ふらあそ!

ゲーム好き・漫画アニメ好き・自転車好き・鉄旅好き。インドアだったりアウトドアだったりのふらふら遊び人の日記帳、略してふらあそ!

【アニメ】HUGっと!プリキュア第2話「みんなの天使!フレフレ!キュアアンジュ!」感想

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今回もオープニングテーマ前のあらすじは健在なのね。そして、そのあらすじで早速ハリハムハリーに正体隠しの件で言いくるめられているはな、単純すぎかわいい( ´艸`)

 

しかし、このあらすじだけで

  • 前回のアスパワワ強奪事件は一般人にもしっかり認知されており、キュアエールの姿は多人数に目撃されてしまっている。
  • はなは自分がキュアエールであることをばらしたくてウズウズしている。
  • ハリハムハリーが正体を隠す事をはなに提言しているが、理由は不明。「正体不明の方がかっこいいだろ?」とはなを言いくるめたが、何か事情があるのかもしれない。

と言うことが解りましたが、はなはちょっと軽いなー、やっぱり。

 

さて、今回は薬師寺さあや=キュアアンジュにスポットが当たった回でしたが、それよりも世界観の説明や設定の開示にかなりの時間が割かれた印象です。しかも、話はどうも単純ではないっぽいですね…

 

まずは全体的な事情について

前回にハリハムハリーが異世界から来たことを匂わせていたり、クライアス社も別世界から来ているであろう事を匂わせる発言がありましたが、今回正式にハリハムハリーから異世界の存在が明言されました。

しかし、どうにも歯切れが悪いんですよね。異世界の名前も明かしませんでしたし、はぐたんについての説明もほとんどありませんでした。

今回ハリハムハリーから提示されたのは、彼がいた世界がクライアス社によって滅ぼされた、プリキュアとなってクライアス社の野望を止めてほしい、そして、アスパワワを奪われると未来そのものが奪われてしまう、という3点がメインです。

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少し興味深いのはアスパワワの設定です。「未来が奪われる」というのは抽象的な表現かと思っていたのですが、どうも、ハリハムハリーの言い方だと時間そのものが奪われてしまう=未来そのものが奪われる、といった感覚なんですよね。

前回でもあった表現なのですが、はぐたんが降臨する前後、どこからか赤ん坊の泣き声が聞こえると同時にメインヒロイン3人の周りの時が一瞬止まったような表現がありましたが、これは時間がらみの話になる可能性が高まりました。しかも、はなとさあやはその止まった時の中で動いているんですよね。アスパワワがなくなった凍った時の中でアスパワワの結晶であるミライクリスタルの保持者が動けているとも取れ、そう考えると今回のプリキュアは止まった時の中でも動ける戦士という属性が付与されている可能性があります。どうしよう、DIO様涙目じゃん…

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更に、Aパート最後にはぐたんを抱いてうたた寝してしまったはなが過去(?)の様子を夢で見るのですが、敵に追いつめられたプリキュアと思しき人物がはぐたんを逃がす…みたいな内容です。ところがよく見ると、プリキュアっぽい影が4つ存在しているんですよね。これだけだと過去を見ただけ、という感じに取れますが、これに時間がらみのシナリオが絡んでしまうと…タイムリープものの可能性も出てきて、話が複雑化しないか少し心配ですね。タイムリープものは一歩間違うとどうしても矛盾が生じやすいですし、ジョジョの奇妙な冒険のヴァイツァダストに代表される複雑トリックでシナリオが分かりにくくなる危険性をはらんでいます。それについてなのですが

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さあやの過去回想で、先生に転校生であるはなの事を事前に知らされて世話を焼いてほしい、と頼まれるシーンがあったのですが、そのはなの履歴書? の写真が、髪を切った後のはなのものなんですよね。はなは転校初日に髪を切ってあの独特の髪形になってしまった訳で明らかに矛盾しています。流石にこのレベルでぎゃあぎゃあ騒ぐ気はないですが、これがスタッフのやらかしなのか、タイムリープに早速関係するのかは分からないですね。前者だというのなら些細なミスと言う事で済むのですが…

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あと細かい所では、流石にはぐたんの世話はそれ専用のどこにでも設置できるハウスが登場しましたね。更にハリハムハリーが人間体に変身できることも判明。しかもイケメン! うん、個人的に好感度が5下がった(僻み)。ただはなには少し生意気かわいい感じの妹がいますが、彼女にははぐたんの事がばれそうだなー( ´艸`)

 

薬師寺さあや=キュアアンジュについて

かなりの気遣い屋さんであり献身的な性格のようですね。少々めんどくさいクラスメイトの頼み事も快諾したり、はなの図書館行きに付き合ったり、学級新聞を自主作成してクラスメイトに見識を広めてほしいと願ったり、少しおとなしめな性格が強調されました。この性質は前作のヒロイン・いちかに通づるものがありますが、彼女の場合それがより大人しめな性格に反映されています。

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学級委員との事でクラスメイトからの人望も厚いようです。成績優秀で優しくしかもかわいい、とクラスの女の子に褒めちぎられた際、それに対して恥ずかしそうにするおしとやかさも持ち合わせており、なかなか良いキャラっぷりです。

そして、はなとの交流の中で、自分には何の取柄もない、と少し自己評価が低い様子が描かれました。しかしマザーテレサの名言「自分に出来ない事はあなたが出来る、あなたが出来ない事は私が出来る(かもしれない)」座右の銘にしているしっかりした子でもあります。人の長所を何より重んじる性格は、はなとの共通点でもあり素晴らしいですね。まだ出番がほとんどないほまれも前回のはなについてや、今回の張り出された学級新聞を見て称賛の言葉を贈るシーンがあり、今作は人の長所を応援する、がメインテーマに据えられているっぽいですね。

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さあやにははぐたんの存在がばれましたが、以前彼女の声を聴いた不思議な体験に基づいてはなと一緒にはぐたんの存在を受け入れました。少し粗かった気もしましたが、優しい彼女らしいとも思います。

そしてはなと共にはぐたんの世話をしている最中に、チャラリートが再度襲来、召喚されたオシマイダーに苦戦するキュアエールを助けたい気持ちに反応してミライクリスタルが出現、キュアアンジュへの変身を果たしました。

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今回は鮮明に描かれましたが、ミライクリスタルが生成される際、明らかにはぐたんがサポートしていましたね。はぐたんはやはり最重要キャラである事は間違いないようです。

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キュアアンジュはナースモチーフでしょうが、今回は特にモチーフがらみの技は使いませんでした。自ら知恵のプリキュアを名乗り、今回もキュアエールにオシマイダーの体格から足元を狙えば転倒させられる事を指示するというブレイン的な役割を果たしました。青いオーラの光線技とバリアを早速披露しましたが、青プリキュアによくある水・氷系の技を使うのかはまだ不明っぽいですね。そう言えば今回は肉弾戦はキュアエールがほとんど担当し、キュアアンジュは見せませんでした。まあ、これはおいおいですかね。

最後の浄化もキュアエールが担当し、またしてもチャラリートは退散する羽目になりました。そう言えば今回の怪物・オシマイダーは浄化される際に「ヤメサセテモライマース」と言うのが笑ってしまいますが、さりげに首から社員証ぶら下げているんですね( ´艸`)今週ようやく気が付きました(苦笑)。社畜すぎぃ

 

今後のはぐプリチーム(追加戦士・既覚醒戦士)について

上でも書きましたが、先代っぽい者が登場した点、クライアス社がプリキュアと言う存在を認知している点、更に時間がシナリオに絡む可能性がある事も踏まえて、今の段階ではまだまだ不透明ですかね。素直に考えるならはなが見た白昼夢は先代(もしくは既覚醒者)の過去でしょうが、ことタイムリープが絡むとなあ…

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あと、ハリハムハリーがはなにプリキュアメンバーを集める事を依頼した際、変身用のアイテムを3つ差し出しました。先回、はなに変身アイテムが行き渡ったと解釈するならば、残り3人のプリキュアメンバーがいる可能性があります。それとも、あれははなのものを含めて3つだったのか、それだと話が変わってきますが、いずれにせよちょっと分かりにくかったですね。(追記:あとで確認したところハリハムハリーは変身アイテムが「あと3つ」あると言っていますね。よって、加筆・修正しました。)

となれば、残りのプリキュア枠は3つ。まだ気が早いですが、追加戦士は十中八九ある様ですね。例の白昼夢で4つの影あったのはやっぱり伏線でしたか…

しかも、その候補もはぐたん、クライアス社の若い方の女幹部、場合によってははなの妹など、盛り沢山です。特にクライアス社の若い女幹部はイメージカラーが紫であり、一番の候補に成り得ます。*1

 

なんか第2回にして早くも盛り上がってきましたが、次回は

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とりあえず、はぐたんがぐずる様ですね。流石にほまれメイン回は一旦お預けっぽいですね。ほまれは複雑な事情があるっぽいので、どうせならじっくり描いてほしいのもありますし、良い判断かと思います。

 

今週のはぐプリを一言で表現

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鉄骨持った段階でその豪快さに目を奪われたが、流石に相手の足を掬うだけにとどめたか…キュアラブリーさんだったら間違いなくそのまま滅多打ちにしてたよね( ´艸`)

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

 

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*1:しかも担当がベテラン人気声優の田村ゆかりさんというのも…まあ、これは邪推の域に入ってしまうが…

【アニメ】HUGっと!プリキュア第1話「フレフレみんな!元気のプリキュア、キュアエール誕生!」感想

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ママァ…ママぁ…

は!? 正気です! 自分は正気でありまッふ!!(噛んだ)

 

流石に第一話と言う事であまり深いところまでは検証できないのはシリーズ毎の事なのですが、今回はいきなり様々なものを詰め込んできましたね。

主要3人もちゃんと登場しましたし、敵の組織、主人公・はなの家族、変身から戦闘シーンまできっちり盛り込んできました。しかも決して無理のない範囲で。

 

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その中でも今回のメインを張った野乃はな=キュアエールですが、とりあえずは一般家庭出身の普通の出自の女の子ですね。前作プリアラの最終回に登場した際にも感じた事ですが、明るく若干軽いノリの女の子であり、自分他人問わず応援する、という性格と重い荷物を持っていたおばあさんを突如飛んできた野球のボールから守る&荷物を持ってあげる(ついでにそのために転校初日から遅刻する)という優しさを持っているローフルさが描かれました。

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そして、大人でイケてる自分を目指すべく前髪を自ら切ろうとして失敗、前述の様に転校初日から遅刻、同級生になる皆にいきなり年齢まで明かす自己紹介、そして慌てて転倒など、ドジっ子ぶりも歴代ピンクを踏襲しています。クンクン…みゆきのにおいがするぞ!

