でも書きましたが、表情が読めないタツノオトシゴモチーフである事、そして、表面上では三幹部とも和気藹々とやっていた事で騙されがちでしたが、とんだトリックスターでした。

しかも、シナリオ上でも、めんどくさがりを前面に押し出し出撃を渋る三幹部を半ば強制的に脅したり宥めすかしたりして地上襲撃を命令したり、片鱗はきっちり覗かせていたのですよね。こういうところは本当に上手い。

さて、彼は(正確には分からないが)破壊の魔女の近衛兵とかお付きの位置にいたようですが、どうも彼女にそれ以上の感情を抱いていた節がありますね。それも信奉というよりは、もっと感情的な。先回の鯨型ヤラネーダ襲撃の際には破壊の魔女時代の彼女を「美しかった」と称していますし、今回はキュアオアシスに対して「魔女様を誑かした」、後回しの魔女が消滅した際には泣きながら「なぜ私を残して逝ってしまったのか、あんな小娘の言葉に惑わされて」とまで言っています。

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そして、彼女の破壊の意思を引き継ぐべく、自らをヤラネーダ化…完全に狂っています。それだけ焦がれた相手だったという事でしょうか。

しかし、そのあまりに過剰な執心はやがて彼自身の目的と手段が入れ替わるまでに蝕み、最終的には仕えるべき相手である後回しの魔女まで言いくるめるように操ろうとしたり、仲間であったチョンギーレをヤラネーダにしたり、愚者の棺を発動させるために三幹部のやる気まで奪ったり…前作のシンドイーネも情愛に溺れ最終的に歪んでしまった幹部でしたが、バトラーも大概ですね。

メタな事を言うと、今作はあと2回で決着のため、次回が実質最終回、後回しの魔女も消滅した以上、ラスボスは恐らくバトラーヤラネーダという事になるのでしょうが、狂った存在が破壊をまき散らし、それをプリキュア達が止める。どういう大立ち回りが最後にあるのか、今から注目したいと思います。

 

三幹部

ちょっとチョンギーレがかわいそうでしたね( ´艸`)

元々、彼らはそれほど悪辣という訳ではなく(ただ36~37話だけは飛びぬけて邪悪だったが)プリキュア史上でも一二を争う緩い幹部達でした。

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ただ、ちょっと気になったのは、なんで彼らが後回しの魔女に与する事になったのか、です。確かに不老不死を得る、という目的はあったのでしょうが、今回も魔女が消滅した際には「最後は幸せそうな顔してやがったじゃねーか」と宣うチョンギーレに他の二人も同意しており、彼女に対して情がなかったようには到底思えないし、打算的な関係性だけだったとは思えないんですよね。

プリキュアと敵対していたことについても、もちろんプリキュアが任務の邪魔をしていた事はあるにせよ、どちらかと言うと、プリキュアを想起すると暴れ始める魔女に怯えていたような描写があり、そういう点でプリキュアを疎んじている、程度の感覚でした。まして44話で見せたように、エルダはキュアサマーを助けるような行動まで起こしており、牢屋の鍵をかけ忘れたのも恐らくわざとなんですよね。これは第19話でのまなつとの交流が活きた形になりましたね。

ただ、じゃあ、彼らが善人か、と言われればそうとも言えず、度重なる地上襲撃は言うなれば自分たちが不老不死を得られるのならば他人はどうなっても構わない、という考え方でもある訳で、カオティックである事に変わりはないと思います。流れ的に生き残る事は確実かと思われるので、最終的にどういう立ち位置に落ち着くのかは分かりませんが、プリキュア達とは別の意味で注目したいキャラクター達ですね。

 

味方側の事情

グランオーシャン陣営

敵側の事情はおおむね分かりましたし、大きな破綻もなく、後回しの魔女関連に関しては今期間で決着までしてしまいました。しかし、グランオーシャン陣営となると、未だに腑に落ちない点が多いです。

破壊の魔女が暴れまわっていた時代の女王…は、まあそれほど大きなウェイトを占めていたとは思えませんからいいのですが、まずはキュアオアシスとそれを探索した人魚。

f:id:furafuraasobinin:20220116183619j:plain人魚とアウネーテとの間にどのようなやり取りがあったのかまでは分かりませんが、普通に考えれば、破壊の魔女の脅威が去った後、人魚はグランオーシャンに帰還、そして記憶を消された上で女王を継いだ、と考えられます。

たまったものではないのはアウネーテ=キュアオアシスですよね。上で書いたように人魚とどうい関係を築いたかは分かりませんが、彼女は邂逅してすぐに破壊の魔女と友好関係を結ぼうとしたような娘です、友好的な関係だったことは容易に想像がつきます。

しかし、いつの間にやら、破壊の魔女に勝負をすっぽかされて再び会う事も叶わず、人魚も記憶を失った状態になった時から、彼女と会う事はなかったでしょう。アウネーテがその後どういう人生を歩んだのかは分かりませんが、彼女は平和と引き換えに大切な友人を二人失う結果になってしまったのですよね。

霊になった後も自分が声をかけても振り向いてくれない後回しの魔女のそばに寄り添っていたり、ようやく自身の後継者と思われるまなつが現れた際には魔女の救済を頼んだり、芯の強く心優しい娘であった事が伺えます。

その彼女ですが、前の記事で睨んだ通り、単身でビートダイナミック系の技を使いこなし、格闘をしても破壊の魔女と互角(トロプリチームは5人がかりでも後回しの魔女には歯が立たなかった)という規格外スペックだったことが明らかになりました。パーソナルカラーも緑で、トロプチームと差別化していますね、これ。そりゃ、バトラーはプリキュア、とりわけビートダイナミック系の技を警戒するわけだ。

現女王=メリジーヌも未だに良く分からない…というか引っかかる点が多いキャラクターです。

今回はローラの質問に答える形で、いくつかの疑問に回答を示しましたが、南乃島に伝わる「森の人魚」が彼女である事が判明。その際に自身がプリキュアになろうとして失敗したことを明かしています。

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そして、彼女自身も「記憶を失っている可能性」を示唆しました。しかし、その一方で「記憶などない方が良い、と思う様になる」とローラを諭しており、まだ隠れた秘密があるのかも…と思わせます(あるいは女王になればもう二度と人間たちに会えない事を慮っているのか)。また、まなつ達の記憶を奪うのか、という質問にも明確には答えておらず、どうにもモヤモヤが残ります。この質問の直後に後回しの魔女の真実を語っており、ひょっとしたらキュアオアシスも記憶吸収装置に関与している可能性がありますね。

ところで、上で次回の実質最終決戦の相手は「恐らく」バトラーヤラネーダだろう、と書いています。多分タイムスケジュール的にはないとは思うのですが、これは最後の大どんでん返しがあるかも…と思っているからです。

メリジーヌが南乃島を訪れた理由なのですが、それは彼女曰く「ならず者」が愚者の棺とやる気を満たした聖杯に目を付け悪用しようとしたからなのだそうですが、その過程で自身がプリキュアになろうとして失敗するものの、何とか聖杯の封印だけは成功する、というものなのです。

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やはり腑に落ちません。もちろん、自身がプリキュアになる事に失敗したため、人魚はプリキュアにはなれない、とローラに説いた、でもいいのですが、詳細こそ描かれてはいませんが破壊の魔女の時代もプリキュアはキュアオアシス一人であり、人魚がプリキュアになれない、というのは周知だったとも思えます。しかし、それでも彼女がプリキュアになろうとしたという事は、南乃島でそれなりに人と交流した(現に南乃島でも口伝と伝えられているわけだし)うえで有資格者が見当たらなかったから、とも受け取れます。しかも、プリキュアになれなかったにも拘らず、最終的には聖杯を封印しならず者の手から守る事に成功した、と。正直言うと、ちょっと嘘っぽいんですよね。出来過ぎというか。

最初はならず者=バトラーだったのでは、と考えましたが、作中、バトラーは図書館の様な場所で書物を読み漁ってこの聖杯の存在を嗅ぎつけており、その線も考えにくい。何より彼がならず者とイコールであるならば、さっさと回収していたはずです。現にエルダ程度で回収できたようなシロモノなのですから。そもそも海中の洞窟に封印=手出しが出来ない状態になった、というのであれば、そのならず者というのは海中生物ではない可能性が高い。では、そのならず者とは? 作品全体を振り返ってみても該当者はちょっと思いつきません。これが筆者が(一応)大どんでん返しを警戒(というよりは期待)している理由でもあります。

 

プリキュア達について

うん、もうキュアサマーがひたすらかっこよかったです…上のあらすじでも書きましたが「あなたが後回しにしたのは破壊じゃない、人間の女の子と仲良しになる事、勇気がなくて出来なかった事、そして今やるべきことだ」と後回しの魔女に対して言ったのにはちょっと感動しました。きれいごとだけではない、糾弾だけではない、彼女を理解した上で優しくも厳しく諭した。しかもまなつの今までの生い立ち、主義、考え方、全てが凝縮している。本当にやられました。

あと、キュアフラミンゴが魔女を説得する際に「伝説のプリキュアとの戦いを後回しにし続けたのは、彼女を大切に想っていたからだ!」も痺れました。これ、百合子と和解したからこそ出たセリフですよね。彼女は魔女の身の上を少し自分に重ねていたのかもしれませんね。

今回は全体的に敵側の事情に深く切り込んだ回であり、プリキュア達は少し割を食っていた感がありましたが、それでもところどころでぶっ刺さるセリフが多く、安心してみていられました。最終盤の台詞が今まで積み上げてきたうえで出てくるのはやっぱり長編作品の醍醐味だな、と。

 

f:id:furafuraasobinin:20220116193245j:plain長くなってしまいましたね。次回はいよいよ最終決戦です。まなつの両親や百合子が健在なようなですが、いったんやる気は戻ったのかしら? 個人的にはバトラーヤラネーダは役不足(本来の使い方じゃないんだけどね、この表現。まあ、一般的に解釈してください)だと思われるので、大どんでん返し、若しくはヤラネーダとは全く別の脅威と対峙しそうな予感がします。さて、どうなることやら。

 

ここまでのトロプリをかいつまんでナナメからバッサリ

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うん、やっぱりまなつとエルダは仲良くなってほしいのよ。なんか姉妹みたいで可愛いじゃない、この二人。

 

f:id:furafuraasobinin:20220116183936j:plainそして、次回作、デリシャスパーティープリキュアの番宣が入りましたね。これにて、トロプリは通年より一か月分少ない全46話で決着が確定しました。色々思うところありますが、それは総評にてまとめましょう。まだ完結したわけではないので。

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これは完全に個人的な感想ですが、追加戦士を放映前の番宣に写しちゃっていいの?( ´艸`)というのは冗談にしても、このデザインで中の人も大物となると…勘繰っちゃうよね( ´艸`)

そしてちょっとふくよかな雰囲気と力こぶを想起させる変身シーン、次回のピンク枠はパワー系だな!?(お目目ぐるぐる)

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そういえばSNSで知ったのですが、この作品のキャラデザインの人は過去にシリーズのファンアートを多数手がけた方だそうで、そういう方が正式採用される、というのは正にファン冥利に尽きますよね。とても愛らしい絵柄なので今から筆者も楽しみです。

 

※注:今回画像が少なめですが、これは第44話に画面内に日本地図の大きなテロップが入ってしまったためやむなく大幅削減しました。ご了承ください。

 

【アニメ】トロピカル〜ジュ!プリキュア第42話「襲撃!最強のヤラネーダ!」感想

f:id:furafuraasobinin:20211231183622j:plainWARNING!!

A HUGE BATTLE SHIP

SIRONAGASUKUJIRA=YARANEEDA

IS APPROACHING FAST

 

まずは予想通りの前哨戦、というか、最強のヤラネーダ登場、そして何より最重要アイテムの破損という、大ピンチを迎えて幕という内容になりました。

 

話の流れとしては、着々と卒業フェスティバル(通称:トロフェス)の準備を進めるトロピカる部の面々。新生徒会とも険悪な関係性は解消され(個人的には里香がふんぞり返っていたのが気になったが)校内のほとんどの生徒たちも巻き込んで、最早一大イベンターとしての地位を確固たるものにしています。

あすかはフェニックス学院に無事受験成功。みのりのシナリオ作りも最後の締めに悩みつつも着々と進行し、大忙し。充実した日々を過ごすまなつ達。

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しかし、そんな中、時折物憂げな表情を見せるローラ。もちろん、理由は記憶の事。それをまなつに指摘され、私が女王になった暁には掟は廃止する、などといつもの調子に戻って宣言するものの、彼女は心の中である決意を秘めていて…というものでした。

 

着々と収束に向かって話が進んでいるイメージですね。そして、いくつかの設定も暴露される回となりました。

 

敵側の事情について

後回しの魔女が相当焦っている事が判明しました。尤も、これは割と単純でして彼女が愚者の棺を用いて不老不死をの実現を急がせているのは、単純に「寿命が尽きそうだから」というもの。ただ、その延びた寿命で何がしたいのかまでは分からない訳ですが。単純に不老不死を得たいだけとはどうにも考えにくい。

そして、伝説のプリキュアと戦ったのはやはり彼女自身である事が判明。そして、その頃は今の名前ではなく「破壊の魔女」と呼ばれていた事、バトラーはその頃から若輩だったとはいえ魔女に仕えていたことが判明しました。

とはいえ、現段階で暴露されたのはここまで。ですが、バトラーがやたらと事情通である事などの説明付けにもなっており、破綻はしていません。図書館のような場所で資料を読み漁った結果かもしれませんが、ひょっとしたら、彼は伝説のプリキュアがビートダイナミック系の技を使用するところを目撃しているのかもしれませんね(伝説のプリキュアがビートダイナミック系の技を使えたかもしれない示唆)。

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そして、今回正式に後回しの魔女が人魚型のボディであることが発覚(今までは足の部分がカーテンで隠されていた)。更に、若かりし日のバトラーの姿が鎧姿に槍を構えているといういで立ちであり一言で言うと近衛兵っぽいんですよね。近衛兵というからには後回し…いや、あえて破壊の魔女と呼ばせてもらいますが、彼女は宮殿のような場所で傅かれていた可能性が高い訳で…少しずつ話が見えてきた気がします。

そうなると気になるのは古株というわけではなさそうな三幹部と魔女&バトラーとの関連性ですが、次回はどうもプリキュア達と三幹部が相まみえそうな雰囲気なので、ここら辺の事情も語られそうです。

 

プリキュア側の事情について

話の最終盤にきて、最も痛いウィークポイントを突かれてしまいました。ヤラネーダを浄化するために構えたアクアポッドをそれをさせまいとバトラーに攻撃されて落とされてしまい、そのショックで故障してしまい機能が停止してしまいました。

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逆から言えば、例え最強のヤラネーダである鯨型でもアクアポッドでやる気を回収・返却されてしまえば浄化されてしまう可能性は高い訳ですよね。

しかし、前々から描かれていた事ですが、トロプリチームはローラ(キュアラメール)&アクアポッドがなければ、冗談抜きでヤラネーダとの戦闘を終了させる事が出来ないんですよね。先回、キュアサマーがアクアポッドを使用してちょっとした惨事を起こしてしまいましたが、通常版のヤラネーダですらそのザマだった訳で、ここまで能力が限定されたプリキュアって実は初めて…かも? 似た設定に前作のキュアスキャンがありましたが、あれはヒープリメンバーは誰でも可能だったからなあ。

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敵側からすれば当然の戦略な訳ですが、いざ実行されるとなかなかエグい。プリキュア側は要の部分を失ってしまった上に、やる気を奪われた人間たちを救う事も出来なくなってしまいました。次回では鯨型ヤラネーダに飲み込まれてしまったキュアサマーを救出するべく敵の本拠地に乗り込むようですが、いよいよ負けられない戦いを仕掛けることになりそうです。そう、彼女たちから仕掛けるんです。今までの戦いは(プリキュアの戦いとは往々にしてそうだが)敵からの攻撃の防衛、即ち邀撃だった訳ですが、ことこの事態になって予断は許されなくなりました。なかなか緊迫した展開になってきましたね。

 

背景について

主にバトラーの回想によって語られましたが、破壊の魔女及び伝説のプリキュアが戦った時代ははっきりしていません。

しかし、破壊の魔女が人間の世界を侵攻している場面で、なぎ倒された馬車、石造りの建物、少し時代がかった衣装で逃げ惑う民衆、などが描かれ、どうにも中世~近代ヨーロッパのようなイメージでした。

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もちろん、詳細不明ではありますが、ここと人魚にゆかりのある地・南乃島との関連性はあまりないようなので、どの程度の規模で破壊の魔女の侵攻が世界で行われたのかは分からないのですが。

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そう言えば、先回、記憶の貝殻で視た人魚と人間たちの交流も中世~近代ヨーロッパの様な雰囲気でした。ペニー・ファージング(前輪が大きい昔の自転車)に人魚が乗っているシーンもありましたし、もしこの辺りの時代と破壊の魔女と伝説のプリキュアとの戦いが同時代であるのならば…19世紀あたり、かな? 中世というよりは近代ということになるのかも。まあ、この辺りは推論ですので何ともです。

 

次回はなんと鯨型ヤラネーダに飲み込まれて連れ去られてしまったキュアサマーを救うべく残ったトロプリメンバーが敵の本拠地に乗り込む班と、壊れたアクアポッドを直す班とに分かれて行動する、という展開になるようです。

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f:id:furafuraasobinin:20211231184423j:plain寡兵を更に割くというのは戦術としてはいただけない様な気がしますが、事態が事態ですからね。ただ、予告画面ではまなつは自力脱出しているっぽいんだよなあ( ´艸`)

 

ここまでのトロプリをかいつまんでナナメからバッサリ

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f:id:furafuraasobinin:20211231184649j:plainシリアスなはずの展開なのに鯨の潮吹きで追い出されるシーンで笑いを取るところ、僕は嫌いではないです!( ´艸`)

 

そして、今年最後の更新となりました。更新頻度が停滞しがちでしたが、一読していただいている読者様には感謝の気持ちしかありません。引き続き、来年もよろしくして頂ければ幸いかと思います。

それでは、良いお年を。

 

 

【アニメ】トロピカル〜ジュ!プリキュア第40~41話雑感

f:id:furafuraasobinin:20211223180701j:plainみのりん食レポの才能ある説( ´艸`)

 

さて、今回は一応2話分の総評にはなるのですが、第41話は実質総集編回だったので、第40話のみのり個別エピソードにスポットを当てたいと思います。

 

第40話:成長物語としては良かったのだが…

話の流れとしては、トロピカる部発案の卒業フェスティバル、まなつの提案で部の出し物としてみのりの書いた小説「マーメイド物語」の演劇をやろう、という事のなるのですが、みのりはあの作品は欠陥品である、と拒否します。

しかし、ローラの提案でならば悪いところを直した上でシナリオ化すればいいのではないか、という話になりますが、みのりはそれを保留。

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一方、まなつはマーメイド物語内に登場するアイテム「伝説のパパイア」がどんなものなのかに疑問を持ち、翌日、みのりを含むトロプリメンバーを伴って伝説のパパイアを探しに街に繰り出すのだが…というものでした。

 

しかし、探索開始すぐに伝説のパパイアが見つかってしまうという衝撃の事実(笑)。まあ、実際はブランド名だった訳ですが。こういうところにクスリと笑えるネタぶっこんでくるのいいですよね、トロプリ。

さて、みのり再起動回でしたね。話の流れとしては申し分なく、逆から言えばテンプレート的でもありました。

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八百屋で伝説のパパイアのブランド名のパパイアを作っている農家との繋がりを得てそこを訪れるトロプリチームなのですが、そこでパパイアの味を知らなかった、どころか食べた事すらなかったみのり、そこから生じる自身の経験不足への自己嫌悪、そして初めて食べたパパイアを通じてトロピカる部の面々が自分に様々な経験をさせてくれていた事への再認識、という展開となりました。

何より象徴的だったのは、皆で楽しく農家さんに振舞ってもらったパパイアを食べながら「(自分の作中の)伝説のパパイアがあるとすれば多分こんな味なのでは」とみのりが言っていた事です。

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パパイア自体が美味しかったこともさることながら、やはり心を通わせ合った仲間とともに食べればより美味しい、という事なのでしょうが、マーメイド物語に於いて、まなつ自身も疑問を持っていましたが、どうもその「伝説のパパイア」というものは正体が分からずじまいっぽかったのですよね。つまり、今回のまなつの誘いを以て、しかもこれまでも様々な経験を経て、彼女は「伝説のパパイア」という言うなればマーメイド物語の核、延いては自身の欲しかったものの象徴に対し一つ答えを見出した、と。

中盤でエルダが呼び出したエビ型ヤラネーダと戦闘になりますが、そこでもキュアパパイアは今までの経験が積み重なった今の姿こそがキュアパパイアなのだ、と啖呵を切りました。

f:id:furafuraasobinin:20211223182442j:plainそして素早い移動で味方を翻弄するヤラネーダに対し、四方からの同時集中攻撃を指示し、逃げ道を上に限定させたうえで攻撃を加える、という策士ぶりを見せました。プリキュアメンバーと敵の特性を見極めた頭脳戦は正に彼女の経験値の高さに裏付けされた真骨頂の様なシーンでしたね。

戦闘終了後はマーメイド物語ではなく、新たなシナリオを着手する事、そしてそれはトロピカる部のメンバーをモチーフにする事を皆に宣言して幕となりました。

しかし、どうにもこの話、個人的にはもやっとしました。

というのも、このマーメイド物語、どうも完結していなかったらしいのです。実際のところは良く分からないのですが、まなつがこの本を改めて読み返しながら「続きが読みたい」と言っているのです。

もちろん、未完品であろうと、文芸部の先輩に言われたことを気に病んで筆を折ってしまった事に破綻はないのですが、それならばなおの事きっちり手直ししたうえで完成させなくてはならなかったのでは? と思うのです。ましてや、今話の最後でマーメイド物語ではなく新作を書き下ろす、という事は、厳しい言い方をすればマーメイド物語という作品に対しては逃げたとも受け取れます。

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言いたい事としては、マーメイド物語の核である「伝説のパパイア」=トロピカる部での大切な思い出と経験=それを反映させた新作、という構図なのは分かるのですが、マーメイド物語はまなつやかつての文芸部員から好評を得ているそれなりの作品である事も考慮すると、最後までやり遂げた方が良くないかな? とも思うのです。そしてその上で改めて先輩の意見を覗ってみればいい。新しい作品作りが再出発の狼煙、でも良いのですが、マーメイド物語が嫌な言い方をするなら踏み台になったかと思うと、それはなんか違うんじゃないかな、と。少なくとも続きを楽しみにしている人間が一人はいるんですから。*1

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ただ、先回での回想でみのりは「書き終わった(時にやったと思った。傑作だと思った)」とも言っており、この表現からすると完結している様にも取れるんですよね。どうにもこの部分はあやふやです。みのりの物語の芯の部分だと個人的には思っているので、もう少し明確にしてほしかった。

…まあ、この創作物を最後まで書き切る、作り切る、というのは結構自分にも耳の痛い話で、私事になりますが、自分も処女作に当たる小説は完成させる事が出来なかったので自戒の意味も込めているのですが(^_^;)

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次話である総集編でみのりの新作はまなつの提案もあり「トロピカる物語」に決まったようですが、どうも最終回に関りが出てくるような雰囲気もありますし、まだマーメイド物語の話が出ないとも限りません(別に作品そのものを廃棄したわけではないので)。あすかやさんごが割とすっきりした回答を提示したのに対すると、どうにももにょる内容だったので、最後までみのりの動向は気になりますね。

 

敵側の事情

第40話にてエルダがエビを核にした生体ヤラネーダが登場した際に気が付いたのですが、次回は鯨型が登場するらしく、やはり海の生物縛りでもあるんですかね? しかし、それだと、幹部達自ら…というのは一応適用できるんですよね。

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そういえば、今回はエルダが出撃の際「そろそろ本気出しちゃおっかな」と妙に大人びた声で言っており、ここら辺の動向も気になります。

第41話ではみのりが新作の脚本作りの参考にしようと、今までのトロピカる部や仲間内の軌跡を追憶する、という内容だったのですが、敵側も三幹部達が集まりながらだべっており(あれを会議と言っていいのかわからいので)、ランドビートダイナミックを凄い技だった、と回想しているんですね。これ、何気に先回海のリングを狙った理由付けにもなっています。こういうところは丁寧でした。

 

第41話で気になった点としては

あすか初登場のシーンを再度見ることになりましたが、初変身時の啖呵といい、彼女はやはりセーラームーンでいうところの外惑星戦士枠の方が良かったんじゃないかなあ、少なくとも中盤までは、と思ってしまいました。まあ、この手のキャラクターが出るといつも思ってしまう事ではあるのですが。近作ではスタプリのユニがそのポジションでしたね。

ただ、あすかの場合、特にローラとのやり取りもあって、すぐになれ合うのは少し違和感があったんですよね。まあ、まなつの人徳かな。

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ローラは回想しながら大部分ところどころを盛って話すのが相変わらずの可愛さでしたが、例の「人魚はプリキュアにはなれない」については「私はその枠を飛び越えたスゴい存在」ぐらいの認識なんですね。彼女らしいですが、それ以上にこの作品の作風かな、とも感じました。

尤も、グランオーシャン側の事情も伝説のプリキュアの件も含めてまだまだ謎な部分が大きいですし、最終盤に向けて語られることもあるかもしれません。そして上でも書きましたが…

 

f:id:furafuraasobinin:20211223182850j:plain次回はとうとう鯨モチーフ、そして最強のヤラネーダが登場するそうです。最終決戦への前哨戦の匂いがぷんぷんします。そして、個別エピソードを着実にこなし、伝説のプリキュアやグランオーシャンの秘密もある程度語られ、敵の最強モンスターを浄化する変身フォームも登場済み、敵側も三幹部の上に当たるバトラーが出張る事が多くなり、いよいよ駒が揃ってきた感を鑑みても1月末決着ですかね、恐らく。