少し気になった点は、前の学校で実際どういう扱いがされていたか、ですかねえ。今回の初登場ではハイテンションさが強調されていましたが、冒頭で髪を切る際に「次の学校ではイケてる自分を目指す」と決意を新たにしてみたり、自分の応援という少し自らに喝を入れている場面が多用され、少々危なかっしくも感じます。こういう点でも若干スマプリのみゆきっぽさがありますね。*1

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プリキュアになる予定の他の二人・薬師寺さあや輝木ほまれにもそこそこ出番がありました。さあやは転校生であるはなを早速学校案内したり、お弁当を一緒に誘ったり優しそうな性格を強調、ほまれはクール系女子ですが、平然と遅刻をして今は少々やさぐれている感じですかね。ほまれは台詞があまりなかったためまだ未知数ですが朝日TVの公式HPによるとどうやら事情持ちの様なので、今後に期待でしょうか。意外と低いイケメンボイスだったのが印象的で、担当声優の小倉唯さんってこんな声も出来るのね…とちょっと驚きました。*2

 

敵については第一話からはっきり描かれているのが逆に意外でした。しかも自社ビルを持っているそれなりの企業ですか。随分と変わった設定を持ち出してきましたね。

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クライアス社というそうですが(暗い明日?)今の段階で幹部5人に社長?と思しき大ボスが控えている感じですかね。一応幹部を束ねる感じのキャラがいましたが(部長か!?)今回敵として突如攻めてきたチャラリートを除いてシルエットでの登場だったので、これからおいおい描かれていくのでしょう。ただ、中の人のせいで部長っぽいキャラは某錬金術漫画の雨が降ると無能になる大佐にしか聞こえなかったです(笑)。

クライアス社としては何かを探している様ですが、一応「ミライクリスタル」に関係するものである事は分かったものの、シナリオ中盤でチャラリートがはぐたんやハリハムハリーに目もくれなかったため、今の段階では若干不透明に感じました。

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また、チャラリートが出動する際、稟議書*3を部長格のキャラに通し、更に大ボスっぽいキャラが承認のハンコを押すという「今回の組織は企業」を強調しているのも面白かったですね。身も蓋もない事を言うとブラック企業というヤツをモチーフにしたんでしょうが、どういう描き方をするのかはこれからを注視してみましょう。個人的には結構難しいテーマな気がします。流石に現実的過ぎるというか。

 

プリキュアと戦闘については、幹部が一般人のネガティブな感情を糧に怪物を創造するという、従来のタイプに落ち着きましたね。

はなは怪物に襲われそうになったはぐたんを救出するべく、抱きかかえた上で怪物に対峙する強い意志を見せた事で変身アイテムが生成、キュアエールへの変身を果たしましたが、これがはぐたんのバックアップがあったのか、前作プリアラに様にあくまでも自然発生だったのかは今の段階では謎ですかね。

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戦闘シーンは流石に徒手空拳復活でした。自身の数倍もある怪物・オシマイダーを一本背負いの様にぶん投げ、そこから怒涛のラッシュ→必殺技という王道パターンであり、安心してみていられました。やっぱりプリキュアシリーズはこうあってほしいよね。

ただ、今回変身に驚く描写はありませんでしたね。ゴプリからずっとこのノリであり、初変身で慌てふためくヒロイン、というのはもうトレンドでないのですかね。尤も、今回のはなはイケてる自分を目指す少し軽い性格、というが幸いして、変身をあっさり受け入れるのは逆に「らしくて」微笑ましかったですけどね( ´艸`)

 

そして、当然いくつかの謎も残りました。

もちろん、その筆頭は突如空から降ってきた赤ちゃん・はぐたんハムスターの姿をした妖精枠・ハリハムハリーでしょうか。事情はおいおい語られるのでしょうが、ハリハムハリーがはなの部屋に図々しく押しかけ、はなにハムスターが喋っている異常さにびっくりしている事に対して「何や、この世界のハムスターは喋らんのか」と、平然と答えており、異世界の存在が示唆されています。

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また、チャラリートがはながキュアエールに変身した際「新しいプリキュアが生まれた!?」と驚いており、これは少なくとも既にプリキュアが存在している事を表しています。それが追加戦士に引っかかる台詞なのか、若しくは既にプリキュアであることが発表されているさあや・ほまれが実はすでに覚醒済みなのかは定かではありませんが、少なくともクライアス社はプリキュアという存在を認知しており、前述の異世界の事も含めて、色々謎めいていていますね。ここら辺もまだ第一話ですから、これからのお楽しみと言った所でしょうか。

しかし、赤ちゃんを育てる、というのをこれから先どう料理していくのかは若干不安でもありますね。特に野乃家が本当に普通の一般家庭っぽかったので余計そう感じます。

育児をテーマにした作品は過去にも何回かありましたが、ドキプリのアイちゃんはジョー岡田という店持ちの保護者がいましたし、まほプリのはーちゃんは妖精という事もありサイズ自体が小さく*4、不可思議な現象に理解があるマホウ界が存在したため、それほど中学生が赤ちゃんの世話をするという事自体に違和感はなかったのですが、今回は育児そのものがメインテーマの一つでもあるようですし、上手く乗り切ってほしいですね。

 

敵組織が企業と言う変化球*5はあったものの、概ね歴代のパターンを踏襲しており、正直言うと安心して見ていられました。ここしばらく少し風変わりなプリキュアが続いた気がしますし、ここらで王道を攻めていくのも良い、と感じました。

 

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来週は早速さあやがキュアアンジュに変身&メイン回の様ですね。キュアエールがチアガールモチーフであるのに対し、頭のカチューシャからイメージはナースでしょうか。個人的には一番のお気に入りデザインです。転校したてのはなを気遣うなど、性格の良さも折り紙付きのようですし、これは期待大! ですね。

 

今週のはぐプリを一言で表現

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正体の分からないものが空から飛んできたのに、避けようとしないで受け止めるのは常識的に考えると危ないと思うんですぅ…まあ、本当に避けてたら悲劇と言うレベルではなかったけど(笑)

 

来週もめちょっく!(めちょっくってなんだよ!)

 

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*1:まあ、メインキャラ原画が同一人物と言う色眼鏡はある気もするが…

*2:少し甲高い声のツンデレのイメージが強かったので。自分がやっているソシャゲに二人もその手のタイプがいるので印象がより強い。

*3:しかし、この稟議書、到底日本語で書いてある様には見えないよなあ…

*4:しかも初期はリンクルスマホンに収納可能だった。

*5:ただし過去作品には5のナイトメア(社)がある。

【アニメ】キラキラ☆プリキュアアラモード!/総評

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さて、先日大団円を迎えたキラキラプリキュアアラモード(以下プリアラ)ですが、今までの作品と比べると、あっという間に過ぎ去った、時間の経ち方が妙に早かった作品、というのが最初の感想でした。

なかなかプリアラロスから立ち直れませんが、1年間を振り返りつつ、まとめていきたいと思います。

 

まとめ

やはり、4クール1年間で6人のプリキュアメンバーは多すぎました。おしまい。

 

 

 

 

 

いてっ! すいません、冗談です。石、いたっ! 石投げないでっ(´;ω;`)

 

と、冗談めかして言っていますが、実は半分以上これは本心です。

上でプリアラロスなどと言っていた舌の根も乾かないうちに何を、という声もあるでしょうが、ここからは少し真剣に総評していきたいと思います。

 

この作品の根本的な欠点。それは6人体制であった事

スタート時点で5人で始まったプリアラですが、最初から5人と言うのは実にスマイルプリキュア以来、5年ぶりだったのですね。最終的に5人体制になったドキドキプリキュアもありましたが、久方ぶりの多人数体制と言う事で、どう料理するかは番組開始当初から注目点でありました。

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結論から言えば構成そのものはスマプリに似てはいました。各個人回にスポットを当てつつ、つなぎの話を交えて、最後の敵に迫っていく。なのですが、今作のキャラクター達は非常に個性的であり、良く言えば深みがあったのですが、反面以前の記事でも書いた通り変化球タイプばかりだったんですよね。それが故にとてもではないのですが、1話30分ではその魅力を引き出せない。しかも困った事に今作品の縛りであるスイーツクッキングを何処かに挟まなければならず、更にキャラクターの個性を語る時間が削られていきました。

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スマプリの多人数劇の作り方は言うなれば見た目と性格にそれほどミスマッチがない、悪い言い方をするとステレオタイプ的なキャラクター性を利用した上で、可愛さや面白さを追求した作りになっており、視聴者側にとってとても分かりやすくゆるいものになっていた気がします。それが故に突如訪れるシリアス回でのギャップが鼻につきもしたのですが、30分をフルにその時その時のテーマに使える事もあって、充実感があったのも事実です。

ところがスマプリの形を踏襲してしまったプリアラは個性的なキャラクターを魅力的に語る事に時間的な制約を受けてしまった事に加え、6人目キュアパルフェが加わってしまった事によって、1人に使える時間が更に減少してしまうというまことに困った事態を生み出してしまいました。

これは考えてみれば当たり前の事で、例えば6人体制で各々のエピソードに1話充てるのであれば、最低6話分も必要になるのです。6話分というのは時間に直せば1か月半です。もし、ゴプリの最終単独エピソードの様にキャラクターを掘り下げるのに2話分使ってしまえば、それだけで3か月です。これでは4クールあっても実は足りない。

詳しくはキャラクターの項で後述しますが、今作の複雑なキャラクター性を持つ登場人物を1回のエピソードで描いていくのは難しかったと思います。ゴプリが良かった点はあれだけの複雑な感情(特にこれはきららが顕著だった)や立場を持ったキャラクターをじっくり描いた事にあるのと思うのですが、これは取りも直さず、4人しかメインキャラがいなかった͡事に因るところが大きかったと思います。

6人体制と言うと、5GoGoが過去作品にありますが、この作品は初代に次ぐ2年目に突入した作品であり、6人体制自体は1年しかなかったものの、ミルキィローズを除く5人は既に1年かけてじっくり描いていたという大きなアドバンテージがありました。

そう考えると、4クールで6人のプリキュアを登場させるというのはシリーズ初の試みでもあったんですね。その上であえて言わせてもらえれば、今回の4クールで6人プリキュアを従来の形を踏襲して描き切るというメインプロットは明らかに失敗だったと言っていいと思います。

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多人数でもやりようがない訳ではないと思うんです。奇しくもほぼ同時期に同時進行した戦隊ヒーローシリーズ・キュウレンジャーはシリーズ最多メンバーを最初から謳いつつ、回ごとに担当キャラを明確に決めてみたり、キャラ同士の繋がりを絡めて小チームを組ませておいたり、色々工夫していました。