 

ここまでのトロプリをかいつまんでナナメからバッサリ

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物書きの立場で言わせてもらうと、こうなると創作って一気に楽しくなるんだよね。頭の中でキャラが勝手に動いてくれるの( ´艸`)

 

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*1:ただ、途中でマーメイド物語に手直しを入れているシーンは挿入された。

【アニメ】トロピカル〜ジュ!プリキュア第38~39話雑感

f:id:furafuraasobinin:20211207222109j:plain試合途中にマクロスプラスばりに過去の恥ずかしエピソードを罵りあうのは微笑ましかったのだが、財布なくしたら普通泣くだろ、あんまり酷なこと言わないでよ、百合子さん…( ´艸`)

 

さて、この期間中はとうとう個別ラストエピソードの体を擁してきました。まずはあすかとさんごの将来像や悩みの解決に割かれたわけですが、来週はみのりのエピソードになりそうですし、先回のグランオーシャン来訪回もローラメインと取れなくもありません。着々と終演が近づいていますね。

 

あすかと百合子の対立の決着

第38話では、とうとうあすかと百合子の確執の解決が図られました。

話の流れとしてはひょんなことから文武両道の名門高校・フェニックス学院をトロプリチームが訪れます。実はフェニックス学院はあすかが目指していた学校であり、しかし彼女の学力ではかなりの難関で、本来狙っていたスポーツ推薦も部活での実績が途中でなくなってしまったため、彼女は進路に悩んでいる…という経緯がありました。

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そんな折、トロプリチームは学院の中でテニスの練習に打ち込む百合子を発見します。彼女はフェニックス学院への推薦が決まっており、事前に練習に参加させてもらっていたようでした。

百合子もあすかの存在に気が付き、彼女は煽り口調でテニスでの一騎打ちを提案します。あすかの実力に懐疑的なコーチにもし自分がここで負けたらコーチの判断で推薦枠を彼女に変えて構わない、と口添えて。

 

正直、お見事としか言いようがないシナリオでした。

以前の記事でも書きましたが、この二人は決して心の底から嫌いあっているわけではなく、意地の張り合いをしているだけなんですよね。今回はテニスにおける真剣勝負の上でお互いが思いの丈をぶつけ合う事で和解に至りました。

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f:id:furafuraasobinin:20211207222348j:plain一つ筆者が勘違いしていたと同時に、なんで気が付かなかったのかな、と反省したのが、過去の決勝戦辞退は、百合子からしてみればあすかを守るためだった、というのがありました。もちろん、部員たちの大会チャンスを潰させないというのもあったのでしょうが、百合子は本当にあすかの事が大切なんですね。

今回の勝負にしても、壁打ち練習を再開したあすかを偶然見かけた彼女が気持ちを確かめるために仕掛けた事でしょうし、推薦の件にしても散々煽ってはいましたが、彼女の実力を認めていたからこそでしょう。そもそもあの煽りにしてもああいう事を言えば(「負けるのが怖いのか? 逃げるのか?」)あすかは勝負に乗ってくることが分かっていたからあえてやった風に見え、本当に彼女の事を理解しているんだなあ、と。

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f:id:furafuraasobinin:20211207222606j:plainそして、何と言っても、あすかとなら百合子はちゃんとリスクありの勝負をするんですよね。推薦枠を賭けた(まあ、これには後述のオチがあるが。だからこそ判断をコーチに委ねた)というのも、少なくともあすかが自分と互角かそれ以上という自覚があったからでしょうし、何より彼女の事を認めている、という証左です。

穿った見方をするのならば、彼女がトロピカる部を敵視していたのは、あすかの有り余る才能をトロピカる部で腐らせていくのが嫌だったのかもしれませんね。故に、トロピカる部が絡むと互角の勝負すらしてくれない(一方的に叩きのめそうとすらする)。

f:id:furafuraasobinin:20211207222654j:plainしかし、勝負の中で(実際試合自体はあすかの方が圧倒的優位だった)あすかがトロピカる部に所属しメンバーたちと触れ合って強くなっていったことに気が付かされた。だからこそ、試合の途中でヤラネーダが出現し、4人がその対処に向かった後にあすかも試合放棄をしてでもそちらに向かう事を百合子は認めました。修学旅行の件であすかがプリキュアである事に気が付いていたことを明かしながら。

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なんとなくそうではないか、と思っていましたが、結局この話の最後で推薦枠は百合子のままで落ち着いたのですが、彼女は学力でもフェニックス学院に通るだけの実力はあり、つまりあすかに推薦枠を譲る気がかなりあったんですよね。悪い言葉で言えば計算高い…という事になるのでしょうが、自分の素直な感想としてはどちらかというとこの人はつくづく不器用なんだな、と。

今回の勝負の件もそうですし、以前の決勝戦辞退も、作品中ところどころであすかに苦言を呈するのも全て心配の裏返し。何とも損な性分な気がします(あすかが直情直球タイプなだけになおさら)が、だからこそ人間的で魅力的でもあります。なんか一気に好きになったかも、百合子さん。

 

あすか側に視点を向けると、直情型ですぐに熱くなり、曲がった事が許せない、というのは以前から描かれていましたし、今話でもその性格を利用され百合子の勝負を受けることになりました。

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しかし、事テニスの勝負となると、意外と冷静なんですね。1セットを百合子に先制されて煽られても乗る事なく戦局を分析、次ゲームからは彼女を圧倒しています。元々のポテンシャルも高いのでしょうが、それ以上に落ち着いた勝負師の顔を覗かせました。考えてみるとキュアフラミンゴとなって戦闘している際にも、最初に問題提起をすることが多いですよね、彼女は(○○で攻撃が効かない、みたいな)。

あすか自身もまなつのおかげで変われたし、テニスを再開したことを言っていましたが、序盤のトロピカる部入部の際に「もう一度信じてみるか」とこぼしており、やはり百合子のことを信じていたかったわけです。過去の事件で打ちひしがれていたあすかを救い、更には百合子も救った。それはまなつの底抜けの明るさがあったからこそで、彼女に自覚はないのでしょうが、いい方向に影響を与えているのですよね、まなつの「トロピカる」は。

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最後は自力でフェニックス学院に挑戦する事を決め、参考書を買いに行く、という場面で幕となりましたが、次話でさんごから「輝いている」と評され、百合子と仲良くテニスの練習に打ち込んでいる場面も描かれました。本当にあすかに相応しい良い決着だったと思います。

 

さんごの進む道

第39話はさんごにスポットが当たりました。

話の流れとしては、将来の夢を見出しつつありトロピカる部の面々に対し自身が漠然とした目標しかない事に気が付いたさんごは、TVで見かけたかつて知己となった山辺ゆなが審査員を務める専属モデルオーディションに応募する事を決意します。

あれよあれよと審査を通過し最終第一次審査時、さんごはお手の物とばかりにメイクを済ますのですが、その隣にいた気弱そうな別の参加者がその様を見て自身ではそこまでうまくメイクできない、と自信喪失し泣き出してしまいます。

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優しいさんごはライバルであるにもかかわらず、彼女にメイクを施してあげると、他の参加者たちからも次々とメイクをせがまれ…というものでした。

 

うーん、このライバルにまで優しくメイクを施すシーンをきららが見たらなんて言うんだろう…( ´艸`)

さて、なかなか身につまされるというか…私的な事情も含めて、考えさせられる回でした。

世の中には当たり前ですが様々な人間が存在します。様々な人種、様々な思想、様々な容姿、様々な性格が存在します。そして、向き不向きというものが存在します。

この話に於いて、さんごは結論から言えば自分は主役よりサポートの方が向いているし、そういう事に喜びを見出すのが自分なのだという悟りを得るに至りました。そして、オーディションの最終審査を自ら辞退、かわいいものに関わりながら、その延長線上に店を継ぐ事があるならば、それもいい、という答えを導き出しました。

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それはモデルとしてきらびやかな舞台に立つよりも、他人にメイクを施して喜ばれる事であり、もちろんそのメイクの出来栄えがかわいいものであるのならばそれは無上の喜びであり、またプリキュアとしてバリアを張る事で皆のサポートが出来る事が自分の役割であり、要するにさんごの根幹には献身というものがあるのですね。

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実際、サポートというのは重要で先回のまなつも皆のサポートがあるからこそ無茶が出来る事を悟る回がありましたが、これに徹する事が出来る存在のありがたみ、尊さというものはなかなか代えがたいものです。

詳しくは書きませんが(そんな面白い話ではないので)実は筆者もこういう事を悟った事があります。小学校5年の事です。前記したように詳細は省きますが、要するに「自分はリーダーには向いていない。どちらかというとサブリーダーやサポーターをやるタイプである」と悟ったのです。随分小生意気な事を言っているガキ、と思われるかもしれませんが、実際、自分はかなりの早熟だったので。そして、この考え方は年齢を重ねた今でも変わっていません。

その上で敢えて言いますが、今回のさんごに関してはちょっと悟るのが早過ぎないかな? と思ったのです。

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もちろん、全てにおいてさんごの意思こそ最優先でしょう。さんごがそう思ったのならばそれが正義です。実際、さんごは大人しく世話焼きな部分もありますから(おボケさんが多いトロピカる部メンバーにフォローを入れるのは大体彼女)らしいと言えばらしいのですが、同時にちょっと自己評価が低すぎない? とも思うのです。

少なくとも容姿は山辺ゆながオーディションはほぼ合格間違いなしだろう、とお墨付きを与えていますし、性格も過去にTV出演した際に物怖じしておらず(最初にインタビューを受けたあすかはおたついていた)、到底モデル業が向いていないとは思えないのですよね。

スポットライトを浴びるよりも、裏方でも人の喜ぶ顔を見ることの方がさんごにとっては喜びが上回る、というのは分かるのですが、他のメンバーも言っていましたが何とももったいない、という感情の方が上回ってしまいました。

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さんごの選んだ道が、楽であるとか無難であるとは言いませんが、プリキュアシリーズのヒロインたちは自ら困難な道を切り拓くタイプが多いので、ある意味、彼女のこの決断はシリーズの中では結構珍しいものとして印象に残りました。

 

f:id:furafuraasobinin:20211207224310j:plainさて、次回はいよいよみのりメイン回の様ですね。3年生への卒業フェスティバルに出す出し物に演劇を選択したまなつらがみのりにシナリオ作りを依頼する、というものの様ですが…例の先輩が出てくるのか? みのりの再起動は? 興味は尽きません。

 

ここまでのトロプリをかいつまんでナナメからバッサリ

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あのさ、分からない事があったらまなつでもあすかでもいいからまずは聞こう?( ´艸`) 知らないのは恥ではない。知ろうとしないのが恥なのである。

 

【アニメ】トロピカル〜ジュ!プリキュア第36~37話感想

f:id:furafuraasobinin:20211204162945j:plain勝利を確信し、敵に背を向けるなど…君たちはカエルさんに怒られてきなさい( ´艸`)最後まで気を抜くな。勝利に酔いしれた時にこそ隙が生じる。

 

さて、今回の記事なのですが少し変則で行きたいと思います。まずは連話となった第36~37話をここでは取り扱います。最終盤スタートにふさわしい激動の回でした。

 

さて、まずはおさらい(あらすじ)から

伝説のプリキュア? と後回しの魔女? の戦いを夢に見るまなつ。思わず飛び起きてそれが夢であったことを再確認するものの、妙な悲しさを余韻に残してしまいます。

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そんな折、グランオーシャンの女王からドレッサーを通して国も徐々に回復しつつあり、トロプリメンバーを一度招待したい旨、連絡が入り、ローラの帰郷という事もあって、全員乗り気のトロプリチーム、早速変身アイテムの力を借りて水中を進み、途中の関門である巨大な渦潮を通過すると、そこはグランオーシャン。妖精たちの歓待を受けながらまるでおとぎ話のような美しい世界を満喫しながら女王との謁見に臨みます。

謁見を終了し晩餐会となるのですが、そこで女王はトロプリチームに頼みごとをします。それはこの国のどこかにあるという大地のリングと対をなす海のリングの捜索

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快諾し、早速調査に乗り出すトロプリチームですが、何のヒントもない状態でのグランオーシャンでの探索は難航を極めます。物見遊山にしか見えなかったのはナイショ( ´艸`)

とりあえず一度女王に報告しに帰るものの、彼女は今までの態度とは打って変わって明らかにイラついている様子。そこから不自然な言動も相まって不信を抱いたローラは彼女が偽物なのを看過。それと同時に5人とは別行動をとっていたくるるんがチョンギーレとともに姿を現した挙句、女王もヌメリーの擬態である事が判明。彼女たちの見た繁栄を取り戻したグランオーシャンは幻であり、この国にある「記憶を吸い取る装置」を使用・応用したものであると暴露されます。

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あまりの仕打ちに怒りに燃えるトロプリチームに幹部達は「生物を核にしたヤラネーダ」で対抗。タコを核にした圧倒的なパワーを持つ生物ヤラネーダはトロプリチームを圧倒。ランドビートダイナミックも跳ね返され、絶体絶命に陥るものの、皆の諦めない心と次期女王になる決意を揺るがないものにしたローラに応えて海のリングが出現、しかし、これを待っていたかのように素早くバトラーがリングを奪取。彼はプリキュアの強い心がリングを生み出すことを知っており、最初から計算づくの行動だった、と。

もう用済み、とばかりグランオーシャンの結界が崩れ、トロプリチームは巨大な渦に飲み込まれ…

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気が付くと、トロプリチームはグランオーシャンの城の中と思われる一角で変身解除状態で目覚めます。まずは女王の救出、と探索を再開する5人。その途中で、不思議な空間にたどり着きます。そこには壁や柱などに貝殻が埋め込まれており、その貝殻に触れるとかつての人魚の記憶を垣間見る事が出来る…まなつ達は人魚と人間にも交流があった事をその数々の記憶から見出すのですが、しばしの夢想を感慨深く見ていた4人を他所に難しい顔をするローラ…

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さらに奥に探索を進めると、気絶している女王を発見。彼女はまなつの名前を尋ねる質問に本名(メルジーヌ)で返し本人であることを確認、ひとまずほっと胸をなでおろします。女王は、魔女の目的は愚者の棺をやる気で満たす事、そしてそれが成就した暁には不老長寿が得られること、そしてどういう理由があるにせよ、人のやる気を奪って不老長寿を成就させるなどという不義を許すわけにはいかない、と事情を説明、改めて後回しの魔女の野望を打ち砕くように依頼してきます。もちろん、そのこと自体は快諾するトロプリチームなのですが、ただ一人、ローラだけが女王にまだ隠している事があるだろう、と先ほどの空間で見つけた貝殻を取り出します。

息を飲むような顔をするメリジーヌ、そして、気が付いてしまったか、と嘆息をつくのでした…

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幼い頃、ローラはどうしても地上の世界が見たくて結界を抜け出して人間界の海に出てきます。出てきた先は南乃島。そして、彼女はその島の海岸で一人の人懐こい同年代の少女に出会います。すっかり意気投合した彼女たちは夜が更けるまで遊び、翌日、また会う事を誓います。しかし、次の日少女が彼女に…何故か水面から一歩も出ようとしなかった女の子に会う事は叶いませんでした。名前も聞いていない彼女に会えなかった後悔から泣きじゃくる少女は、以降、今自分がやりたい事をやる、最初に人に会った時は必ず名前を聞く、後悔しないために、という誓いを立てるのでした…

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f:id:furafuraasobinin:20211204163437j:plainそう、まなつとローラは幼き日に邂逅していたんですね。

そして、ローラがまなつに会いに行けなかった理由。それは「記憶を吸い取る装置」を使われ、その時の記憶が奪われたから…

何でそんなひどい事をしたのか、と流石に糾弾し始めるローラにメリジーヌは「それがしきたりだから」「人と人魚は交わってはならない」「今までの人と関わりを持った人魚たちも皆こうして記憶を奪われた」と返答。つまりあの不思議な空間にある貝殻はすべて記憶を吸い出された人魚たちの思い出の結晶…そして、当然現在後回しの魔女が引き起こしている事変を解決すれば、ローラは記憶をもう一度奪われることになるのだ…

ショックを隠し切れないトロプリチーム。そんな折、地上では邪魔者がいなくなったバトラーがやる気を奪いまくっていました。躊躇するローラを何とか焚きつけて対処に向かいますが、変身したもののタコ型ヤラネーダは墨を吐いて視界を遮るわ、触手で変幻自在に攻撃してくるわでやはり強くあっという間にピンチに。

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バトラーが生物型ヤラネーダは海のリングなしでは浄化できない事を得意げにばらしたところで、トロプリチーム全員奮起、まだ諦めるわけにはいかない、とキュアラメールの決意に呼応して海のリングが突如彼女たちの前に出現! 驚くバトラー。彼は本拠地にあるコインロッカー? みたいな場所に海のリングを保管していたのだから、いきなりワープしてきたらびっくりするよねえ。

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海のリングの力がドレッサーに付与され、新必殺技・プリキュアマリンビートダイナミックが炸裂、ヤラネーダは浄化され、まずは一件落着します。

一方その頃、グランオーシャンでは女王と伝説のプリキュアがコンタクト。伝説のプリキュアは魔女の救済がまだ残っている…と女王に告げる。

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ヤラネーダを退けた後の夜、まなつとローラはお互いを確かめ合う様に語り合う、そしてまなつは言う。大丈夫、忘れても絶対に思い出す、と。強い確信を以て。

 

ここにきて急展開アイテム「記憶を吸い取る装置」!

ふう、きっちり書くとあらすじ長い長い。2回分な上にあまり省略しませんでしたから、くどいようなら後で簡略化、修正しますね。

さて、ここまで長いあらすじを書いたのは、今回の感想は主にこの「記憶を吸い取る装置」にメインに据えて書きたいからでした。

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しかしこれまたとんでもないアイテムが登場しましたね。プリキュアシリーズの様に長い物語構成の場合、どこかで話の転換点が設けられることが多いですが、これは正に物語の核心に迫り、ひっくり返すほどのものでした。

なぜ人魚伝説は数あれどグランオーシャンと人間との接点が皆無に近かった(事になっていた)のか、まなつの基本性格の成立、そして恐らくは後回しの魔女…様々なものに関わってきています。

ここで考えなくてはならないのは、この装置はどう言い逃れしようとも人の心を踏みにじるものである、という事です。流石に記憶を抜き出すのみでその記憶は厳重に(あの不思議空間が厳重だったかどうかは置いておいて)保管されますし、別の記憶を植え付けたり洗脳のような真似が出来るわけではないのでしょうが、現実問題として、今話では敵方がその記憶を利用して現実とたがわない幻影を見せるという、悪用が可能でした。

そして何より、人の心というのはあくまでも不可侵が是、と筆者は考えます。*1

過去の作品には人の心の中にシンクロダイブしたり(はぐプリ)、逆に敵に取り込まれた際にその心に触れる(直近ならヒープリ)など、他人の心の中に侵入する場合はあるのですが、それらはあくまでも救済目的であったり無理やりであったりと、あくまでもイレギュラー的な扱いでした。*2

前作ヒープリでキュアグレース=のどかがあそこまで厳しくダルイゼンを断罪したのも彼が彼女の心を踏みにじり、最後の最後まで彼女の心の事まで考えなかったからです。

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しかし、この装置に関してはあくまでもグランオーシャン側が能動的に使用しているものであり、それも古いしきたりに則ったものという何とも杓子定規的な使い方がなされています。過去の人間たちと接点を持った人魚たちの幸せそうな記憶もそうですが、何よりローラとまなつには深い傷を残してしまいました(それでも再会を果たした二人は運命的とはいえるんだけどさ)。ましてや、グランオーシャン側からしてみれば、今回はローラと4人もの人間が深い接点を持ってしまった上に、多分ですが彼女らは伝説のプリキュアを除けばグランオーシャンに初めて踏み込んだ人間でもあるでしょうから、この装置、トロプリチーム全員に使用される危険性すらあるのですよね。

では、なぜそのようなしきたりが生まれたのか、ですよね。

後回しの魔女。

十中八九、彼女絡みでしょうかね。人魚の女王と比する事が出来るほどの巨体、まなつの夢の中で頻繁に登場する伝説のプリキュアとの関連性、そして記憶喪失、伝説のプリキュア自体が彼女の救済を訴えている上に、恐らくそれなりに過去から生きている人物。

ここまで状況的証拠が提示されている以上、何らかの関わりはあるのでしょう。あくまでも予測ですが、このしきたりが生まれる原因になったのが彼女なのでは? とすら思っています。

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37話最後に、メリジーヌと伝説のプリキュアがコンタクトを取っている場面がありましたが、そういえば彼女は頑なに「魔女」としか呼ばないんですよね。彼女にとって「後回しの魔女」はあくまでも「魔女」なのでしょうか…それともあくまでも別人?(関連性はあるにしても)

そして、この二人が繋がっていた、という事は今回のプリキュア達と後回しの魔女陣営の戦いはある程度仕組まれていたものだった訳です。ローラを地上に派遣したのも、彼女が任務を完遂すれば再び装置を使って記憶を消す事もすべて計算ずくだった訳ですよね。

随分と非情なやり口はスタプリの12女神を彷彿とさせますが、女王の場合はローラに愛情がない訳ではないっぽいんですよね。皆と映っているシャボンピクチャーを微笑みながら見ていたり、初対面のまなつを筆頭にしたトロプリメンバーに悪い印象を持っている感じはなかったですし、ローラが幼い記憶を忘れさせられたことを知った時も非常に複雑な表情を見せていました。

しかしそう考えれば第17話のローラの帰還を許容したのは彼女なりの思いやりだったのかもしれませんね。伝説のプリキュアと繋がっている以上、あそこでローラがグランオーシャンに帰還してしまえば、実質は任務失敗だった訳です。しかしそれを許したという事は、これ以上ローラが深く人間に関わって傷ついてほしくなかった、彼女の心にメスを入れたくはなかった、とも読み取れます。その上で、変身アイテムを託して彼女の意思に任せた*3、と。なかなか複雑な感情を持ち合わせたいいキャラクターですね、メリジーヌは。

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このままでいくと、次期女王はローラという事になるのでしょうが、いざ彼女が将来的に女王になった際、この装置の処遇はどうなるのでしょう? その前に記憶を消されてしまった上でしきたりに従うのか、それとも…!?

どちらにせよ、物語の最終盤にも関わる重要な装置になりそうですね。

 

敵側の事情について

一気にバトラーが怪しくなりましたね。元々それらしいところを匂わせてはいましたが、流石に後回しの魔女、グランオーシャン双方の事情に詳しすぎです。ちょっとスマプリのピエーロみたいな不気味さがありますね。タツノオトシゴがベースで顔の表情が全く読めないのも拍車をかけています。今回の海のリング奪取作戦も申し分なく、むしろ、トロプリチームの海のリング召喚の方が理不尽な反則技であり、彼は手ごわい軍師のイメージが付きました。

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三幹部は今回でかなり悪辣なイメージが付きましたね。今までは緩い印象の方が強かったですが、記憶を吸い上げられた海の妖精たちや、幻影にものの見事に引っかかって囚われの身になってしまったメリジーヌを笑いものにして侮辱したり、少し悪役っぽさを見せつけました。

そういえば、メリジーヌが愚者の棺による不老長寿の事を語った際に、場面が敵側に少し移るのですが、三幹部達も目的は不老長寿なんですね。ただ、エルダはその事に疑問を持っている様ですが…エルダは先回、そっち方面での秘密が示唆されていましたし、ひょっとしたら不老長寿の先に何か目的があるのかもしれませんね。

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あと、ちょっと気になったのが、グランオーシャンと後回しの魔女の本拠地ってひょっとして繋がってませんか? 双方とも海の中にあるのは間違いないのでしょうが、ああもあっさり三幹部+バトラーに侵入されているのは不自然です。

同じ海の中だからと言っても、それならば少なくとも見た感じではメリジーヌとくるるんしかいないグランオーシャンならば、ローラやプリキュア達とじゃれついている間隙を縫ってさっさと侵攻してしまえばよかった訳ですし、そもそも、グランオーシャン自体は渦潮の結界によって守られています。この結界を通れるのは海の妖精か人魚のみだそうですが、もし後回しの魔女陣営=海の生物も通過できるというのならばザルとしか言いようがない。まあ、後回しの魔女陣営としてはグランオーシャンを滅ぼすことと不老不死を得る目的は合致していないため、今まで放置していたとも取れるわけですが。*4

記憶を吸い取る装置のことそのものを知っていたことも腑に落ちませんし*5、大体、回しの魔女側の本拠地、視聴者側に与えられている情報が異様に少ないんですよね。ついでに言えば、過去にはローラが敵陣営に捕らえられ脱出した際、敵側本拠地の近くで爆発?に巻き込まれ気絶し気が付いたらグランオーシャンの女王の間だった、という事があったのですよね。

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プリキュア達の当座の敵、大型怪物についてですが、今回登場した生物を核にしたヤラネーダ。今までとは一線を画す強さですが、今の段階でタコと蟹(第38話)、ナマコ?(第39話)が使用されています。海の生物でなくてはダメ、という縛りがあるかもしれませんが、もしこれが人間に使用された場合が今から危惧されますね。そして、場合によっては海の妖精や人魚すらも…何せ、自分たちの目的のために「心」を利用し踏みにじる事に何の躊躇も持たなかった連中です、敵側は。コミカルな面に騙されがちですが、何をしでかすか分からない怖さがある。自分はそう感じました。

 

記事は引き続き、第38~39話に続きます。

 

今回のトロプリをかいつまんでナナメからバッサリ

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幼き日のまなつとローラの邂逅、第1話できっちりオマージュされていたのはちょっと感動した…こういう演出本当に今回上手い。

 

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*1:人の心に寄り添う、という事はあるだろう。心を許しあいお互いを育む、という考え方もあるだろう。それでも、個としての心は不可侵でなくてはならない、と筆者は考える。

*2:それですらグレーゾーンであると筆者は考えている。

*3:伝説のプリキュアと繋がっていたからこそ、ローラの変身アイテムを持っていたと考えれば破綻はしていない。人魚はプリキュアにはなれない、というの言い伝えも様々な解釈が出来る。

*4:実際、今回も海のリングを奪ってプリキュア達を無力化する事が目的だった。

*5:上で書いた通り、魔女が絡んでいるのならばその限りではないが…当の彼女が記憶を奪われているのよな。だとすれば…やはりバトラーか?