翻ってプリアラも、最終盤のおまけ扱いとは言え、キュアペコリンやルミエルなどが一時的に参戦しており、更にプリキュアでこそなかったものの似たような力を行使したジュリオや濃いキャラクターを押し切ったビブリーなど、もういっそのこと、キュウレンジャーに倣って今作もシリーズ最多でも謳えば良かったんじゃない? と個人的に思わせた程です。

制作側がどう捉えているのかは分かりませんが、プリキュアシリーズは今後も続くのでしょうから、今作の教訓が今後に活かせればなあ、と思う次第ですね。

 

個性的なキャラクター

プリアラチームについて

放映当初から思っていたのですが、まずはスイーツと動物言う脈絡のない組み合わせが鼻についたことに加え、そこに更にシリーズ恒例の色との組み合わせが加わって、最初から複雑な構成を盛り込み過ぎていました。

もちろん、回を重ねるごとにその違和感は薄らいではいきました。最初に一番自分がしっくりこなかったのはやはり熱い性格をライオンに準えたのに、青のイメージカラーと冷たいお菓子であるジェラートを組み合わせた立神あおい=キュアジェラートでしたが、彼女はそのきっぷのいい性格の反面、非常に理知的な一面があり、プリアラチーム全体の問題を最初に提起したりバンド活動と自身のお嬢様であるという立場に思い悩んだり、この手のキャラクターにありがちな能天気さとは真逆の場面が度々描かれており、おまけに学年でTOP5に入るほど勉強が出来るという意外性を持ち合わせていました。

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いい方向性に取るならば、ライオンは集団戦を得意とする実は賢い動物ですから、知性枠に当たる青をイメージカラーに当てたのは間違いではなかったのかな、と思いますが、これは回数を重ねたからこそ出せた味でもあり、やはり複雑ですよねえ。

このあおいの例に限らず、プリアラチームのメンバーは皆一癖ありました。と言うよりはどこかしらに二面性を持っていました。明るく素直でありながらいじましいばかりの自己犠牲性や気遣いを持ついちか、気弱でありながら最も芯の強さを発揮したひまり、気まぐれを前面に押し出しながらも実は優しさと激情を持ち合わせていたゆかり、一見独り立ちしているように見えて実は皆から支えられていたあきら、そしていちかと似た性格を持ちながら歯に衣着せない物言いがピカリオの悲劇を生んでしまったシエル、全員どこかしらに表裏があり妙な人間臭さがありました。

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それはそれで良かったのですが、これを描けたのは4クール1年と言う長いスパンがあったからこそ辛うじて、でした。人数が多いのが災いして、一話分にキャラを詰め込み過ぎて一回一回はキャラクター性をあまり深く描けなかった上、個人エピソード回が回ってくる周期も長めになってしまう、というまことに困った事態が発生しました。更にこれだけの人数になるとどうしても要所要所でキャラクター配分の不具合が発生しており、これはキャラ立ちが大人しめのひまりやあきらがあまり作中目立たないという若干割を食う形で現れてしまいました。

そういう事も踏まえて、やはり上でも書いた様に6人体制は失敗だったのかな、と感じます。しかし、全体としては最終的にキャラの魅力は描き切ったと言って差し支えなく、これは自身がTwitterで呟いた事なのですが

こういう感想も同時に得ており、連続で見ると視聴済み故の知識がある事も手伝ってイメージががらりと変わる可能性がありますね。

考え方次第でしょう。今回みたいに複雑な性格を持ったキャラクターを1年かけてじわじわ描くのも、スマプリの様に直球で分かりやすいキャラクター性を持たせるのも、どちらも正しいと言える。だけど、個人的には1年1週間というスパンには正直合っていなかったのかな、というのが今回のプリアラチーム全体の印象でした。

 

敵キャラについて

前作まほプリに於いて、大きな不満点の一つに敵キャラの魅力のなさがありました。特に幹部に関しては無個性ではなかったものの、全員がボスに絶対の忠誠心を持っている点や、何をしたいのかわからない上に怪物をけしかけては返り討ちにあい無様に撤退する、さりとて憎めなさがある訳でもないという、わりかしどうにもならないものでした。

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しかし、今回は序盤からラスボスとして君臨していたノワールの正体をオブラートで隠しつつ、実はキラリン=シエル=キュアパルフェの縁者だったジュリオ、我儘勝手な性格ながら強烈なキャラクター性を持ったビブリー、粗暴さと傲慢さを具現化したグレイブ、そしてラスボスと密接に関わりがあった、というよりは最終的にラスボスとなったエリシオ、と幹部が非常に魅力的でしたね。

正直言えば、戦闘シーンにおいてはジュリオとビブリー、グレイブは若干物足りないと言うか、善戦はするもののどうにも力不足な印象が拭えませんでしたが、それでも大体はプリアラチームがチームプレイをしてようやく互角、の様な展開が多く、バランスそのものはちょうどよかった気がします。しかも、各自出したファイナルモードではプリアラチームを全滅寸前まで追い込むパワーがありました。

後半のエリシオはかなりの強敵感がありましたが、グレイブが退場した後はとにかく一人で高戦闘力を発揮しつつ、精神攻撃を執拗に繰り返す万能さ・非情さが鼻につきました。しかし、それも実はエリシオがノワールから生み出された存在であった事が判明し、一気に釈然としない点が払拭されました。

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そして、とにかく今回の敵はプリアラメンバー以外にも関係者は言うに及ばず赤の他人も巻き込みまくっており、歴代でも相当タチの悪い組織という印象です。 この点でもエリシオは容赦がなく、病人のみくに平然と手を出した挙句怪物化させたり、ひまりにとっては何より大切であったであろうスイーツ研究ノートを燃やしてみたり、とにかく卑劣な手段が次から次へと繰り出され、これ、本来の視聴者層の幼女たちは泣きださないか不安になるほどのレベルでした。*1

ただ、個人的な見解を述べさせてもらうと、今までのシリーズでの疑問だった

プリキュア側は正体を隠さなくてはならないのに、敵側はプリキュアの正体を知っている。にも拘わらず敵はプリキュア関係者に何故か手を出さない」

という矛盾に見事に応えてくれたという点で、この悪役感は大好きでしたね。と言うか、今までのシリーズの上記の法則の方がむしろ不自然だったぐらいで、ちょっとこの場で言うのは憚られる様な薄い本の様な展開になる方がむしろ自然なんじゃないの? というのは前々から思っていたんですよね。*2

まあ、視聴の最中はそのエリシオもやる事やる事裏目に出て、結果的にプリアラチームをパワーアップさせていたのには苦笑しましたし、最終的には全ての幹部が生き残るというのは少しどっちらけ感はありました。が、振り返ってみれば良い悪役だったと思います。

 

その他のキャラクター達

実はこの作品は登場人物がかなり多いように見えて、意外と閉じられた世界であり、主要な登場人物は少なかったのですよね。これもプリアラメンバー6人の弊害だと思うのですが、とにかく時間が押せ押せでそういうサブキャラクターまで手が回らなかったイメージです。

それが最も顕著に表れていたのが、シエルが転校した回以降、学園生活がほとんど描かれなかった事でしょうか。他にもとうとう最後まで登場しなかったひまりの親族など、どうにも中途半端なイメージでしたね。

そんな中でも、妖精枠にあたるペコリンは最終盤にはプリキュアになって大活躍しましたし、長老も上手く設定を活かした良いキャラクターでした。

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特に感心したのは長老で、このキャラクターはプリアラメンバーを見守る保護者的な立場でしたが、人望もあり穏健派として非常に常識的な人物(?)でした。そして皆を守るために霊体になってしまった設定が最後でも活かされ、彼を霊体に縛り付けていたキラパティボックスが最終回で肉体を取り戻した事により解放され、世界を駆け巡る事を決意したいちかに譲渡された展開には唸らされました。

また、最後の最期でいちかの枷を外してくれたペコリンも非常に好印象でした。ペコリンは、ジュリオに操られた好戦的な妖精によって妖精サイドがピンチに陥った際にいちかに助けを求め、いちか、延いては他のプリアラメンバーをプリキュアの道に導いた存在でしたが、その彼女が最終話で自らキュアペコリンに変身し「キラパティは大丈夫」という証を立てていちかに自由の翼を与えたという点で、物語の始まりと終わりを語る重要な役割を与えられていたのが印象的でした。後半の献身的な姿も含めて、まほプリに続き妖精枠としてちゃんと考えられていたなあ、と感心する事しきりでした。

 

徒手空拳封印の失敗

さて、放映前からプロデューサーさんから肉弾戦封印を宣言されていた戦闘シーンでしたが、これはもう明らかに失敗だったと明言して良いでしょう。

ただでさえ、スイーツ作りを話中に挟まなければならない縛りのため、タイムスケジュールが詰め詰めなのに、基本的にクリーム状の飛び道具を飛ばして拘束・無力化、そこからの必殺技での浄化、というワンパターンな流れは流石に迫力不足は否めませんでした。*3

また、今回はスイーツを前面に押し出したせいなのか、各々の技に一貫性がないというか、本当に謎クリームを発射するだけに留まったのも非常にまずかったと感じます。

何度も比較対象にして申し訳ないのですが、やはりここら辺はスマプリは非常にわかりやすかったですよね。ピンク→桃色光線(苦笑)、オレンジ→炎、黄色→雷、緑→風、青→氷という非常にわかりやすい技構成であり、ビジュアルも派手で技そのものにも迫力がありました。

対して、プリアラでこの辺りが解りやすかったのは、正直言えば氷パンチを基調にした技を持つキュアジェラートぐらいのもので、やれマカロン状のヨーヨーを相手にぶつけるとか、やれチョコレート色の渦を相手にぶつけるだの、はっきり言うと戦闘シーンにピンとこない技ばかりでしたよね。

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それでもキャラクターの技それぞれに何らしかの特徴があればまだ良かったのですが、強いて言えばキュアマカロンのマカロンジュリエンヌが拘束技(っぽくも使える)程度のイメージしかなく、シリーズ恒例のバリア特化もおらず、正直漫然とした戦闘しかありませんでした。

前作、まほプリでは敵が弱いことに加えて、魔法使いを標榜しながらモンクもびっくりの超武闘派だったのに頭を抱えましたが、ここまで戦闘シーンに迫力がないのもそれはそれで困りモノだと感じましたね。

前半はキュアジェラートの咆哮やキュアカスタードの超スピード、後半でも声を封じられたキュアジェラートの沈黙破りなど、見るべきシーンもなかった訳ではないのですが、そんなクオリティが長く続くはずもなく、自ら入れた縛りで首を絞めたイメージです。

そして、何よりまずかったのが必殺技のビジュアルの悪さでした。特にキュアショコラの必殺技・ショコラアロマーゼはどう見ても上空からマ〇グソが襲い掛かってくる様にしか見えず、本当に直してほしい技の一つでしたね。