【アニメ】トロピカル〜ジュ!プリキュア第34~35話雑感

f:id:furafuraasobinin:20211111163515j:plain巨大なバリアで複数の敵を挟み込んで圧殺…ついにキュアロゼッタよりえげつないバリアの使い方を習得してしまったな!?

 

さて、今期間は皆の将来の夢、エルダの事情、まなつの掘り下げ、と順調にシナリオが進みました。

 

みんなの夢

将来の夢を語るのはプリキュアシリーズでは定番になりつつありますね。今作・トロプリでも第32話にてさんごを軸にこのテーマが少し匂わされましたが、第34話はそのものずばりのシナリオとなりました。

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結論から言えば、ローラを除く全員が明確な答えは提示しませんでした。が、これはこれでいいのでは? と思わせます。これはスタプリの当該記事の時も少し触れましたが、そもそも中一~中三程度で明確に将来の夢に向かって邁進するというのは、特殊例を除いて稀ですしね。現実の世界ならばスポーツ選手などはその範疇ではないでしょうし、将来の夢そのものが作品テーマとして大きく取り扱われたゴプリでは、きららは現役モデル、みなみは財閥のお嬢様(財閥の一員となる)、という明確なビジョン持ちでした。

むしろ、これらはその後の描き方の方が重要であり、最終的に教師を目指したのぞみや歌手になる事を選んだあおい、宇宙飛行士になったひかるなど、明確なバックグラウンドを描いた上で後日談として語るもよし、だと思うのです。*1

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翻ってトロプリメンバーですが、例えばさんごは最初は店を引き継ぐ事を考えていたようですが、最後の場面(イベントで色んな子供たちの将来の夢を語る場面を大型モニターで映し出す)で「可愛いものに関わりたい」と訂正しており、これは取りも直さず第32話でのモデルの仕事も視野に入っている事が伺えました。

上級生二人も、みのりはかつての同人誌文集を開くような描写、あすかはテニスショップの前でポスターを見やるというシーンがあり、再始動を匂わす様な演出がありました。

ローラは伝説の女王というぶれないものでしたが、まなつはなんと「その時なりたいものになる」という何とも行き当たりばったりな、そして彼女らしい答えを提示しました。

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これは両親の教育方針も大きかったことが描かれていました(父母ともに最初からなりたい職業になった訳ではないし、まなつにも自由に色々考えてほしい)が、彼女らにとって将来の進路を決めるのはまだ先なんですよね。そこまでには様々な体験があるでしょう。そこまでの経験を踏まえて、その時なりたいものになる、というのは決して短絡的な答えではないと個人的には思います。

そして、最後のローラに対する「例え女王になっても私たちはずっと友達」というまなつの台詞。これに他のメンバーも同調し、ローラは照れているような描写がありましたが、恐らくまなつだけは気が付いているんですよね。いずれローラとの別れが来るであろう事を…

 

エルダの事情

バトラーに厳しい態度でやる気パワー回収の効率が悪いことを責められたエルダはとうとう癇癪を起して家出を敢行してしまいます。

最初は地上で気ままに過ごしていた彼女でしたが、次第に寂しくなっていき、最終的にはヌメリーに優しく迎えられ元鞘に収まる、というものだったのですが…

先回の記事でも少し触れましたが、エルダは実は外見が幼女なだけで中身は大人なのでは? という疑念。当初はそれは現段階ではない、というのが自分の結論でしたが、第34話で一気に怪しくなりましたね。

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偶然通りかかったイベントで将来の夢を希望に満ちた顔で語る子供やまなつ達を不愉快そうな目で見つめていた彼女は超ヤラネーダを召喚し暴れさせるのですが、当然、阻止に現れるトロプリチームと戦闘になります。少し前に暇を持て余してトロピカる部の部室の天井に身を潜めて彼女たちの将来の夢の会話を盗み聞きしていたエルダは子供のままの方がいい、と主張、大人になってもやりたいことをやればいいんだ、と言い返すキュアサマーと押し問答になってしまいます。そして隙を見せたエルダがキュアサマーの攻撃から一気に超ヤラネーダを浄化された際に感極まってこう言い放つのです。

「そうやってみんな私を置いていくんだ!」

元々、彼女はこの話でもバトラーに向かって「大人になりたくない」と強調していましたし、過去回でも「愚者の棺にやる気が満ちれば私たちの願いが叶うのか?」という疑問を呈していたり、やはり何か事情と目的があるっぽいのですよね。

彼女の名前、エルダは「elder」にも通じます。言わずもがな、英語で年長者、長老、などをあらわす単語です。これの意味するところは、果たして…?

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ただ、どういう事情があるにせよ、中身はお子様であり、少なくとも演技であるとはどうしても思えません。今回のラストなどは迎えに来たヌメリーに涙ぐみながらしがみついていたりと、見た目相応な態度を取っています。というより、ヌメリーへの態度もそうですが、ヤラネーダ召喚の際に子供を標的にすることなども含めて、彼女の根幹にはやはり「寂しさ」があるような気がしてならないのですよね…

 

まなつの反省

第35話ではハロウィンパーティーを仕掛けたトロピカる部。しかし学校の暗所に以前落とされていたと思われるヤラネーダの素(超やZTではない)が覚醒し暴れ始めてしまいます。早速変身して対処するトロプリチームですが、ちょうどローラが不在であり、パーティーを潰されまいと焦ったキュアサマーは勝手にアクアポッドを使用してやる気回収をしてしまいます。それ自体は成功し、ノーマルヤラネーダだったことも幸いして浄化には成功するのですが、ローラが駆け付けた時にはやる気を戻す事が出来ずに絶望するまなつの姿が…というものでした。

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まあ、まずは良くも悪くもローラがいないと最終的に戦闘を解決できないことが露呈してしまった訳ですが(苦笑)。大失態を犯してしまったまなつがとうとう自己嫌悪に陥る、という回でした。

元々まなつは明るく表裏のない性格をしていましたが、それだけに反転してしまった時の反動が危惧されていましたが、とうとうこの回でやってしまいました。

軽はずみな行動をローラに責められたことも相まって、再度チョンギーレが今度は正式に(という表現もなんだが)超ヤラネーダを召喚した際には戦闘時にすら失敗を恐れて動けなくなる、という状態まで追いつめられてしまい、何気に大ピンチ回でもありました。

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キュアサマー以外が敵に拘束され、皆が口々に授けてくれる作戦を信じるか否かの究極の二択を迫られた事と、ローラも言い過ぎたことを反省してかしらずか、ハッパをかけた事で、自分が改めて皆に支えられていたからこそ無茶が出来ていたことを悟った彼女は、なんとか吹っ切る事が出来ましたが、この際にやる気復帰をローラが再度行った際に、まなつが行った復帰しなかった分もまとめて返す事が出来たという、少しなし崩し的な結末だったのは締まらないかな、とは思いました。尤もこのシーンは「ああ、やっぱりいいぃぃぃ!」と笑ってみてはいましたが( ´艸`)

ただ、今回で分かった事ですが、まなつは自身のこの欠点について自覚はあったんですね。後先考えずに突っ走てしまう性格を自己批判していましたし、自分の行動で皆に迷惑をかけている事を反省するようなことも述べました。何より自覚があったからこそあそこまで落ち込んでしまったのでしょう。

今回の件で他のトロプリメンバーの支えが重要であったことを悟れたのは非常に意義があったと思いますが、最終的にご都合的な解決方法だったのは少しもやっとはしました。まなつが適当にやる気カムバックして何人かの人格が入れ替わったり結構な惨事になっていたのがより拍車をかけてしまいました。ギャグとして見る分には面白かったんだけどサ。

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最終的には再び皆に謝罪するまなつが許されて、ハロウィンパーティーも無事成功という場面で幕となりましたが、少し前作のひなた自己嫌悪回にも通ずるエピソードでしたね。それでも受ける印象が全然違うのは作風の違いでしょうかね。

 

f:id:furafuraasobinin:20211111164330j:plain次回は…おお、トロプリメンバーがグランオーシャンにご招待されちゃうのか。女王とも会見するようですし、シナリオの根幹に触れるのか、ローラの里帰りに終始するのか…ちょっと注目かもしれませんね。

 

ここまでのトロプリをかいつまんでナナメからバッサリ

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エルダが召喚した超ヤラネーダさあ…

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バルカン300だよな!? やっぱ!

 

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*1:逆に前作ヒープリはこの辺りで失敗している。

【アニメ】トロピカル〜ジュ!プリキュア第33話「Viva! 10本立てDEトロピカれ!」感想

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たとえ冗談でもムキムキさんごとか見たくなかった…そして次回予告もなんかカオスっぽいのがまたね…

 

うーん…さて困りましたね。

このブログでプリキュア感想を始めてから243記事という数をこなしましたが、とうとう書くことが殆どない回が訪れてしまいました。

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実際、タイトルに偽りはなく文字通り短編ギャグが10本(正確には11本)何の脈絡もなく続くという内容で、本編とのつながりも一切なく、まあ、楽しめたは楽しめたのですが、正直なんでこれを…? という内容でした。

 

まず最初に考え付いたのが

やはりスタッフ不足ですね。未だにコロナ騒ぎは収束していませんし、制作側に突如大穴が開く…という可能性が否定できません。もしくは働き方改革してしまったか。それならそれでよいのですが( ´艸`)

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ただ、キュアくるるんを新規作画していたり、意外と手間はかかっているっぽいんですよね。全編通して描かれたギャグタッチの作風も当然新規でしょうし。ただ、全員で考えた合体技名を全部言うシーンはあからさまな尺伸ばしだったけどねえ…そこはプリキュアバズーカキャノン大砲ボンバーでいいやん、とか笑って見てたけど( ´艸`)

ああいうデフォルメ絵の方が作画カロリーは低い…のかしら?

また先月、ローラ役の日高里菜さんのコロナウィルス感染も話題になりましたよね。大事には至らなく、現在は快復しているとのことでほっとしましたが、その影響? とも考えられました。が、当然この回ではローラはセリフをしゃべっていましたし、この線も考えにくい。

 

単純に息抜き回?

この線が濃厚でしょうかね。あまりに脈絡がなさ過ぎましたが。

逆から言えば、今までのシリーズの慣例になかっただけ、といえるだけで、新しい試みともいえるわけです。特に先月からの流れは、みのりやあすかのの過去の切り込みや、新フォーム登場に伴うまなつのピンチ、後回しの魔女の苦悶、伝説のプリキュアの存在の明示化、さんご・ローラの掘り下げなど、結構ハードな展開の連続でした。

…まあ、息抜きの側面の強い回(生徒会長選回とか)もありましたけどね。

f:id:furafuraasobinin:20211019202600j:plain息もつけぬ展開に一服の清涼剤を…というのならば、それもまた良しだと思うのです。

 

あえて考察的な物言いをするなら

敵側をまなつが予想するシーンで、バトラーが「後回しが許されるのは魔女様だけ」と言って三幹部達を焚きつけているのが印象的でした。これって実際そうなんじゃない? と思わせるシーンでしたね。

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そして、もしそれが事実であるならば、魔女が言うところの「後回し」は自分にのみ向けられているものであり、先回彼女が言っていた「後回しの世界を作る」というのは虚言となってしまいます。

第29話がなければ、これはまなつの想像上でのお話だから、で終わってしまうのですが、この話では伝説のプリキュアと思しき少女との交流が描かれたり、彼女自身もそこら辺の記憶が曖昧なような表現がなされました。結構な事情持ち故に「後回しの世界を作る」と言葉を額面通りに受け取ってよいものか分からなくなってきているのですよね。

 

あとは映画の番宣?

まあ、これはあったでしょうね。ちょっぴりとはいえ、今秋公開予定の映画で共演するハトキャ組が登場し、いちおう全員に台詞までありました。映画のついでに収録した?

あいかわらずの可愛さのキュアマリンさんに癒されます( ´艸`)

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SNS上では先行上映会? ですかね、見た人たちからかなり好評の声が聞こえてきていますし、ちょっと気にはなりますね。←恥ずかしくて映画館に見に行ったことは一回もない人

 

実は真価を問われるのは

結局、今回のカオス回の評価が最終的に下されるのは、最終回終了後という事になるのでしょうね。すべてが終わった後に物語全体を俯瞰した時に「あそこで息抜きがあってよかったなあ」となるか「こんなことやっているゆとりが果たしてあったかね!?」となるのかは現段階では分からないので。

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それだけ本編とは剥離した内容でもあったという事ですね。前作でも総集編回がありましたが、あれは物語と少し絡めましたからねえ。

 

く、苦しかった…

実は今回の話は要約すると

かわいかった

面白かった

たった2行で集約されてしまう訳ですが、これをここまで長々(いつもに比べれば短いが)と記事にするという、なんかこうエ●テキスト書いているような感覚に陥りました、鼻血、完。

 

今週のトロプリをかいつまんでナナメからバッサリ

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あ、EDの曲と映像は映画のラストですかね? スタプリの時も思ったけど、映画のエンディング、めっちゃいい曲だよね…

【アニメ】トロピカル〜ジュ!プリキュア第29~32話雑感

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たった3人の飛び蹴りで列車サイズの怪物を吹っ飛ばすプリキュアパワー…これに対抗できるのは単身で魔列車メテオストライクで投げ飛ばせるファイファナルファンタジーⅥのマッシュぐらいであろう…

 

ああー、また期間が開いてしまいましたね。本当に申し訳ない。艦これイベントのダメージが深すぎまして…

今回は各話について思ったことなどを。4週分でちょっと長いです。記事2回分に分けることも考えたのですが、総文字数1万超えてないので別にいいかな、と(苦笑)。

 

第29話:新フォームメインのお話かと思いきや!?

話の流れとしては先回の文化祭のアンケートで見事2位を獲得し意気揚々のトロピカる部。一方その頃、三幹部たちの相次ぐ失敗と、後回しの魔女の苦しみが酷くなったことに業を煮やしたバトラーがあおぞら市に出現、水を核にした超ゼッタイヤラネーダ(以下超ヤラネーダ)を複数召喚。

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複数の水ヤラネーダは核を持っている本体を倒さない限り無限増殖する上、倒してもきりがないという難敵であり、異変に気が付いたトロプリチームが駆け付けるものの物量に押し切られ決定打が与えられない状況に。そして学校にいるくるるんを守ろうと単独行動をしていたキュアサマーがピンチに陥る…というものでした。

 

まずは新フォームお披露目回でしたね。トロピカルハートドレッサーというドレッサーにリングを合わせることで発動する新フォームおよび5人合体必殺技が放てるようになりました。超ヤラネーダはこの技でなくては浄化できないようです。

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この重要アイテム、トロピカルハートドレッサーですが、前回の文化祭回でドレッサーについての言及をしていたり、このシナリオでも鏡の持つ魔性に触れていたり、丁寧に描写していましたが、やはり、ここにきて重要だったのが先代プリキュア=ローラが言うところの「伝説のプリキュアの存在でしょうか。

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まなつとローラの夢の中に突如現れ、トロプリチームがピンチに陥った際にはドレッサーの中から彼女たちを救うが如く、ランドハートクルリングを付与、上記の新フォームおよび合体技へと導きました。去り際には後回しの魔女の救済をトロプリチームに託す、となかなか情報量が多い回でした。

さて、その後回しの魔女ですが、こちらの陣営に大きな動きがありました。

というよりは、今まで判明していなかった情報がいくらか明示されたわけですが、ここにきて、どうも後回しの魔女と伝説のプリキュアは関連性があるようなのです。

エルダが言っていましたが後回しの魔女の前では「プリキュア」という単語は禁句らしく、言ってしまった場合、何が起こるのかまでは明言されませんでしたが、恐らくは癇癪を起されることは想像に難くありません。

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ただし、それと同時にこの件について「何をそんなに恐れているのかね?」と三幹部から疑問も呈されており、やはり彼らは詳しい事情までは知らされていないようです。

逆にバトラーはプリキュアのピンチに表れた伝説のプリキュアのビジョン(だと思われる)を見て、「彼女」呼ばわりしたり、ランドハートクルリングを「大地のリング」と呼称していたり、やはり事情を深く知っている臭いのが注目です。

そして、後回しの魔女。

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伝説のプリキュアの人間形態? の夢を見ながらうなされており、かつて親しい間柄だったことを想起させる内容でした。しかし、ローラ曰く伝説のプリキュアはかつて魔女と戦った者であり、夢の内容とは相反するものでもありました。そもそも、伝説のプリキュアが戦った魔女イコール後回しの魔女なのかも不明ではあるのですが、伝説のプリキュアの幻影が後回しの魔女の救済をトロプリチームに依頼している件と言い、後回しの魔女の夢の中の少女との間柄と言い、現段階ではこの二人関連である線が濃厚でしょう。

何より気になるのが、後回しの魔女と伝説のプリキュア(と思しき)二人の関連性をまなつとローラに準えているのでは? と思わせる点です。だからこそ、かつてローラを捕らえた後回しの魔女は彼女を自分の陣営に引き込もうとしたし、自分の思い通りにならなかったことにあそこまで激昂したのでしょう。

人間と人魚がいくら親しくなっても最後は敵対する事になってしまう、伝説のプリキュアと後回しの魔女の今回の過去回想はその示唆とも取れる内容だったわけですが、まなつ達もまたその運命を迎えるのでしょうか?

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多分そうはならないでしょう。過去に何があったかは分かりませんしどういう事情があったのかは不明ですが、まなつ達には周りに他のプリキュアメンバーがいてくれます。今話でも強調されましたが、キュアサマーがピンチを迎えやる気を吸い取られていく中、彼女を救ったのはまなつを案じる皆の思いでした。まなつ=キュアサマー自身も言っていましたが「皆のやる気が伝われば自分は何回でも復活できる」のだと。彼女には大切な仲間がいるんですよね。そういう点でこの話はトロプリチームの一体性と、そこに新フォーム、合体技お披露目を掛け合わせた上手なシナリオだったと思います。

そして、出来る事なら気づいて欲しい。後回しの魔女にも三幹部をはじめとしたその身を案じてくれる仲間がいることを…

 

第30話:向いてない!

生徒会長選の時期がやってきたあおぞら中学校。早速その話を聞きつけたローラは女王になったときの予行練習になる、と立候補し名乗りを上げることになります。1年生でも立候補できるものなの?( ´艸`)

生徒会に従事し、実質百合子の後継者的な立場の里香と、風紀委員長の正美も加わって選挙戦は三つ巴戦の様相を呈していくのだが…という流れでした。

 

さて、過去シリーズにも何度かあった生徒会長選シナリオですね。スタート時点で元々生徒会長だったかれんやマナ、いつきなどの例もあり、意外とプリキュアメンバーとはなじみの深い役職だったりします。

しかし、事ローラに関しては向いてはいない、と個人的には感じました。

資質がない訳ではありません。純真無垢な幼稚園児に好かれるカリスマ性、誰も聞きほれるほどの美声の持ち主であったり、フィジカルビューティーも申し分ありません。*1

ただねえ…何というか、そもそも目的意識というか指標に欠けるんですよね。

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この問題はスタプリのひかる立候補回でも取り上げられましたが、ローラの場合、元々、自身が女王になった際の予行練習という言うなれば真剣みに欠けるというか不純というか、まあ、徒会に長らく在し志もある里香とではちょっと勝負にならないんじゃないかな、と。実際、結果から先に言えば彼女は落選しましたし。

過去シリーズで生徒会長に立候補し落選したキャラクターは、リコとひかるがいましたが、双方とも途中でライバル候補者の美点に気が付き辞退する(ひかるに至っては応援までしてしまう)という展開で落ち着いており、言うなれば実際に投票が行われればどうなっていたかは分からない、という内容でした。*2

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しかし、対してローラは根拠のない自信を演説で披露するに終始しみのりから「みんなついていけてない」と突っ込まれたり、ライバルである里香を上回る施策を考えなしに公約したり(里香が部費の一割増を宣言すると、すぐ横で「5倍!」とか言い出す)と、とにかく無策なんですよね。

流石に見かねたトロプリメンバーから、自分のやりたい事を主張した方がいいのでは? と忠告を受けると、皆の意見を聞こうとするのはいいのですが、今度はトロプリメンバーが自分の欲望を駄々洩れしだすという始末( ´艸`)まあ、いい意見もあったけどね…

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何より致命的だったのが、あおぞら中学の校風そのものが意外と保守的であり、そもそも生徒たちの総意が里香に傾いていた事、逆にローラに対しては懐疑的だった(とある生徒にはあなたにはできないと思う、とはっきり言われている)こともあります。

そして何より、最終演説でローラが町中で暴れている超ヤラネーダを察知してそちらに出向いた他メンバーを心配するあまり、演説をほっぽり出して駆け付けてしまった事でしょう。

もちろん、人間的には素晴らしい行為です。先回でまなつが皆との友情と超レアのメロンパンを天秤にかけて友情を取ったシナリオがありましたが、ここも根は同じなんですよね。ローラにとって、生徒会長選と皆のピンチを秤にかけた場合、後者の方が上回った訳です。実際、皆を助けないで選挙で勝っても意味はない、とシナリオの最後に彼女自身も言っています。

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ですが、反面、それは大義より個人感情を優先したとも言える訳で、事リーダーとしては大切な判断を見誤る元にもなりかねません。本人も言っていましたが、皆を助け超ヤラネーダを浄化する事が最優先事項だった訳ですから、それはそれでいいのですが、指導者としては無難とは言い難い人物とも言えます。

…まあ、人はこういう直情的な人物についていきたくなるのも事実なのですがね。

そして、この感情と立場で揺れ動くエピソード、これが次回のシナリオの要となります。「百合子」という「生徒会長」がなぜ支持されたのか=この学校が保守的である理由が良く分かるお話ともなるのです。

 

第31話:プリキュア無限列車編

修学旅行に行くことになった3年生たち。なんとその内容は豪華寝台列車を貸し切りにして色々な場所をめぐるというもの。

あすかと百合子は相変わらずの距離感だが、そんな折、修学旅行に興味があったローラはあすかの荷物にアクアポッドを使って紛れ込みなし崩しに同行する事に。

f:id:furafuraasobinin:20211013161230j:plainしかし、ここで車掌に化けたヌメリーがやる気に満ちた生徒たちからやる気を奪うべく潜入しており、それを見つけたあすかは計略を使って途中駅でヌメリーを退場させることに成功します。

一方その頃、他のトロプリメンバー3人はとある事情から変身で向上した身体能力を駆使して貸し切り列車を追いかけていた…というものでした。

 

あすかと百合子の過去が語られた回でした。

なかなか重い話だったのですが、要約すると

  • あすかと百合子は元々仲の良い幼馴染だった。性格は正反対だったものの不思議と馬が合った。
  • 中学ではテニス部に所属する。二人はダブルスを組み破竹の勢いで勝利を重ねた。

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  • しかしとある大会の時、二人と当たる決勝戦の相手が百合子のラケットに細工を施そうとしている場面を目撃したあすかは激怒、暴力沙汰になりそうになった直前に、大会の組織委員と思われる人間に発見され、その場は納まる。
  • ところが相手側はこの件を否定し、あろう事かあすかに暴力を振るわれた、と訴える。テニス部の部長だった百合子はあすかに非がない事、相手が嘘をついている事、細工をしようとしたことは事実である事、すべて分かったうえで、決勝戦の双方の辞退、という取引を成立させてしまう。
  • 当然納得がいかないあすか。しかし、百合子は他の部員たちの試合出場を確保するために自分たちが犠牲になる事を選んだ。激しい性格のあすかがそれに納得する事はなく、また対戦相手につかみかかった事を軽率だ、と百合子も反論したため、一気に険悪なムードに。

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  • それでも真実を訴えるべき、と皆に声をかけるあすかだったが、試合に出たい一心の部員たちはその言葉に沈黙を以て応えてしまう。裏切りに等しい部員たちの態度にあすかは絶望。「仲間なんて信じない」という言葉を残し部を去っていくのだった…

話中ではローラがこの話の聞き役になっていたのですが、彼女も苦笑しながら言っていましたが、あすからしいエピソードですね。そして、どちらが悪いとも言えない、ちょっと救いのない話でもあります。

一見すると、妥協という手段を選んでしまった(ついでに言うと裏工作をしたことは容易に想像がつく)百合子に非があるように見えますが、彼女は部長という部全体の事を考えなければいけない立場だったことは留意するべき点です。

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非があるとすれば、自分たちが犠牲になる、という事に対してあすかを何の相談もなく巻き込んでしまった事でしょうが、これもあすかの性格を熟知していた百合子ならでは(相談などしようものなら、彼女は妥協という手段など断じて選ばなかっただろう)とも言えます。

今までの流れを見ても薄々分かってはいた事ですが、あすかにしろ百合子にしろ、本当はお互いを毛嫌いしている訳ではないんですよね。元凶はもちろん過去の大会での相手側のペア選手なのですが、ちょっとしたボタンの掛け違いがすれ違いを生んでしまった。元々正反対の性格だったのが拍車をかけてしまったのですよね。

直情的なあすかからしてみれば百合子がどういう形であれ、体制的な物に順じてしまったことが許せない、でも彼女だって馬鹿じゃありませんから、百合子が苦渋の決断をした事は分かっている。