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また、5人同時に放つ必殺技スイ・ツー・ワンダフルアラモード、キュアパルフェも含めたプリキュアファンタスティックアニマーレ、ともにお世辞にもカッコいいとは言えず物足りなかったです。唯一、中盤での浄化に使用されたキュアパルフェのキラクルレインボーはスピーディーにパフェを作る過程に疾走感があり演出的に申し分ありませんでしたが、反面、個人技での浄化がしばらく続くという、まほプリの悪夢再び、みたいなのが素直に楽しむのを徐々に阻害していったのが惜しかったです。*4

他にも、何の脈絡も襲い掛かってくるエリシオや、スイーツアニマルで対処できたはずなのに上空の敵に為す術もなく一方的に攻撃されるプリアラチームなど、不自然な場面も多々見られ、どうにも消化不良が多い戦闘シーンなのは残念の一言でした。後半登場したスイーツアニマルもいくらでも使いようはあったでしょうに、PFA時の使用に留める*5など、いくら浄化がメインテーマのプリキュアシリーズとはいえ、迫力の戦闘シーンは間違いなく売りの一つなのですから、肉弾戦封印は間違いなく失策だったと言っていいでしょう。

 

シナリオ自体は非常に良かった

これに関しては非常によく出来ていましたね。所々粗い部分は散見されましたが、話の根幹にルミエルとノワールとの確執があり、これに関しては全くぶれてはいませんでした。

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この話ははっきり言えば恋愛がらみが拗れて大惨事になったケースです。そういう点ではブルーが中途半端な態度を取ってしまったが故にミラージュという闇を生んでしまったハピチャと似てはいますが、今回のルミエルとノワールの件は、双方ともにしょうがない事情に基づいており、ちょっとしたボタンの掛け違いが悲劇を生んでしまった例でした。少々勿体なかったのは、ルミエルにしろノワールにしろ、各々の事情にそこまで深くシナリオが切り込まなかった点でしょうか。

最終回まで見たからこそ感じた事なのですが、ルミエルはイチゴ坂出身でずっとイチゴ坂を守っていたと思っていたのですが、考えてみれば舞台が日本でありながら外国名であり、ひょっとしたら最後のシーンのいちかと同じく、各国を巡っていてイチゴ坂で事件に巻き込まれた可能性があるんですよね。

同じく過去のノワールについても詳しくは言及されませんでしたが、その台詞からどうも軍人関係なのでは? と思わせる描写がありました。その半生を戦場で過ごしてきた殺伐とした身の上ならば、ルミエルの溢れかえる優しさに激情にも似た恋心をコントロール出来ずに一気に闇に染まったというのも分からなくはないです。

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…まあ、あの「俺のものにならないなら世界滅ぼしゅ」というギャグにも似た唐突さには苦笑を禁じ得ませんでしたが。

少し穿った見方なのですが、プリアラの舞台をもし放映年の2017年とした場合、ルミエルやノワールが実在した時代はおよそ100年前と明言されているので1917年と言う事になります。現実のこの年の近辺を調べてみると激動の時代であることが解ります。

第一次世界大戦ロシア革命、関東の大水害など暗い事件も多く、これならばその暗黒を照らすべく活動していたルミエル、そして時代の奔流に呑まれていたノワールという図式にも妙に納得できるものがあります。

もちろん、プリアラの舞台が2017年とは名言されていませんから、推測の域は出ないのですが。

結局、失恋により大切なものを失いたくないノワールの絶望がエリシオを生み、心の闇に付け込むように他の幹部を次々と篭絡、ノワールの意を汲んだエリシオが執拗にプリアラメンバーやその関係者を闇堕ちさせようとする姿にも説得力がありました。根元の設定がしっかりできていたからこそ出来た演出であり、非常に好印象でした。

そして、その根元を軸にしてプリアラメンバーの成長を時間はかかったものの描き切れたのは本当に上手でもありました。特に年長組であるゆかりとあきらの描き方は申し分なく、目立つことこそなかったもののあきらの各エピソードとそれを繋いだ成長度合いには感心しましたね。

 

しかし、反面、どうしても納得できないことも一つありました。

それはキラパティがどういう商売をしているのか全く分からなかった、もっと具体的に言うと、金銭関係の話が一切出なかった事でした。

それはプリキュアシリーズに相応しくない? 確かにそう思います。

ですが、それならハナからパティスリー関連の話をするべきではなかったと思うのですよね。作品全否定になってしまいますが。

作品中、何度もキラパティが商売をしている場面は語られました。お客にスイーツを振る舞う場面は幾度となく描かれ、店舗と顧客の関係を築いており、いくらなんでも無料で振る舞っている規模ではないんですよね。地下のキラキラル発生装置を使っている=原価タダの可能性はありますが、近所の果物屋で果物を品定めしている場面もありましたし、まさか立神グループが資金バックアップをしているとも思えない。

パティシエは女の子の憧れの職業でも上位に入っていたと記憶していますが、だからこそそういう点はしっかり描いてほしかったですよね。前作のまほプリでも1か月単位で家を留守にしたみらいを家族がお咎めなしにしたり、こういう現実味のある点をアニメだから、幼女向けだから、とぼやかすのははっきり言って逃げです。

今作はプリキュアメンバーがパティスリーをやる、というのがメインプロットの一つなのですから、これだけは本当に惜しかったと思っています。

 

今度こそ本当にまとめ

それらも含めてもう一度言いますね。

やはり、4クール1年間で6人のプリキュアメンバーは多すぎました。

せっかくしっかりしたシナリオ設定も、キャラ立ての魅力も、戦闘シーンも、いい要素があったにも拘らず全て中途半端にしてしまいました。

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正直言えば、これが追加戦士なしの5人であったのならば…と本気で思う程です。反感覚悟で言いますが、ジュリオの件がなければシエル=キュアパルフェってあまり必要のないキャラだった気がするんですよね。ここまで個性的なメンツを揃えたが故に、性格そのものもいちかと被るところが結構あり、ビブリーのフォローについてもいちかで充分代用できる範囲の内容でした。はっきり言うと5人に絞って、もっと初期5人の魅力を引き出した方が良かったのでは…と思いました。シエル=キュアパルフェ自体は第41話に代表される様なはっきり物を言う性格など好きなんですけどね。

 

何とかギリギリ、次回作HUGっと!プリキュア放映前に総評を書き切ることが出来ました。各キャラごとの寸評やもっと突っ込んだ事を書こうかとも思ったのですが、文章量が更に膨大になる上に、1年間の記事の蒸し返しになる事も多いと思われたので割愛しました。明日からは新シリーズと言う事ですが、まずは掴みでどうなるのか、注目しながら視聴する事にしましょう。

 

それでは、最後のキラキラル☆

 

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*1:ただ、往々にしてプリキュアシリーズはこういう容赦のない表現が散見される。キュアサニー人形事件やキュアダイヤモンド氷漬け事件など。

*2:もちろん、皆無だったわけではない。

*3:今思い返しても、肉弾戦ぽいものは序盤のキュアジェラートが数回と、後半のエリシオとキュアショコラの一騎打ち、最終決戦ぐらいしか思いつかない。

*4:ラクルレインボーは技演出そのものが冗長だったのも個人技なのに…と思わせた一因である。

*5:効果的に使ったのは姿を消したディアブルを嗅覚によって発見した回と最終エリシオ戦のみ。大体騎乗前提の召喚獣であったのにも拘らず、PFA以外でまともに騎乗したのは最終エリシオ戦のみとどうにも勿体ない使い方をしている。

【アニメ】キラキラ☆プリキュアアラモード!第49話・最終回「大好きの先へ!ホイップ・ステップ・ジャーンプ!」感想

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サンデーLIVEのキュアホイップ生出演の茶番具合がなかなか微笑ましかったが、古田のどうすればいいか分からない、と言った感じの狼狽えぶりで更に微笑( ´艸`)

 

さて、最終回でしたね。前作の様に世界観がどっちらけになる事もなく、さりげなく伏線回収しつつ、最後はしんみり終わるという、起承転結がしっかりしてて流石ラストに相応しい出来でした。

 

話の流れとしては、舞台が1年後に移り、そこまで細々とやっていたキラパティでしたが、とうとういちか以外は最終日を迎えます。ゆかりの一時帰国をきっかけに、久々のフルメンバーで顔を合わせるのですが、いちか以外は進路が決定しており、彼女のみが取り残されることになるのです。が、実はいちかにも世界を駆け巡ってスイーツで人々を笑顔にしたい、という夢を持っていたのですが、皆の夢のために自らが身を引いていたことが発覚し、その問題でひと悶着が起こってしまいます。

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そんな時に長老の肉体が突如巨大化して暴れ始め、途中ゲストキャラの野乃はな=キュアエールの登場を交えつつ、皆で協力して敵を撃破。いちかのわだかまりも晴れ、現在のキラパティは長老とペコリンに託していちかも夢に向かって進み始めました。

更に数年後のプリアラメンバーの行く末を写しつつ、最後にルミエルとノワール、ディアブルの転生体と思われる子供たちといちかが邂逅する…という場面で幕となりました。

 

ゲストキャラ・野乃はな/キュアエールについて

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次回作、HUGっとプリキュアの主人公。まだ本編が始まっていないので何とも言えませんが、今までの番宣(自らを「イケてる!」と言ってみたり)や、今回の描かれ方から察するに、かなり元気で若干軽いノリの娘だな、というのが印象です。こういう性質は今までのプリキュアメンバーにいなかったわけではないですが、ピンク枠としては案外珍しいですね。

キュアエールはその名が示す通りチアガールがモチーフでしょうが、初登場時にいきなり超高速で巨大化長老の足元に飛び込み猛烈なキックで転倒させるという、徒手空拳復活! をアピールしました。

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そして、そこから窮地に陥ったプリアラチームを援護しつつ、チアリーディングさながらの応援をかますという、これまた新しいスタイルを披露。本編が始まった後にこれを活かすのか、それとも死に設定になるのかは注目点ですかねえ。*1

今回はプリアラの世界観を壊さない程度の登場のし方だったため、まずまず無難に引き継ぎ回としては成立したかと思います。まあ、これが統一世界観だというのなら、はなも前回でキラキラル化した事になってはしまうんですけど、ね。*2

 

ここで使うか! 長老復活の伏線

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これは正直ちょっとビックリしました。今作の序盤、長老が肉体を失った経緯は語られていましたが、グロい言い方をすると暗黒キラキラルの直撃に耐え切れず爆発四散していたものばかりだと思っていました。が、まさか、肉体だけ町の中に残っていたとは…

しかし考えてみると、ノワールも失恋のショック(笑)で暗黒化した際に肉体は残っていますし、その際にその空の肉体を使用してエリシオを作り出したんですよね。

ただ、長老の巨大化及び黒化自体は若干謎が残りました。

経緯としてはキラパティを訪れていたはなが持っていたお土産用スイーツからあふれ出ていたキラキラルをたまたま近くにあった長老の肉体が吸収して巨大化した、みたいなニュアンスでしたが、特に闇のキラキラルを吸ったわけではなく、どちらかと言うと長老の肉体そのものが闇に染まっていたようなイメージでした。

個人的には、死んだ肉体が一年以上放置されていた訳ですから、その間に不浄なものを取り込んでしまった、という風に解釈しましたが、ここらへんはもうちょっと分かりやすく表現してほしかったかな。ただ、このイチゴ坂と言う町は古くはルミエルの時代から災難まみれの街ですから、負の感情が吹きだまっていても何の不思議もないんですよね。そして、それを今回プリアラチームが浄化した事によって、今度こそ本当にイチゴ坂と言う町は救われたのかもしれません。

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最後はペコリンを中心としたプリアラチームの説得で肉体のキラキラルが浄化されたところで長老の魂が融合し、見事に復活を遂げました。というか、長老、エラい慕われてたのね( ´艸`)

 

ペコリン/キュアペコリンについて

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第47話に引き続き、今回も主役に大抜擢される活躍を見せました。*3

巨大化した長老にPFAですら歯が立たないプリアラチームをサポートするべく、長老の制止を振り切って参戦しましたが、最後には必殺技まで飛び出し、しかもいったん敗れはするものの、キュアエールの助力を得て、最終的には巨大化長老を拘束するという大金星を上げました。

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その必殺技も妖精みんなの助力を得て強大な力を発揮するもので、妖精たちのリーダーの素質を持っているのかな、と漠然と考えたりもしました。まるで積尸気転霊波みたいだ…

また、ペコリンがこのプリアラと言う作品を通じて成長し、最後に長老と一緒にイチゴ坂でのキラパティの活動を引き継いでくれたことで、いちかの憂いも晴れました。

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気遣いの鬼とも言えるいちかを最後にその枷から解き放ったという点では、やはりルミエルの献身を受け継いだのかな、と個人的には感じましたね。数年後を描いた後日譚では人間形態も自在に扱えるようになった様ですし、妖精枠からはみ出さず上手く描かれたキャラだったと思います。

 

そして、数年後の皆の姿

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皆、自分の道を順調に歩んでいる様子が描かれました。ひまりはドジっぷりこそ変わっていないようですが研究員に、あおいは音楽活動に(しかもえらく美人になって…)、あきらは病院での研修、ゆかりは…良く分からなかったけど(苦笑)相変わらずのようですね(一応、スイーツの勉強に行っているんだよね)。シエルはイチゴ坂に残って自分の店の切り盛り。皆、充実した日々を送っている様です。

そして、長老にキラパティボックスを託されたいちかは…

世界を飛び回って人々を助けるというのは、母親の後を追ったとも取れますが、いちかの母は医療であるのに対して、いちかはスイーツ作りで人々を笑顔にする、という道を選んだようですね。かつてイチゴ坂でルミエルが行っていた活動をワールドワイドに広げたみたいな感じですか。*4

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そして、異国の地で再びルミエルとノワールの転生体と思われる子供と邂逅したのは少しジーンとしましたね。ルミエルとノワールに端を発した今回の騒動が幾多ものめぐりあわせの果てに帰結した素晴らしい最期だったと思います。

ルミエルの夢を引き継いだいちかが転生したルミエルとノワールにその夢を届ける。しかも、いちかは知ってか知らずかノワールの過去の過ちを窘める様に男の子を窘めた上で、あたかもかつての悲劇の運命を修復するが如く二人の子供にスイーツをプレゼントする…抒情的ですよね。

 

さて、総評は近日中にアップしたいと思いますが、正直言うとあっという間に過ぎ去った作品だったというのが感想です。手放しで褒められる作品ではなかったですが、この辺りも含めて総評でまとめたいかと思います。

 

今週のプリアラを一言で表現

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最終回OPでも仮面の謎の男のままだったジュリオ君、流石に途中で許してあげてほしかった( ´艸`)

 

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*1:実際、今作のキュアカスタードの超スピードは途中で死に設定になってしまった。

*2:まあ、キラキラル化した人間の記憶はないという設定なので破綻自体はしていないのだが。

*3:穿った見解かもしれないが。

*4:というよりもルミエルも世界中で活動していて、たまたまイチゴ坂で事件に巻き込まれた可能性がある。

【アニメ】キラキラ☆プリキュアアラモード!第48話「さいごの戦い!世界まるごとレッツ・ラ・まぜまぜ!」感想

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冒頭、ルミエルとノワールのカードを使って最終形態になったエリシオだが「正直、それならどうとでもなるんじゃね?」と思ってしまった不謹慎な私…

 

でも実際のところ、最初の方こそプリアラチームを圧倒していたものの、最終的には敗北した辺り、やはりエリシオ+プリキュアプリキュアに匹敵する力とプリキュア7人じゃ勝負は見えていましたね。尤もその後酷いことになりましたが…

 

さて、今回はタイトル通り最終決戦となりました。

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上でも書いた通り、ルミエルとノワールの力を上乗せしたエリシオvsキュアペコリンを含めた7人のプリアラチームとなった訳ですが、終始押していたエリシオでしたが、やはり数の優位がモノを言うプリアラチームになかなか決定打を与えられない事に業を煮やした彼はPFAの闇版を繰り出します。

それに対抗してプリアラチームも強化版(恐らくキュアペコリンが加わったため、相乗効果でより強力になった)のPFAスペシャルで対抗、技の衝突で散布されたキラキラルで町の人間が正気に戻ったため、皆がプリキュアの応援をしだし…

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がんばえー!ぷいきゅあー!

この応援が出たら、相手は無条件で敗北なのがプリキュアシリーズの伝統なんですよねー(苦笑)

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さらに強化されたPFAスペシャルが炸裂し、大気圏外まで吹っ飛ばされたエリシオですが、追い詰められた彼はなんと自分の中に地球そのものを飲み込み、完全に無の世界に全てを閉じ込める…というとんでも行動に出ました。

うーん…エリシオ一人にここまで出来るというのは、ちょっと解せない展開でしたが、ルミエルとノワールの力を上乗せしたが故に起こせた大技と解釈するしかないのかなー。

 

エリシオについて

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まさかのラスボス化でしたが、やはり彼は感情の塊でしたね。過去の記事でも指摘しましたが、彼は喜怒哀楽全ての感情が過去に何回も描かれていました。

彼はプリアラチームを闇の陣営に誘い込もうとかなりしつこく色々な罠を使っていますが、その際に喜びと楽しさを、彼女らが闇に染まらなければ怒りを、そしてノワールの失恋を哀しんでいました。

今回、無の世界に閉じ込められた際にキュアホイップがエリシオの過去が垣間見えましたが、要約すると

ルミエルにフラれたノワールが闇化→その際に空になったノワールのボディにルミエルが作ってくれたカップケーキから発生したキラキラルを闇化させて注ぎ込む→エリシオ誕生

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結局、邪ではあるもののキラキラルそのもので生成されている訳*1です。邪のキラキラルに染まった過去の幹部たちは無感情だったでしょうか? ジュリオ、ビブリー、グレイブ…むしろ感情豊かと言って差し支えない面々が揃っていたのが現実です。そもそも、エリシオが自身に感情がないからこそ、無感情の世界を支配できると嘯いているのも、元を正せばノワールの失恋に端を発しており、これを引きずっているエリシオに感情を制御できるはずもないんですよね。*2

何より自身を朽ち果てさせてまで、世界を無に包み込むという暴挙そのものこそ、様々な感情がないまぜになって起こした、言うなればヒステリックな行動に少なくとも私自身には映りました。

 

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そして、感情と言う側面において、プリアラチーム内で最も冷静であると思われたゆかり=キュアマカロンが今回のエリシオ戦に関しては「散々私たちの心を弄んだくせに!(だから貴方に感情がないなんて嘘よ)」と激しく感情を顕わにしたり、無の世界に閉じ込められ祖母が消えたと思われるところを見た際(実際には一時的にキラキラル化しただけ)には「エリシオーッ!」と激昂してみたり、やはりゆかりさんは一番うまく描かれておりスタッフから愛されているのが良く分かる演出は面白かったです。

中学生組が無の世界で絶望しかけるのに対して、高校生組がある程度毅然とした態度を取っているのも、良かったですね。

そんな中、唯一霊体であるが故に自由に行動できる長老が最後の力を振り絞ってプリキュア達を救うのですが、流石にプリキュアシリーズだけあって、キラキラル状態になるだけに留まりました。正直ここで長老退場だとカッコよかったんだけどなあ。そこまでは出来なかったか…

 

最終的には、エリシオの過去に触れたキュアホイップがポジティブ感情を以てエリシオを説得した事で和解。その際にもう手遅れだ、と呟くエリシオに対して「やってみなければわからない」と言い切ったキュアホイップは本当に最後までぶれませんでしたねえ。

 

そして前作まほプリで神化したはーちゃんもびっくりのプリアラチームは、無の世界に散った世界の人々のキラキラルを利用して地球そのものを再構築(クッキング)、復活させるという…

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おおおおおおいいいいいいい! とうとう天地創造しちゃったよ! プリキュア

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世界が復活し、一部のメンバーを除いて記憶も失われているという事で、元の鞘に収まりました、というオチでした。一応、今回も身バレしなかったプリキュア、と言う事になるのかな? 和解したエリシオもいずこかへと飛び去りました。その際にエリシオは「あるべきところに帰りなさい」とルミエルとノワールのカードを虚空に放ちましたが、二人は天に帰るんですかねえ…方や故人、方や精神体みたいなものな訳ですし…

 

そして、再び始まるいちかの誕生パーティーと言う事で今回は幕となりましたが、いや色々酷い目に遭った誕生日でしたね、いちかにとっては(笑)。色んな意味で忘れられない。

 

さて、物語は収束した訳ですが、次回はいよいよ最終回です。

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どうやらエピローグに使われそうな雰囲気でちょっとホッとしています。恐らく引き継ぎ系のゲストキャラとして野乃はな=キュアエール(ひょっとして他メンバーも?)の登場がちらっとあるでしょうが、前作の様におまけ要素の強いものでないことを願います。やはり物語にはきちんと結末を与えてこそ映えるというものです。予告映像では変身シーンもありましたし、さてどのような結末を当てるのか注目ですね。

 