百合子は百合子で自分の事を分かっているはずと信頼していた相手が、ベスト…というよりはベターの選択をしたと思った事がきっかけになって離れてしまった。あすかの事を信用していたのは、事件の当初、相手側のペアが犯人だという事は分かっている、と明言している事からも明白です。

まあ、お互い意地を張っているんですよね。

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さて、あすかの計略によって豪華列車から追い出されてしまったヌメリーは近くにあった貨物列車を核にして超ヤラネーダを召喚。列車を襲撃して修学旅行ご一行様の生徒たちのやる気を根こそぎ奪う事に成功してしまいます。

その際に生徒たちの避難誘導を必死にやっている百合子をあすかは(ついでにローラも(笑))手助けしました。そして列車がショックを受けて吹き飛ばされ気絶してしまった百合子を心配そうに介抱するキュアフラミンゴ。この場面でも分かるように結局この二人って破断してはいないのですよね。この話でもそうでしたが、百合子はことあるごとにあすかに「またもめ事を起こす気か」と嫌味たらしく言いますが、見方を変えれば、それだけ彼女の身を案じているとも取れます。

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やがて、気絶から目覚めた百合子はキュアフラミンゴが現役時代のあすかそっくりのスマッシュのモーションで敵の怪物を打ちのめすシーンを目の当たりにしました。

ああ、キュアフラミンゴの必殺技がプリキュアぶっとびフラミンゴ「スマッシュ」なのは彼女が元テニス部だった布石だったんですね。ちょっと感心しました。

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結局、この出来事を百合子は夢うつつの様に受け取っており、身バレまではしなかったのですが、彼女は聡明なタイプですし、実際は悟ったんじゃないかなあ、と思わせました。実際引きの場面では、彼女が枕が変わると眠れない事指摘し、相変わらずなのね、と少し険悪さを和らげて去っていく、という場面で幕となりました。なんとなく、彼女に救われたことを悟ったんじゃないかな、と。

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あ、あと、細かい事なんですが、あおぞら市って那覇がモデル*3ではないんですね。沖縄には山に通じるような鉄道は走っていないですし(というかモノレール以外の鉄道は走っていない。過去にはあったらしいが)、フェリーでまずは鹿児島に行ってから…というのもキュアサマーを筆頭にしたプリキュア達が陸路で追いかける事が出来ていた以上考えにくいですし(ただ、列車のモデルはおそらくJR九州ななつ星)。

f:id:furafuraasobinin:20211013162049j:plainまあ、架空世界の地理をあまり考えても詮無きことですので言ってもしょうがない事ではあるのですが(苦笑)。っていうか、あおぞら市のモデルは鹿児島なんじゃない? そう考えれば辻褄合うし。ただ、あおぞら市には桜島みたいなのはないけどね。いや、1回鹿児島をじっくり歩いて回った事があるんですが、とにかく市内から目立つんですわ、桜島(笑)。

 

第32話:さんごは未来を見つめたのか

あおぞら市で毎年開かれているファッションショー、あおぞらプリティコレクション。さんごの実家であるプリティホリックも協力しているのですが、このショーのプロデューサー、コニーがさんごの母親に欠員が一人出てしまったことを嘆きに店を訪れます。

世界的ファッションデザイナーであるコニーにすっかり緊張気味のさんごはそれでも彼に恐る恐る声をかけるのですが、そんな彼女を見た彼はさんごにショーに出てみないか、と声をかける…というものでした。

 

欠員の事もそうなんだけどさ、ショーの最後に使うアイテムが渋滞に捕まって遅延するとか、不備が多すぎませんか、このショー(笑)。まあ、ゴプリのきららはこういう事はトラブルが起きる方が当たり前、なんて言ってたけどね( ´艸`)

さて、さんごメイン回ですね。この子はみのりやあすかの様に過去に何かがあった訳ではない*4ですし、当座の悩みの種もない、ある意味ネタに乏しいキャラクターなのですが、今回で「将来の夢」を匂わせた気がします。

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コニーに誘われてファッションショーに出る決意を固めたさんごでしたが、元々憧れのショーだったという事もあり、特訓を始めるなど準備万端で臨むのですが、リハーサルにてランウェイの意外な長さと広大さに気圧されてしまった彼女は一歩も動けない、という状態に陥ってしまいます。

さんごはすっかり意気消沈。そして、他のモデルの人たちの真剣な取り組み方を見たこともあって、自分は場違いなのではないか、と思い始めてしまいます。

このいざ舞台に立ってみるとまるで違う風景に感じる、というのは分かります。緊張すると、普段見ていたものが急に大きく感じる錯覚というか。自分も学生時代は剣道やバドミントンなどをやっていましたが、練習の時とはコートの広さがまるで違う感覚になるんですよね。

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しかし、遅れていた荷物(風船)がようやく到着し、スタッフ一丸となって準備を急ピッチで進めるのに協力していくうちに、他のモデルさんと言葉を交わしたこと、コニーさんに諭されたことで、一体感とともに皆「かわいい」事が大好きであり、根は同じであることを悟った彼女は今まで感じていた緊張がほぐれていきます。

一方、会場ではヌメリーが超ヤラネーダを呼び出し、他4人が苦戦していたのですが、その独特な物音に気が付いたさんごが手伝いを途中離脱し戦闘に参加。さんごが動けなくなったシーンを実は遠巻きに見ていたヌメリーは意地悪にキュアコーラルを挑発しますが、先ほどの皆との共同作業で自らのわだかまりを解消していた彼女は躊躇なく超ヤラネーダに突進。

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このシーンは吹っ切った彼女が動けなくなるほど慄いていたランウェイを何の迷いもなく突っ走っていくさまが強固な意思をよく反映していてメチャクチャかっこよかったです。

最後はプリキュアもこもこコーラルデフージョンから合体技であっさりフィニッシュとなりました。ちょっと今回のヌメリーは締まりませんでしたねー。

最後は堂々とファッションショーに出るさんご。その表情から、ひょっとしてモデル業に目覚めちゃった? という印象を受けました。コニーさんも「私の目に狂いはなかった」と言っていましたしね。彼女の成長物語として短いながらも良くまとまっていたと思います。

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プリキュアシリーズに於いて将来に夢を語るのは重要なファクターの一つですが、この作品では将来女王を目指しているローラを除けば、この辺りの事情は意外と語られておらず、まずはさんごが先鞭をつけたのかな、という感じです。

尤も、さんごははっきりと将来の夢を標榜したわけではないので、明確には分からないのですが。ただでさえ、彼女にはプリティホリックを継ぐ、という道も残されていますしね。

 

この期間を全体的にみて

とりあえず、キャラクターの掘り下げに集中した期間でしたね。

新合体必殺技のお披露目、先輩二人の過去の明示化(みのりに関しては第28話だが)、ローラの本質、さんごの意志の強さ、後回しの魔女の事情など、見ごたえがありました。ただ、それに相応しく情報量も凄まじかった。視聴中のメモ書きが追い付かないほどでした。

少し気になるのは先輩二人ですかね。残り期間*5を考えると、もう1エピソードはあるかな、とは思うのですが、その気になれば、その回で決着でもいいような微妙な終わり方をしているのですよね。さんごもあるいは将来の夢に関して更なる突っ込んだ話があるかもしれませんし(特に彼女の場合は家業があるし、彼女の興味もその家業から発生している)。

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あと、新登場した合体必殺技・プリキュアランドビートダイナミックですが、非常に可愛くていいんですが、なんでピンク色の象がライダーキックをかますなのかは、ちょっと脈絡なくて悩んでしまいました。

まあ、個人的には、毎回笑いながらみているので楽しませてはもらっているのですが(苦笑)。

4人合体技のプリキュアミックストロピカルのフェニックスはキュアサマーの「やる気は無限に湧いてくる」=不死性を表現しているのは分かるのですが、こちらは…個人的には象に象徴されるものというとヒンドゥー教の富裕の神・ガネーシャがイメージだったのですが、どうにもこの作品との関連性が分からない。

気になって少し調べてみたんですが、確かにガネーシャは体色がピンク色で描かれることもあるようですが、それが絶対的というわけではないみたいですね。酩酊状態を指す隠語としてや、幸せを運ぶ象徴、という考え方もあるらしく、ちょっとこれを採用した意図は測りかねました。多分何かのメタファーだとは思うのですが…

 

そろそろ物語も終息に向けて動き始める時期でしょう。どういう風に料理するのか…

で、次回なのですが…

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…いや、ごめん、まったく意味が分からないのだが( ゚д゚)ひょっとして映画の番宣? どころかハトプリチームがゲスト参戦? いや、それはないか…いやいや、わからんぞ…(錯乱中)

こ、これは恒例のカオス回なのかッ!?

 

ここまでのトロプリをかいつまんでナナメからバッサリ

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貴様ー! モデル業を甘く見るな―! でも彼女は実際映えそうなのよな…

 

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*1:得てしてこういう能力は上に立つ人間には必要なファクターである。

*2:最終的にリコは魔法学校の先生(しかも校長になりうる未来まで示唆されている)、ひかるはあらゆる人間性が試される試練をパスしなければならない宇宙飛行士に抜擢されており、適性は高かったと思われる。

*3:そういう説が多かった

*4:正確にはあったが、序盤も序盤で解決してしまった。というよりはその解決エピソードがトロプリチームに入るきっかけになった。

*5:1月エンドだったとしても

【アニメ】トロピカル〜ジュ!プリキュア第25~28話雑感

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ああー、あすかパパ、とりあえず「案ずるな! 手短に消してやる(ドヤ顔)」とか言い出しそうで怖かったです(中の人ネタ)

 

まずは言い訳

実は3話分視聴した段階で記事をまとめようとしたのですが、次回(第28話)も予告を見た感じだと息抜き回みたいな雰囲気だったので「まあ、もう一週視てからまとめようか」などと油断していたわけですが。

 

あれ?

第28話、さり気に重要回、というより、みのりの事情に切り込んだじゃないですか、また予想外してやんの、ふらあそ、ヤダー( ´艸`)

 

という訳で、約一か月ぶりの更新です。上でも書いた通り、この期間は全体的に息抜き回の側面が強かったですね。ただ、それが第28話にある程度集約していた感じがありました。これを「ある程度」と書いているのは、その集約具合があくまでもみのり視点での場合のみである事、そして、みのり側の事情としては何も今期間に限った事ではないから、なのですが。

 

まずはトロピカる部の活動のおさらいから

第25話ではまなつ達のクラスの担任&トロピカる部の顧問である桜川先生が授業参観当日、父親が見に来てしまう、というのをフォローする…という内容でした。

フリとして、今夏に先生は帰郷した際、何気に教師を続けるのか実家であるリンゴ農家を継ぐのか(露骨に言われたわけではない)を問われており、父親が様子を見に来るというのは戦々恐々…といった感じだったのですが、結論から言うと、父親はアイドルのおっかけをしており(ナニやってんの!)そのツアー先があおぞら市だったので、そのついで…だったというオチでした。リンゴ農家を継がせるつもりはないし、生徒たちに親しまれている様子にむしろ安心していた様子が描かれました。

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第26話では50年に一度の流星群の鑑賞会を天文部の面々と協力して催すというものでした。当日、悪天候が予想されたため、晴天祈願の怪しい儀式をあすかの父親がする、というギャグ風味の内容でした。最後に流星群に感動する参加者たち、そしてそこから離れた水上で戦闘に敗れたヌメリーを他二人幹部が出迎えて一緒に流星群を鑑賞して感動している場面が印象的でしたね。

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第27話ではまなつの母が勤める水族館をトロピカる部メンバーで訪れるというものでした。イルカショーに興味津々のまなつやクラゲにご執心のみのり、ジュゴンは人魚と昔勘違いされていた、と言われてお冠になるローラなど、各々楽しい時間を過ごしていたのですが、そこで開かれているイルカショーの観客が次々と疲れた様子で出てくるという珍事が発生。これはヌメリーの巧妙な罠であり…というものでした。

 

こうやってみると、メインシナリオに大きく寄与した話は存在せず、どちらかというと、トロピカる部が普段はどういう活動をしているのか、という点に着眼されていましたね。校内・校外を問わず、学園生活がきちんと描かれているのは好印象です。近作ではこの辺りないがしろにしていたものも散見されていたので。

そして、校内での認知度もかなりのものですね。まあ、実際TV出演も果たしているわけですし。第26話では一部の生徒から「またトロピカル部が何か面白いことをしている」みたいなことを言われる演出もありましたし、生徒会は下手な手出しをすると周りから反感買うんじゃないか、これ?