今週のプリアラを一言で表現

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天地創造する際に「きらっと閃いて」こういうデコレーションを星にするあたり、いちかはシエルに従事して猛勉強した方が良い(笑)

 

来週もキラキラル☆

 

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*1:もっと極端な事を言うとルミエルとノワール両方の性質を併せ持っているともいえる。そう考えれば最後に使った手札がこの二人だったのも妙に納得できる。

*2:ひょっとすると4人の幹部はそれぞれ喜怒哀楽に当てはめていたのかもしれない。

【アニメ】キラキラ☆プリキュアアラモード!第47話「大好きをとりもどせ!キュアペコリンできあがり!」感想

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しょっぱなから変身アイテムをゴミ箱にポイ捨てするというショッキングな展開が待っていた訳ですが…

 

前回の最後の場面で感情の消えた世界を作り出したエリシオでしたが、今回はプリアラメンバーを唯一生き残れた長老とペコリンが正気に取り戻す、というのがメインプロットでした。

 

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話の流れとしては、感情が消えうせた世界(地球規模だったのか、イチゴ坂限定だったのかは不明。前回日本を中心に闇の波動? が世界に広がったような描写があったので前者なのか?)でキラパティの箱の中の入り唯一影響を免れた長老とペコリンがスイーツ作りを通して皆の正気を取り戻すのですが、その過程でペコリンのキラキラルが高まり、キュアペコリンに変身、プリアラチームもキュアペコリンの力で感情が復活する…というものです。そしてカードから召喚されたグレイブを拘束した後にエリシオ登場、最後の決戦へ…という感じでした。

 

エリシオの作り出した無の世界について

この手の展開にありがちな「世界を闇に染める」系ではなく(過去回に一回やったしね)あくまでも感情そのものが消えた「無」の世界を作り出しました。

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実際のところ、この世界では「大好き」の感情を多分に含んだプリアラチームを完全に無力化していましたが、反面、負の感情による争い・諍いもグレイブの手により厳しく取り締まられており、全ての生物が清濁含めた感情を持たないロボット化した世界となりました。

ところが、どうにもこれが不完全なんですよね。

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例えば、取り締まりを執行していたグレイブはプリアラチームの事を明確に「こいつらは元プリキュア」と警戒しながらキラキラルチェックを行いましたし、シナリオ後半にペコリンがグレイブに殴る蹴るの暴行を加えられた際に、プリアラチームの面々が「可哀想…」「やめて」と言ったあたりは完全に感情を消し去れてはいない感覚を受けました。

それもそのはずで、この世界を作り出した張本人・エリシオに感情があるのですから、完全な無の世界など作りようもないのかな、と感じます。

正気を取り戻したプリアラチームに明らかな憤怒の表情を見せたのは他ならないエリシオでしたし、キュアホイップも「貴方に感情がないなんてことはない」と否定しています。エリシオがどういう存在なのかは未だに不明瞭ですが、もしノワールが言う様にノワール自身が産みだした人形だというのなら、ノワール自身が切り離した感情を持っていたとしても全く不思議ではありません。実際問題、ノワールは百年前にルミエルと共に生活していた際に、やたらとネガティブ発言をしていましたが、あれは自分の今までの歩みに対する後悔の念とも受け取れますし、グレイブがペコリンと対峙した際にも「エリシオ様から命までは取るなと命令されている」と言っており、やはりエリシオが無感情というのはちょっとあり得ないかな、と思わせる場面がありました。

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なんにせよ、ペコリンの活躍により、プリアラチームも復活し、この無の世界に綻びが生じ始めました。最終決戦は世界を救うと同時にエリシオの救済にもスポットが当たりそうですね。

 

ペコリン(キュアペコリン)について

今回完全に主役に抜擢されたペコリンでしたが、今までの集大成としてキュアペコリンという姿を披露しました。

ペコリンは元々、かなりのキラキラルを有している事は過去の回で散々伏線として語られてきましたが、人間変身やドーナツを皆に振る舞う回など昨今の妖精枠としては比較的丁寧に描かれていたため、あまり唐突感はなかったです。

しかし、今話後半、ペコリンが作ったドーナツが焼却処分された際、抜け殻状態のプリアラチーム全員が正気に戻る切欠になるキラキラルを大量に散布しており、これほどの能力を持っているのは予想外でした。

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そして、その溢れるキラキラルから人間体への変身、さらにスイーツパクトを生み出しキュアペコリンに変身した訳ですが、流石に戦闘能力はほとんどありませんでした。クリーム状の塊を放出しつつネンドモンスターから逃げ惑うという、一瞬締まらない展開でしたが、クリーム状の塊は時間差で次々と破裂してプリアラチームそれぞれに対応したキラキラルをばらまくという設置型の技で、このキラキラルが決定打となってプリアラチーム全員が復活しました。

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この能力をどう取るかは、なかなか難しいのですが、良い方向に見るのならば、まるでプリアラチームが失ってしまっていたキラキラルを一時的にペコリンが預かり、それをお返ししたようにも見受けられました。

その献身的な姿はやはりルミエルと重なって見えましたが、結局、ルミエルとの関連性そのものは明確には語られませんでしたね。

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キュアペコリンを含めたプリアラチーム全員が復活し、グレイブ達に放った合体技がクリームで生成したネットを上から被せて拘束するというもので、相手を傷つけず拘束のみに特化しているあたり、戦闘を不得手とする*1キュアペコリンらしさがよく表れていました。

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最終決戦にもプリキュアのメンバーとして参戦する様ですし、なかなか目が離せませんね。正直言えば、もう少し早く正式メンバーとして入るのも面白かったのでは…とも感じましたが、今回の演出は終盤も終盤、大終盤だからこそ光った訳で、これはこれで良いサプライズだったと思います。

 

あくまでも予想ですが、次回は

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こんなタイトルですし、次々回は引き継ぎイベントが待っていそうな雰囲気ですね。となれば、次回は実質最終回かもしれませんし、なかなか感慨深いです。

各々の道を歩み始めようとするいちかを除くプリアラチーム、一人残される形になるいちか、そしてエリシオを含む敵側の人物や、ルミエル等の縁者たち、更に妖精たち、皆にどのような結末が訪れるのか。1月は正座しながら見るのがプリキュアシリーズの恒例ですね(苦笑)。

 

今週のプリアラを一言で表現

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やべえ、12宮敵の本拠地出現! と思ったら中身焼却炉のごみ処理施設で、しかも従業員の人選で二度ワロタ。

 

来週もキラキラル☆

 

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*1:グレイブにこの点をなじられた時にペコリン自身も「戦う事は苦手」と認めている。

【アニメ】キラキラ☆プリキュアアラモード!第46話「ノワール大決戦!笑顔の消えたバースデー!」感想

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新年あけましておめでとうございます。遅ればせながら今年も当ブログをよろしくお願いいたします。予告もなしに更新が遅れてしまいましたが、急遽一泊二日伊豆グルメライドに参加したためやむなく遅延してしまいました。ご容赦くださいませ。

 

さて、今回は色々驚きの展開と言いますか…ある意味想定外ではなかったのですが、いちかメイン回と思わせつつ、いよいよ最終局面に向けて動き出した感じのシナリオでした。

 

冒頭でいちかの誕生日が近いという事でパーティーが企画されました。それ自体はよくある展開だったのですが、各々のメンバーがいちかに対する思いを回想する場面で、やはり彼女がこのチームの中心人物であったことが語られたのは感慨深かったですね。

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個性派ぞろいのプリアラチームにあって、圧倒的な牽引力を持つキャラクターであり、それでいて配慮が出来る性格はリーダーに相応しかったと思います。今回もキラパティやプリキュアの活動に対してひまりが謝辞を述べた事に「大変なことに巻き込んでごめんね」と言ったあたり、最初期からこの根本的な優しい性格は変わっていません。これを1年間貫き通したのは称賛に値します。*1

 

ひまりと別れ帰宅の途に就いたいちかでしたが、皆が次なる目標を決めて邁進し始めた姿を見て悩み始めるのは必然とは言え良い展開でした。先回の感想でも書きましたが4クール目の各々の個人回で他のプリアラメンバーは目標や夢を定める事が出来たのですが、メインヒロインであるいちかのみが具体的な目標が出来ていない、というのはゴプリのはるかのオマージュっぽくもありますね。

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その悩みに対して、誕生日合わせでサプライズ帰国をしていた母親はいちかに対してスイーツが好きかを問いただし、その答えがイエスだったことに対して「ならば今はそれでいいんじゃないか」という言葉を贈りました。

14歳の女の子が結論を急いでもしょうがない、というのは一つの解答だったと思います。上で挙げたゴプリのはるかにしても、より重要だったのは具体的な目標よりも、プリンセスを目指したことによる成長でした。ただ、大きな目標をかなえた人はもう幼少期からひたすら目標に邁進する人が多いですけどね…(例としては野球のイチローが有名)

むしろ、今は自分の好きな事をやってのびのびと育ってほしい、というのがいちかの母親の真意でしょうね。

 

場面変わって、いちかの誕生日当日、パーティーも盛り上がりいざろうそくを消そうとした所で黒いエリシオ…いやノワールが登場しました。

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パーティーにいたゲストの子供たちやいちかの両親…いや町全体が闇に飲み込まれ一気に戦闘になだれ込んだんだのですが、今作のイチゴ坂と言う町は本当に何回も災難に見舞われますねえ…これがシムシティなら住民はとっくに逃げ出してるぞ…

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そして、一時的とはいえ、ついにルミエルが現世に復活しました。とうとう語られる過去の因縁…といった流れでしたが、以前の記事でも書いた予想通りエリシオとルミエルにはやはり因縁がありましたね。まさかエリシオ=ノワールだとは思いもよりませんでしたが…

ネットではエリシオ=ノワールドラゴンクエストダイの大冒険のバーンとミストバーンの関係性に似ているという指摘がありましたが、私も概ね似た感想でした。ミストは自分の意志でバーンに仕えていたのに対して、エリシオはあくまでもノワールベースの分身(と思われる)、という違いはありますが。

過去の因縁については、100年前にイチゴ坂で行き倒れていたノワールをルミエルが救助したのですが、それが縁でノワールはルミエルと親交を深めていき、ある日告白するものの拒絶されてしまい、ならば町ごと闇に染まれ、という…

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単なる痴話げんかじゃないか!? コレ!?

兄弟喧嘩が原因で地球規模の大ピンチになったプリキュアがかつてありましたが、あれは(一応)長い時代続いた神同士の争いがベースになっており、まだ壮大さがなかった訳ではないのですが、今回のノワールの余りの論理の飛躍の仕方はどちらかと言うとギャグ漫画チックな内容でちょっとシリアスものとしては響かないかなあ、というのが感想です。

あとちょっと気になったのはノワール自身の正体ですかね。

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最初から自分が闇の存在である、とルミエルに明かしているのですが、それがどういう理由でなのかはちょっと分からないんですよね。いちおう台詞の中から元軍人?(「私は戦場に生まれ数多くの罪を犯してきた」)とも取れますが、そういう何かに取り憑かれているとも解釈でき、実際、ルミエルにフラれた(苦笑)瞬間に町を闇の一気に染める能力を最初から有していました。そして、ルミエルに全てを託されたプリアラチームとノワールが最後の力をぶつけあっている最中に本来ならば空っぽの人形になり果てていたはずのエリシオが乱入。あろう事かノワールとルミエルをカード化して、すべての感情が消え失せた無の世界を作り出す…という衝撃の展開が待っていました。

これはひょっとしたらもう一枚謎が残っているのでは…? と思わせる展開でした。例えばエリシオは人形ではなく、実はノワールに取り憑いており暗示を与えていた本当の元凶だった、とかね。それならばノワールが最初からすさまじい力を持っていたのも、ネガティブバリバリの発言をしまくっていたのにも説明がつきます。

少なくとも過去のノワール「罪の意識」というものが存在しており、今までのラスボスノワールの様な「完全な悪意の塊」との共通性があまり感じられません。どうなるのかは来週以降に期待でしょうか。

 

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そして完全な無の世界となり、そこで目のハイライトが消え灰色の制服を着たいちかが起き上がりなにも思い出せない…という場面で今回は幕となりました。

 

正直言うと、今話はただ一人具体的な夢がない主人公(ゴプリ)、実は話の元凶は小さなすれ違いだった(ハピチャ)、世界変革?が起こって次週に続く(まほプリ)、など今までのシリーズでもどこかに似たような話あったよね? みたいな展開が多く手放しでは褒められないですかねえ。ノワール(≒エリシオ)とルミエルとの関連性も予想の範囲内でしたし、まあ、それをも上回るサプライズもあった、まさかのエリシオがノワールを逆吸収? などもあってバランスを保ったイメージです。

 

そして、来週にも、まさかのサプライズが!

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そう言えば、今週はルミエルの口から正式に「自身もプリキュア」であることが言及されました(「私はプリキュアとしての使命を優先して~」)が、何と予告通りキュアペコリンをプリキュアにカウントするなら8人ものプリキュアが出たシリーズと言う事になりますね。*2いっそのことキュウレンジャーみたいにシリーズ最多! みたいな売りでも良かったんじゃないかとすら思えてきました。まあ、ここら辺は思う所もあるので1か月後の総評にでもまとめましょかね。

 

 

そして1月第1週恒例、次期プリキュアの番宣がとうとう入りました。キャラデザはかなりいいですねえ…

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一時期フレッシュプリキュアのキャラデザの人が担当なのでは…と噂されていましたがこの感じはスマイル・5の人かな? そして、もうすぐプリアラが終わってしまうのが寂しい…と感じるのもこの時期の常でしょうか。色々と感慨深いですね。

 

今週のプリアラを一言で表現

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そして映画の番宣での「プリキュア15周年!」で全て持っていかれる感じもしゅごいが、10周年作品ハピチャから5年経った事実にも軽く戦慄する…

 

来週もキラキラル☆

 

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*1:ただ、これを優しいと取るかあくまでも他人行儀と取るかは意見の分かれるところかもしれない。

*2:たぶんオールスター系のカウントには含まれないだろうが…

【アニメ】キラキラ☆プリキュアアラモード!第45話「さよならゆかり!トキメキ☆スイーツクリスマス!」感想

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このあとすぐから早速誘ってくるエロ猫の鑑ニャ…

 

さて、今回はお待ちかねのゆかり単独回…だったのですが、どちらかと言うとゆかりを含めてプリアラメンバーの絆の強さと、これからのキラパティの行く末を暗示するという非常に深い回でした。

 

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話の流れとしてはクリスマスのイベントを考えていたプリアラメンバーでしたが、普段自分からの提案はしないゆかりがクリスマスパーティーを企画、訝しむメンバーをよそにゆかりはシエルにマカロン作りを指南されたり着々と準備を進めるのですが、パーティー当日、以前から考えていたコンフェイト公国への留学を発表、皆を驚かせる…というものです。

 

今週のゆかりさんについて

正しく今週のゆかりさんは集大成でしたね。

留学を決意するくだりは先週の予告からある程度察知は出来ました。ですが、その留学の目的自体がスイーツの修行であったり、様子が少しおかしいゆかりを心配したペコリンにずっと一緒である事を優しく諭したり、実はいちかに依存していた事を見せてみたり、今までの気まぐれな行動も含めた彼女の全ての言動・行動が今話のための布石だったとすら言っていい。

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後半にエリシオが急襲してきた際に、単独回であったのにも関わらず変身バンクが単独でなかったのも、彼女が最も大切にしてきたのは実はプリアラメンバーとの絆だった事の表れだったと思います。

その戦闘シーンも序盤こそミニディアブルを大量にばら撒かれ苦戦するものの、エリシオと直接対決に持ち込もうとしたキュアマカロンを他のメンバーが次々とバックアップしていくというもので、因縁浅からぬゆかり=キュアマカロンがエリシオに手持ちのカードを尽きさせるという大打撃を与えることに成功しました。

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エリシオは結局ゆかりの本質に最後まで気が付けなかったのですね。先回のゆかり闇堕ち回もそうでしたが、彼女が孤独な存在であるという点に注視し過ぎた訳ですが、実際のところは正反対であり、キュアマカロンの狙いを悟ったプリアラメンバーに次々フォローされるという彼女の力を完全に見誤って敗北する事になりました。今週の話(いちかに甘えたり、シエルとのマカロン作りの特訓)も含めて今までのシナリオがあったからこそできた演出であり、これがキュアマカロンの強さだったのですね。

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「心が空っぽの道化が何をしても虚しいだけよ!」

そして、その絆を今までのシナリオで色々な視点で見てこれたからこそ、彼女も留学という皆と別れ別れになる選択をしたのでしょう。別離しても皆との絆は不変である、と確信したからこそ。少しゴプリの最終回に似ていましたね。

留学の話と言うと、どうしても思い出されるのがスマプリのれいか留学回ですが、あの話はれいかが皆と共に歩みたいが故に最後は留学を諦める、というものでした。が、彼女が留学先で何がしたいのか不透明でしたし、留学自体を以前から希望していた、という設定も相まって、最後の決断は問題を先延ばしにしただけに思えてどうにも納得は出来ませんでした。

翻って、ゴプリのきららの件や今回のゆかりの件は、彼女達なりに目標を見据えてしっかりとした結論に基づいており、非常に納得のいくものでしたね。特に今回のゆかりは上でも書いた通り、今までの全シナリオでのゆかりという存在を集大成としてまとめた良い展開でした。

 

また、今回はいちか自身も、最初にゆかりがクリスマスパーティーを提案した際にも他のメンバーが訝しんでいる間も明るく振る舞っていましたが、どことなく空元気に見えました。

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が、留学を発表され、エリシオを撤収させて一段落した後に、ゆかりのマカロン食べながら感極まって泣く場面はベタでしたが、いちかの健気な一面が垣間見えました。本当にいい子だなあ…

 

反面、今回は数々の謎というか…布石? と思われる演出が散見されました。

  • キラパティの将来について
    あおいが提起した問題ですが、このままキラパティをずっと続けていくのは難しいのではないか、という事が示唆されました。

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    正直言えば、いちか以外全員が何らしかの事情を持っており、ひまりはスイーツの研究が目標ですからそこまでキラパティでの活動とは外れていませんが、あおいはバンド活動、あきらは受験、シエルは元々自分の店があり、ゆかりは留学で別離。最終回でキラパティ自体がどういう運命を辿るのか、俄然興味が引かれます。
    そう言えば、少々気が早いのですが、プリアラも前作の様に最終回は引き継ぎシナリオにするのですかね? そうなると、実質最終回まであと3回しかシナリオは無いんですよね。大終盤も大終盤ですね。なんかあんまりそういう感覚はないんだけどな。あっという間に過ぎた作品というイメージです。
  • 敵側サイドの場面でノワールがエリシオを手懐ける際に、あごの下を撫でるという、ゆかりと全く同じ行動をしました。

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    流石にゆかりとノワールに繋がりがあるとは思えませんが、何かの暗喩ですかね? それと連動してなのですが
  • 序盤で三ツ星にゃんこがゆかりに顎を撫でられるシーンがあったのですが、顎を一通り撫でられた後、淋しそうに何処かへと去っていきました。

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    そしてクリスマスパーティー当日、幾人かが三ツ星にゃんこが姿を消したと噂をしているという場面がありました。死期を悟った動物が…という展開かもしれませんが、この段に及んで三ツ星にゃんこを妙にピックアップするのは少々不自然であり、何かしら絡みがある様な気がします。
  • 今回敗北してボロボロになったエリシオが「光と闇、どちらかを一方的に消すことはできないのか…」と呟きました。

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    ノワール曰くエリシオは「人形」だそうですが、エリシオ自体にもまだ何か秘密がありそうですね。そして

 

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次回はいちおういちか単独回と言う事なのでしょうが、エリシオ黒バージョンが登場したり、ついにルミエル復活!? などかなり濃そうな内容みたいですね。上でも書いた通りシナリオもエンディングに向けて佳境に入ってくるのでしょうし、びっくり展開大歓迎なので、予想の斜め上を行ってほしいですね。

 

今週のプリアラを一言で表現

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ええい! この役得妖精め! ゆかりさんのおっ〇いに埋もれるとは! ああ妖精になりたい…

 

来週もキラキラル☆

 

【アニメ】キラキラ☆プリキュアアラモード!第44話「雪に秘めた想い!愛をさけべ、あきら!」感想

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炬燵堕ちはまあいいんだが、妖精達のだらけっぷりはあまりにヒドイ…

 

さて、今回はあきらにスポットを当てた回でしたが、うーん、何というか…一言でいうと非常に重たいお話でした。

あきらは元々プリアラチーム内で最も完成された人格を持つキャラクターです。基本スペックが高くローフルチックな性格が故の自分一人で抱え込むという弱点も、先回の運動会回の時に解消されましたし、年長ゆえの落ち着きと実は控え目な性格も相まってプリアラチームの中での一番の良心です。

そんな彼女にもう一つ弱点があるとすれば、それは妹のみくの問題な訳ですが、今回エリシオはそこを見事に突いてきました。

 

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話の流れとしては、みくの見舞いに来たあきらが将来に夢についてみくに問われるのですが、あきらはみくの病気のこともあって医学の研究者を志している事を明かします。しかし、あきらの長所をよく知るみくは、あきらには様々な可能性がある事を知っており、自分が姉の将来の枷になっているのでは…と悩み始める…というものです。