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それで思ったのですが、トロピカる部の良い活動を生徒会側って全然見てくれていないんですよね。第26話の天体観測などはとても良いイベントだと思うのですが、結局これにも百合子にせよ正美にせよ誰も関わっていませんし、第28話のコスメ教室にもノータッチ。特に天体観測に関しては生徒でありさえすれば誰が参加しても良かった訳ですから、50年に一度の流星群、見に来てくれたって良かったと思うのですが(その際、監視を兼ねてたっていいじゃないですか)。

多分、生徒会とトロピカる部の絡みはあすかと百合子の演出の仕方を考慮するに、最低あと1回は確実にあるでしょうから、良しにつけ悪しきにつけきっちり描いて欲しいですね。

 

そして第28話。みのりの事情について

第28話では、学園祭をメインテーマに取り上げ、クラスの出し物と部活の出し物に大忙しのトロピカる部の様子が描かれました。中盤にて、まなつとローラがクラスの出し物であるクレープ屋の欠員補充に駆り出され、トロピカる部が主催のコスメ教室もあすかとさんごで手一杯。

そこに放送部からのネット配信インタビューを残ったみのりが受ける、というものでした。

 

いや、参りました。ここにきてみのりの事情、もっと言うと、なぜ彼女が創作を辞めてしまったのか、というところに切り込みました。みのりの事に関しては、あすかと百合子の関係と並んで謎とされていた部分ですが、この話の最後に彼女自身から暴露される形となりました。

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結論から言うと、昔から創作の世界に憧れていたみのりは文芸部に入部するのですが、文化祭の際に執筆した処女作を先輩にけちょんけちょんにけなされて筆を折ってしまったのですね。

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先輩曰く、どこかステレオタイプで、どこかで見たような話ばかりである、即ち、自身の経験がまるで描かれていない、というものだったのです。

作品を読んでもらっていた他の人間に随分誉めそやされていて自信を持っていたみのりは、特に自身の経験のなさを指摘されたことによりショックを受けてしまい、それ以来筆が進まなくなってしまった訳ですが、これは創作に関わると良くある話のようにも思います。

なかなか難しい問題ですよね。確かに面白い文章を書く人は経験値が高いというか、色んな経験を経ている人が多いです。ただ、同時に本もよく読んでいる事も多く、ここはみのりとの共通項だと思うのですよね。

私事で恐縮ですが、知り合いに一人ラノベ作家さんがいます。いや、本業はライターという事になるのかな? まあ、文章で仕事をしている方なのですが、凄まじい量の本を読んでいます。そういう素地があって、経験則もあって、それらが混じり合って初めて面白い文章が書けるのかなあ、と思うのですよね。

みのりの話に戻ると、彼女は回想を一通りトロピカる部の他メンバーに語った後、当時の自分が自惚れていた事、今読み返すと部長の指摘はもっともである事、そして今日のインタビューの件も含めて、トロピカる部に入部して様々な経験が積めている事を皆に感謝している事を伝えました。

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なるほど、彼女は自覚があるんですよね。それならば、彼女が創作の世界に復帰するのはそう遠くないのでは? と思えるのです。欠点は自覚しています。その克服もトロピカル部の面々と過ごすことで自然と為されるでしょう。何より彼女は動かないのではなくて動けなくなっただけです。意欲がなくなったようにはどうしても見えない。ならばいずれ果たすでしょう、再起動を。

そう考えれば、ここ近辺のシナリオのみならず、トロピカる部での活動そのものがみのりにとっての壮大な伏線だった訳です。

ただ、このシナリオでは、一通りみのりの問題が解決したわけですが、逆に少しあっさり風味かな、と思ったのも事実です。確かにこれでみのりの過去に起こったことに対するエピソードを完結してもいいのでしょうが、みのりに厳しい評価を下した先輩も出ずじまいですし、彼女自身も創作関係に関して明確な答えは出してはいません。本を読んでも満たされない気持ちがあったが、今は違う、と言っていましたが、これは今のトロピカる部での時間を大切にしたい、とも取れますし、創作を再開したい、とも取れます。

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個人的には先輩が何を思ってみのりの作品を批評したのか、みのり自身の創作の再開は? そこまで突っ込んで見てみたい、と思うのは自分だけでしょうか? 今後に期待ですね。

 

敵側の事情について

第27話にて、ヌメリーがとった戦術が注目ですかね。

要するに水族館にZTヤラネーダを潜ませて、人々から徐々にやる気パワーを奪う。もちろん、監視役(この場合はヌメリー。尤も、発見時には眠りこけていたがな!(笑))は必要ですが、ここでの注目点は「何もZTヤラネーダを暴れさせる必要性はないし、人々を瀕死に追い込まなくても徐々にやる気を集めれば目標は達成できる、時間制限がなければの話だが」という点です。

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また、ZTヤラネーダは今の段階でキュアラメールのプリキュアラメールストリームでなくては浄化できません。これは逆から言えば、キュアラメール一人抑えてしまえば現状プリキュア側はZTヤラネーダを止める手段がないという事です。

要するに敵側は思いの外、戦略に幅があるんですよね。ZTヤラネーダを暴れさせても良し、徐々にやる気を奪う様な戦法を取っても良し。

ただ、幹部が、ねえ…

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チョンギーレは基本脳筋ですし(ただし、先回のローラ拉致の作戦を実行したのは彼)、エルダは遊び感覚、ヌメリーは第27話の戦略は「いい考えだと思ったのに」と言いつつ何故か一度の失敗で諦めた様子。

まあ、緩いんですよね(笑)。

というか、上でも少し触れましたが、流星群を見てあまりの壮大さに涙を流すチョンギーレと感じ入ったようにそれを見つめる他二人、とか、文化祭でノリノリで屋台の料理をするチョンギーレとか、なんかやっぱり純粋な敵としては見れないんですよね。

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そんな彼らですが、第28話の引きでは彼らの本拠地で地震が発生。バトラーが言うには後回しの魔女が苦痛に苛まされているそうで、度重なる幹部たちの失敗にバトラーもいよいよ業を煮やし始め…といった感じで幕を引きました。

 

f:id:furafuraasobinin:20210915162407j:plainそんな次回はとうとう敵の総攻撃でしょうか? どうもまたしてもまなつがピンチに陥るようなので、大きな展開がありそうです。

f:id:furafuraasobinin:20210915162430j:plainそして、タイトルから新フォームでしょうかね? これは。中盤の山場かもしれませんね。

 

ここまでのトロプリをかいつまんでナナメからバッサリ

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観星町という場所を訪れる機会があれば、そこで星奈ひかるという少女に会うといい。きっと君と馬が合うぞ( ´艸`)

【アニメ】トロピカル〜ジュ!プリキュア第24話「熱血バトル! トロピカる部VS生徒会」感想

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今回のシナリオ書いた人、絶対に昭和の人だよね…

 

さて、今回は…正直言うとあおぞら中学上層部に更なる不信感を抱かせるような内容だと自分は感じました。

 

話の流れとしては、学園の魅力を知ってもらうべくTVの取材を受ける生徒会長・百合子さん。一方その頃、トロピカる部の面々は夏休みの宿題にラストスパートをかける勉強会を催そうと企み(多分。正確な描写はなかった)その横断幕を屋上に掲げようとするのですが、その横断幕が風に流されてしまい、インタビュー中の百合子に直撃、そのはずみで近くの池にドボンするという失態を演じさせてしまいます。

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怒り心頭に発した百合子は、半ば言いがかりをつけるような状態でトロピカる部の廃部を検討し始めます。あすかと百合子の一触即発状態になったところに、TV局のインタビュアー(存じ上げなかったのですが、この方、実在の方なんですね。ゲスト出演回でもあった訳だ)が、近々行われるクイズ大会の番組に出て、部の存亡をかけた勝負をするのはどうだろう、と持ち掛けます。

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勝利を確信しているのか、意外にノリノリな百合子。半ば巻き込まれるような形で生徒会vsトロピカる部の戦いの幕が切って下ろされる…というものです。

 

つーかさ、全然対等の勝負じゃないじゃん、これ。

まず自分が最初に思ったのがこれです。

前回の記事で、この予告について私は「トロピカる部廃部に匹敵する代償を生徒会側は払うのか?」と疑問を投げかけましたが、やっぱりというかなんというか、対価を支払いませんでしたね、百合子は。

確かに、最初の非はトロピカる部側にありました。まして、百合子があそこまで怒ったという事は、恐らく生徒会側に横断幕設置の断りを入れていなかったのでしょう。風で横断幕が流されてしまったこと自体は事故だとしても、これは純粋にトロピカる部側の落ち度です。

なんですが、その後生徒会室に呼び出されて説教を食らったトロピカる部、少なくともまなつやローラは謝罪していますし(ローラは不貞腐れたような感じだったが)、廃部にするような問題かと言われると首を傾げざるを得ません。いい所厳重注意止まりでしょう。まして、それを生徒会長の一存で決めてしまえる、というのならば、もう百合子の感情一つでどうとでもなってしまうという事になってしまいます。

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というより、どうにも百合子の感情が上回ってしまったように見受けられたんですよね。そこにあすかとの確執があるのは容易に想像がつきますが、この点については以降のエピソードに期待するしかないのでしょう。実際、今回もこの二人がライバル関係なのを強調しただけで、その理由についてまでは分からずじまいでした。

さて、話を少し戻しましょう。

この勝負の場合、トロピカル部が負けた場合、廃部が決定してしまいます。逆に勝てば廃部の話は白紙に戻る訳ですが、この話、生徒会側にとっては痛くもかゆくもない。

生徒会側からすれば、勝てば目障りなトロピカル部を廃部させる事が出来る上、一部の人間の溜飲が下がる、負けても、現状維持なわけです。

こんな理不尽な勝負はない。トロピカル部側は部の存亡という重大なリスクを背負っているのに、生徒会側はデメリットがないんですから。良くてTV放送で恥をかく程度の事です。それにしたって、百合子から提案を受けたんですから、自業自得としか言いようがない。

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少なくとも自分ならこの勝負は受けませんね。最低限、廃部に匹敵する何かを要求しますよ。生徒会をなくせ、とか生徒会長辞めろ、なんていうのは性悪ですし、プリキュアにやってほしくはありませんが、部費の上乗せ辺りは要求して然るべきかと思うんですが。

更にここぞとばかりに生徒会側に風紀委員長の正美が参加したのも、ええ…と思わせる要因でした。先回煮え湯を飲まされた彼女でしたが、今回はリベンジとばかりに嬉々として参加しており、もうどう考えても、トロピカる部を潰す気満々なんですよね。

既存の部活動ならいざ知らず、まなつの熱意をもって作られた新設部です、トロピカる部は。少なくとも個人感情やプライドごときで潰されていい道理はない。ましてや、それを学校の上層部が行おうとするなんて…今の段階では腐っているとしか言いようがないです。

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まあ、あすかと百合子の間にある並々ならぬ事情、そこに今回の様な行き過ぎた感情が入る余地が果たしてあったのか? 今後に注目していこうかと思います。

 

シナリオそのものはとても面白かったです。どう考えてもア〇リカ横断ウ〇トラクイズとしか思えない前半部に、自信満々だった割にはトロピカル部とほぼ互角の生徒会。さんご、みのり、あすかが働く傍らで、戦犯の様な(笑)行動に終始したまなつとローラ、と視ている分には非常に楽しかった。

更に救いだったのが、負けて悔しそうにしている百合子にインタビュアーが向かった際に、すかさずまなつが割り込んで「私たち、仲良しなんでーす♪」と言ったことに際して、彼女が「まったく、しょうがないなあ」みたいな表情を見せた事でしょうか。

この場面があったおかげで、実は百合子はトロピカる部を潰す気はなかったのかも…というか、もし勝っていたら勝っていたで悩んでたんじゃないかな…と思わせてくれたことは幸いでした。やっぱり、あすかが絡んだことも手伝って、廃部の話って百合子の一時の感情だった気がしてならないのですよね。

あと、クイズ内容が妥当だったのも良かった。いや、ぶっちゃけ言えば簡単な問題ばかりだったのですが、最初のばらまきクイズのものはみのりが正解にもっていきましたし、泥んこクイズでローラが間違えたのも、彼女ならではだったのでしょうがないですよね。クイズ回というと、やはりスマプリのアレが思い出されるのですが、正直あそこまで常識知らずだと可愛い通り越して呆れてしまうレベルで、やり過ぎ感が個人的には鼻についたのでちょっと心配だったのですよね。

 

後はこまごま気が付いた点としては、今回はヌメリーが出張ったのですが、またしてもまなつ、というかトロピカる部が関わる「やる気充満地帯」を狙っているわけですよね。それ自体はまあいいんですが、その場にいたあすか以外は全員やる気を奪われています。そう、百合子も例外ではなかったんです。

やはり、プリキュア有資格者は守られているんですかねえ。それとも、やる気を吸い取られないほどの強さを持つのがプリキュアなのか。実際、Zヤラネーダ初登場時にはまなつがキャパシティ以上のやる気パワーを吸い取られ無気力状態にされていますし。

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あと、物語の最後で勝利者インタビューを求められたトロピカる部なのですが、意外や意外、さんごが積極的であおぞら市のアピールをしており、こういう場に出ることに照れはないタイプなんですね。みのりと少しずつ差別化が図られているのは好印象です。

 

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来週は…おお、先生回か。これまた意外な。授業参観の日に自分が父親に教師としてちゃんとやれているかを参観されてしまうという、何というこの世の地獄( ´艸`)

 

今週のトロプリをかいつまんでナナメからバッサリ

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ホントさあ…つくづくお約束を外さない人魚芸人の鑑だよ、チミは( ´艸`)