 

そんなみくに目を付けたエリシオは、みくの心の弱さに付け込んで彼女を闇の世界に拉致。しかも良くない事にみくの姉に対する引け目は相当大きかったようで、戦闘シーンの際、みくの闇の心を核にした巨大雪ダルマ型モンスターはキュアショコラを除くプリアラチームを圧倒する程強く、なかなか切ないお話でもありましたね。

これはとりもなおさず、みくのあきらに対する愛情が非常に大きかったのが裏返ってしまったが故であり、あきらもみくを大切にしているあまり自縄自縛に陥っていた訳ですね。

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みくが行方不明になり、あきらは必死の捜索の末にエリシオの罠に嵌り闇の世界にご招待され、エリシオとの単独戦闘になる訳ですが、みくを攫われた事で怒り心頭に達していたキュアショコラでしたが、戦闘中のエリシオの囁きで動揺があったのかもしれませんが、やはり単独での勝利は難しいんですね。

ここら辺をお約束からはみ出していて微妙、と取るか、現実的であり感情を昂らせたところで実力差自体は埋まらない、と取るかは難しい所ですかねえ。個人的見解としてはどちらかというと前者であり、みくを奪われている事に加え、恐らく今回があきら最後の単独エピソードである事を考えると、ちょっと締まらんなあ、とは感じました。ただし後述しますが、物理戦闘で勝つ必要性そのものがない、それがプリアラのカラーなのかな、とも感じます。

エリシオが残った最後の幹部ですからしょうがないのでしょうが、搦め手をメインで使うキャラでありながら、戦闘力が普通に高いのもちょっと違和感というか万能感が鼻につきます。

さて、あきら以外のプリアラメンバーもみく捜索に協力していた訳ですが、あきらが合流できない事に彼女が罠に嵌った事を察知、リオの力を借りて闇の世界に乱入してくるのですが、これってリオがいれば、いつでも闇の世界=ノワール陣営の世界に殴り込みがかけられる状態なんですね。ビブリーも出来そうですが、まあ、彼女はそういう事には協力してくれないかな(苦笑)。

 

みくの闇の心を利用した雪ダルマ怪物に吸い込まれてみくの内面に飛び込むことになったキュアショコラでしたが、その場に現れてさんざん闇への道を唆したエリシオの意図に反して、彼女の心は決して闇に染まることなく、今話のタイトル通りにみくに対して愛を叫んだため、逆転の切欠を作りました。

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話の序盤、いちかの家を訪れたあきらが、いちかの母親の写真を見て世界を駆け巡る医者である事に尊敬の気持ちを述べていましたが、結局、みくの病気の件が切欠になって医学の道に進もうとしている事は確かであっても、それで様々な人を助けられないか、というのがあきらの本意なのでしょうね。それでみくへの愛情が消える訳でも、ましてや縛らる訳でもなく、彼女は自身の進むべき道を堂々と見つけることが出来た。

みくに限らず、様々な人たちに支えられている存在であるあきらが、自身で出した明確な答え。それがあったからこそ、最後に何の躊躇もなくみくに対して自身の気持ちを伝え、彼女の闇すら払拭することが出来た。あきらは本当にいいキャラクターですね。

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闇にあくまでも染まらないキュアショコラが無事みくを救出した事で動揺を隠せないエリシオに対してPFAが炸裂して、今回も事なきを得ましたが、これは最終的にはエリシオの精神的な攻撃にキュアショコラが完勝したともいえる訳で、例え物理的な勝負(今回は剣での一騎打ち)には勝てなくても精神力では勝つという、そういう点では今作の特徴(精神力で戦うプリキュア)というのをよく表していた戦闘でもありましたね。まあ、迫力はないんですけど…

PFAの影響か、みくの心の闇を打ち払ったからか、闇の世界が崩壊しそうな表現がありました。これに対して、ノワールがどこからともなく現れ「こんなこと程度では闇は崩壊しない」と言っていましたが、闇の世界そのものがノワールそのものの様なニュアンスにも取れましたね。そう考えるとここに侵入するという事はノワールの中に自分から飛び込むようなものでかなり危険なのかもしれませんね。

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しかし、崩壊に巻き込まれちゃたまらん、とサザエさんのEDばりにワープゲートである電話ボックスに飛び込むのにはワロタ。

 

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最後にみくに雪ダルマ型のチョコトリュフをプレザントして、彼女の笑顔の大切さを再認識するあきらという感じで幕となりましたが、これで残る個人回はゆかりといちかですかね。そのゆかりさんですが

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来週はなかなかショッキングなタイトルですが、予告の台詞を聞いている限りではプリアラチームにサヨナラ、というよりは自身が進むべき道に関係する事のようですね。今回のあきらに触発されたのかもしれません。

 

今週のプリアラを一言で表現

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試験勉強で存分にアホっぷりを披露したいちかさんでしたが、考えてみると今作品って学園生活があんまり描かれなかったのよね。

 

来週もキラキラル☆

【アニメ】キラキラ☆プリキュアアラモード!第43話「かくし味は勇気です!ひまりの未来レシピ!」感想

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とりあえず、スイーツがらみのオーディションにスイーツ関係者っぽい人が一人もいないのはどうなんですかねえ。まあ、リアルにありそう…とも言えるけど。

 

さて、今回はひまりにスポットを当てた回だった訳ですが…一言で言うと克己の物語でしたね。

 

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話の流れとしては、友人の勧めによりスイーツ番組のアシスタントのオーディションを受けることになったひまりでしたが、実際はほぼアイドルオーディションの様相を呈しており、そこで悪癖であるスイーツ熱く語る病を発揮。その時の審査員の一言がひまりのトラウマを再発させてしまい…というものです。

 

前にも書きましたが、ひまりはこの作品内でも比較的目立たないポジションであり、全体を通してみてもあまり比重が傾かないキャラでした。それが故に時折見せるメンタル面の強靭さが表現されている節がありましたが、今回もその流れは継承されましたね。

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オーディション時に熱くなってスイーツオタクを発揮してしまい、幼い頃トラウマの原因となってしまった「それって必要ないよね?」という単語を再び審査員の口から聞かされたひまりは落ち込んでしまうのですが、その際にプリアラメンバーから慰められた時に「自分のこの気弱な癖に好きな事にのめり込んでしまう性格が嫌いだ」と吐露しました。

考えてみれば、彼女は元々そういうネガティブさを抱え込んでおり、この点についてはあまり解決はしていなかったのですよね。立花先生の助手を務めた回やあおいとパーティーに参加した回も、彼女のオタク気質のひたむきさによる、悪い言い方をすれば力業での解決が主で、彼女のトラウマの克服とはあまり関係ありませんでした。

そんな心の隙間を突く様にエリシオが登場。エリシオはあろう事か彼女が大切に書き溜めていたスイーツノートを燃やしてしまうという暴挙に出た上に更に彼女のトラウマを抉る様に精神攻撃をするという非情っぷりを披露しました。

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正直、そこまでやるか、の世界であり、その後ひまりを闇の陣営にスカウトするのですが、ひまりにとってはあまりにもショックな出来事の連続で、ない、と分かってはいても視聴者側としては本当に闇堕ちしてしまうのでは? とちょっとハラハラしながら見ていました。

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闇堕ち寸前のひまりでしたが、焼け落ちたノートの破片を見て、今までのプリアラチームと作ったスイーツの数々を思い返し、正気に戻ってキュアカスタードに変身、となりましたが…うーん…ちょっとあっさり過ぎの感は否めませんねえ。

これを彼女の芯の強さと取るか、尺の都合と取るか、難しい所だと思います。

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戦闘シーン自体も今週はお粗末であり、キュアカスタード変身直後にプリアラチーム合流。「本気で戦う」と宣言しながら全員拘束に成功したエリシオでしたが、それでもなお直接手を下そうとせず、キュアカスタードに精神攻撃を仕掛ける様は、流石になにやってんだ、コイツ? と思いました。そんな余裕を見せたおかげで、奮起したキュアカスタード及びプリアラチームに次々拘束を解除され、PFAで撤退に追い込まれるのはうーん…ですね。

エリシオは出来得ることならプリアラチームを闇の陣営に引き入れることに執着している様ですが、どうにもそこら辺の切り替えが甘いように見受けられます。そして、何より、これではエリシオがプリアラチームを自分からパワーアップさせる強化コーチ状態になってしまっているのが気になりますねえ。ここから先もこの演出が続くのかどうかは分かりませんが、それは彼に過去回で因縁があるゆかりとあおいぐらいで留めておいた方が良かったのでは? と感じました。個人的にはエリシオはゆかりのライバルポジが良かったんだけどなあ…

 

結局、ひまりは自分らしさをあくまでも失わない、という決意を以てトラウマを克服した様ですね。自分のオタク気質が人を遠ざける事はあるだろう、しかし、それで人が集まってくれることだってある。正にプリアラチームがそれであり、彼女はいちか達によって導かれて自分なりの答えを見出したのですね。流れ自体はとても良かったと思います。

プリアラは言うなればいちかが中心のストーリーです。ひまりに限らず他のメンバーもいちかという中心人物がいたからこそ成り立ったプリキュアであり、そういう点ではまほプリとは対極、どちらかというと成り立ちそのものはドキプリに近い。

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その証拠に今回、ひまりは自分らしさを失う必要性がないという結論を導き出したわけですが、彼女が燃やされたノートを見た時の過去のフラッシュバックや、エリシオに見せつけた自身の未来の映像では、彼女の周りに常に仲間がいる描写が殆どでした。いつでもいちかがいて、そして仲間がいて、立花先生がいて、妖精達がいて…そういう点では彼女は内向的だとも言えますが、彼女は元々裏方に徹するのを良しとするタイプですから、自身の強みを再認識した上でトラウマを克服したシナリオだった、と言っていいでしょう。

 

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最後に燃えてしまったノートの中身は自身の中で息づいている、そしてこれからもノートは増えていく、というメンタルの強さを見せて今回は終了となりましたが、ひまりはそういう点では未来を見据えて一直線に突き進むキャラクターなんですね。先回、あおいとひまりは似ていると評した水嶌の目に狂いはなかった、と言った所でしょうか。

 

次回は…今度はみくが標的ですか。

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これまたエリシオへのヘイトが上がりそうな…でも着実にプリアラチームの弱点を突いていくスタイル自体は、これぞ悪役、という感じで好きですねえ。上でも書いた通り、悉くプリアラチームの強化を促しているのが苦笑なのですが…

 

今週のプリアラを一言で表現

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ゆかりとあきらのスカウトをしたスカウトレディー…その名前…絶対、増子美代の親戚だろッ!!

 

来週もキラキラル☆